ゲオルグ
坊ちゃん・2主・王子の名前を変換する
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ロックアックスでの既視感の話
追手はこちらで引き受けるから先へ進めと、そう言ってマキノとその姉を送り出したところで、ゲオルグは言いようのない嫌な感覚を覚えた。
既視感、あるいは第六感が告げる何か。
脳裏に浮かぶのは、紋章に取り憑かれた少年が横たわる少女を抱きかかえ、涙を零している姿――。
意識を現実に引き戻すためにフウッと息を吐いたところで、ゲオルグは隣にいたギオンと目が合った。いつも気丈に振舞っている彼が、珍しく不安そうな表情を浮かべている。
「ギオン?」
名を呼ぶと、少年は左手で右手の甲を擦りながら「嫌な感じがする」とこぼした。
ゲオルグの記憶の中で涙を流す少年と同じく、ギオンもまた紋章に取り憑かれている者の一人だ。常人には感じ得ない何かがわかるのだろう。
「ふむ……」
ゲオルグは頷いた。具体的に何かあるというわけではないのだが、こういう直感は当たるものだと経験的に知っていた。そうなると、このあとにとる行動はもはやただ一つ。
「要は、さっさと片付けてあの二人を追えば良いんだろ」
そう続けたのは真の紋章を持つ風使いの少年、ルックだ。
「軍主様がいないのは好都合だね。周りを気にしないで思う存分魔力を解放できる」
ルックは不遜な笑みを浮かべ、風を集め始める。
「流れ弾は勘弁しろよー。お前ら超人と違って、俺はパンピなんだよ」
ルックに向かって言いつつ、シーナは剣を抜いた。視線は追手の来る方向へ向けたまま、構えるその姿にはまるで隙かない。
「ゲオルグ殿、助太刀を頼みます」
「無論だ」
棍を構えながら詠唱を始めたギオンの申し出に答える。先手必勝だ。こちらへ迫る追手が間合いに入ると同時に抜刀する。柄に手を添え、その時を待つ。
「――いくぞ」
ゲオルグの一声と同時に、戦闘の火蓋が切られた。