第一章
夢小説設定
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いつの間にか窓から差し込む光は優しい茜色を過ぎ藍色へと染まっていた
自宅へと運ばれたナマエは夕飯の時間になっても部屋から出れず、ただベッドの上で小さく膝を抱きしめて座っていた
『………最悪』
自分が悪いのに一人でイライラしてキバナにまで八つ当たりしてしまった、挙げ句の果てには泣き出してしまい迷惑をかけてしまったのだ
どんな顔で会えばいいのか分からず時間ばかりが過ぎていく
涙が乾いた目元はヒリヒリとほんのり熱を持ち頭も重い、だるくて気分も罪悪感で最悪だ
このまま寝てしまおうかと思った時、部屋の扉をノックする音が響いた
「起きてるか?」
キバナだ
『……はい、起きてます』
運んで貰ったのにお礼も謝罪も言っていない
これ以上迷惑をかけるわけにはいかず、渋々返事をする
「入ってもいいか?」
『………………………………どうぞ』
時間のかかる返事を返すと扉が遠慮がちに開き部屋着へと着替えた彼が入ってきた
シャワーもすませたのだろう、普段は結んでいる黒い髪は下ろされ雰囲気が違う
黒いTシャツに楽なスウェットのズボンを着た彼の手にはサンドイッチの乗った皿があり、ゆっくりとベッドへと近寄ってきた
「少しは落ち着いたか?」
『……はい…すみませんでした』
やっと出た謝りの言葉を彼は受け取り彼女の近くに腰掛けた
彼の重みで僅かに揺れるベッドのスプリングを聞きながら次の言葉を探していると先に口を開いたのはキバナだった
「何も食べてなかっただろ?サンドイッチ作ったらよかったら食べろよ」
ベッドの上に乗せられた皿に視線を向ければレタスとハムの美味しそうなサンドイッチが見え空腹を体が思い出す
ぐぅぅ〜
『っ!』
「ぷっ、ハハハッ!腹の虫は素直だな!」
『〜〜っ!いただきます!』
お腹が鳴ってしまい言い訳なんてもうできない
半分ヤケクソになりながらもサンドイッチに手を伸ばしパンに噛み付けばシャキシャキとしたレタスとバターのいい風味が口の中に広がりどんなパンよりも美味く感じた
「オマエさ、ショッピングとキャンプならどっちが好き?」
『んんぅ?っ、なんですか?いきなり』
突然の提案に驚き食べ物を無理矢理喉へと流し込む、そんな彼女をよそにキバナはニッコリと笑い
「明日休み取れたからよ、パァーと遊ばね?って思ってさ」
『休み?でもあたしが選んでいいんですか?キバナさんにもやりたい事とか行きたいとこあるんじゃ?』
キバナの家に世話になってから暫く経つが、彼が仕事関係以外で出かけた記憶がない
夜も家にいるし休みらしい休みも家にいて自分の相手をしていた気がする
彼にも彼なりの世界や交友関係があるはず…
なのに……
「だから聞いてるじゃん?オレが今したい事はオマエと遊ぶ事なんだよ」
彼は当たり前のようにナマエと時間を共有したいと言ってくれた
それが何よりも嬉しくて…ナマエは緩みそうになる口元を結び小さく返事をかえした
『……じゃあ、キャンプ…したいです』
「よし!じゃあ明日の朝出発な!勿論キャンプでバトルもするからヒトカゲにも言っとけよ?」
用件が終わったのか
彼は勢いよくベッドから立ち上がりスプリングがまた音を鳴らした
そのままこの場を離れようとした彼に咄嗟に手が伸び
『あのっ!キバナさんっ!』
気がつけば彼のTシャツを掴んでしまった
「んー?どした?」
『…あ……聞かないんですか?なんで…あんな事したか…とか』
引き留めたのは自分だと言うのに、目を泳がせながら掴んでしまった手を力なく離した彼女は気不味そうに俯く
怒れた子猫のように体を小さくした彼女にキバナは困ったように眉を下げ、下を向くナマエの頭を撫でた
「聞きてぇけどさ、オマエが話す気になってからでいいよ…無理すんな」
頭を撫でる大きな手が気持ちよくて、恥ずかしい筈なのに振り払う事ができない
コチラを見下ろす青い瞳は優しく細められていて…なんだか変な気分だった
『なんで…そんなに優しいんですか?』
「お?今更気がついたか?元々キバナさまはめっちゃ優しくてイケメンないい男なんだよ!」
『…ふ……ふふっ、自分で言います?』
クスクスと漸く笑ってくれた少女の笑顔は可愛らしくて…キバナも自然と口角が上がり
もっと彼女に何かしてやりたくなった
「オマエが笑ってくれるなら、いくらでも言ってやるよ」
その気持ちが行動に出てしまったのだろう
彼は頭を撫でていた手でナマエの前髪を少しかき上げると露わになった額に顔を近づけ
彼女の額に可愛らしいリップ音を鳴らした
『っ!』
額に触れた柔らかい物
耳に響いたリップ音に驚き途端に顔を真っ赤に染める少女に満足するとキバナはニヤリと意地悪く笑いながら離れた
「明日は早ぇぞ?しっかり寝とけよ?」
『なっ、今!せ、セクハラした!』
額を抑え真っ赤な顔で怒るがキバナはケラケラと笑いながら扉へと歩き
「オレみたいなイケメンはこんな事でセクハラにはならねぇんだよ」
挑発的にウィンクし部屋から出れば少女の文句の雄叫びが聞こえキバナは笑いが止まらなかった
だが部屋を後にしリビングへの廊下を進むにつれ歩く足が遅くなり、ついにぴたりと止まると自分の唇を指でなぞり考え込む
「(なんで泣いてたか…そりゃ聞きてぇさ、でもがっついて聞いたらオマエまた泣くかもしれねぇだろ?)」
街で偶然会った時は嬉しかったというのに
何が彼女をそうさせたのか顔を青くさせ怯えるように泣き出した時はキバナは自分の胸が引き裂かれるかと思った
何のせいなのか
誰が泣かせたのか
考えただけで怒りを覚えてしまう
だからあの時…人目も忘れて彼女を抱き上げてしまった
いつもの強気な態度からは想像できない女の子らしい弱い姿を誰にも見せたくなかったから
「(オマエの泣き顔見ると……こっちはガラにもなく焦んだよ)」
ふと、彼女の額に触れた感触を思い出し自分の唇を手のひらで隠す
顔を真っ赤にしたナマエの表情や小さなピンク色の唇を思い出すと胸がドクンと高鳴り喉奥が鳴った
「(まさかオレ………マジか?……いやいやいや!そんなわけねぇーだろ!)」
そんなわけない、と自分に言い聞かせるが胸のときめきは早くなるばかりで苦しい
頭より体の方が素直なようだ
「……つーか、いつからこんなにヘタレになっちまったんだ?……オレ」
ふにゃりとその場にしゃがみ込む彼はいつの間にか熱くなっていた自分の顔を両手で隠し大きくため息を吐いた
自宅へと運ばれたナマエは夕飯の時間になっても部屋から出れず、ただベッドの上で小さく膝を抱きしめて座っていた
『………最悪』
自分が悪いのに一人でイライラしてキバナにまで八つ当たりしてしまった、挙げ句の果てには泣き出してしまい迷惑をかけてしまったのだ
どんな顔で会えばいいのか分からず時間ばかりが過ぎていく
涙が乾いた目元はヒリヒリとほんのり熱を持ち頭も重い、だるくて気分も罪悪感で最悪だ
このまま寝てしまおうかと思った時、部屋の扉をノックする音が響いた
「起きてるか?」
キバナだ
『……はい、起きてます』
運んで貰ったのにお礼も謝罪も言っていない
これ以上迷惑をかけるわけにはいかず、渋々返事をする
「入ってもいいか?」
『………………………………どうぞ』
時間のかかる返事を返すと扉が遠慮がちに開き部屋着へと着替えた彼が入ってきた
シャワーもすませたのだろう、普段は結んでいる黒い髪は下ろされ雰囲気が違う
黒いTシャツに楽なスウェットのズボンを着た彼の手にはサンドイッチの乗った皿があり、ゆっくりとベッドへと近寄ってきた
「少しは落ち着いたか?」
『……はい…すみませんでした』
やっと出た謝りの言葉を彼は受け取り彼女の近くに腰掛けた
彼の重みで僅かに揺れるベッドのスプリングを聞きながら次の言葉を探していると先に口を開いたのはキバナだった
「何も食べてなかっただろ?サンドイッチ作ったらよかったら食べろよ」
ベッドの上に乗せられた皿に視線を向ければレタスとハムの美味しそうなサンドイッチが見え空腹を体が思い出す
ぐぅぅ〜
『っ!』
「ぷっ、ハハハッ!腹の虫は素直だな!」
『〜〜っ!いただきます!』
お腹が鳴ってしまい言い訳なんてもうできない
半分ヤケクソになりながらもサンドイッチに手を伸ばしパンに噛み付けばシャキシャキとしたレタスとバターのいい風味が口の中に広がりどんなパンよりも美味く感じた
「オマエさ、ショッピングとキャンプならどっちが好き?」
『んんぅ?っ、なんですか?いきなり』
突然の提案に驚き食べ物を無理矢理喉へと流し込む、そんな彼女をよそにキバナはニッコリと笑い
「明日休み取れたからよ、パァーと遊ばね?って思ってさ」
『休み?でもあたしが選んでいいんですか?キバナさんにもやりたい事とか行きたいとこあるんじゃ?』
キバナの家に世話になってから暫く経つが、彼が仕事関係以外で出かけた記憶がない
夜も家にいるし休みらしい休みも家にいて自分の相手をしていた気がする
彼にも彼なりの世界や交友関係があるはず…
なのに……
「だから聞いてるじゃん?オレが今したい事はオマエと遊ぶ事なんだよ」
彼は当たり前のようにナマエと時間を共有したいと言ってくれた
それが何よりも嬉しくて…ナマエは緩みそうになる口元を結び小さく返事をかえした
『……じゃあ、キャンプ…したいです』
「よし!じゃあ明日の朝出発な!勿論キャンプでバトルもするからヒトカゲにも言っとけよ?」
用件が終わったのか
彼は勢いよくベッドから立ち上がりスプリングがまた音を鳴らした
そのままこの場を離れようとした彼に咄嗟に手が伸び
『あのっ!キバナさんっ!』
気がつけば彼のTシャツを掴んでしまった
「んー?どした?」
『…あ……聞かないんですか?なんで…あんな事したか…とか』
引き留めたのは自分だと言うのに、目を泳がせながら掴んでしまった手を力なく離した彼女は気不味そうに俯く
怒れた子猫のように体を小さくした彼女にキバナは困ったように眉を下げ、下を向くナマエの頭を撫でた
「聞きてぇけどさ、オマエが話す気になってからでいいよ…無理すんな」
頭を撫でる大きな手が気持ちよくて、恥ずかしい筈なのに振り払う事ができない
コチラを見下ろす青い瞳は優しく細められていて…なんだか変な気分だった
『なんで…そんなに優しいんですか?』
「お?今更気がついたか?元々キバナさまはめっちゃ優しくてイケメンないい男なんだよ!」
『…ふ……ふふっ、自分で言います?』
クスクスと漸く笑ってくれた少女の笑顔は可愛らしくて…キバナも自然と口角が上がり
もっと彼女に何かしてやりたくなった
「オマエが笑ってくれるなら、いくらでも言ってやるよ」
その気持ちが行動に出てしまったのだろう
彼は頭を撫でていた手でナマエの前髪を少しかき上げると露わになった額に顔を近づけ
彼女の額に可愛らしいリップ音を鳴らした
『っ!』
額に触れた柔らかい物
耳に響いたリップ音に驚き途端に顔を真っ赤に染める少女に満足するとキバナはニヤリと意地悪く笑いながら離れた
「明日は早ぇぞ?しっかり寝とけよ?」
『なっ、今!せ、セクハラした!』
額を抑え真っ赤な顔で怒るがキバナはケラケラと笑いながら扉へと歩き
「オレみたいなイケメンはこんな事でセクハラにはならねぇんだよ」
挑発的にウィンクし部屋から出れば少女の文句の雄叫びが聞こえキバナは笑いが止まらなかった
だが部屋を後にしリビングへの廊下を進むにつれ歩く足が遅くなり、ついにぴたりと止まると自分の唇を指でなぞり考え込む
「(なんで泣いてたか…そりゃ聞きてぇさ、でもがっついて聞いたらオマエまた泣くかもしれねぇだろ?)」
街で偶然会った時は嬉しかったというのに
何が彼女をそうさせたのか顔を青くさせ怯えるように泣き出した時はキバナは自分の胸が引き裂かれるかと思った
何のせいなのか
誰が泣かせたのか
考えただけで怒りを覚えてしまう
だからあの時…人目も忘れて彼女を抱き上げてしまった
いつもの強気な態度からは想像できない女の子らしい弱い姿を誰にも見せたくなかったから
「(オマエの泣き顔見ると……こっちはガラにもなく焦んだよ)」
ふと、彼女の額に触れた感触を思い出し自分の唇を手のひらで隠す
顔を真っ赤にしたナマエの表情や小さなピンク色の唇を思い出すと胸がドクンと高鳴り喉奥が鳴った
「(まさかオレ………マジか?……いやいやいや!そんなわけねぇーだろ!)」
そんなわけない、と自分に言い聞かせるが胸のときめきは早くなるばかりで苦しい
頭より体の方が素直なようだ
「……つーか、いつからこんなにヘタレになっちまったんだ?……オレ」
ふにゃりとその場にしゃがみ込む彼はいつの間にか熱くなっていた自分の顔を両手で隠し大きくため息を吐いた
