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翌朝、少し遅めに起きたのは昨日遅くまで話をしていたからだ。
心空ちゃんの好きな男性のタイプが実はお兄ちゃんとヒロ君を足して2で割ったような感じだと言っていた
「そんな人って本当にいるの?」
「さぁ?今はいないからって言うのはそういう事なのよ」
「そっか」
なんて話をしていると
「そう言えば、聞いてなかったわよね?なんで松田さんを好きになったとか」
エレベーターに乗って早々に聞かれたその質問に
「内緒」
「夢姫の癖に生意気な!」
途中一緒に乗って来た跡部君達に
「それは俺達も気になる話じゃねーの」
「教えるつもりがないもん」
陣平君達が警察学校に行っているときに出会ったなんて絶対に教えてやんないんだから
「良いじゃねぇかよ。減るもんじゃねぇだろ」
「絶対に減る」
確実に減るから教えたくない
「絶対に陣平君のカッコ良さに気づいちゃうもん」
「どんなんだよ。男が他の男のカッコよさに気づくって」
「ホンマやな」
エレベーターを降りると
「じゃ夢姫行きましょ」
「うん」
ホテルを出て気晴らしに散歩をしながら歩いているとあちこちに張られている空手のポスター
「空手だって」
「あたし興味ない」
「あんたは一何に興味を示すのかしらね」
「興味…かぁ」
うーん…と考えていると、お兄ちゃんたちが警察学校時代によく陣平君が何かを解体しているのをよく見てたって言ってたような気がするんだよなぁ。なんて思いながらそのポスターを見ていると
「今回は一寸ばかり特別でな。ま、事情はおいおい話してやるよ」
なんて声も聞こえて来たけど「特別」か…あたしも陣平君の特別が欲しいなぁ
その直後に出くわしたのは
「あら、毛利さん」
「夢姫の知り合い?」
「うん。まぁ、ちょっとね」
「でもなんで彼女」
「今修学旅行中なの」
「修学旅行で海外だなんてなんて凄いの!」
なんて言われていたけど
「氷帝学園じゃ当り前ですよ?中等部でも高等部でも修学旅行は海外なんです」
「へぇ」
そしてスーツケースの上に座っている子供はコナン君に似ていて
「そうだ良かったら一緒に空手の試合でも」
なんて言われたけど本当にあたしは興味がなく
「どーする?」
「どうしようか」
なんて話をしていると、その出ると言われている日本人選手の男の人も来ていて
「大会に出場できなくなった?私たち、真さんの試合を見に来たのに」
「すみません。今日のトーナメント自分はある方の招待を受けてエントリーしていたのですが」
「つまりスポンサー?」
「はい。弁護士をされているシェリリン・タンという方が旅費・滞在費、全て出すから出場してみないかと」
「その方、この間お亡くなりになりましたよね」
「はい。今日その方の関係者から話は全て無かったことにしてくれと言われました」
「そんなぁ」
「この大会にはシンガポール最強と言われる選手も出場されるとか。1度戦ってみたい選手だったのですが」
なんて話をした彼を見たボブヘアの女の人は何処かに電話をかけていて
「万事解決!真さん招待選手として再エントリーできたから」
それには嬉しそうな男の人も一緒で
「あれ?」
「おねーさんたちは見ないの?」
「興味ないかな」
「悪いわね。私も興味ないのよ」
「「えー…」」
えー、と言われても。スマホでシンガポールの観光名所を調べていると
「ねぇ心空ちゃん」
「ん?」
「ここ行ってみたいかも」
「いいわね。行きましょ」
「おねーさんたち何処に行くの?」
「色々と」
「そう長々とシンガポールにいるわけじゃないのよ」
「えー…」
「そう言えばいつまでシンガポールに?」
「火曜日までには日本に帰ってればいいからねぇ」
「そうね。遅くても日曜日にはここを出る予定だから」
「そうなんだ」
毛利さんたちと別れて、色々と回った場所は無料で観られる場所が圧倒的に多い
そして美術館を出た頃には夕方になっていて
「あれ?」
慌てて走っていった女の人は昼間に見た子にそっくりで
「見つけた。助けてください」
彼女の目線の先にはパトカー。だけど出て来たのは警官じゃない
急発進した車を見たあたし達は彼女の悲鳴も聞こえていて
「取り合えず…」
救急車と…でもこっちの番号が分からなくてオドオドしていると、地元の人が電話をしてくれて
「園子さん!」
彼女の名前を呼び続けている彼はきと相当心配なんだろう
「だがなんでお前たちまで」
「ちょうど出てきたタイミングで彼女が走っていくところを見かけたのよ」
「走っていくところ?」
「そう。でも何があったかなんて知らないけど、急発進してきたパトカーしかその後は見ていないし、彼女が倒れている所だけなのよ」
「そうかよ」
お兄ちゃんたちがいたらうまくやりくりしてくれるんだろうけど、近くにいるとはいえあまりここには呼びたくないのも事実だ
彼女は命に別状はなく、今は寝ているから明日検査をするとの事だ
「じゃあ私たちも帰るわね」
「おい、お前たちだけじゃ」
「あたし達は大丈夫なので」
「「え?」」
「大丈夫って、何を根拠に」
「まぁいろいろと」
病院を出るとすでに夜になっている
「早く帰ろ」
「そうね」
なんて話している間に目の前に止まった車
「全く」
「無茶するなぁ夢姫」
「お兄ちゃん!」
「乗りなよ。ホテルまで送る」
わーい
「あー、悪いけど五十嵐さん助手席で」
「え?でも」
「まぁ色々とね。夢姫は俺と後部座席」
「はぁい」
きっとそれなりの…と思ったけどやっぱり下にはヒロ君の仕事道具が積んである
「仕事?」
「あぁ。面倒なのがいてね」
めんどうなんだ。なんて思ってたのに
「ゼロは仕事片付けて来ちゃったって言うから仕方なく俺が」
「そういうこと」
「んじゃ、ゼロ頼むよ」
「あぁ」
お兄ちゃんは若干スピードを上げていて
「ちょっとホテルまで遠回りするから」
「そんなになんだ」
「夢姫、彼女も悪いが体をかがめられるか」
「あ、うん」
窓を開けたヒロ君は後ろの車の方に向いている
平気なんだろうから向いているんだろうけど
パシュっといった音としばらくした後に物凄い衝撃音が聞こえてきている
窓を閉める音が聞こえるから終わったんだろうけど
「もう大丈夫だよ」
そう言ってくれたのはヒロ君だ
「ふぃ~」
「相変わらず」
「すまなかったね。君にまで」
「あ、いえ」
ホテルまで付くと
「着かれていて食事処じゃない」
「夜景を見るためのプールにも入ってないし」
「あはは…」
苦笑いをしたあたしに、お兄ちゃんからの連絡が入って
「心空ちゃん」
「ん?」
「早めに帰国しよっか」
「何かあったの?」
「お兄ちゃんたちが日本で美味しいお店に連れて行ってくれるって」
「あら。それもいいわね」
なんて話を進めていると騒々しいくらいのサイレンも鳴り響いていて
「何?」
「パトカーの音?それも1台とかじゃない。何台もいる」
「そうみたいね」
「まぁどうでもいいけど」
なんて話をしてお兄ちゃんには「水族館を見てから帰国する」と連絡をすると「分かった」との返事
「荷造りだけしときましょ」
「だね」
