第二章(青年期)
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『(ラブレターの返事…どうしようかな)』
翌日、部屋で身支度をしていたチハルはぼんやりと制服に腕を通しこの場にいない相手の事を思い浮かべていた
『(というかアレはラブレターでいいんだよね?付き合ってほしいって…そういう事だもんね?これってオッケーだしたら恋人って事?うわわっなんか…緊張してきたっ)』
男性と付き合った事なんてない
恋人という存在に憧れてはいたが、いざ自分が誰かと付き合うかもしれないと考えると気持ちがふわふわと浮き出し落ち着かない
いつもより時間をかけて鏡をチェックし、制服に着替え終わる
ほんのりと頰を染めたまま廊下へと出ると待っていたかのように私服姿のダンデが立っていた
『おっお兄ちゃん!』
「おはよう!なかなか降りてこないからまだ寝てるのかと思ったぜ」
ニッコリと微笑む兄の顔がなぜだか直視できずチハルは首の後ろが熱く感じた
『あ、うん!ちょっと髪が決まらなくて時間かかっちゃった』
熱い頬にかかる髪の毛を耳に入るかけようとするが慌ててしまい耳に上手くかけられない
手を離すとハラリと落ちてしまう髪に気不味そうに視線を泳がせていると大きな手が彼女の頰へと伸びた
その手はゆっくりと頰を人差し指の背でなぞり髪に隠れた耳の付け根へと侵入してくる
自分の熱い頰より少し冷たい彼の手が耳の付け根に触れ髪をかける為に耳の後ろへと滑っていく
『んぅっ』
ゾクゾクとした物が走りつい声が漏れ出てしまう
ぴくんっと体を揺らし肩をすくめる彼女の声はどこか甘い声であり、ダンデは静かに口角を吊り上げる
「チハルは普段から可愛いから大丈夫だぜ」
髪を耳にかけ終わった彼の手は触れる必要のない耳たぶを軽く撫で静かに離れていく
余韻を残されたチハルは暫くダンデを見つめてしまうが、彼は何でもなかったように微笑み
「さあ食事にしよう!本当に遅刻してしまうぞ?」
先にダンデが階段を降り始めるとチハルはハッと我に帰った
『あ、大変!急がなきゃ!』
漸く頭がハッキリした
腕時計は既にいつもなら家を出ている時刻を示しておりチハルも慌ててダンデを追いかけ階段を降りていった
すると、ふと一階のリビングのテーブルが目に入り込む
二階から一階へと降りる途中に見えるいつも通りの景色だが綺麗になったテーブルの様子に違和感が感じた
『(あれ?あたし…テーブルの上片付けたっけ?)』
昨日は結局風呂をすませた後もリビングのソファでダンデと暫く話をしていたが眠気に負け記憶がない
階段を降りる途中で足を止めると前を数段進んでいたダンデへと声をかけた
『ねぇお兄ちゃん、あたし昨日どうやって部屋に帰ったんだっけ?』
「ん?」
『お風呂から上がって…お兄ちゃんと話して…その後全然覚えてないんだけど』
足を止めたダンデは後ろを見上げ不思議そうにこちらを見るチハルをじっと見つめた
小麦色の肌に薄いピンク色の唇、スカートから出た柔らかそうな太ももに目が向かいそうになり気を引き締め直す
「なんだ覚えてないのか?もう動きたくないってチハルから俺に甘えてきたんじゃないか」
『へっ!!』
「俺の首にいきなり抱きついてお兄ちゃんお兄ちゃんって甘えて仕方なくベッドまで送ってやったんだぜ?」
『〜〜うっ嘘だ!絶対うそっ!』
顔を真っ赤に染めた彼女にダンデはクスクスと笑いながら降りていきチハルも乱暴に踏み鳴らし降りていく
半分は本当、半分は嘘だ
眠気により動けないと言った彼女をいい事にダンデはわざとチハルに甘えさせ彼女を抱き上げ部屋へと送ったのだ
「(本当に覚えてないんだな)」
ベッドへ送った後…ダンデは女性らしくなる彼女の魅力に我慢できず頬にキスを贈ったのだが生憎チハルは覚えていない
「(なら…もっと触っても大丈夫という事か)」
前を向きながらニヤリと笑う彼はこれからの事に期待し瞳を輝かせ、チハルは自分の犯した嘘の失態に頭を悩ませていた
『あれ?ここに置いてた手紙は?』
「………さあな…ゴミと思って捨てられたんじゃないか?」
『あ〜おじいちゃんかな?もぉーすぐ捨てるんだから!』
ブツブツと文句を言い階段を降り終えると彼女の腰に下げていたボールからヒトカゲが飛び出し、腹が減ったとアピールしてきた
新しい相棒の為に食事を準備しなくては
目の前の事に夢中になりチハルはあの手紙達を探す事は出来なかった
ゴミ箱の奥でぐしゃりと形を変えられた手紙達を……
食事を済ませ玄関で靴を履き終えると後ろからダンデの手が彼女の手首を突然掴んだ
『お兄ちゃん?』
「…………学校は楽しいか?」
『え?』
「嫌なら行かなくていいんだぜ?」
一瞬で頭に蘇る登校初日の朝の光景
兄は自分の心配をまだしているのだと感じたチハルはふにゃりと困ったように笑い返した
『もう、いつの話?あたしもう学校嫌いなんて思ってないよ?』
兄の手から逃げ鞄を肩にかけ直すと今度こそとドアノブに手を伸ばそうとした
だが、
ダンっっ!!
と大きな音をさせドアにダンデの手が叩きつけられる
何が起こったのかと呆気に取られドアを抑えるダンデの手を見つめると彼女の後ろから彼の気配が近寄り後ろから包み込むように覆いかぶさったきた
「今日は休まないか?」
『え……お兄ちゃん?どういう…事?』
何故か振り向けなかった
耳元に寄せられた彼の声を聞きながらも動けずにいると薄い腹にもう片方の太い腕が周りぐっと後ろへと引き寄せられた
『ぅ…あ……』
「………チハル」
より密着したダンデの体は筋肉質で硬い
それでいて肉厚な弾力を感じ腹に回された腕の太さに驚いた
「漸くできた休暇なんだ、この日を愛する妹とゆっくりできると期待してたんだぜ?」
『で…、でも…学校が…』
逃げようとする彼女の腹をダンデは手のひらで撫で僅かに服の上からヘソ下に指先が触れる
際どい部分に擽ったさと恥ずかしさを感じ息を飲むと、ダンデは甘く艶めいた男の声で囁いた
「今日だけだ…………な?……いいだろ?」
まるで恋人にお願い事を言うようだった
兄からこんな声が出るなんて初めて知った
驚きに頭が混乱した彼女は嫌とは言えず頷くとダンデは瞳をにんまりと細め笑った
「(そうだ…君が優先するのは俺だけでいい、あの手紙の男達には二度と会わせないぜ)」
壊れた愛はじわじわとチハルに迫っていた
翌日、部屋で身支度をしていたチハルはぼんやりと制服に腕を通しこの場にいない相手の事を思い浮かべていた
『(というかアレはラブレターでいいんだよね?付き合ってほしいって…そういう事だもんね?これってオッケーだしたら恋人って事?うわわっなんか…緊張してきたっ)』
男性と付き合った事なんてない
恋人という存在に憧れてはいたが、いざ自分が誰かと付き合うかもしれないと考えると気持ちがふわふわと浮き出し落ち着かない
いつもより時間をかけて鏡をチェックし、制服に着替え終わる
ほんのりと頰を染めたまま廊下へと出ると待っていたかのように私服姿のダンデが立っていた
『おっお兄ちゃん!』
「おはよう!なかなか降りてこないからまだ寝てるのかと思ったぜ」
ニッコリと微笑む兄の顔がなぜだか直視できずチハルは首の後ろが熱く感じた
『あ、うん!ちょっと髪が決まらなくて時間かかっちゃった』
熱い頬にかかる髪の毛を耳に入るかけようとするが慌ててしまい耳に上手くかけられない
手を離すとハラリと落ちてしまう髪に気不味そうに視線を泳がせていると大きな手が彼女の頰へと伸びた
その手はゆっくりと頰を人差し指の背でなぞり髪に隠れた耳の付け根へと侵入してくる
自分の熱い頰より少し冷たい彼の手が耳の付け根に触れ髪をかける為に耳の後ろへと滑っていく
『んぅっ』
ゾクゾクとした物が走りつい声が漏れ出てしまう
ぴくんっと体を揺らし肩をすくめる彼女の声はどこか甘い声であり、ダンデは静かに口角を吊り上げる
「チハルは普段から可愛いから大丈夫だぜ」
髪を耳にかけ終わった彼の手は触れる必要のない耳たぶを軽く撫で静かに離れていく
余韻を残されたチハルは暫くダンデを見つめてしまうが、彼は何でもなかったように微笑み
「さあ食事にしよう!本当に遅刻してしまうぞ?」
先にダンデが階段を降り始めるとチハルはハッと我に帰った
『あ、大変!急がなきゃ!』
漸く頭がハッキリした
腕時計は既にいつもなら家を出ている時刻を示しておりチハルも慌ててダンデを追いかけ階段を降りていった
すると、ふと一階のリビングのテーブルが目に入り込む
二階から一階へと降りる途中に見えるいつも通りの景色だが綺麗になったテーブルの様子に違和感が感じた
『(あれ?あたし…テーブルの上片付けたっけ?)』
昨日は結局風呂をすませた後もリビングのソファでダンデと暫く話をしていたが眠気に負け記憶がない
階段を降りる途中で足を止めると前を数段進んでいたダンデへと声をかけた
『ねぇお兄ちゃん、あたし昨日どうやって部屋に帰ったんだっけ?』
「ん?」
『お風呂から上がって…お兄ちゃんと話して…その後全然覚えてないんだけど』
足を止めたダンデは後ろを見上げ不思議そうにこちらを見るチハルをじっと見つめた
小麦色の肌に薄いピンク色の唇、スカートから出た柔らかそうな太ももに目が向かいそうになり気を引き締め直す
「なんだ覚えてないのか?もう動きたくないってチハルから俺に甘えてきたんじゃないか」
『へっ!!』
「俺の首にいきなり抱きついてお兄ちゃんお兄ちゃんって甘えて仕方なくベッドまで送ってやったんだぜ?」
『〜〜うっ嘘だ!絶対うそっ!』
顔を真っ赤に染めた彼女にダンデはクスクスと笑いながら降りていきチハルも乱暴に踏み鳴らし降りていく
半分は本当、半分は嘘だ
眠気により動けないと言った彼女をいい事にダンデはわざとチハルに甘えさせ彼女を抱き上げ部屋へと送ったのだ
「(本当に覚えてないんだな)」
ベッドへ送った後…ダンデは女性らしくなる彼女の魅力に我慢できず頬にキスを贈ったのだが生憎チハルは覚えていない
「(なら…もっと触っても大丈夫という事か)」
前を向きながらニヤリと笑う彼はこれからの事に期待し瞳を輝かせ、チハルは自分の犯した嘘の失態に頭を悩ませていた
『あれ?ここに置いてた手紙は?』
「………さあな…ゴミと思って捨てられたんじゃないか?」
『あ〜おじいちゃんかな?もぉーすぐ捨てるんだから!』
ブツブツと文句を言い階段を降り終えると彼女の腰に下げていたボールからヒトカゲが飛び出し、腹が減ったとアピールしてきた
新しい相棒の為に食事を準備しなくては
目の前の事に夢中になりチハルはあの手紙達を探す事は出来なかった
ゴミ箱の奥でぐしゃりと形を変えられた手紙達を……
食事を済ませ玄関で靴を履き終えると後ろからダンデの手が彼女の手首を突然掴んだ
『お兄ちゃん?』
「…………学校は楽しいか?」
『え?』
「嫌なら行かなくていいんだぜ?」
一瞬で頭に蘇る登校初日の朝の光景
兄は自分の心配をまだしているのだと感じたチハルはふにゃりと困ったように笑い返した
『もう、いつの話?あたしもう学校嫌いなんて思ってないよ?』
兄の手から逃げ鞄を肩にかけ直すと今度こそとドアノブに手を伸ばそうとした
だが、
ダンっっ!!
と大きな音をさせドアにダンデの手が叩きつけられる
何が起こったのかと呆気に取られドアを抑えるダンデの手を見つめると彼女の後ろから彼の気配が近寄り後ろから包み込むように覆いかぶさったきた
「今日は休まないか?」
『え……お兄ちゃん?どういう…事?』
何故か振り向けなかった
耳元に寄せられた彼の声を聞きながらも動けずにいると薄い腹にもう片方の太い腕が周りぐっと後ろへと引き寄せられた
『ぅ…あ……』
「………チハル」
より密着したダンデの体は筋肉質で硬い
それでいて肉厚な弾力を感じ腹に回された腕の太さに驚いた
「漸くできた休暇なんだ、この日を愛する妹とゆっくりできると期待してたんだぜ?」
『で…、でも…学校が…』
逃げようとする彼女の腹をダンデは手のひらで撫で僅かに服の上からヘソ下に指先が触れる
際どい部分に擽ったさと恥ずかしさを感じ息を飲むと、ダンデは甘く艶めいた男の声で囁いた
「今日だけだ…………な?……いいだろ?」
まるで恋人にお願い事を言うようだった
兄からこんな声が出るなんて初めて知った
驚きに頭が混乱した彼女は嫌とは言えず頷くとダンデは瞳をにんまりと細め笑った
「(そうだ…君が優先するのは俺だけでいい、あの手紙の男達には二度と会わせないぜ)」
壊れた愛はじわじわとチハルに迫っていた