第一章
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眩しい程輝くシャンデリア
上品な笑い声とグラスが鳴らす甲高い音
ほんのり薄暗い室内に着飾ったスーツやドレスを着た紳士淑女
但し皆顔が分からないように仮面をつけている
今夜ガラルのとある会場で行われた催しは仮面舞踏会…蝶々のような仮面をつけた女性やアーマーガアの羽を使った仮面をつける男性
皆それぞれ違った仮面をつけており誰が誰だか分からない、その為普段なら近寄れないような業界人や身分の上の者と気楽に楽しめる
『(仮面一つで結構分からないもんだな)』
チハルは客ではなく雇われウェイトレスの一人であった
使用人は分かりやすいようにお揃いの白いシャツに黒いズボンかタイトな黒いスカートを着用しグラスを配ったり新しい軽食を用意したりと会場内を歩き回っていた
勿論彼女も目元が隠れる仮面をつけている
客も店側も今夜の事はお互いに秘密にする為だ
「おい、酒をくれ」
『はい只今』
人混みを抜けようとした時だ、見るからに中肉中背の男に声をかけられた
彼は既に酔っているのかもしれない、仮面ごしに赤い頬が見えるチハルはトレーで運んでいた透明な酒が入ったグラスを彼に手渡し早くその場を離れようとしたが
「待て、そんなに急いで戻らなくてもいいだろ?」
『いえ…仕事がありますので』
逃げようとするが脂ぎった手に手首を捕まれてしまい動けなくなってしまった
男はジロジロとチハルを舐め回すように下から上へと観察し白いシャツに隠された胸で視線を止めた
「せっかくだ君も飲みなさい」
流石に使用人は酒を飲むわけにはいかない
チハルは愛想笑いを浮べ身を引こうとするが下がれば男は迫ってくる
『いえ自分はっ』
「いいから、おっとと!」
その時だ男は自分が持っていたグラスを不自然にチハルの胸元へと零したではないか
じんわりと広がる酒の匂いと肌に貼り付くシャツ、透けたシャツからは柔らかそうな胸の谷間と下着が見え隠れしており男は興奮気味に厭らしく笑った
『(………わざとだよね?わざとでしょ!この親父っ!)』
「これは悪かった!今拭いてやろう」
『いえ結構です(触ったらグーで殴るっ!)』
ニヤニヤしながらハンカチを取り出そうとする男を見ながらチハルが片手に拳を作り始めていた時だ、二人の間に大きな男が割り込んできた
「いたいた!上から呼ばれてたぜ?」
『え?』
高身長の男は客の一人だろう
高そうなスーツに特注された仮面をつけた彼は青い瞳をニンマリと細め早口に言葉を続けた
「ん?あ〜らら、どうしたの?濡れてんじゃん?こんなとこにいないで着替えないと上に怒られちまうぜ」
男は自分の上着を脱ぎ彼女の肩にかけるとチハルが持っていた空になったトレーを中肉中背のあの男に手渡し微笑んだ
「ミスター、楽しいのも分かるが強引な行動も程々にな?他の美しい淑女が見てるぜ?」
「っ!あ、ああ…すまなかった」
男はそそくさと人混みの中へと消えていきチハルは上着を貸してくれた男を改めて見上げた
『あ…ありがとうございます』
「いいって、つーかオレ的にはもう少し見てようかとも迷ってたんだよね」
『なんでですか?』
「……あいつを殴ろうとしてたろ?見てたぜ」
指さしたのはチハルが拳を作っていた方の手だ、あんな人混みの中で分かるなんて…
「フフっあの男あんなんでも結構業界じゃ有名人だぜ?問題が起きたら面倒になるだろうな」
『ぅ…秘密にしてください』
「ハハ、オレを黙らせるなら高くつくぜ?」
慌てて手を隠すが男はふにゃりと笑いチハルの肩を軽く支え会場の外へ導いた
『あの!上が呼んでたって』
「あ〜嘘だから大丈夫、それよりまずその服なんとかしないとさ」
上着を肩からかけているとはいえ、高身長の彼からは身長差もありチハルの胸元がすっかり見えている
小柄な身長とは逆にシャツから浮き出た豊満な胸元の黒い下着はあの会場では毒だ
酒に酔って手を出そうとするものが後を絶たないだろう
『(黙ってて貰うには高くつく?お金?お金ないよっ!どうしよ!)』
男の心配をよそにチハルは胸元の強いアルコールの匂いも混ざり思考がおかしくなり、目つきがトロンとしてくる
「従業員の部屋ってある?着替えないと…」
『あっあの!なんでもします!なんでもするからっ…さっきの事は黙っててください!』
突然振り返り男の体に縋ってきた彼女はきっと酔っているのだろう
少しズレた仮面ごしに白い肌がピンク色に染まっている
「お嬢さん?酔ってるの?」
『あたし、今お金が必要で!だから…なんでもするから…』
男の硬い腹にぶつかって来た柔らかい胸の弾力の凄さに男はぎくりと青い目を見開いた
「あ〜そう言うの簡単に言っちゃ駄目だろ?悪い男だったらお嬢さんなんかペロリと食べられちゃうよ?」
口ではそう言うが、本音としては既に興味が湧いていた
男は褐色の手でズレ落ちそうな彼女の仮面をゆっくりと外し素顔を見つめた
「………いいの?食べちゃうよ?」
邪魔な仮面が隠していたのは少女と大人の女性の中間にいるような顔立ちだった
美しいプラチナブロンドの髪にスミレ色の瞳は酒のせいもあり色濃く輝き魅力的だ
白い肌に似合う薄いピンク色の唇を褐色の親指がそっと撫で形と柔らかさを確かめる
指の腹に感じる柔らかいそこに自分の唇を重ねたら…どんなに甘美な味が味わえるだろう
彼の喉が上下に揺れたのが見え、上から背中を丸めて顔を近づけてきたと思ったその時
「キバナ!ここにいたのか!」
大きな声が廊下に響いた
声に驚き我に返った二人が自然と声の主へと振り返ると仮面をつけ紫色の長い髪を一つに結んだ男が大股でこちらへと駆け寄ってきた
「はぁ〜遅っ!今何時か分かってんのか!まさかまた迷子か?」
キバナと呼ばれた男は然りげ無くチハルを背中に隠し走ってきた男に文句を言った
だがこの男は空気が読めないのか思ったままを口にしてしまうようだ
「彼女は?格好からして客ではなさそうだが…何かあったのか?」
従業員が客の上着を掛けられていては目立つ
キバナは隠しきれなかった事に舌打ちをしチハルへと顔だけを振り向かせた
「ほら早く行きなよ、風邪ひいちまうよ」
『あ…でもっ』
「いいから、行きな」
頭を下げ廊下を走っていってしまう白く長めの髪の彼女はまるでヒバニーのようだとキバナは感じ、ふと手元に握っていた彼女の仮面を見下ろした
「…………名前くらい聞いときゃよかったわ」
「ん?」
「なんでもねぇよ」
上品な笑い声とグラスが鳴らす甲高い音
ほんのり薄暗い室内に着飾ったスーツやドレスを着た紳士淑女
但し皆顔が分からないように仮面をつけている
今夜ガラルのとある会場で行われた催しは仮面舞踏会…蝶々のような仮面をつけた女性やアーマーガアの羽を使った仮面をつける男性
皆それぞれ違った仮面をつけており誰が誰だか分からない、その為普段なら近寄れないような業界人や身分の上の者と気楽に楽しめる
『(仮面一つで結構分からないもんだな)』
チハルは客ではなく雇われウェイトレスの一人であった
使用人は分かりやすいようにお揃いの白いシャツに黒いズボンかタイトな黒いスカートを着用しグラスを配ったり新しい軽食を用意したりと会場内を歩き回っていた
勿論彼女も目元が隠れる仮面をつけている
客も店側も今夜の事はお互いに秘密にする為だ
「おい、酒をくれ」
『はい只今』
人混みを抜けようとした時だ、見るからに中肉中背の男に声をかけられた
彼は既に酔っているのかもしれない、仮面ごしに赤い頬が見えるチハルはトレーで運んでいた透明な酒が入ったグラスを彼に手渡し早くその場を離れようとしたが
「待て、そんなに急いで戻らなくてもいいだろ?」
『いえ…仕事がありますので』
逃げようとするが脂ぎった手に手首を捕まれてしまい動けなくなってしまった
男はジロジロとチハルを舐め回すように下から上へと観察し白いシャツに隠された胸で視線を止めた
「せっかくだ君も飲みなさい」
流石に使用人は酒を飲むわけにはいかない
チハルは愛想笑いを浮べ身を引こうとするが下がれば男は迫ってくる
『いえ自分はっ』
「いいから、おっとと!」
その時だ男は自分が持っていたグラスを不自然にチハルの胸元へと零したではないか
じんわりと広がる酒の匂いと肌に貼り付くシャツ、透けたシャツからは柔らかそうな胸の谷間と下着が見え隠れしており男は興奮気味に厭らしく笑った
『(………わざとだよね?わざとでしょ!この親父っ!)』
「これは悪かった!今拭いてやろう」
『いえ結構です(触ったらグーで殴るっ!)』
ニヤニヤしながらハンカチを取り出そうとする男を見ながらチハルが片手に拳を作り始めていた時だ、二人の間に大きな男が割り込んできた
「いたいた!上から呼ばれてたぜ?」
『え?』
高身長の男は客の一人だろう
高そうなスーツに特注された仮面をつけた彼は青い瞳をニンマリと細め早口に言葉を続けた
「ん?あ〜らら、どうしたの?濡れてんじゃん?こんなとこにいないで着替えないと上に怒られちまうぜ」
男は自分の上着を脱ぎ彼女の肩にかけるとチハルが持っていた空になったトレーを中肉中背のあの男に手渡し微笑んだ
「ミスター、楽しいのも分かるが強引な行動も程々にな?他の美しい淑女が見てるぜ?」
「っ!あ、ああ…すまなかった」
男はそそくさと人混みの中へと消えていきチハルは上着を貸してくれた男を改めて見上げた
『あ…ありがとうございます』
「いいって、つーかオレ的にはもう少し見てようかとも迷ってたんだよね」
『なんでですか?』
「……あいつを殴ろうとしてたろ?見てたぜ」
指さしたのはチハルが拳を作っていた方の手だ、あんな人混みの中で分かるなんて…
「フフっあの男あんなんでも結構業界じゃ有名人だぜ?問題が起きたら面倒になるだろうな」
『ぅ…秘密にしてください』
「ハハ、オレを黙らせるなら高くつくぜ?」
慌てて手を隠すが男はふにゃりと笑いチハルの肩を軽く支え会場の外へ導いた
『あの!上が呼んでたって』
「あ〜嘘だから大丈夫、それよりまずその服なんとかしないとさ」
上着を肩からかけているとはいえ、高身長の彼からは身長差もありチハルの胸元がすっかり見えている
小柄な身長とは逆にシャツから浮き出た豊満な胸元の黒い下着はあの会場では毒だ
酒に酔って手を出そうとするものが後を絶たないだろう
『(黙ってて貰うには高くつく?お金?お金ないよっ!どうしよ!)』
男の心配をよそにチハルは胸元の強いアルコールの匂いも混ざり思考がおかしくなり、目つきがトロンとしてくる
「従業員の部屋ってある?着替えないと…」
『あっあの!なんでもします!なんでもするからっ…さっきの事は黙っててください!』
突然振り返り男の体に縋ってきた彼女はきっと酔っているのだろう
少しズレた仮面ごしに白い肌がピンク色に染まっている
「お嬢さん?酔ってるの?」
『あたし、今お金が必要で!だから…なんでもするから…』
男の硬い腹にぶつかって来た柔らかい胸の弾力の凄さに男はぎくりと青い目を見開いた
「あ〜そう言うの簡単に言っちゃ駄目だろ?悪い男だったらお嬢さんなんかペロリと食べられちゃうよ?」
口ではそう言うが、本音としては既に興味が湧いていた
男は褐色の手でズレ落ちそうな彼女の仮面をゆっくりと外し素顔を見つめた
「………いいの?食べちゃうよ?」
邪魔な仮面が隠していたのは少女と大人の女性の中間にいるような顔立ちだった
美しいプラチナブロンドの髪にスミレ色の瞳は酒のせいもあり色濃く輝き魅力的だ
白い肌に似合う薄いピンク色の唇を褐色の親指がそっと撫で形と柔らかさを確かめる
指の腹に感じる柔らかいそこに自分の唇を重ねたら…どんなに甘美な味が味わえるだろう
彼の喉が上下に揺れたのが見え、上から背中を丸めて顔を近づけてきたと思ったその時
「キバナ!ここにいたのか!」
大きな声が廊下に響いた
声に驚き我に返った二人が自然と声の主へと振り返ると仮面をつけ紫色の長い髪を一つに結んだ男が大股でこちらへと駆け寄ってきた
「はぁ〜遅っ!今何時か分かってんのか!まさかまた迷子か?」
キバナと呼ばれた男は然りげ無くチハルを背中に隠し走ってきた男に文句を言った
だがこの男は空気が読めないのか思ったままを口にしてしまうようだ
「彼女は?格好からして客ではなさそうだが…何かあったのか?」
従業員が客の上着を掛けられていては目立つ
キバナは隠しきれなかった事に舌打ちをしチハルへと顔だけを振り向かせた
「ほら早く行きなよ、風邪ひいちまうよ」
『あ…でもっ』
「いいから、行きな」
頭を下げ廊下を走っていってしまう白く長めの髪の彼女はまるでヒバニーのようだとキバナは感じ、ふと手元に握っていた彼女の仮面を見下ろした
「…………名前くらい聞いときゃよかったわ」
「ん?」
「なんでもねぇよ」