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5日間の京都滞在最終日
「夢姫ちゃん」
「はい」
「またいつでもここにいらっしゃいな」
へ?
「私たちはいつでも歓迎したるさかい」
「ありがとうございます」
4年も会っていなかったのに、まさかこんな風に言ってくれるだなんて思わなかったのも事実だ
「夢姫ちゃんの帰って来る場所はちゃんと用意しといたるさかい」
「はい」
修ちゃんの優しさや面倒見の良さはきっとお母さん譲りなんだろう
「ほな、これで帰るわ」
「気ぃつけて行ってきぃや」
「おおきに」
「ありがとうございました」
お辞儀をして修ちゃんと一緒に新幹線に乗って帰って来たあたし達
「お帰り」
「ただいま」
「大分息抜きも出来た様だな」
「うん」
合宿所には既に立海生と四天宝寺、氷帝と揃っている状態だ
「帰って来たようだな」
「帰って来たってどういう事だよ?柳」
「夢姫はここ数日先輩と宿泊デートをしていたからな」
「はぁ!?」
うるさ…
「それもあるけど大元には夢姫のメンタルケアが最優先事項だったからやな。それ」
「「それに?」」
「4年前の夢姫から言われてた頼み事も一緒に叶えて来ただけや」
「「頼み事?」」
「そんな前から何か言ってたのかよぃ?」
「言われてたで。ちょうどツッキーと一緒に来た時。まだ夢姫が誰にも懐かへんかった時やったか。俺と奏多の地元で遠征があったんや」
「先輩達の地元って」
「ん?京都やで。その京都に行った時にな言うて来たんよ」
「一体」
「京都で舞妓はんを見たんや。『あの着物を着てみたい』ってな。でも当時夢姫はまだ小学校を卒業したばかりやって事で着させられへんかったけど、W杯や立海でのマネの仕事。合宿所じゃ栄養面での管理の仕事も頑張っとるさかい。夢姫の息抜きも兼ねて京都に行って来たって訳や」
「マジか」
「本当だよ。意外と歩くのに苦労はしたけどね」
「そうやろうな」
「種ヶ島先輩離れているんですか?」
そう聞いて来たのは弦君で
「きっとここに居る誰よりも慣れてるよね。修ちゃん」
「ほぅ」
「その先はコイツらにも秘密や夢姫」
「えー…」
「秘密だと言うのは」
「そのままの意味やで」
「修ちゃん」
「んー?」
「また連れて行ってね?」
「ちゃい☆」
やった!
「『また』というのは4年前と今回の他にも行くと言うのか」
「の、つもりだけど」
「せやなぁ、人混みの多い年末年始は避けたい所やけど…」
「けど?」
「夢姫はここに来てから毎年、新年は着物着とるし来年用の着物近いうちに見に行こか」
「やった!」
「それはまた」
「「着物…」」
「動きにくそうじゃのう」
「慣れたらそんな事あらへんけど、なれるまでに時間はかかるやろうな。毎年夢姫の着物見に行くんも慣れたもんやろうし」
「へ?」
「夢姫はな毎年京都で着物を見当てて借りるんよ」
「買うのではなく?」
「そんな滅多に着るもんやないしな」
確かに。合宿所にいればジャージでいることが多いし学校でも制服かジャージでいることがメインだ
「ですが借りるにしても時季的には少し早いのでは?」
「そないな事あらへんよ。人気の色や柄は早々に消えてくからなぁ」
「ですが着付けを出来る人間が」
「俺が出来るんやって。4年間毎年元旦のお参りは俺が着付けてるしなぁ」
「学校行くときの髪型は毎日してくれるよね習ちゃん」
「どれだけ器用なんじゃ」
部屋に荷物を置いてジャージに着替えて外に出ると
「帰って来たか」
「うん」
「久々の京都はどうだった?」
「あまり変わってないよ。でも久々に歩いて、修ちゃんと美味しい物も食べて来た」
「それは良かった」
「入江には言っていたのかアイツは」
「どういう事?」
「俺達には夢姫と出かけて来るとしか言っていなかったからな。行く場所までは聞いてなかったんだ」
そうだったんだ
「修ちゃんね4年前の約束守ってくれたんだよ」
「へぇ」
「4年前の約束なんてよくアイツ覚えてたな」
「それはやっぱり修ちゃんだからかな」
「そうだな。アイツはそういう奴だな」
「だね」
「だからかな」
ん?
「しばらくしたら京野菜が送られてくると思うよ」
京野菜…!
「普段、飯なんて越知たちがいなきゃ食おうともしねぇお前が京野菜は何も言わなくても食うんだから不思議なもんだな」
「だって美味しいんだもん」
「そうかよ」