第一章
夢小説設定
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キバナさんの家にお世話になって暫く
段々とここでの生活にも慣れてきた気がする
朝はキバナさんが先に起きてて朝ごはんを作ってもらう事が多く
焼きたてのトーストにサラダやフルーツたっぷりの栄養バランスのいい食事、キバナさんはプロテインも一緒に飲む
パッと見はチョコレートジュースみたいで美味しそうだから少し飲ませて貰ったけど…あたしには美味しさが分からなかったなぁ
食事が終わればキバナさんがポケモン達のお世話をしている間に掃除をすませる、その後に早朝のワイルドエリアへと二人で移動しバトルの練習をするのが日課だ
彼はジムリーダーの仕事がある為あまり時間に余裕がないのに、毎朝あたしの為に時間を作ってくれていた
出勤時間になれば家に送ってもらって夕方キバナさんが帰って来るまではあたしは一人の時間となる
その間に十年分の空いてしまった世の中の動きや知識を埋める為に本を読んだりテレビを見たりしてるんだけど
最近暇だと感じてしまう
『まだキバナさんが帰ってくるまで時間あるなぁ』
暇つぶしに何か面白い番組はないかと新聞を開くと目を引くとある記事が飛び込んできた
『チャンピオンダンデの握手会?』
ジムリーダーやチャンピオンは定期的にファンサービスをしているようで前は他のジムリーダーが握手会を開いていた気がする
今回はダンデくんらしいけど…
『シュートシティか…アーマーガアタクシーで行けば夕方には帰って来れるかな?』
今の時代のダンデくんに会えるかもしれない
テレビではちょこちょこ出てくるけど、あたしは彼が見えそうになると目を背けてしまっていた
大人になったダンデくんだと分かっているのに成長した彼を認めたくなくて直視できない、でも実際に会えば何か気持ちが変わるかもしれない
『一人で出かけちゃダメとは言われてないし…ちょっとならいいかな?』
シュートシティ
ガラルで最も大きな街でありローズタワーや観覧車等見所も多い
『(シュートシティなんて初めて来たけど…色んなお店があるんだな)』
高いビルに色とりどりのお店
少し離れた場所に見えるシュートシティの大きなスタジアムに見とれていると、あたしの前を小さな子供達が嬉しそうに駆けていった
「チャンピオンと握手できるんだって!」
「ダンデに会えるの!やった!」
子供達の走っていった方向を見ると遠目でも分かる程人集りが出来ていて中心にはきっとダンデくんがいるんだろう
あたしは黒いマスクを鼻の上まで上げキバナさんから借りたダブダブの黒いパーカーのフードを深く被り直した
ゆっくりと歩いて人集りに近づくとファンの皆はそれぞれプレゼントや色紙を手に持っていた
握手だけでなくプレゼントもできるのかな?
それなら…
あたしはちょっとしたイタズラを思いつき近場の雑貨屋へと走り一つのぬいぐるみを選んだ
黒いヒトカゲのぬいぐるみは腕にすっぽり収まる程よい大きさであたしが欲しいくらいだ
『(メッセージカードもつけてっと)』
ぬいぐるみの首に巻いたリボンの間にカードを差し込み準備オッケー!
きっと気が付かないだろうけど
困った顔を想像しクスクスとマスクの下で笑い握手会の列に戻る
段々と近づくにつれ見えてきたのは小さな子供から大人のファン達に一人一人挨拶をし握手をするダンデくん
顎ヒゲが生えてて体もゴツゴツで昔の女の子みたいな彼からは想像できない
「やあ!こんにちは!よく来てくれたな」
あたしの番になるとダンデくんは他のファンに接するのと同じように笑顔を向け片手を出してきた
リストバンドをした浅黒い手は大人の男性らしく大きくて手の甲には少し血管が浮き出ている
女性とは違った逞しい手に少し躊躇してしまい手を出せずにいると、あたしの抱いていたぬいぐるみにダンデくんは気がついた
「お?君が持っているのはヒトカゲのぬいぐるみだな!色は違うがヒトカゲは俺の最初の相棒なんだぜ!」
『(知ってるよ…大好きな相棒だもんね)』
言いたいけど言えない
声をかけてしまえばいいのに
あたしだよ?って言えばいいのに
大人になったダンデくんが酷く遠い存在に思えた
「君もトレーナーなのか?もしそうなら是非ジムチャレンジを目指してくれ!挑戦者は大歓迎だぜ!」
『…………っ』
あたしはマスクの下で唇を白くなるほど強く噛みしめ言葉を飲み込むと持っていたヒトカゲのぬいぐるみを彼に無理矢理押し付けた
「ん?俺にくれるのか?」
素早く頷いて握手もせずに、失礼だろうけど彼の前から走って逃げファンの人々を掻き分けてその場を去った
「あ、君っ!」
後ろから戸惑った声が聞こえたけど振り返れない、被っていたフードがはらりと後ろへと下がってしまったけど直す暇さえなく走り
アーマーガアタクシーの乗り場に残っていた一台のタクシーへと急いで乗り込んだ
『ふぅぅ…』
「お客さん!どこまで行きます?」
『あ、ナックルシティまでお願いします』
慌てすぎて息が苦しい
マスクを外そうかと肌とマスクの隙間に指をかけ下げようとした瞬間
バンッッッ!!!
外からタクシーの窓を強く叩く大きな音が響いた、窓に張り付いたその手はついさっき見た浅黒い手で……
「はぁっ、っ、待ってくれっ!!」
『(どっどうしてここにっ!!)』
タクシーを止めたのは……ダンデくんだった
段々とここでの生活にも慣れてきた気がする
朝はキバナさんが先に起きてて朝ごはんを作ってもらう事が多く
焼きたてのトーストにサラダやフルーツたっぷりの栄養バランスのいい食事、キバナさんはプロテインも一緒に飲む
パッと見はチョコレートジュースみたいで美味しそうだから少し飲ませて貰ったけど…あたしには美味しさが分からなかったなぁ
食事が終わればキバナさんがポケモン達のお世話をしている間に掃除をすませる、その後に早朝のワイルドエリアへと二人で移動しバトルの練習をするのが日課だ
彼はジムリーダーの仕事がある為あまり時間に余裕がないのに、毎朝あたしの為に時間を作ってくれていた
出勤時間になれば家に送ってもらって夕方キバナさんが帰って来るまではあたしは一人の時間となる
その間に十年分の空いてしまった世の中の動きや知識を埋める為に本を読んだりテレビを見たりしてるんだけど
最近暇だと感じてしまう
『まだキバナさんが帰ってくるまで時間あるなぁ』
暇つぶしに何か面白い番組はないかと新聞を開くと目を引くとある記事が飛び込んできた
『チャンピオンダンデの握手会?』
ジムリーダーやチャンピオンは定期的にファンサービスをしているようで前は他のジムリーダーが握手会を開いていた気がする
今回はダンデくんらしいけど…
『シュートシティか…アーマーガアタクシーで行けば夕方には帰って来れるかな?』
今の時代のダンデくんに会えるかもしれない
テレビではちょこちょこ出てくるけど、あたしは彼が見えそうになると目を背けてしまっていた
大人になったダンデくんだと分かっているのに成長した彼を認めたくなくて直視できない、でも実際に会えば何か気持ちが変わるかもしれない
『一人で出かけちゃダメとは言われてないし…ちょっとならいいかな?』
シュートシティ
ガラルで最も大きな街でありローズタワーや観覧車等見所も多い
『(シュートシティなんて初めて来たけど…色んなお店があるんだな)』
高いビルに色とりどりのお店
少し離れた場所に見えるシュートシティの大きなスタジアムに見とれていると、あたしの前を小さな子供達が嬉しそうに駆けていった
「チャンピオンと握手できるんだって!」
「ダンデに会えるの!やった!」
子供達の走っていった方向を見ると遠目でも分かる程人集りが出来ていて中心にはきっとダンデくんがいるんだろう
あたしは黒いマスクを鼻の上まで上げキバナさんから借りたダブダブの黒いパーカーのフードを深く被り直した
ゆっくりと歩いて人集りに近づくとファンの皆はそれぞれプレゼントや色紙を手に持っていた
握手だけでなくプレゼントもできるのかな?
それなら…
あたしはちょっとしたイタズラを思いつき近場の雑貨屋へと走り一つのぬいぐるみを選んだ
黒いヒトカゲのぬいぐるみは腕にすっぽり収まる程よい大きさであたしが欲しいくらいだ
『(メッセージカードもつけてっと)』
ぬいぐるみの首に巻いたリボンの間にカードを差し込み準備オッケー!
きっと気が付かないだろうけど
困った顔を想像しクスクスとマスクの下で笑い握手会の列に戻る
段々と近づくにつれ見えてきたのは小さな子供から大人のファン達に一人一人挨拶をし握手をするダンデくん
顎ヒゲが生えてて体もゴツゴツで昔の女の子みたいな彼からは想像できない
「やあ!こんにちは!よく来てくれたな」
あたしの番になるとダンデくんは他のファンに接するのと同じように笑顔を向け片手を出してきた
リストバンドをした浅黒い手は大人の男性らしく大きくて手の甲には少し血管が浮き出ている
女性とは違った逞しい手に少し躊躇してしまい手を出せずにいると、あたしの抱いていたぬいぐるみにダンデくんは気がついた
「お?君が持っているのはヒトカゲのぬいぐるみだな!色は違うがヒトカゲは俺の最初の相棒なんだぜ!」
『(知ってるよ…大好きな相棒だもんね)』
言いたいけど言えない
声をかけてしまえばいいのに
あたしだよ?って言えばいいのに
大人になったダンデくんが酷く遠い存在に思えた
「君もトレーナーなのか?もしそうなら是非ジムチャレンジを目指してくれ!挑戦者は大歓迎だぜ!」
『…………っ』
あたしはマスクの下で唇を白くなるほど強く噛みしめ言葉を飲み込むと持っていたヒトカゲのぬいぐるみを彼に無理矢理押し付けた
「ん?俺にくれるのか?」
素早く頷いて握手もせずに、失礼だろうけど彼の前から走って逃げファンの人々を掻き分けてその場を去った
「あ、君っ!」
後ろから戸惑った声が聞こえたけど振り返れない、被っていたフードがはらりと後ろへと下がってしまったけど直す暇さえなく走り
アーマーガアタクシーの乗り場に残っていた一台のタクシーへと急いで乗り込んだ
『ふぅぅ…』
「お客さん!どこまで行きます?」
『あ、ナックルシティまでお願いします』
慌てすぎて息が苦しい
マスクを外そうかと肌とマスクの隙間に指をかけ下げようとした瞬間
バンッッッ!!!
外からタクシーの窓を強く叩く大きな音が響いた、窓に張り付いたその手はついさっき見た浅黒い手で……
「はぁっ、っ、待ってくれっ!!」
『(どっどうしてここにっ!!)』
タクシーを止めたのは……ダンデくんだった
