第一章
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宇宙を一人で支える女王
そして女王が世界を導く為に力となり支える力を持つ守護聖と呼ばれる九人の男性達
彼らはそれぞれの属性のサクリアという力を使い女王に仕えている
その力は無限ではなく別の者にサクリアの高まる兆しが見えると現守護聖は新しい守護聖へと自分の役目を交代する
いつになるか分からない交代
外界とは時の流れが違う聖地で暮らす守護聖
元の生まれた星へ帰る頃には家族も知っている友人もとうにいない事だろう
女王に使える名誉ある役目だが
彼らもまた不憫とも言えるのかもしれない
聖地ー女王の宮殿ー
『……(何がなんだか分からないや)』
殆ど無理矢理連れられ着いた場所は別の世界
何もかも見た事がない豪華な作りの建物や煌びやかな服を着た守護聖達
女王補佐官と名乗ったディアや自分と同じように女王候補生として呼ばれた少女達
ナマエは逃げる力もなくなってしまいただディアの説明を聞き、案内されるがまま彼女が主催した食事会に参加した
長テーブルに座らされ左右には女王候補生のロザリアとアンジェリークという少女が座った
ロザリアは紫色の巻いた髪と美しい気品が印象的だった、今回の試験にも戸惑いはなく自信に満ちた顔をしている
一方アンジェリークはキョロキョロと落ち着きなく守護聖や周りの景色に興味が向き年相応の少女という印象を受けた
自分はというと…
『(……なんでこんなにナイフやフォークがあるの?)』
テーブルマナーなんて知らない
いつもパンや残り物を食べるのがやっとで場合によっては立って食べたりもした
どうしたものかとじっと皿の上に乗った料理を眺めていると視線を感じ顔をあげた
目の前に座るのは水色の長い髪をした男性、リュミエールだった
彼はナマエと目が合うとニッコリと微笑みゆっくりとフォークとナイフを取り料理を一口分口にし、また彼女を見て微笑んだ
『(もしかして…教えてくれてる?)』
リュミエールの動きを真似し料理にナイフとフォークをつけぎこちなくも一口分を取り口に運ぶと…
『っ!美味しいっ!』
「まあ!それはよかったわ」
つい口にした感想は料理を作ったディアに好印象を与え、恥ずかしさに頬をほんのりと染めたナマエは照れながらもまた料理を口にしリュミエールも安心したように食事を続けた
暫く料理を皆で楽しむと光の守護聖であるジュリアスが三人の候補生へと声をかけた
「三人共、明日から女王試験が始まるが準備は事前に進んでいるのか?そなた達がどのように大陸を導いていくか聞いておきたいのだが」
大陸とはこの女王試験で次の女王を決める為に候補生達が守護聖の力を借りて育成する惑星の事だ
ロザリアはさっそうと答えジュリアスを納得させたが、アンジェリークの答えは随分とロザリアと差のある答えだった
大陸の人々が明るく元気に幸せに暮らせればいい!
とても簡潔で彼女らしいとも思いナマエは内心小さく心の中で拍手をした
生憎アンジェリークは守護聖達に呆れらたと感じたのか席を立ってしまったが…
「ナマエはどうだ」
不意に自分の名を呼ばれナマエは席から腰をゆっくりと上げ守護聖達を見た
皆興味津々といったとこだが、ナマエは小さく笑うと頭を下げた
『申し訳ありませんが…現時点では皆様に納得いく答えは出せません』
「………どういう事だ」
ジュリアスの眉間にシワがよるが、ナマエは顔をあげると真っ直ぐに彼を見つめた
『あたしは孤児として生きてました、満足のいく教育も受けておらずテーブルマナーさえ知りません…今回の試験も何も知識もない状態で大陸をどのように導くと簡単には言えません』
宇宙を司る女王が本当にいた事でさえ驚いているのに育成なんて…
本音を言えば今すぐ帰りたいと叫びたいが、もう戻れない場所に来てしまったのなら…
『ですので知識を蓄えるまで時間を頂きたいのです、他の候補生よりは遅れを取るでしょうが見守ってくだされば…嬉しいです』
ゆっくりとまた頭を下げれば柔らかそうな黒髪がサラリと肩から落ち儚い雰囲気を感じさせる
ジュリアスも彼女の事情は資料で知っている
これ以上は何も言うまいと頷くと食事会は終了した
『………はぁ』
迎えの馬車が来るまで休もうと中庭の木陰へと座り込むと体がどっと重く感じた
平気なふりをしていたが実際はずっと震えていた
強い緊張感に疲れてしまったナマエはぐったりと木に頭を預け瞳を閉じ深呼吸を数回し、こちらへと近寄る気配にすぐには気が付かなかった
「……おめぇー、やるじゃん」
『ひえっ!え?ぜっゼフェル…様?』
目の前に現れたのは鋼の守護聖ゼフェルだった
自分よりも年下だろうが守護聖には変わりない
遅れて様をつけて呼んでしまったが、彼は特に気にせず目線を合わせる為にしゃがんでくれた
「オレもさ、オマエと似たようなもんでさ…来たくもねぇのに守護聖だって突然言われてここに来たんだぜ?」
『ゼフェル様も?』
「今もまだ納得はしちゃいねーけどよ…来たばっかの癖にあんな事言えるおめぇーはすげぇよ」
ぶっきらぼうな言い方だが、どうやら褒めているようだ
気まずそうに自分の首の後ろをかく彼はどこを見ていいのか分からず視線を泳がせ口を尖らせる
守護聖は皆神様のような近寄りがたいイメージだったが、彼のおかげで違うと気が付き緊張が少し楽になった気がした
『凄くはないです…あたしも実は緊張してて手が震えて、ほらっまだ震えてるんですよ?』
両手を目の前に出せば僅かに震えている
それを見た彼は赤い目をきょとんと大きくさせ次の瞬間くしゃりと笑った
「ハハッ!だっせぇ!めっちゃ震えてんじゃんか」
『仕方ないですよ!いきなりあんな質問されたんだもん!』
逃げ出したい
帰りたいと思う心は本当
でも…ゼフェルの笑った顔を見て感じた
何故知識も何もない自分が選ばれたのか
それを知る為に頑張ろうと
そして女王が世界を導く為に力となり支える力を持つ守護聖と呼ばれる九人の男性達
彼らはそれぞれの属性のサクリアという力を使い女王に仕えている
その力は無限ではなく別の者にサクリアの高まる兆しが見えると現守護聖は新しい守護聖へと自分の役目を交代する
いつになるか分からない交代
外界とは時の流れが違う聖地で暮らす守護聖
元の生まれた星へ帰る頃には家族も知っている友人もとうにいない事だろう
女王に使える名誉ある役目だが
彼らもまた不憫とも言えるのかもしれない
聖地ー女王の宮殿ー
『……(何がなんだか分からないや)』
殆ど無理矢理連れられ着いた場所は別の世界
何もかも見た事がない豪華な作りの建物や煌びやかな服を着た守護聖達
女王補佐官と名乗ったディアや自分と同じように女王候補生として呼ばれた少女達
ナマエは逃げる力もなくなってしまいただディアの説明を聞き、案内されるがまま彼女が主催した食事会に参加した
長テーブルに座らされ左右には女王候補生のロザリアとアンジェリークという少女が座った
ロザリアは紫色の巻いた髪と美しい気品が印象的だった、今回の試験にも戸惑いはなく自信に満ちた顔をしている
一方アンジェリークはキョロキョロと落ち着きなく守護聖や周りの景色に興味が向き年相応の少女という印象を受けた
自分はというと…
『(……なんでこんなにナイフやフォークがあるの?)』
テーブルマナーなんて知らない
いつもパンや残り物を食べるのがやっとで場合によっては立って食べたりもした
どうしたものかとじっと皿の上に乗った料理を眺めていると視線を感じ顔をあげた
目の前に座るのは水色の長い髪をした男性、リュミエールだった
彼はナマエと目が合うとニッコリと微笑みゆっくりとフォークとナイフを取り料理を一口分口にし、また彼女を見て微笑んだ
『(もしかして…教えてくれてる?)』
リュミエールの動きを真似し料理にナイフとフォークをつけぎこちなくも一口分を取り口に運ぶと…
『っ!美味しいっ!』
「まあ!それはよかったわ」
つい口にした感想は料理を作ったディアに好印象を与え、恥ずかしさに頬をほんのりと染めたナマエは照れながらもまた料理を口にしリュミエールも安心したように食事を続けた
暫く料理を皆で楽しむと光の守護聖であるジュリアスが三人の候補生へと声をかけた
「三人共、明日から女王試験が始まるが準備は事前に進んでいるのか?そなた達がどのように大陸を導いていくか聞いておきたいのだが」
大陸とはこの女王試験で次の女王を決める為に候補生達が守護聖の力を借りて育成する惑星の事だ
ロザリアはさっそうと答えジュリアスを納得させたが、アンジェリークの答えは随分とロザリアと差のある答えだった
大陸の人々が明るく元気に幸せに暮らせればいい!
とても簡潔で彼女らしいとも思いナマエは内心小さく心の中で拍手をした
生憎アンジェリークは守護聖達に呆れらたと感じたのか席を立ってしまったが…
「ナマエはどうだ」
不意に自分の名を呼ばれナマエは席から腰をゆっくりと上げ守護聖達を見た
皆興味津々といったとこだが、ナマエは小さく笑うと頭を下げた
『申し訳ありませんが…現時点では皆様に納得いく答えは出せません』
「………どういう事だ」
ジュリアスの眉間にシワがよるが、ナマエは顔をあげると真っ直ぐに彼を見つめた
『あたしは孤児として生きてました、満足のいく教育も受けておらずテーブルマナーさえ知りません…今回の試験も何も知識もない状態で大陸をどのように導くと簡単には言えません』
宇宙を司る女王が本当にいた事でさえ驚いているのに育成なんて…
本音を言えば今すぐ帰りたいと叫びたいが、もう戻れない場所に来てしまったのなら…
『ですので知識を蓄えるまで時間を頂きたいのです、他の候補生よりは遅れを取るでしょうが見守ってくだされば…嬉しいです』
ゆっくりとまた頭を下げれば柔らかそうな黒髪がサラリと肩から落ち儚い雰囲気を感じさせる
ジュリアスも彼女の事情は資料で知っている
これ以上は何も言うまいと頷くと食事会は終了した
『………はぁ』
迎えの馬車が来るまで休もうと中庭の木陰へと座り込むと体がどっと重く感じた
平気なふりをしていたが実際はずっと震えていた
強い緊張感に疲れてしまったナマエはぐったりと木に頭を預け瞳を閉じ深呼吸を数回し、こちらへと近寄る気配にすぐには気が付かなかった
「……おめぇー、やるじゃん」
『ひえっ!え?ぜっゼフェル…様?』
目の前に現れたのは鋼の守護聖ゼフェルだった
自分よりも年下だろうが守護聖には変わりない
遅れて様をつけて呼んでしまったが、彼は特に気にせず目線を合わせる為にしゃがんでくれた
「オレもさ、オマエと似たようなもんでさ…来たくもねぇのに守護聖だって突然言われてここに来たんだぜ?」
『ゼフェル様も?』
「今もまだ納得はしちゃいねーけどよ…来たばっかの癖にあんな事言えるおめぇーはすげぇよ」
ぶっきらぼうな言い方だが、どうやら褒めているようだ
気まずそうに自分の首の後ろをかく彼はどこを見ていいのか分からず視線を泳がせ口を尖らせる
守護聖は皆神様のような近寄りがたいイメージだったが、彼のおかげで違うと気が付き緊張が少し楽になった気がした
『凄くはないです…あたしも実は緊張してて手が震えて、ほらっまだ震えてるんですよ?』
両手を目の前に出せば僅かに震えている
それを見た彼は赤い目をきょとんと大きくさせ次の瞬間くしゃりと笑った
「ハハッ!だっせぇ!めっちゃ震えてんじゃんか」
『仕方ないですよ!いきなりあんな質問されたんだもん!』
逃げ出したい
帰りたいと思う心は本当
でも…ゼフェルの笑った顔を見て感じた
何故知識も何もない自分が選ばれたのか
それを知る為に頑張ろうと
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