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数年前
「にぃにー!うみぃー!」
「おーおー」
「元気だねぇ」
浮き輪を持ったあたし松田鈴とお兄ちゃんズこと、松田陣平&萩原研二
「あんま遠くに行くんじゃねぇぞ!」
「はーい」
先に来てくれたのはケンちゃんで、
海べりまでくる水にびっくりして固まっていると
「あれ?陣平ちゃん」
「んだよ?」
「鈴ちゃんって水苦手?」
「いや。水事態平気だ」
「入ってこようとしねぇけど」
そう、すでに海の中に入っているにぃにとケンちゃんとは違いあたしはまだ砂浜だ
「にぃにー…」
「ったく」
にぃにがあたしに浮き輪を付けた後あたしを抱えたと思ったらそのまま海の中にドボンと入れていて
「きゃーーっ」
「『きゃー』じゃねぇんだよ。ったく」
パシャパシャと泳ぎ始めた時にケンちゃんから耳元で
「陣平ちゃん呼んでみ?」って言われて、言われるがまま
「にぃにー」って呼ぶと振り返ったにぃにに海水をパシャパシャとかけて遊んでみる
「おいコラ」
「みゅ?」
「鈴じゃねぇ。ハギテメェ…」
「まぁまぁ」って言ったケンちゃんにもにぃにと同じようにパシャパシャとかけていれば2人に思いっきり海の中に入れられてしまった
「うぅ~…」
「お前が唸ってもなぁ」
「にぃにの意地悪!」
「はいはい」
お口の中、しょっぱい…そう言ったあたしに海の家でジュース買ってくれた!ママには内緒にしておこう
「海の家で焼きそばでも食べよっか」
「うん!」
っていう声が聞こえてきて、振り返ると優しそうなおにーちゃんとあたしと同じくらいの女の子
にぃにがここで休んでるからってケンちゃんと一緒に海に潜って遊んでは戻りを繰り返したあたし
因みに、ケンちゃんが器用に砂でお城作ってくれた!
「あのー」
「はい?」
「ウチの子見ませんでした?緑の海パンを穿いた男の子で、同い年の女の子と一緒だと思うんですけど」
「いや、俺は見てないな。陣平ちゃんは?」
「さぁな」
「そうですか…ったく、どこ行っちゃったのよ」
て言ってた綺麗な女の人は別の場所に向かって行っていて
「にぃにー。あのお母さん綺麗な人だねぇ?」
「そうだな?でも母さんにそれを言うなよ?」
「なんで?」
「鈴ー」
「はーい」
「鈴のママだって十分綺麗だろ?」
「怒るとこあいよ?」
「そら、母親だからな。でも陣平ちゃんだって親父さんだって怖いだろ?」
「パパとにぃに?」
「そう」
んー…と考えたけど
「ママのがこあい」
「あ、そう」
そんな時ににぃに達の腕の傷を見てサーカスの団員だと言って来た男の子がいた
「「サーカス!?」」
「ちげーのかよ」
「残念だなボウズ。俺達はサーカスの団員じゃねぇ。そもそも海外にも渡り歩いてねぇよ」
「へ!?」
「第一、俺達はまだ大学生。社会に出てすらいねぇ学生だよ」
「へ!?」
「で?お前は何者だ?ボウズ」
「ボ、僕は…工藤新一!シャ、シャーロックホームズの弟子だ!」
シャーロックホームズって何だっけ?
「「へぇ」」
なんて感心してるお兄ちゃんズ
「あーー新一!こんなトコにいた!!」
「うっしゃい!」
女の子の声のがうるさくて、本音が出てしまった
「プッ」と笑ってるにぃに達を他所に
「お母さんが探してたよ!!」
「蘭」
うっさいと言ったあたしの言葉を無視して話してる女の子は蘭ちゃんっていうらしい。人の話は聞けよっていうにぃにの言葉がよく分かる。この子聞かないタイプの子だ
「に…」
「そうだな?普段は静かな場所に居ることが多いから煩いな?」
「うん」
そう言ったあたし達の会話に顔を向けた男の子と女の子
「え?」
「うっさいって言ってるのにその大きな声で話せばそうなるに決まってんだろ」
「でも!」
「『でも』も『だって』も自分たちが良けりゃいいってもんじゃねぇ。海水浴場とは言え、コイツみたく大きな声がうるせぇって言ってんのに聞かなかったのはお前たちだろ」
「う…」
しょんぼりしちゃった女の子には申し訳ないけど
「ごめんなさい」
「許してやれるか?鈴」
こくりと頷いたあたしに
「えらいな?」
「へへ」
「で?お前たちは」
「そういやシャーロックホームズの弟子っつったな?」
「そうだ」
「またホームズゴッコしてたんでしょ」
「ゴッコじゃねーよ!名探偵になる為の修行だ!」
うぅ…さっきにぃにに怒られたばっかなのに、また煩い…
「でもほどほどにしとかないと、その内ヒドイ目にあうよ!!さっきのお兄さんたちすっごく怒ってたし…」
「怒らせとけよ、あんな奴等」
煩いって言ったのにまた煩くされたのを我慢できなくてにぃにに引っ付いてると
「小僧」
「「ん!?」」
「やっと見つけたぞ」
そう言った金髪のお兄さんと大きな男の人2人
「さっきはよくも恥をかかせてくれたなぁ」
「あれは、おめーらが悪いんだよ。ほとんど食べ終わった焼きそばにハエを入れて大騒ぎして、お金を払わずに帰ろうとしたから」
ガシッと男の子の頭を掴んだお兄さんは
「お前がチクんなきゃ、バレなかったんだよ!!」
「ハギ、鈴頼むな」
「おうよ」
ケンちゃんの所に行ったあたしを見てにぃにが一発食らわせてたよ!さすが、パパ直伝だね!
一緒にいたお兄さんたちもびっくりしてたし周りの人たちもびっくりしてた
「ん!?」
「何があったか分かってねぇって顔だな、あのボウズ」
「へへっやっぱりにぃにはかっこいいね!」
「お、おい!」
「まさか、あれって…」
「あぁ…3年前、怪我でIHにこそ出てこなかったが…」
「残りの高校2年間IH常連の松田か!?」
「お前らが思ってる松田で合ってるだろうよ」
「わりぃな?このガキどもは俺らの連れだぜ?」
え?
「お前らが俺に勝てるってんなら通してやってもいいが」
「し…失礼しました~~~!!」
おぉーお兄さんたちが逃げてく
「すごーい!」
「にぃに、やっぱりかっこいいね!」
「鈴、相変わらず陣平ちゃん大好きだね」
「うん!大好き!」
同じ海水浴場の別の場所で同じようなことが起きていたことをあたしたちは知らない
「ボウズども」
「うん?」
「妹と遊んでくれるか?」
「いいけど…」
「あたしはにぃにがいい!」
「おいおい」
ドガっていうデカい音と共に見えたのは
「やぁ!」
「嘘だろ、おい」
ガードレールを突き破ったらしい車が海の中に落ちていて
「ハギ!」
「あぁ」
にぃにはケンちゃんと一緒に海の中にもぐって行ったかと思えば、にぃにが男の人を抱えてきて、ケンちゃんが鞄を抱えて上がってきた
「すみませーん!!下がって下さい!お願いします!!」
下がったと思えば、男の人を砂浜に降ろしたにぃに
「にぃにー、その人助かるの?」
「その可能性はもうないだろ」
ないんだ?
「ん?お兄さんのそのバックは!?」
「この男が何者かを探る為の手がかりさ。ボウズに頼みがある」
「頼み?」
「海の家で水着とかを売っていたコーナーがあっただろ?そこへ行って車が落ちた後、ずぶ濡れでTシャツや水着、ビーチサンダルとかを買いに来た客がいないか聞いて来てくれるか?」
にぃにの傍から離れないあたしに
「でもなんで?」
「車にはなもう1人乗っていたようだからな。車から抜け出して海水浴客に紛れ込んでいるかもしれねぇな」
こあい…です、にぃに
「どうだ?陣平ちゃんからの手伝いできるか?ボウズ」
「うん!!もちろん!!」
走って行った男の子を見て
「鈴」
「うん?」
「俺の携帯から警察に電話できるな?」
「なんて言えばいーい?」
「車が海の中に落ちたって言えばいい」
「はぁい」
にぃにの携帯をバックから出して、警察に電話をすると、にぃにに言われたままそう伝える
警察が来たかと思えば
「よぉ久々じゃねぇか」
「おま…!」
「にぃにー?知ってる人ー?」
「まぁな。ついでに言えばハギも知ってる」
ケンちゃんも?
一通り事情を説明したにぃには
「あの崖のガードレールを突き破って車が海に転落したと?」
「あぁ」
「んで、この男がその車の運転手で…車からお前たちが引き上げて我々警察に通報したのか」
「通報したのは鈴だけどな」
「鈴?」
「俺の妹だ。あん時の事はコイツは知らねぇまま生まれてっからな」
あん時?
「そうか」
にぃにの後ろに隠れると
「随分と懐かれているようだな?」
「そりゃ妹だからな。妹には嫌われる兄貴にはなりたくねぇんでな」
「そりゃそうだな」
「にぃに?」
「大丈夫だ。このおじさんは怖くねぇぞ?」
にぃにとお巡りさんを交互に見たあたしにそう言って来たにぃに
「そっか」
「しかし本当なのか?通報ではその車にもう1人乗っていたそうだが」
「にぃにがそう言ってたよ?」
「その根拠は?」
「助手席側のサイドウィンドウだけ全開になっていたからそう思っただけだ。右ハンドルの車で乗っていたのが1人なら助手席側の窓だけ開けるのは不自然だろ」
そう言った直後に、別のお兄さん?が来て
「そのもう1人は海水で車内がいっぱいになる前にウインドウを開けて社外へ脱出し、海水浴客に紛れたかと」
「だがわざわざ窓から出なくてもドアを開ければ」
「水圧ですよ」
水圧?
「水圧で車が水没知った直後なら、車内にまだ空気があり水圧でドアを開けることが出来なかった。だからサイドウインドウを開け、そこからの脱出を選んだって所でしょう」
「じゃあ、ソイツはこの連れを見捨てて1人で逃げたって訳か」
「いや、事故の時っこの男はシートベルトをしてなかったぜ?」
「このおじさん、ベルトしてなかったの?」
「あぁ」
行けないんだぁって思ってたら
ガードレールを曲がる時に、フロントガラスに頭を強打して即死だった可能性も有るとにぃに達が言ってた
「そういやさ」
「ん?」
「この近辺の時計を扱う店で強盗事件なんてなかったか?」
1時間前に時計店に2人組の強盗があったと言う
「これがな、一緒にあったんだよ。沈んだ車の底にな」
しかも値札が付いたままの状態だというその時計は
「問屋さんが商品を運ぶ途中だったとも考えられるだろ?」その問いに「傷がつかないようにビニール袋か箱に入れておくはずだ」と言う知らないお兄さん
「こんな無造作にバックに詰めるのは強盗くらい」だというお兄さん
犯人の1人は男の人だと分かって居ると言う
「お兄さん!連れて来たよ!車が落ちた後、買い物したお客さん!」
男の子が連れて来た人は男の人2人と女の人だ
「間違いないよね?」
「あぁ」
なんて話してるのは優しそうなお兄さんで
「小太りのこのオジさんはTシャツと海パン、このお姉さんはビーチサンダル。このヒョロッとしたお兄さんはアロハシャツを買ってたよ!」
「だからそれが何だって言うんだよ?」
「どうやら海に沈んだ車を運転していたこの男には連れがいた様なんでね」
1人ずつ話を聞かせて貰おうか。と言った刑事さんは1人ずつ話を聞いていて
「にぃに?」
にぃにとケンちゃんはにやりと笑っていて
「犯人が分かった」と言うにぃに達です。