おもてなし?
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「俺、四天宝寺の財前となんだけど、会話が弾まないんだよね。こうやって他の人と組むとさ、やっぱり俺のパートナーは学校が違っても大石がいい!って思っちゃう」
「英二…」
「でもさ不思議なんだけど」
「うん?」
「なんで大石が別の学校に行ったのに呼ばれてたのが不思議なんだよね」
「確かに」
そっか、そのことに誰も触れなかったから言わなかっただけでやっぱり疑問だったんだろうなぁ
「去年の全国大会を覚えているでしょう?」
「あぁ」
「そう言えば見に来ていたな。だが」
「ただ見に行っていたわけではないと話したでしょう?」
「うん」
「あの時にお兄ちゃんを含めた大人組も見に行っていたよ。氷帝にはお兄ちゃんが、立海と四天宝寺にはサブちゃんが。比嘉と青学、六角はあたしと修ちゃんがいたでしょう?」
「いた」
「あの時に持っていたリスト、あれがここに来るためのリスト表。他にもリストに載ってた選手はたくさんいたよ?だからこそ、選手を決めるのにも時間がかかったけどね」
「じゃあ、あの時既に大石も決まって居たって事?」
「そういう事。ただこちら側としては大石君が青学じゃなくて違う学校に行っていたことには驚いたけど。青学に届けてしまったのをきっと大石君に届けてくれた人がいるんでしょうから」
「そうなんだ」
「うん」
「さて、そろそろ休憩時間も終わりだ。練習に戻ろう」
「うん。みんな、またあとで。午後の練習も頑張ろう」
不二君と一緒にコートに行くと
「あ、お兄ちゃん育人君と組んでるんだ」
「それも珍しいね」
「しかも対戦形式で練習してる」
「そうだね」
コートに戻るとすでに皆揃っていて
「随分と」
「ごめんごめん」
「あたしがお兄ちゃん達の練習で足止めちゃったから」
「そうなんか」
「うん」
「それに良い事も聞けたしね。僕としてはいい収穫が出来た気がするよ」
「それはまた」
それで始めた練習は薄暗くなるまで続いていて
レストランに入ると、すぐに夕飯作りに着手して、定食形式にして、足りない分のおかずは自分で取ってもらうようにしておくと
「あれ?」
「どうかしたのか」
「雅君来てないね」
「そう言えば」
「コーチには話しておこうか。時間以外で選手が来るかもしれないという事」
「そうですね。仁王君なら食べないで寝てしまいそうですけど」
「それはそれで困るけどね」
==
翌朝
「おはよう、雅君」
「おはようさん。昨日は助かったぜよ」
昨日?
「夜にレストランに行っても何も言われなかったぜよ」
「それは良かった。今日の練習も頑張ってね」
「あぁ。コートまで一緒に行くけ。どうせそのカートも全部ドリンクじゃろ」
「うん。大人組の方からおいて行こうかと思ってて。もう練習始めてる頃だし」
「そうなんか」
「うん。大人組は中高生達よりもやや早く練習始めてるよ」
お兄ちゃん達がいるコートに行くとすでに始まって居た練習
「お、来んさった」
「ドリンクおいて行くね」
「助かるで」
「それは良かった」
「じゃ、あたし達も行くね」
「あぁ」
雅君と一緒にコートに行くと、他の選手たちのドリンクもカートに置いておくと
「おはようございます」
「おはよう。比呂君のパートナーは不二君なんだね」
「そうみたいだね。よろしく」
「はい、よろしくお願いします。昨日は仁王君と組んでどうでしたか」
「ドキドキハラハラさせられて、スリリングだったよ」
「なんとなく想像がつきます」
「それには同感」
「気が休まらなかったのでは?」
「ちょっとだけ。でも、楽しかったな」
「楽しんで貰えたようで光栄ぜよ」
「わっ」
クスクスと笑っていると
「いたんだ」
「ピヨ。夢姫と一緒にいたぜよ」
「おはようございます!」
そう元気よく声が掛かったのは昨日と同じ氷帝の
「鳳君?」
「今日はあなたが仁王君のパートナーなんです?」
「はい。先輩に気持ちよく練習してもらえるよう、精一杯頑張ります」
「樺地からおもてなしの話を聞いたらしくての。何かと気を使ってくれるぜよ」
「フフ」
「夢姫先輩?」
「鳳君もそう言ってくれるんだ?もう氷帝の人間じゃないって言うのに」
「でも氷帝で、宍戸さんたちと一緒にいたことも事実ですから、先輩は先輩です」
そっか
「でも良い事を教えとくね。確かに学年としては先輩と後輩かも知れない。でもテニスプレイヤーとしては先輩も後輩も関係ないでしょう?」
「え?」
「おもてなしっていうのは大事かもしれないけどね」
「ん?」
言いたいことが分からなかったのか首をかしげていて
「まるで柳生の様じゃ」
「仁王君、あなた面白がっていませんか?」
当たりを見渡すと今日も珍しい組み合わせが多いようで
「昨日と比べると、今日は皆、心の余裕があるように感じます」
「昨日の練習でこの状況に少し慣れたからかな」
「ふふ」
「夢姫?」
「夢姫先輩?」
「そっか不二君はもっと余裕があるかもね」
「え?」
「どうかな」
「最初は戸惑ったけど、こういうんも合宿の醍醐味やもんな」
「そうだね。この先実際に試合で思いがけない相手と組む可能性は大いにあるしね」
「どういう意味です?」
「ここにいる中高生と大人がダブルスで組む可能性もないとは言えないからね」
「それはまた」
