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「模擬試合、もうすぐ始まるっすね。それにしても、すごい数の客が集まったな」
「テニスは世界的にも認知度が高く、人気のスポーツだからな。それだけ注目されているという事だろう」
「それだけじゃなくて、今回は大人組ではなくて、子供達と年の近い中高生を起用している事もあって、お客さんの中にはみんながどんな選手なのか気になっている人も大勢いるんじゃない?」
「少し緊張してきちゃってね。集まったお客さんたちは海外のすごいテニスの試合を見慣れてる人が多いんじゃないかなって思ったからさ」
「それはそうだよ。皆よりもはるかに経験を積んでるもん」
「な!?」
「だけど、大人は大人。皆は皆でしょう?合宿所で大人組と同じくらい経験を積んでるのも事実だよ」
「あ」
「だから、皆もいつも通りのテニスをしてくれたらいいよ。今できる最大限のプレーを思いっきり見せてくればいいよ」
「夢姫の言う通りだ。学校は違えど、経験が違えど彼女だって、俺達と同じ高校生で男子テニスのマネージャーなんだ。同じ目線で、同じ緊張感があるだろう」
「手塚、夢姫ちゃん。うん、そうだよね」
もうすぐ出番だと、大石君からラケットを受け取った河村君は
「よっしゃぁ!一番手の大役、俺達に任せときなってなモンキー!」
!?
「試合開始のギリギリまで闘志を燃やすぜ!バーニング!」
「やっぱ、こうでなくっちゃ。なぁ、越前」
「え?」
「何だよお前も聞いてなかったのかよ。まさかお前も緊張してるのか?」
いやいやリョーマ君の場合緊張してるタイプじゃないでしょ
「むしろワクワクしてるくらいっす。向こうにいる子供達、見てたんすよ」
リョーマ君の目線の先には小さな子供たちがいて
「すごくキラキラした目で試合が始まるのを待ってますよね」
「だね」
「あの子供たちがいつか、俺達のプレイを見てテニスに興味をもってくれたらいいなって。俺達が昔、誰かのプレイにそう思ったみたいに」
「そうね。きっとこの試合でリョーマ君と同じ思いを抱えてプレイヤーになってくれるとあたしたちも嬉しい限りだわ」
「そんな事を考えながらテニスをするのも悪くねぇ」
「確かに。この試合が見てくれた子供たちの可能性を広げることに繋がったら、嬉しいよな」
「皆、準備は出来たようだな」
昨日のうちに手塚君と決めた選手は4名。
「河村、桃城、海堂、それに越前出番だ、行ってこい」
「ういっす!観客の度肝を抜いて来るっすよ」
「手塚部長、それに夢姫さん」
「うん?」
「模擬試合で一番の拍手、俺達が貰うつもりだけどいいっすよね」
そんな事を言われるなんて思わなかったあたしにとっては驚きだったけど
「それだけの気概があれば、何も心配はいらないな。…お前が語った想い、テニスに込めて伝えて来い」
「もちろん。じゃ、いってきまーす」
「行ってらっしゃい」
そんな中お兄ちゃん達も入ってきて、後ろで見ていることには変わりはないそうだけど、各学校に監督役を付けたのはその方がアドバイスもしやすいからだそうで
「観客席見らんせーね、ツキさん。アメリカのプロ選手が家族で見に来よるで」
「テニス選手以外にも知った顔が見えるな」
「だね。あれは、サッカーの選手だっけ」
「あぁ」
「模擬試合はまだ始まったばかりだ。初めのうちは物珍しさもある。中高生どもがいつまでも代り映えのねぇアピールをしていたら、客は減って行くだろうな」
「おいおい。心肺ねぇと思ってるから任せたんだろ」
「それにまさかほー君まで監督役をやるとは思わなかったしね」
「どういう意味だ夢姫」
「そのままでしょう?」
「それにアイツらを買ってるようなこと言ってたじゃねぇか」
「本番を成功させるかどうかは別だ」
別なんだ?
「なんだ。ただ面倒を押し付けたわけじゃないんだな」
「当り前でしょう。彼らは私たちU-25日本代表としてコートにいるんです」
確かに。でも高校生たちはU-17の代表でもある訳で
「中高生達が成功しようと失敗しようと、その結果を私たちも負うんですよ」
「え、そうなんですか?」
「おい見ろ。のんきなヤツがここにもいるぜぇ」
「それは遠野君ものんきだと言っているようなものだと思いますが」
「でも立海の皆はなんとなく学校でも見てたけど、他の学校の皆の練習を見てたら楽しそうだし、きっと成功するんじゃない?」
「そうだな」
「そうかぁ?まるでお遊戯会じゃねぇか。子供騙しだぜ」
「方向性は正しいんじゃないですか?」
「だね。メインターゲットは子供なんでしょう?」
「えぇ、そうです」
「アイツらもそんな風に考えてたぜ。単純明快が伝わりやすいってな。金太郎なんかはそのまま、ヒーローみたいに技を連発してやるなんて言ってやがったしよ」
「へぇ」
「得意技を連発か。今まさにその最中のようだ」
「ホンマや。あれ、コート壊れたりしませんかね?」
「本番には出させないようなことは言われてるって白石君から聞いてるけど」
「そうか」
「まだまだぬるいな。もっと派手に血祭りにあげられないのかよ」
「それは子供が泣きます。貴方合宿所のコートに初めて夢姫が出て来た日に泣かせているでしょう」
コートに入っていない中高生達は驚いているようだけど、育人君の言っていることは事実だ
「お客さん、増えて来たね」
「あれは、開会式で挨拶しとった」
「『世界スポーツ交流祭』主催の方々ですね。さっそくいらっしゃいましたか」
「どこかで噂でも聞きつけたか」
「中高生達のアピールの成果だろ。やるじゃねぇかあいつ等」
フンってしてたけど
