他カップリング
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リムの初恋がロイだったら可愛いなという妄想から生まれた切なめロイリムのお話
兄の姿を認め、リムスレーアは駆け出した。
「兄上!」
こちらに気付き、兄が優しい笑みを浮かべる。
「陛下」
「よそよそしいのう。堅苦しい挨拶は不要じゃ」
恭しく頭を垂れる兄の腕を掴んで制する。そのまま彼の腕を引っ張り、自室へと足を向けた。
「戻って早々ではあるが、兄妹水入らずで話したいことが山積みなのじゃ!」
侍女たちに二人きりにして欲しいと声を掛け、人を払う。
「そういえば、今回はリオンと一緒ではないのか?……」
和やかであるはずの兄妹の再会にしては、多少慌ただしくしすぎただろうか。しかし、どこからどう見ても、仲睦まじい兄妹のやり取りでしかないはずだ。その証拠に、訝しむ者など一人もいなかった。
ミアキスがいれば話は別だが、彼女は外に遣わしている。サウロニクス城に向かわせたため、数日間は留守の予定だ。
半ば引きずるかのように兄を連れ、足早に辿り着いた自室。リムスレーアは部屋の中に強引に兄を押し込む。そうして、後ろ手で速やかに鍵を閉ざした。
完全に二人きりになったところで、兄はプッと吹き出した。
「流石だな、女王サマ!『リオンと一緒ではないのか?』って……、プフッ、立派な役者じゃねーか!」
高貴な外見にそぐわない馬鹿笑いをする兄を睨みつけ、リムスレーアは顔を赤らめる。
「……そなたに言われとうないわ」
ツカツカと兄の元に歩いて行く。彼の背中に流れる、母譲りの豊かな銀髪。リムスレーアはそこに指を絡めると、むんずと鷲掴みにして引っ張った。
「こんなもの、早う取ってしまえ」
「あ!あんまり乱暴に扱うなよー。お手入れが大変なんだから」
奪った銀色の鬘の下から、赤茶けた色の髪が姿を現した。
「――久しいのう」
兄の姿をしていた男の背中に腕を回し、胸に顔を埋める。兄とは違う匂い。リムスレーアがずっと恋しく思っていた匂いだ。
兄とは違う手の平が、リムスレーアの髪を愛おしげに撫でる。あまりに心地良くて、いつまでもこうしていたいと願ってしまう。
それが叶わぬことを知っているから、こうして兄の不在時を見計らっては逢瀬を重ねた。
だが、そろそろタイムリミットだ。ずっとあれこれ言い訳をつけて引き伸ばし続けてきたが、いい加減に伴侶を決めなくてはならない。
彼がリムスレーアの伴侶となることはないのだ。
リムスレーアは顔を上げ、彼の瞳にとびきりの明るい笑顔を向けた。我ながら『立派な役者』である。
「ロイ。会いたかった!」
朗らかな声で告げ、もう一度、リムスレーアは彼の胸へと飛び込んだ。
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