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神奈川に行く日
「にぃにー、行ってきまーす!」
「おー。気を付けて行ってこい」
マンションを出て、ケンちゃんの車に乗り込むときだった
「今日は学校休むって本当だったんだな?」
「そうみたいね」
なんて話をしているのが
「おはよう、園子ちゃん、真純ちゃん」
「あぁ、おはよう」
「おはよう鈴」
「でもなんでこんな早朝から出かけるんだ?」
「これから神奈川に行って来るのー」
「それは聞いてる。でもこんな早くなくてもいいじゃないか」
「悪いな?コイツが早く行きたがるのは滅多に会えない俺の姉貴が丁度よく休みだからなんだよ」
「へー」
「たまたまどっちも非番で重なったからちょうどいいタイミングだったんだよ」
「タイミング?」
「そう。鈴を休ませるためにな。じゃ、俺たちも行くから」
そう言って運転席に乗り込んだケンちゃんに次いで乗り込むと、ノンストップで神奈川まで帰ってきて
「久々の神奈川だー」
「そうだな?」
なんて言っていると
「あれ?松田じゃん」
「つーか大分あってねぇけど、全然変わってねぇな?おまえ」
「やだっ」
ケンちゃんの後ろに隠れたあたしに
「なにも隠れることはねーだろ?」
そう言って引っ張り出そうとしてきた男の人に
「悪いんだけどさぁ」
男の人の腕を掴んでくれたのはケンちゃんで
「い゛いてててて!」
「お前が現職の警察官の俺に適うはずがないだろ?それに、松田鈴だって分かって、鈴が隠れたんだからそれなりに君たちが何か仕出かしてるってなんで気づかないわけ?」
「俺達が…?」
「やられた側は忘れることはない」
「!!」
「でもな、やった側はやった側の人間に会わなければ忘れちまうんだよ」
「!?」
「今の現状の答えがそれだ。君たちは鈴と小学生の途中から会っていないから鈴にしてきたことをもう忘れてる。でも鈴はやられたことを忘れてるわけじゃない」
「な!?」
「あの時、君たちと同じ小学校に通って居れば何も変わらない。中学だってそのまま同じメンバーで集まる。人が増えるだけだと思って鈴の兄貴が東京の学校に転校までさせたんだ。鈴の今の生活を君たちが壊す気か?ようやくここまで立ち直って来てるんだぞ」
そう言ってくれたケンちゃんには感謝だ
「ケンちゃんケンちゃん」
「なんだ?」
「はやくしないとちーちゃん出かけちゃう!」
「出かけねぇよ。姉貴が一緒に出掛けるって言ってんだから鈴が行くまでは出かけねぇよ」
「かなぁ?」
ケンちゃんはそのままちーちゃんの住んでるマンションの部屋で借りている駐車場に車を止めてちーちゃんの部屋に行くと
「お、元気そうだな?鈴」
「ちーちゃん!」
久々に会えたちーちゃんに抱き着いてグリグリしていると
「相変わらずだな。小動物の様だ」
「そこが可愛いんだろ?」
「だな」
ちーちゃんが玄関でバイクの鍵を取ると
「どっちがいい?」
「バイク!」
「言うと思ったぜ」
下に降りてヘルメットを付けてくれたちーちゃんにバイクに乗せてもらうと
「きもちいーね!」
「そうか」
神奈川でも有名な食事処に連れてきて貰うと
「で?ただ非番が重なっただけじゃないんだろ?」
「まぁな」
まぁな?
「しばらくこっちも忙しくなるし、この機会に有給を消化するのも悪くはないだろう」
「なるほどね。それで今日の非番が重なったわけだ」
「あぁ」
朝ごはんの後いろいろと連れて行ってもらった!
「また来ればよかろう?」
「うん…」
==
数日後
「あれ?蘭ちゃんだ」
「え?鈴ちゃん!?どうしてここに」
「ケンちゃんといっかい帰省ー」
「あ、なるほど」
目の前ではコナン君は何故か車ではなく、スケボーに乗っていたんだろう
「ったく、あのガキ」
「まーまー」
なんて思っているともう1人見慣れた人影
「マジか」
「(この世に…この世に風の女神様がいるとしたら)」
「大丈夫か?」
ヘルメットを取ったのは
「少年…」
「(多分、こんな顔をしているんだろうとわたしは思った)」
「私は神奈川県警交通部第三交通機動隊小隊長萩原千速だ。何があったか説明できるか?」
「ちーちゃん!」
「姉貴!」
そう言ったあたしとケンちゃんの言葉に振り向いてくれたのはやっぱりちーちゃんだ
「へ?鈴ちゃん知ってる人?」
「ちーちゃんはね?ケンちゃんのお姉さんなんだよ」
「へぇ」
「いつも鈴から話は聞いているぞ」
「え?」
「仲良くしてくれる子がいるってな。鈴が元気で楽しく過ごせてるのならそれで構わんが」
「へぇ」
「で?なんでボウズは単身で車から出てたわけ?」
さすが現職のお巡りさんだ
「フレンチレストランで君の知り合いの阿笠博士さんが何者かに誘拐され、車のトランクに押し込まれる際に太ももを拳銃で撃たれて重傷…誘拐された理由は、先日TVで金庫を盗んだ犯人に「金庫を開けたければ私ごと盗むんだな」と豪語していた南條社長と…阿笠さんがよく似ていて何かの理由で服を取り換えたせいで南條社長と間違って誘拐されたと思われる。その目的は恐らく盗んだ金庫を南條社長に開けさせるため。そして君は、そのスケボーで追跡してきたが、誘拐犯の車に吹っ飛ばされたというワケか…」
「う、うん…」
「おいおい」
ちーちゃんはコナン君の話を信じたみたいだけど、ケンちゃんは呆れてるよ?ちーちゃん
「でも、スケボーでよく高速に入れたね?」
「う、うん…料金所を通る車の陰に隠れて、コッソリとね…」
あ、やっちゃいけない奴だ
「鈴はするなよ?」
「しないよ?」
「いい子だ」
ちーちゃんに褒められた!やっぱりちーちゃんは優しい!好き!
「あんたらはこの少年の連れか?」
「あ、はい」
「だったらあんたら2人はレストランに戻りその南條社長に伝えてくれ。この事案が片付くまで人前に顔を出すなと」
「え?」
「さらったのが別人だと分かると誘拐犯は阿笠さんを殺してどこかに遺棄しかねないからな!」
「た、確かに」
「「あんたら2人は」ってコナン君はどうするんですか?」
「この少年が誘拐犯を追跡する術を持っているというのなら、連れて行くしかあるまい」
丁度よく、もう1台の白バイ隊員が来ていて
「にぃにたちも乗ってたよね?」
「警察学校でな?でもあれは白バイじゃねぇしな」
あ、違うんだ?
「そういえば、萩原刑事は鈴ちゃんの言ってる『にぃに』って言ってる人を知ってるんですか?」
「知ってるも何も君たちはよく会ってるよ。とくにそこのボウズはな」
ボウズと言われてるのはコナン君だ
「へぇ」
「ま、そのうちわかる事だからな」
「でもなんで教えてくれないんですか?安室さんや緋色さんはちゃんがいじめに合ってたっていうのは話してくれてるんですけど」
「まぁ、そう考えて普通だよな?」
「え?」
「俺と同期なんだよ鈴の兄貴は」
「へぇ」
「で、腐れ縁。鈴の小さい頃もよく知ってる。虐められてた原因もな」
「え?」
「原因はコイツじゃない。だけど、それでも学校に通えなくなるほど精神的に追い詰めたのは学校側でもあるからな。アイツはそれを鈴の意思に任せた」
「じゃあ東京にいるのは」
「鈴の意思だ」
蚊帳の外にいる白バイ隊員に「やはり戻れ」と言ったのはちーちゃんだ
「え?」
「研二、私のスピードについてこれるな?」
「誰に言ってんの」
「鈴も研二と一緒に来い」
「うんっ」
「へ?」
「じゃ、ボウズ車に乗りな」
「でも助手席には松田の姉ちゃんが乗るんじゃないの?」
「後部座席にも乗れるから大丈夫だよ?」
「そういうこった」
「でもコナン君が乗ったらちーちゃん先導できなくない?」
あ…って顔をしたケンちゃん達
「お前、アレは持ってるな?」
そうケンちゃんに言っていたのは無線で
「ケンちゃん、そんなの持ってたんだね?」
「一応な」
一応?
「そっか。お前は知らなかったな」
そう言ったケンちゃんは
「俺達全員、
「あいつ等?」
「俺達の同期の奴等だよ」
だけど途中でナンバープレートや頼みの綱であるトランシーバーもおとされていて、でも、眼鏡でも追跡が出来るという事で
「姉ちゃん。俺達が先回りする。多少のスピードは許してくれよな!」
「構わん!」
そう言っていたケンちゃんは先回りをして車を止めていて
「こあかった…」
「悪いな鈴」
「あんな運転やだって前にも言った!」
「そうだったな」
車の天井が開いたかと思えば、ちーちゃんのヘルメットにも当たったらしい
あたしたちが車から降りてなかったのもあるけど、ちーちゃんは怒らせない方がいいのになぁ
白バイを車にぶつけて男の人の顔面にも当たってて
「いたそー…」
「いや、あれは絶対痛いだろ」
どう考えても。そう言ったのはコナン君だ
その直後に来た刑事さんに連れて行かれた2人はどうやら夫婦で犯行を行ったらしい
「お前、夫婦って誰想像してんだよ?」
「んー?」
「まさか自分の兄貴じゃねぇだろうな?」
「にぃにはにぃにだもん。あたしの好きな人は違います―」
「そうかそうか」
「それで?救急車で運ばれた阿笠さんの容態は」
「気を失ってるけど。弾は急所から外れてたから…命に別状はないって」
「そりゃよかったな!」
「うん!」
「『よかった』じゃねぇよ!」
そういった男の人はちーちゃんと対等に話せている当たり刑事さんなのかな?
「店員外乗車しよ言うとして?公道でのストッピーにウィリー!それに何だ…あのクルっと回って前輪を被害者の顔面に…ってやりすぎなんだよ、お前はいつもいつも!」
なんて話をしている2人を見ていると
「ケンちゃん知ってる人ー?」
「いや、しらねぇな」
「でも、お似合いだねぇ?にぃによりも」
「それアイツに言ってやるなよ?悲しむぞ」
なんて話してケンちゃんも注意を受けてた
「なんでケンちゃん迄注意されるの?」
「そりゃ、スピードも出てたからな?」
そうなんだ?
「鈴」
「ちーちゃん?」
「また休みに来ればよかろう?」
「うん…」
「その時は」
「姉ちゃん、あの嬢ちゃんたちは知らないんだ。鈴の兄貴については」
「なるほど」
「「?」」
「ならその時は、アイツと一緒に戻って来ればよかろう」
「うん!」