第一章
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パルデア地方
そびえ立つ山々や湖に囲まれた自然豊かなこの地方では農業が盛んな街もあれば夜も眠らない都会もあり人々とポケモンが共存している
中でもオレンジアカデミーは世界でも有数の歴史を持つ学校であり他の地方から学びに来る生徒も多い
ブルーベリー学園から来たチハルもその一人であり、今日は記念すべき初登校の日だ
『じゃ〜ん!どうかな?似合う?』
オレンジアカデミーの制服に着替えたチハルは従兄弟であるハルトの前でくるりと回って見せた
「うん!似合うよ」
『へへっありがとう!ブルーベリー学園の制服も好きだけどオレンジアカデミーの制服も動きやすそうでいいね』
オレンジ色の短パンを軽く撫で満足そうに笑うと二人は一階へと降りハルトの母へと制服姿を見せた、彼の母親は自分の娘のようにチハルの制服姿を褒め喜んでくれる
すると室内に来客を知らせる呼び鈴が鳴った
「多分クラベル先生だよ、僕が転入した時もすぐ来てくれたから」
『クラベル先生?』
ハルトにミサンガを着けた手を引かれ玄関へと急ぐと扉の向こうには背筋を真っ直ぐに伸ばした白髪の男性が立っていた
オレンジ色のスーツと腰に下げた沢山のボール
ついじっと見ていると彼は眼鏡を軽く直し微笑んだ
「ハルトさんこんにちは、貴女がブルーベリー学園より本校にいらしたチハルさんですね?」
『は、はい!チハルといいます!よろしくお願いします!』
「はい、元気で大変よろしい…私は校長のクラベル。シアノ先生よりお話は聞いてますよ?一年間アカデミーで沢山学んでいってくださいね」
ニコニコと微笑む彼はアカデミーのパンフレットが入った紙袋をチハルに手渡すと腰に下げていたボールを取りだし
「新入生にはポケモンをプレゼントする決まりでしてね、この三匹の中から貴方のパートナーポケモンを選んでください…どの子もとてもイイ子ですよ」
クラベルが取りだしたポケモンは三匹
ホゲータにニャオハ、そしてクワッスというポケモンだった
『うわぁ〜可愛いっ!』
「僕はホゲータを選んだ、チハルはどうする?同じにする?」
『え、ちょっと待って?皆可愛くて迷っちゃって』
それぞれに魅力はある
どうしようかと悩んでいるとじっとしていた子猫のようなポケモン、ニャオハが自ら彼女の足元へと近寄り前足で靴を引っ掻いた
『ニャオハ?』
「どうやら彼は君を気に入ったようですね」
人がポケモンを選ぶようにポケモンも人を選ぶのだ
ニャオハは彼女を選んだのだろう
チハルは足元にいる彼を抱き上げると視線の高さを合わせ問いかけた
『あたしと仲良くしてくれる?』
言葉が通じるか分からなかったが聞きたかった
ニャオハはじっと彼女を見つめると嬉しそうに笑い鳴き声をあげた
「決まりですね、では私は先にアカデミーに行ってます」
「ありがとうございますクラベル先生」
『あっありがとうございます!』
微笑みながらお辞儀をし帰っていく彼は紳士的で素敵だ
シアノとは違った大人の余裕を感じぼんやりしていると閉めたばかりのドアが乱暴に開いた
「ハルト!従兄弟ちゃん来た!いる?」
鼻息荒く扉を開けたのはお向かいに住むネモという女性だった
彼女はニャオハを抱くチハルを見つけるなり瞳をキラキラと輝かせ前のめりに迫ってくる
「君がチハルだね!ハルトから聞いてるよ!」
『え?あ、あのっ』
「こんにちはっ!わたしネモ!君ブルーベリー学園から来たんだよね!ポケモン好き?バトルはする?良かったら今からバトルしない?」
押せ押せモードで迫ってくる彼女に困惑しハルトに助けを求め視線を送ると彼は困り顔で苦笑いを浮かべていた
どうやらネモという女性はこれがいつも通りのようだ
自己紹介を済ませ軽くバトルをし終えると三人はアカデミーを目指しながら話に華を咲かせる
最近パルデアに引っ越してきたハルトはチハルより先にアカデミーに転入していた為、学校について教えてくれた
歴史の深い学校の為かそれぞれの教科や研究施設も充実していて楽しいらしい
「ねぇねぇ!チハルの学校は?どんな感じか教えてよ!強い人はいる?」
特にネモはブルーベリー学園とチハルに興味を持っており学園生活やリーグ部について細かく聞いてくる
『それでチャンピオンていうのがカキツバタ先輩なんだけど…普段はのんびりしてるのにドラゴンタイプを育てるのが上手くて技の構成も先読みが凄いの』
「へぇ〜!凄いじゃん!ドラゴンタイプって育て方難しいのに!」
『うん!尊敬してるよ!』
カキツバタを思い浮かべるといつものヘラヘラした顔が浮かぶ
きっとこの場に彼がいたら嬉しそうに笑ってくれる事だろう
『(そうだ、今夜電話してみよっかな?昨日は着いたばかりで疲れて寝ちゃったし)』
ブルーベリー学園からパルデアまで船旅で疲れてしまい彼に連絡を入れる事はできなかった
友人達からのメールは返したが一番世話になった先輩であるカキツバタにはメールではなくちゃんと声が聞きたかったのだ
『そう言えばオレンジアカデミーも寮があるんだよね?ちょっと楽しみだったんだ!』
「うん!個室にキッチンやシャワールームもあるから居心地いいよ?よかったら今度わたしの部屋にも遊びにおいでよ!ガールズトーク楽しんじゃおう!」
アカデミーが近づいた時だ
何処からともなくに大きな鳴き声が響き渡り三人は足を止めた
「今の何?」
人ではないその声はポケモンだろうか
それぞれが辺りを見回すと崖の下に見たこともない赤く大きな体のポケモンが倒れていた
『ハルト!ネモちゃん!こっちにっ…て、うわわっ!』
二人を呼ぼうと振り返ると草に足を滑らせチハルは崖下へと落ちてしまう
浮遊感と直ぐ様見えてきた砂浜に身構えると彼女の懐からスマホロトムが飛び出し咄嗟にチハルはロトムを掴んだ
『ひっ!』
スマホにいつも入っていて忘れがちだがロトムもれっきとしたポケモンだ
パートナーの危機を察知し助けてくれたようだ
意外に力持ちなロトムに捕まりゆらゆらと地面に降り立つとチハルは大きく息を吐き震える足元を撫でた
『ロトム〜ありがとうっ!』
ケタケタと笑うロトムは満足するとポケットへと戻っていき、彼女の存在に気がついたのか赤いポケモンをいじめていた子犬のようなポケモンは洞窟へと逃げていった
『………初めてみるポケモンだ』
半分体を波に揺らされながら浜辺に倒れ込んでいるポケモンは首だけを軽くあげチハルをじっと見つめていた
警戒しているのか鼻息は荒い
だが逃げることも戦う元気もないのかそれ以上は動こうとしなかった
『大丈夫?傷薬を…って…持ってないや!何か元気になるもの元気になるもの!…あ』
鞄を漁り見つけたのはハルトの母親が持たせてくれたサンドイッチだ
彼女の昼ご飯の予定だったが、今はそれどころではない
『これ…食べる?』
サンドイッチを差し出すとポケモンは彼女とサンドイッチを交互に見比べ、次の瞬間サンドイッチに噛みついた
ガツガツと大きな口でサンドイッチを飲み込んだポケモンは元気を取り戻して立ち上がると
アギャッス!
とお礼を言うように鳴いた
『いいよ、元気になったならよかった!』
ふにゃりと笑うと赤いポケモンは突如光だし体が変化しだした
竜人のように二足歩行となり赤い鱗の体は光り輝き、爪は鋭くなる
目に力が出た赤いポケモンは洞窟の先を見つめるとチラリとチハルを見つめノシノシと大きな体で洞窟へと消えていった
『怪我とか大丈夫なの?そっちに何かあるの?』
あんなにぐったりとしていたというのに、この洞窟に何かあるんだろう?
それともただ休める場所を探していただけなのか…
『あぁ〜もう、ほっとけないし…待ってよ!』
倒れていた姿を見ていたせいか心配になりチハルは洞窟へとついていく
そびえ立つ山々や湖に囲まれた自然豊かなこの地方では農業が盛んな街もあれば夜も眠らない都会もあり人々とポケモンが共存している
中でもオレンジアカデミーは世界でも有数の歴史を持つ学校であり他の地方から学びに来る生徒も多い
ブルーベリー学園から来たチハルもその一人であり、今日は記念すべき初登校の日だ
『じゃ〜ん!どうかな?似合う?』
オレンジアカデミーの制服に着替えたチハルは従兄弟であるハルトの前でくるりと回って見せた
「うん!似合うよ」
『へへっありがとう!ブルーベリー学園の制服も好きだけどオレンジアカデミーの制服も動きやすそうでいいね』
オレンジ色の短パンを軽く撫で満足そうに笑うと二人は一階へと降りハルトの母へと制服姿を見せた、彼の母親は自分の娘のようにチハルの制服姿を褒め喜んでくれる
すると室内に来客を知らせる呼び鈴が鳴った
「多分クラベル先生だよ、僕が転入した時もすぐ来てくれたから」
『クラベル先生?』
ハルトにミサンガを着けた手を引かれ玄関へと急ぐと扉の向こうには背筋を真っ直ぐに伸ばした白髪の男性が立っていた
オレンジ色のスーツと腰に下げた沢山のボール
ついじっと見ていると彼は眼鏡を軽く直し微笑んだ
「ハルトさんこんにちは、貴女がブルーベリー学園より本校にいらしたチハルさんですね?」
『は、はい!チハルといいます!よろしくお願いします!』
「はい、元気で大変よろしい…私は校長のクラベル。シアノ先生よりお話は聞いてますよ?一年間アカデミーで沢山学んでいってくださいね」
ニコニコと微笑む彼はアカデミーのパンフレットが入った紙袋をチハルに手渡すと腰に下げていたボールを取りだし
「新入生にはポケモンをプレゼントする決まりでしてね、この三匹の中から貴方のパートナーポケモンを選んでください…どの子もとてもイイ子ですよ」
クラベルが取りだしたポケモンは三匹
ホゲータにニャオハ、そしてクワッスというポケモンだった
『うわぁ〜可愛いっ!』
「僕はホゲータを選んだ、チハルはどうする?同じにする?」
『え、ちょっと待って?皆可愛くて迷っちゃって』
それぞれに魅力はある
どうしようかと悩んでいるとじっとしていた子猫のようなポケモン、ニャオハが自ら彼女の足元へと近寄り前足で靴を引っ掻いた
『ニャオハ?』
「どうやら彼は君を気に入ったようですね」
人がポケモンを選ぶようにポケモンも人を選ぶのだ
ニャオハは彼女を選んだのだろう
チハルは足元にいる彼を抱き上げると視線の高さを合わせ問いかけた
『あたしと仲良くしてくれる?』
言葉が通じるか分からなかったが聞きたかった
ニャオハはじっと彼女を見つめると嬉しそうに笑い鳴き声をあげた
「決まりですね、では私は先にアカデミーに行ってます」
「ありがとうございますクラベル先生」
『あっありがとうございます!』
微笑みながらお辞儀をし帰っていく彼は紳士的で素敵だ
シアノとは違った大人の余裕を感じぼんやりしていると閉めたばかりのドアが乱暴に開いた
「ハルト!従兄弟ちゃん来た!いる?」
鼻息荒く扉を開けたのはお向かいに住むネモという女性だった
彼女はニャオハを抱くチハルを見つけるなり瞳をキラキラと輝かせ前のめりに迫ってくる
「君がチハルだね!ハルトから聞いてるよ!」
『え?あ、あのっ』
「こんにちはっ!わたしネモ!君ブルーベリー学園から来たんだよね!ポケモン好き?バトルはする?良かったら今からバトルしない?」
押せ押せモードで迫ってくる彼女に困惑しハルトに助けを求め視線を送ると彼は困り顔で苦笑いを浮かべていた
どうやらネモという女性はこれがいつも通りのようだ
自己紹介を済ませ軽くバトルをし終えると三人はアカデミーを目指しながら話に華を咲かせる
最近パルデアに引っ越してきたハルトはチハルより先にアカデミーに転入していた為、学校について教えてくれた
歴史の深い学校の為かそれぞれの教科や研究施設も充実していて楽しいらしい
「ねぇねぇ!チハルの学校は?どんな感じか教えてよ!強い人はいる?」
特にネモはブルーベリー学園とチハルに興味を持っており学園生活やリーグ部について細かく聞いてくる
『それでチャンピオンていうのがカキツバタ先輩なんだけど…普段はのんびりしてるのにドラゴンタイプを育てるのが上手くて技の構成も先読みが凄いの』
「へぇ〜!凄いじゃん!ドラゴンタイプって育て方難しいのに!」
『うん!尊敬してるよ!』
カキツバタを思い浮かべるといつものヘラヘラした顔が浮かぶ
きっとこの場に彼がいたら嬉しそうに笑ってくれる事だろう
『(そうだ、今夜電話してみよっかな?昨日は着いたばかりで疲れて寝ちゃったし)』
ブルーベリー学園からパルデアまで船旅で疲れてしまい彼に連絡を入れる事はできなかった
友人達からのメールは返したが一番世話になった先輩であるカキツバタにはメールではなくちゃんと声が聞きたかったのだ
『そう言えばオレンジアカデミーも寮があるんだよね?ちょっと楽しみだったんだ!』
「うん!個室にキッチンやシャワールームもあるから居心地いいよ?よかったら今度わたしの部屋にも遊びにおいでよ!ガールズトーク楽しんじゃおう!」
アカデミーが近づいた時だ
何処からともなくに大きな鳴き声が響き渡り三人は足を止めた
「今の何?」
人ではないその声はポケモンだろうか
それぞれが辺りを見回すと崖の下に見たこともない赤く大きな体のポケモンが倒れていた
『ハルト!ネモちゃん!こっちにっ…て、うわわっ!』
二人を呼ぼうと振り返ると草に足を滑らせチハルは崖下へと落ちてしまう
浮遊感と直ぐ様見えてきた砂浜に身構えると彼女の懐からスマホロトムが飛び出し咄嗟にチハルはロトムを掴んだ
『ひっ!』
スマホにいつも入っていて忘れがちだがロトムもれっきとしたポケモンだ
パートナーの危機を察知し助けてくれたようだ
意外に力持ちなロトムに捕まりゆらゆらと地面に降り立つとチハルは大きく息を吐き震える足元を撫でた
『ロトム〜ありがとうっ!』
ケタケタと笑うロトムは満足するとポケットへと戻っていき、彼女の存在に気がついたのか赤いポケモンをいじめていた子犬のようなポケモンは洞窟へと逃げていった
『………初めてみるポケモンだ』
半分体を波に揺らされながら浜辺に倒れ込んでいるポケモンは首だけを軽くあげチハルをじっと見つめていた
警戒しているのか鼻息は荒い
だが逃げることも戦う元気もないのかそれ以上は動こうとしなかった
『大丈夫?傷薬を…って…持ってないや!何か元気になるもの元気になるもの!…あ』
鞄を漁り見つけたのはハルトの母親が持たせてくれたサンドイッチだ
彼女の昼ご飯の予定だったが、今はそれどころではない
『これ…食べる?』
サンドイッチを差し出すとポケモンは彼女とサンドイッチを交互に見比べ、次の瞬間サンドイッチに噛みついた
ガツガツと大きな口でサンドイッチを飲み込んだポケモンは元気を取り戻して立ち上がると
アギャッス!
とお礼を言うように鳴いた
『いいよ、元気になったならよかった!』
ふにゃりと笑うと赤いポケモンは突如光だし体が変化しだした
竜人のように二足歩行となり赤い鱗の体は光り輝き、爪は鋭くなる
目に力が出た赤いポケモンは洞窟の先を見つめるとチラリとチハルを見つめノシノシと大きな体で洞窟へと消えていった
『怪我とか大丈夫なの?そっちに何かあるの?』
あんなにぐったりとしていたというのに、この洞窟に何かあるんだろう?
それともただ休める場所を探していただけなのか…
『あぁ〜もう、ほっとけないし…待ってよ!』
倒れていた姿を見ていたせいか心配になりチハルは洞窟へとついていく