坊ちゃん×ルック
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坊ルクリスマス2022
視界の端で何かが動いたような気がして、ルックは宙を見つめた。
(雪……)
どうりで寒いはずだ。
吐き出す息は白く、呼吸のたびに冷たい空気が肺に染み渡っていくのがわかる。
左手が骨まで冷たい。手袋をしてくれば良かった。
右手だけが温かい。手を繋いだまま彼のコートのポケットに入っているからだ。彼の手の温もりが心地良い。手袋をしてこなくて良かった。
「ルック、欲しいものは決まったの?」
「別に何でもいいって言ってるだろ」
答えると、彼は「そう言うと思った」と笑った。
彼がルックに贈るクリスマスプレゼントが決まるまで、今日は帰らないのだそうだ。
日が落ちはじめ、飾り立てられた街に明かりが灯りはじめる。
彼の真っ黒な髪に落ちた白い結晶が、鮮やかな原色に照らされている。その様子を眺めていると、彼は視線に気付いてルックへと微笑みかけた。
(このまま僕が決めなかったら、君はどうするんだろうね?)
ほんの少し意地悪な気持ちになりながら、ルックはポケットの中で彼の手を握りしめる。
(君はいつまで僕と一緒にいるつもり?)
――ルックが一番欲しいものは、もうとっくに決まっていた。