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翌日
リビングで雑魚寝をしてしまっていたあたしが起きたのはまだ皆が寝ている時だ(ヒロ君は起きてるけど)
「おはよう夢姫」
「おはよう。昨日お風呂入らないで寝ちゃった」
「そうだな。風呂に入れって言ったのにウトウトしてたから眠かったんだろ。あいつ等が起きる前に先に入って来な」
「そうする」
お風呂に入って、部屋義を着て部屋に戻るとすぐに髪の毛を乾かして制服に着替えて下に降りると
「「おはようさん」」
「おはよう、ケンちゃん陣平君」
「夢姫、朗報だよ」
「朗報?」
「今日はね松田が休みらしいから送迎してくれるんだって」
「そうなの!?」
「あぁ。ここんとこ働きづめだったからな」
そうなんだ。流石刑事さんだ
「それでもって、試験がお昼までだからランチにも連れて行ってくれるんだって」
「!!」
「頑張れんだろ」
「頑張る!」
「ホント、じんぺーちゃんにだけめっちゃ恋する乙女だね夢姫。たまには俺達にもそれを見せてくれたって構わないんだぜ?」
なんて言ってるケンちゃんは今日もお仕事なんだって
「どこに行きたいか。考えておけよ」
「え?」
「行きたい場所に連れて行ってやるよ」
「やった!考えておくね」
あー…でもヒロ君お手製のお弁当
「今日の夕飯を中華にしてあげるよ」
「やった!」
「単純」
「そこが可愛いんじゃない」
なんて言われて朝ごはん食べて身支度を整えると
「行ってきます」
「気を付けるんだよ」
「はーい」
陣平君の車に乗り込んですぐに陣平君は煙草を吸っていたけど
氷帝に着いてすぐに
「そうだ」
「うん?」
「帰り楽しみにしとけよ」
帰り?なんて思いながら外に出て直ぐに
「目ぇ閉じてろ夢姫」
「なんで」
「いいから。目閉じとけ」
素直に目を閉じた時に感じたほのかに香ってきたのは香水の匂いだ
「いいぜ」
「これって」
「特別な。頑張って来い」
「うん!行ってきます!」
ルンルンで教室に入ると
「おはよう降谷さん」
「おはよう」
「今日はなんか男の匂いがついてんな」
「そりゃ送迎してくれてるからね」
「だがそれだけで」
それだけで?なんて思っているとそう言えば陣平君は煙草を吸う。あたしの制服に着いた匂いをごまかすためなのかな
「でも何だか嬉しそうね」
「え?分かるの?」
「「分かるだろ」」
「むしろ分かってねぇって思ってるお前の方がすげぇよ」
「酷くない?」
「本当の事だ」
「なーいーしょ」
「「内緒だって」」
「そう言われると余計に気になるなぁ」
気にしないで欲しいんだよなぁ
「テスト前にスマホだけ見ておこ」
「なんで」
「テスト前にスマホを見る必要があんだよ?」
「まさかカンニング…」
「そんなことしないよ。苦手教科はいくらやっても苦手だし嫌い。そんな事は相手も知ってるよ」
「へぇ」
「じゃあ何を…」
そうあたしのロック画面はお兄ちゃんたちの警察学校時代の写真
待ち受けは陣平君とのツーショット。これだけで十分頑張れる要素になる
「すげぇな」
「良く見たらお前の迎えに来てくれてる人たちじゃね」
「だけどよ、良く見てみろ。コイツの護衛やってる人間がここに写ってるんだぜ?」
「「確かに」」
なんて話しているときに陣平君からの連絡が入って『昼前には迎えに行くから終わったらそっこーで出て来い』と書かれていて
「傍若無人だな。この連絡だけ見てると」
「関わりがあるのと無いのじゃ大きな差が出来るからね」
「あ?」
「今の連絡の持ち主だってみんなが傍若無人だと言ってるけど、結構色々と面倒見てくれてるんだから」
「面倒ね」
「そう」
きっとこれから先もずっと好きでいる人には変わりはない
「その香水の匂いと関係があるのかしら」
「「香水?」」
「そう、香水」
「よく分かったね、この匂いが香水だって」
「柔軟剤にこんな匂いないもの」
まぁそれもそうだ
「で?」
「あるよ」
これと同じ香水買ってくれるかなぁ…駄目ってずっと言ってるけど
「あるのか」
「ある」
「中等部で散々告白されているのに断り続けていることで有名な『高嶺の花』の降谷夢姫さんにもそんな人がいるのね」
「いるよ。小学生の頃からずっと好きな人」
「はぁ!?」
「それには私も驚きだわ」
先生が入ってきて、テストが始まるのと同時にめい一杯悩みまくって出した回答と午前中のテストで疲れ切ったあたし
「出来たの?」
「なんとか?」
「なんで疑問形なのよ。そう言えば名前教えて無かったわね」
「そう言えば」
あたしの名前は知ってるのにね
「五十嵐心空よ。心空って呼べばいいわ」
「じゃああたしも夢姫って呼んで」
「遠慮なく」
「そう言えば小学生の頃からって事は」
「幼稚舎で一緒だった奴か?」
「全く違う」
「ちげーのか。つーことは氷帝の奴じゃねぇって事だな」
「氷帝の人たちじゃないね。幼稚舎だってあたしは途中からだし」
「そうなのか?」
「うん。だってあたし幼稚舎の3年の本っ当に途中からだったし」
「どういう」
「あたしが入ったのは10月の後半だもん」
それには驚きを隠せていない人たちで
「なんでそんな中途半端な…」
「それだったら、4年生まで」
「待てなかったんだよ。待てなかった事情があるの」
本当は連絡も取り合っちゃいけないはずのお兄ちゃんたちと一緒に住んで、連絡も取り合って一緒に生活しているんだから
まぁ、お兄ちゃんは別に1つ安いアパートを借りてるみたいだしね。仕事用に
「待てなかった事情?」
「だってただの」
「公務員だろう?」
なんて皆がそう言って来るからね…
「こう言ったらわかる?お兄ちゃんたちは皆、公務員だけど
「はぁ!?」
「やっぱりそういう反応だよね」
「あの写真と何か関係がありそうだな」
「あるね」
丁度よく入って来た黒のハリアーを見たあたし
「じゃ、帰るね」
「なぁ」
「何?」
「どうしてそんな変な時期にお前は氷帝に来たんだよ?」
「何でだと思う?」
「疑問形を疑問形で返すな」
すぐにわかるよ。そう言えば下に降りたあたしと一緒に皆も降りてきている。まぁ今日までは部活も無いから添えが普通なんだけど
助手席のドアを開けると
「コイツの匂いと一緒?」
「だけど若干タバコくせぇ」
「皆そう言うよね。あたしはこの匂いが好きだけど」
「はぁ!?」
後部座席に荷物を置いて助手席に乗り込むと
「ただいま陣平君」
「おう、お帰り」
「やっぱりこの香水欲しいなぁ」
「買ってやんねぇよ」
ちぇ…
「降谷とこの人の関係って」
「ある意味兄妹だな」
「ある意味?」
「今朝言ったあたしが小学生のころから好きな人」
「そう言っていたな」
「陣平君だもん」
「堂々と公言すんな」
「いいじゃん。もう好きになって7年だよ?」
「そうかよ」
ドアを閉めるとシートベルトもちゃんとする
「みんな驚いてたね」
「そりゃ、堂々と俺が好きだなんて言ってりゃ驚くだろうよ」
「そうかなぁ?」
「俺と出逢って7年。諸伏はもっとなげぇってなったらもっと驚かれんぞ」
「そうかもね」
「あんな零大好き、諸伏大好きだってなって奴がなぁ」
「今でもお兄ちゃんたちは大好きだよ?でもそれは家族としてだし、ヒロ君だってお兄ちゃんと同義だよ」
「そうか」
取り合えず着替えをしてからと陣平君が言ってきて、ショッピングモールで買い物をと言うことになり洋服を見ていると、簡単にワンピースでいっかと思っていると
「お前って本当物欲ねぇな」
「どういう事?」
あたしが見ていたのは割と安めのお店。だけど陣平君は
「なんでこんな高い所じゃなくても」
「いいじゃねーか」
そう見せてくれたのはやっぱり高くて
「ね…ねぇ」
陣平君はあたしの言葉を無視して何も言わずに観ていた服を買ってきてくれて
「着替えて来い」
「え?」
「制服のままじゃ怪しまれるだろ。タグも切って貰ってる」
そりゃそうかも知れないけど、なんて思いながらトイレで着替えてくると
「さっすが陣平君。サイズまで把握してる所は流石だよね」
着替えて陣平君の所に行くと
「似合ってんじゃねーか」
「そう…かな」
あたしにはどうしても大人っぽく見えてしょうがない
「むしろあいつ等がこういう服を選ばせねーのが不思議だけどな」
「え?」
「あいつらはいつまでたってもお前は可愛い妹なんだろうよ」
「それはそうだろうけど」
なんて話しながら歩いているとある場所で止まった陣平君
「ここ?」
「あぁ」
そう連れて来られた場所は香水の専門店
「お前に合う香水選んでやるよ」
「陣平君と同じのが良い」
「だーかーら」
「いつだって会えるわけじゃないんだもん」
「あ…」
「だから少しでも」
一緒にいられるのは陣平君と同じ香水だけだと思ったんだよ
「夢姫」
「陣平君?」
「それは誕生日まで待ってろ」
誕生日?
「もうすぐだろ」
「そうだけど」
「もう少しだけ待ってろ。その前に」
そう言って選んでくれたのはイチゴの様な、モモの様な甘いにおいの香水で
「お前にはこれが合うな」
「え?」
「1つだけ自分に合う香水持ってろ」
「なんで?」
「お前がどこにいてもその匂いで分かんだろ」
あ…
そのまま陣平君と一緒にご飯を食べてショッピングモールを歩いていると
「お前本当に休みだったのかよ」
「嘘は言わねぇよ」
そう目の前にいたのは航君で
「夢姫からお前と同じ匂いがすんな」
「今日は同じ香水つけてっからな」
「珍しいじゃねーか」
「まーな。つけても欲しいっつーからマジで欲しいんだろうよ」
「夢姫らしいっちゃらしいが」
「そういや、捜一の奴等がウロウロしてんな」
「お前は気づいてたか」
「あぁ。気づかねぇわけがねぇ」
「ここで爆破と殺害予告があったんだよ。何もねーことを期待して―が、この間のビルの一件もある。念には念を入れてるって事だ」
「そうか」
「夢姫も気にすんな」
「え?」
「予告はあくまで予告だ。松田を借り出したりはしねぇよ」
「うん」
なんて返事はしたけど、きっとそうなった時に呼ばれるのはきっと陣平君だって同じだ
「んじゃーな」
「あぁ」
少し遅くまで一緒にいると
「電話だ」
「誰から」
「お兄ちゃん」
電話に出ると
「お前なんでまだそこから動いてない」
「陣平君とデート中だもん」
はぁ、とデカいため息が聞こえたと思ったら
「松田が一緒なら問題ないな」
「うん?」
なんでお兄ちゃんは陣平君とあたしが一緒にいるのを知らないの?ヒロ君に言われてるはずじゃ
「気を付けろよ」
「うん。お兄ちゃんはまだ」
「あぁ。まだしばらくは帰れそうにないからな」
「そっか」
「じゃあな」
それだけの会話をして切れた電話
「大丈夫か」
「うん。ヒロ君から伝わってなかったみたい」
「そうか」
陣平君と一緒に帰って来ると
「お帰り」
「ただいま」
暫くたってからだ。陣平君に再び会えなくなったのは
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