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陣平君に課題を見て貰いつつスマホを確認するけどお兄ちゃんからの連絡は入って来ていなくて
「アイツ徹夜なんてことはねーだろうな」
「ヒロ君にはあたしと一緒にご飯に行くって話してたみたいだけど」
「へぇ」
その先の課題を勧めていると
「でも松田君とも知り合いだなんてね」
「そりゃ伊達さんの事を『航君』って言ってるくらいですし、松田さんの事を『陣平君』呼びですもんね」
「そうね。でもこれだけ年が離れている兄妹もいないでしょ」
「いるじゃねぇか現に目の前に。コイツの兄貴と俺達が同期なんだ」
「松田の場合違うだろ」
「え?」
違うって何が?みたいな話と空気になっていて
「おや、なんだか随分と」
「コイツは松田に出会い歴=片思いだからな」
「絶賛継続中ですー!」
「つーことで俺も諦めてるわけだ」
何を諦めると言うんだろうか?
「諦めてるっつータイプじゃねーだろお前も夢姫も」
「どうだかな」
「つーかアイツらはここまで来んのかよ」
「ううん。終わったら連絡するって言ってたよ」
「それまでは一緒って事か」
「だね!」
その直後に入って来た警部さんはあたしをみて驚いていて
「ま、松田君。連れてくるのは構わんが大分年下…!」
「警部さん落ち着いてくださいよ」
「そうっすよ目暮警部。コイツは同期の妹。ソイツの仕事が終わるまでの子守っすよ」
「こ、子守!?」
ヒロ君とお兄ちゃんに言いつけてやる
「コイツとはもう9年の付き合いなんでね」
「そ、そうなのか」
「あぁ」
「夢姫ここ間違ってる」
そう話しながらもあたしの課題を見てくれている当たり意外と優しい所もまだまだ健在の様で
「なんでアイツの妹なのに勉強からっきしなんだよ」
「全部アイツに持ってかれたんだろうよ」
「それもそうか」
「ケンちゃんにも言いつけてやる」
「ハギに言った所で何とも思わねぇよ」
「うぅ…」
さすが幼なじみで親友なだけはある。しかも爆発物処理班(通称:爆処)のWエースと言われていただけはある
その後は何も言われる事もなく陣平君に課題を見て貰いつつ連絡待ちをしていると
「すいません」そう来たのは風見さんで
「一体」
この部署の中の空気が一気に下がったような気がしたのは気のせいではないようで
「降谷さんという女性の方は」
「夢姫、お迎えだ」
「そうみたいだね」
椅子から立ち上がると
「後で連絡してやっから今はアイツの所に居てやれ」
「そうする」
鞄を持って風見さんの所に行くと
「すみません。降谷さんからもう少しで終わるからと」
「大丈夫ですよ」
一緒に歩いていると、自販機の前で止まったあたしに
「どうか」
「ちょっと待って居て頂けますか?」
「え?」
自販機でブラックコーヒーと甘さ控えめのカフェオレを買うと
「それは」
「ブラックコーヒー飲めました?」
「じ、自分に…ですか?」
「はい。苦手でしたら別の方に差し上げても」
「い、いえ。の、飲めます!」
「そうですか?無理しないでくださいね」
そのままお兄ちゃんのいる部署に案内をされると、お兄ちゃんはPCの画面にくぎ付けになっているようで
「降谷さん」
「なんだ」
「お兄ちゃん、来たよ」
「もう少し待って居てくれ」
そう言うなら終わってから連絡くれてもいいじゃん。陣平君との時間を減らしてまで来てるのに
「全く。はいコレ」
そう渡したのはさっき自販機で買ったカフェオレだ
「悪いな」
「ううん」
「そう言えば課題は」
「終わらせてきたよ。陣平君達に見て貰いながら」
「そうか」
公安の最深部通称『ゼロ』の中に入れるのは極一部の人間だけ。あたしはお兄ちゃんの妹だから例外らしいけど、基本的には入ろうとも思っちゃいない。
因みに風見さんはお兄ちゃんとヒロ君の部下でもあるわけで、お兄ちゃんやヒロ君が言って来た事はほぼ絶対だと言う
「お暇でしたら、本でも」
「あたし難しい本は読めなくて」
「そうなんですか」
「はい」
「そう言えばヒロが」
なんて言って来たお兄ちゃん
「ヒロ君?」
「あぁ。夢姫に何かを買って有るとか言ってたけど」
買ってある?
「帰ってきてからでもいいのに」
「そうか?」
「うん」
「諸伏さんともお知り合いなんですか」
「あぁ。もう16年の付き合いだ」
「そうなんですね」
お兄ちゃんも仕事を終わらせると
「お前も今日は早く帰る様に。いいな?」
「は、はい」
「?何かあったの?」
「徹夜をしていたらしい」
あらら
「しかも食事も抜いていて昼は一緒に食べに行った」
「そうなんだ」
めずらしー…
「取り合えず車を取ってくる。少しだけ待って居られるだろ」
「うん」
お兄ちゃんが車を取ってくるのを待って居ると
「あら、こんな所に1人なの?」
「え…っと」
「佐藤。きっとコイツは兄貴待ちだ」
「そう言えば同期に居るって」
「あぁ。アイツ待ちなんだろ?」
「うん」
「そう。なら気を付けなさいね」
「え?」
「警視庁内部とは言え、貴方はまだ学生なんだから」
そんな事言ってくれる人初めてだ。「気を付けろ」なんて言われたことも無かった。寧ろ言われても意味が全く違うもので
「ありがとうございます。佐藤刑事」
「あら」
「『気を付けろ』なんて初めて言われたので」
そういったあたしを見た後に陣平君を見ていて
「どういうことなのよ?」
「確かに気を付けろ。とはよく言ってる。けど佐藤の言う『気を付けろ』と俺達の言ってる『気を付けろ』の意味が全く違う」
「え?」
マツダの車が来たと同時に
「陣平君。ありがと」
「あ?」
「課題、見てくれて」
「あぁ」
「佐藤刑事も。またお世話になる事があるかもしれないですが、その時はよろしくお願いします」
「えぇ」
車に乗り込むと
「随分と話し込んでいたようだな」
「初めて本気で『気を付けろ』なんて言われた」
「は?」
「お兄ちゃんたちの『気を付けろ』と佐藤刑事の『気を付けろ』の意味が違ったの」
「そうか」
そのままお兄ちゃんに連れて来られたレストランで食事を済ませて家に戻ってきたあたし達
「夢姫」
「うん?」
「氷帝はどうだ」
「良くも悪くも普通だよ。学校生活なんて普通が1番なんだから」
「そうだな」
「何かあれば、伊達や松田たちにすぐに連絡しろよ」
「そうする」
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