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夢小説設定
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その日の夕方
==
部屋のドアを開けると、まだ居ない夢姫に不安を覚え部屋から出ると
「お兄ちゃん!」
「夢姫?」
いつになく元気な姿の夢姫に驚きを隠せないでいると
「あのね、あのね!」
「ゆっくり話してごらん」
夢姫の後ろにはきっと夢姫の話に付き合わされたのであろうヒロの姿
「お帰り。どうだった」
「取り合えず、まずは僕の戸籍だけを抜いてきた」
「もう抜いたのか」
「あぁ。来週には夢姫を僕の戸籍に移す」
「そうか」
「そうすれば夢姫の親権は僕になる。ただどうしても此処にいる間は何もできないから向こうに負担を強いることになるが」
「まぁ普通ならそれは親の役割だと思うけど。夢姫もあの家にいる時よりもいきいきとしているからね」
「あぁ」
足元でキョトンとした顔をしている夢姫を見ていると
「ハギと松田と遊んできたらしくてね」
「あぁ、遊びに連れて行ってくれたのは知って居るんだが」
「あのね、お兄ちゃん」
「ん?」
「ケンちゃん達とまた遊びに行きたい」
そう言った夢姫。夢姫にしては大分、いや大きな進歩だろう
「ハギたちに聞いてみればいいじゃないか」
「恥ずかしいんだよ。俺達以外で名前で呼んでるのハギくらいだし」
「そう言えばそうだな」
「そうそう、ハギからいい写真送って貰ったよ」
「写真?」
「あぁ。それと洋服」
「なんで洋服迄」
「この洋服が夢姫には少し小さいだろうって」
「そうか」
その袋の洋服は夢姫の好みの服ばかりで
「あいつ等で良く分かったな」
「確かに」
「あのね?」
「うん?」
「ケンちゃん達とご飯も食べたんだよ」
「残さなかったか?」
その質問に後ろから噴き出した声が聞こえてきて
「なんだよ?」
「いや、流石は夢姫の兄貴だと思っただけだよ」
「は?」
「諸伏と同じ質問してっからなゼロ」
「ちゃんと食べたよ?」
「食べきれる分だけな」
「そうか」
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数日後
「けんどー?」
「そう、剣道をするんだ」
きっと剣道と言っても分かって居ないのが夢姫だろう
「うーん…」
「ヒロたちと一緒にいればいいさ」
「そっか!」
あれからみるみる明るくなっていく夢姫を見た後
今は剣道道場にいる
「そうそう、ねーちゃんの休み、俺と被るまで半年先なんだよ」
「はんとしぃ?」
「そう、半年」
「半年ってどれくらい?」
どれくらい?
「もっと涼しくなってからだな」
「すず?」
「そう」
食堂まで歩いてきた夢姫と僕たち
「お、来たなちびっこ」
「おはよう夢姫ちゃん」
「おはようケンちゃん」
「今日も一段と可愛いじゃねぇか夢姫」
「おはよう航君」
そう、警察学校で最後に呼ばれるだろうと思っていた班長にはドストライクで刺さったらしい
「今日は和食だったぞ」
「わしょく?」
「これだ」
そう見せてくれたのは白いご飯とお味噌汁があって
「ゆきのすきなの!」
「だろうな」
朝ごはんは基本全員同じものだ。ただ食事の量を選べるって言うだけで
「ゆきは朝しっかり食べるもんな」
「たべるー!」
「じゃあ僕たちで夢姫の分も持ってくるからちゃんと座ってるんだよ」
「はいっ」
「いい子だ」
ここに子供用のイスはない。大人用の普通の椅子だけだ。
それでもあれから少しずつ身長も伸びている所を見ると夢姫にとってはいい環境なのかもしれない
朝ごはんを取って夢姫の分も自分のお皿に乗せて、ご飯と味噌汁だけヒロが取ってくれていて席に戻ると
「随分と早かったな」
「そりゃなぁ」
夢姫の前にお盆とご飯と味噌汁を置くと
「お前おかずの皿は」
その直後に魚をほぐしてから夢姫のご飯の上に少しだけ乗せていく
「いただきますっ」
それを見ていたのは学生たちだ。夢姫は普通の子よりも食べるのもゆっくりな所がある
「ゼロってばこうしてると父親にしか見えないよね」
「ほぉー、じゃあヒロが夢姫の母親にでもなるか?夢姫も喜びそうだけどな」
「そしたら夢姫に餌付けできるのは俺の特権だね」
ムグムグと食べている夢姫を見ているとリスを彷彿とさせるようで
「ゆっくり食べればいいさ」
「お兄ちゃんと一緒に行くんだもん」
「はいはい」
それでもご飯とお味噌汁、付いてきた味付け海苔はしっかり食べ終わっている
「やっぱりおかずは残るか」
「まぁ朝はいつもだろ」
「そうだけど」
椅子から降りてお盆を持っている姿も可愛いが、夢姫からしたら重たいものだろう
先に下げていた班長が夢姫の持っているお盆を受け取ってくれた後夢姫は辞儀をしていた
走って僕の所に戻ってきた夢姫に
「お帰り」
「ただいま」
僕も朝ごはんを食べ始めるのはいつもの事だ
更衣室で道義に着替えて稽古場に行くと
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「逮捕術とは日本古来の武道をベースに被疑者及び現行犯を逮捕・拘束するために練り上げられた技術である」
その中では航君とじんぺー君が稽古を始めていたが
「一本!それまで!」
そうそう終わったのは航君が勝ったからだ
「班長鬼強じゃねーか!」
「俺なんか面が潰れたかと思ったよ」
「イテテ」
なんて話しているヒロ君たちの隣でヒロ君の手を借りながらジャンプしている
「つーか」
「ん?」
「よくちびっこも怖がらねぇよな」
「休みの日の班長だけだよ、怖がらないのは」
「は?」
「普段の班長は怖がられてる」
「へぇ」
「ただの殴り合いなら負けねぇのによぉ」
「俺も女と車の扱いなら負けねぇ」
「あ、でもホラ班長彼女いるって」
なんて言っているヒロ君達と
「週末どっかに行かねぇか?」
「工具店じゃなくカー店やバイク店ならいいぜ?」
「それなら俺も付き合うよ」
「ゆきもいきたい」
「一緒に行こうな?」
「うん!」
「バイク店っつったらこの前妙な
「タトゥー?ってなぁに?」
そしたらケンちゃんがあたしの腕をツンツンしながら「ここに色んな絵が入ってるんだよ」
「ゆきも入れたい」
「「それだけはぜってぇにダメ」」
そう反対したのはケンちゃんとじんぺー君で
「タトゥー…ねぇ」
「ああ。台付きの盃…ゴブレットっつーの?あんな図柄の…」
その瞬間ヒロ君の表情が変わっていて
「それ、どんな男だ!?」
どこに住んで、名前は?とかいろいろと聞いているけど
「知らねぇよ!タトゥーに興味あんならバイク店に今晩行ってみっか?常連みてーだったから店員に聞けば分かるかも…」
その瞬間ドサッという大きな音と共に倒れたのは違う人で
「まじか!?伊達班長…」
「10人抜きかよ!?」
「次!降谷!!」
「はい!」
「コイツは見ものだねぇ」
「学科の成績は降谷が上だけど、コレはどうなるか…」
「お兄ちゃん頑張ってー!」
「行けえゼロ!リア充野郎に負けんじゃねぇぞ!」
「やっぱそこ?」
「ヒロ君」
「ん?」
「りあじゅうってなぁに?」
「うーん…」
首をひねっているヒロ君に聞いていると
「夢姫ちゃんにはまだ早いかな」
「ゆきは早いの?」
「はえーよ。もっと大きくなったらな」
もっと大きく…
そんな中ケンちゃんとじんぺー君がなにやら賭けをすると言っていて
お兄ちゃんが勝ったら焼きそばパン。航君が勝ったらメロンパンと言っている
「パン?」
「パンだね」
「ゆき、クリームパンが好き!」
お兄ちゃんが止まってしまったタイミングで打たれてしまったのは航君じゃない。お兄ちゃんだ
「おいおいおい」
「焼きそばパンげっとぉ!」
「ゼロ!?」
お兄ちゃんは起き上がっていて
「相手をも無傷で制圧する。それは制圧で来た時の話だ。ガッカリだよ降谷」
そう言ってお面を取った航君は
「なぜ俺の膝を打ち抜かない?どうして躊躇した?これが本物の現場ならお前は大怪我を負い、被疑者は逃走しているぞ!凶悪犯に情けなんて通用しねぇ。こっちが弱さを見せたら最後とことんそこに付け込まれて、待って居るのは親父の様な最悪の結末だけ。誰よりも強くなければ正義は遂行できねぇんだよ!」
ヒロ君にくっついていると
「俺は何か、間違ったことを言っているか?」
「航君、こわい」
その日の夜お兄ちゃんの隣でゴロゴロしながら縫いぐるみで遊んでいると
コンコンとノックの音が聞こえて
「あ、はい」
ガチャと開けたと同時にいたのはヒロ君で
「あ、悪いゼロ、寝てたのか?」
「いやちょっと横になって考え事をしてただけさ」
「夢姫は?」
「遊んでる」
「そうか。これから松田たちとちょっと外に出てくるんだけど、買って来て欲しい物とかあるか?」
「特にないよ…」
「そっか、邪魔したな」
ドアを閉めた後、「あ!」と言ったお兄ちゃんは
「コンビニに行くなら歯磨き粉…ってもういないし」
戻ってきたお兄ちゃんに
「夢姫も上に何か羽織った方がいい。出かけてこようか」
「だいじょぶ?」
「平気だ」
お兄ちゃんと一緒に外に出ると
「航君だ」
「降谷兄妹」
「伊達班長」
一緒に歩いていると
「昼間は道場で悪かったな。ちと言い過ぎた」
「いやいや」
「俺の親父の事なんざお前らには関係ねぇのにな」
「確かお父さんも警察官だったんだよな」
「あぁ。交番勤務の巡査長!ヒョロっとしてて見た目は弱そうだったけど俺は尊敬してたよ。夢姫は兄ちゃん尊敬してるもんな?」
「んー?お兄ちゃんは大好きだよ!」
「そうか」
お兄ちゃんが好きなのは嘘じゃない、本当の事だ
「親父が非番だったあの日まではな…親父が入店した直後に事件は起こった。返り血を浴び興奮した男が木刀片手に「金を出せ」と飛び込んできたんだよ。当然店内は大パニックだったけど、俺は怖くなかったよ。相手は1人。きっと警察官の親父なら何とかしてくれる。そう信じてた俺の目に映ったのは土下座して犯人に懇願する情けねぇ親父の姿だった。なんとか親父に本気を出させようと俺も向かってったが、その言葉が逆に火に油を注いだように、男は親父の体に木刀を何度も何度も振り下ろし続け、そうこうしている内にパトカーのサイレンが聞こえて男はコンビニから出て行ったが親父は1年間入院する羽目になり、その怪我が元で警察官を辞めることになっちまったんだよ。後で知ったことだが、あの事件は縄張り抗争に負けた暴力団員が逃亡資金欲しさに起こした犯行で、その後も違う店で傷害事件を起こしていたそうだ。あの日親父が強くてあの男を捕まえていたら、被害者を誰1人出すことなく、正義は遂行されたというワケだ!」
コンビニに着くや否や
「夢姫、すきなお菓子1コだけ買っておいで」
そう言ってくれたお兄ちゃんの手を離して、お菓子売り場に来たあたしはそうそうにいつものお菓子を選んでお兄ちゃんの所に行くと
ダアンっというデカい音にびっくりしてお兄ちゃんにしがみついたあたしに
「大丈夫だ」
直後に中にいる人たちのスマホを取ったおっかない人たちは航君の頭を殴っていて
「…!!」
奥から出て来た人たちもいて
「おいおいおい一体何人仲間がいやがんだ!?」
後ろで手を縛られたあたしを含めこの中にいた人たち
「いいか!物音なんか立てやがったら1回につき1人ずつブチ殺すからな!」
お兄ちゃんの隣で、震えているとお兄ちゃんは何かをしていて
ブチっという音につられてお兄ちゃんのテープと縄を解いてくれた航君は
「夢姫、少しだけ我慢できるな」
コクリと頷いたあたしに
「しかし、犯人たちの狙いはなんだ」
「ATMの現金補充の金だよ。防犯上補充のタイミングは誰にも知らされていないけど、ATMの防犯映像で大まかな収支をチェックしていれば予想はつく。残り100万円以内になったところで立て続けに仲間に引き落とさせれば、銀行から現金補充に飛んでくるって訳さ」
「でも何で奴等は顔を隠してねぇんだ?店員なんてサングラスすらしてねぇし」
「事が済んだら皆殺しにする気なのかも」
お兄ちゃんの言葉に他のお客さんたちも動揺している
