第一章(幼少期)
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「お〜いダンデ!この後暇?良かったらワイルドエリア行かねぇ?新しい技構成試したいんだ」
ローズタワーで行われたジムリーダー達を含めた役員会議、堅苦しい雰囲気に疲れを見せたキバナは背伸びをしながら隣を歩くダンデに声をかけた
バトルではライバルだが、キバナとダンデは年も近く気も合う
親友になるのに時間はかからなかった
「それは是非行きたいっ…が、今日は駄目だ」
「なんで?先約か?あ…まさか女か!」
お年頃という事もありキバナはニヤニヤとダンデの様子を伺うが、彼は焦るでもなく淡々と答えた
「違うぜ?今日はハロンで花祭りがあるんだ」
「花祭り?」
「ああ、昔からある小さなお祭りなんだがウールーの毛刈りショーをしたり農作物を安く売ったりして…特に目玉なのが祭りの最後に決める花の女王だな」
「ふ〜ん(なんだ女でも出来たかと思ったのに)」
どちらが先に女性と付き合い大人の階段を登るか
キバナの中で勝手に競っていた事だが、ダンデの期待外れの答えにがっかりと肩を落とした
「お揃いの真っ白なドレスを着た女性達が祭りの間に人々から貰った花で花冠を作るんだ、祭りの最後にできた花冠をつけて一番華やかな花冠をかぶっている女性が今年の女王って事だ」
「ふ〜ん?」
「今年は俺の妹も参加するんだ!だから絶対行かないといけない!」
キバナの下がったテンションとは逆に熱く語る彼は拳を強く握ると目を輝かせる
「妹…あ〜チハルちゃんだっけ?今いくつよ?オレらの…四…いや五個下だっけか?」
「そうだぜ!ほら見てくれ!こないだ送ってもらった写真だ!」
コチラから見せてくれとも言っていないのにダンデはスマホロトムを呼び出すと待受画面にしていた妹の写真をキバナに見せつけた
いや…正しくは顔に押し付けただ
「あ〜はいはいっ!ったくこのシスコンめっ!」
「ちゃんと見てくれ!チハルは可愛いだろっ!」
「画面近すぎて寧ろ見えねぇっよ!」
顔に押し付けられた画面を引き離すと漸く見えた待受画面、そこには黄色いチューリップに囲まれて笑う紫色の長い髪をした少女が映っていた
「………ダンデを女にしただけかと思ったけど…わりとちゃんと女の子って感じな」
過去にホップの写真を先に見せられたキバナはチハルも似たようなものだろうと考えていた
ただダンデの髪を長くしただけ
そう思っていたが実際に見た写真の彼女はもっと線が細く女性らしい
紫の髪もダンデのくせ毛とは違い柔らかそうだ
瞳の色も少しダンデより薄く蜂蜜のようで美しい
キバナはぼんやりと写真を眺め暫く黙り込んだ
「自慢の妹だぜ!きっと祭りの衣装も可愛くて似合うんだろうな!」
キラキラと瞳を輝けたダンデは自慢する事に満足するとスマホロトムをポケットにしまい込んだ
見るものがなくなったキバナは着ていたパーカーのポケットに両手をしまうと言葉を濁らせつつダンデに声をかけた
「あの…さ…オレも行っていい?」
**************
お祭りの飾り付けで華やかになったハロンタウン、各自の家には花でできたリースが飾られポケモン達も体に花でできたアクセサリーを着けてお洒落をする
ダンデとハロンに着いたキバナは初めて見る祭りの賑わいに顔を明るくさせ写真を撮ることに夢中になった
「キバナっ写真は後だ!早くチハルのところへ行こう!」
「わぁーったから引っ張るな!」
まだ写真を撮り終えていないというのにパーカーのフードを引っ張られ強制的に移動する、駅からすぐ近くにある彼の家も祭り色に染まり窓や壁に花が沢山飾られていた
「ただいまっ!」
大きな声でノックもせず中に入りこむダンデにキバナはやれやれと呆れつつ後ろからついていく
中に入るとダンデは早速弟から熱烈な歓迎を受けており兄弟は抱き合っていた
「アニキ〜!」
「ホップ〜また大きくなったな!」
似たもの同士…キバナの頭にそう浮び笑みが浮かびそうになる
すると階段を誰かがゆっくりと降りてくる足音が聞こえた
「あれ?ダンデくん?早かったわね」
階段へと目を向けると白い衣装を着た二人の女性にキバナは目を見開いた
一人はダンデの幼馴染みであるソニアだ、髪を一つに結んだ彼女は隣に立つ少女を支えながら階段を降りてくる
階段を一段ずつ降りる度に柔らかい紫色の髪が静かに揺れ真っ白なドレスが優しく光を反射し美しい
階段を降り終えた彼女はソニアから手を離すと改めてキバナを見つめた
『えっと…こんにちは?お兄ちゃんのお友達ですか?』
「あ…ああ」
写真で見た彼女は実物の方が何倍も魅力的な少女だった
キバナが珍しく言葉に詰まっていると彼の横を勢いよく横切った紫がチハルに抱きついた
「チハルっっ!なんて可愛いんだ!」
『お兄ちゃんっ!くるしっ』
「ちょっ!ダンデくんっ!せっかくセットした髪が崩れるでしょ!離れなさいよっ!」
「無理だ!もう俺の手は離れないっ!」
ぬいぐるみのように腕の中に強く抱きしめた彼はもう離すものかと言うように頭を擦り付ける
足を床から浮かせ苦しそうにもがくチハルと彼女を救出しようと怒るソニア、それを見て笑うホップ
なんともシュールな光景にキバナも自然と笑ってしまい、遅れてダンデの暴走を止めてくれた
『改めて…チハルです、よろしくお願いしますキバナさん』
「おう!」
祭りの会場へと向かいながら自己紹介をすませるが、チハルをよく見たくても間にダンデがいて邪魔だ
三人並んで歩く中、真ん中にいるダンデはチハルの手をぎゅっと握り独り占めでもしているようだった
「チハル、歩きにくいなら抱いて運ぶから遠慮なく言ってくれよ?」
『大丈夫だってば』
ひらひらした真っ白なドレス姿の妹にメロメロなダンデはどうにかして彼女の役にたとうと必死なようだ
「そういや、祭りの花ってどうやって女の子に渡すの?」
「祭りの後半に男性は係りの人から花を貰えるんだ、それを気に入った女性に渡すんだぜ」
「ふ〜ん了解、んじゃちょっと別行動な?色々見たいし」
ふらりと祭りの会場へと消えるキバナを見送り二人っきりになったダンデとチハル
ダンデはチラリと隣にいる彼女を盗み見ると頬をほんのりと赤めた
『お兄ちゃん?』
「あ、なんだ?何か食べたい物あるなら兄ちゃんが買ってやるぞ!」
『本当!じゃあね〜まずはあのフルーツ飴!』
早く行こうと手を引っ張ってくれる白いドレスを着た少女、ダンデは彼女を眩しそうに眺め口元をむず痒くさせていた
ローズタワーで行われたジムリーダー達を含めた役員会議、堅苦しい雰囲気に疲れを見せたキバナは背伸びをしながら隣を歩くダンデに声をかけた
バトルではライバルだが、キバナとダンデは年も近く気も合う
親友になるのに時間はかからなかった
「それは是非行きたいっ…が、今日は駄目だ」
「なんで?先約か?あ…まさか女か!」
お年頃という事もありキバナはニヤニヤとダンデの様子を伺うが、彼は焦るでもなく淡々と答えた
「違うぜ?今日はハロンで花祭りがあるんだ」
「花祭り?」
「ああ、昔からある小さなお祭りなんだがウールーの毛刈りショーをしたり農作物を安く売ったりして…特に目玉なのが祭りの最後に決める花の女王だな」
「ふ〜ん(なんだ女でも出来たかと思ったのに)」
どちらが先に女性と付き合い大人の階段を登るか
キバナの中で勝手に競っていた事だが、ダンデの期待外れの答えにがっかりと肩を落とした
「お揃いの真っ白なドレスを着た女性達が祭りの間に人々から貰った花で花冠を作るんだ、祭りの最後にできた花冠をつけて一番華やかな花冠をかぶっている女性が今年の女王って事だ」
「ふ〜ん?」
「今年は俺の妹も参加するんだ!だから絶対行かないといけない!」
キバナの下がったテンションとは逆に熱く語る彼は拳を強く握ると目を輝かせる
「妹…あ〜チハルちゃんだっけ?今いくつよ?オレらの…四…いや五個下だっけか?」
「そうだぜ!ほら見てくれ!こないだ送ってもらった写真だ!」
コチラから見せてくれとも言っていないのにダンデはスマホロトムを呼び出すと待受画面にしていた妹の写真をキバナに見せつけた
いや…正しくは顔に押し付けただ
「あ〜はいはいっ!ったくこのシスコンめっ!」
「ちゃんと見てくれ!チハルは可愛いだろっ!」
「画面近すぎて寧ろ見えねぇっよ!」
顔に押し付けられた画面を引き離すと漸く見えた待受画面、そこには黄色いチューリップに囲まれて笑う紫色の長い髪をした少女が映っていた
「………ダンデを女にしただけかと思ったけど…わりとちゃんと女の子って感じな」
過去にホップの写真を先に見せられたキバナはチハルも似たようなものだろうと考えていた
ただダンデの髪を長くしただけ
そう思っていたが実際に見た写真の彼女はもっと線が細く女性らしい
紫の髪もダンデのくせ毛とは違い柔らかそうだ
瞳の色も少しダンデより薄く蜂蜜のようで美しい
キバナはぼんやりと写真を眺め暫く黙り込んだ
「自慢の妹だぜ!きっと祭りの衣装も可愛くて似合うんだろうな!」
キラキラと瞳を輝けたダンデは自慢する事に満足するとスマホロトムをポケットにしまい込んだ
見るものがなくなったキバナは着ていたパーカーのポケットに両手をしまうと言葉を濁らせつつダンデに声をかけた
「あの…さ…オレも行っていい?」
**************
お祭りの飾り付けで華やかになったハロンタウン、各自の家には花でできたリースが飾られポケモン達も体に花でできたアクセサリーを着けてお洒落をする
ダンデとハロンに着いたキバナは初めて見る祭りの賑わいに顔を明るくさせ写真を撮ることに夢中になった
「キバナっ写真は後だ!早くチハルのところへ行こう!」
「わぁーったから引っ張るな!」
まだ写真を撮り終えていないというのにパーカーのフードを引っ張られ強制的に移動する、駅からすぐ近くにある彼の家も祭り色に染まり窓や壁に花が沢山飾られていた
「ただいまっ!」
大きな声でノックもせず中に入りこむダンデにキバナはやれやれと呆れつつ後ろからついていく
中に入るとダンデは早速弟から熱烈な歓迎を受けており兄弟は抱き合っていた
「アニキ〜!」
「ホップ〜また大きくなったな!」
似たもの同士…キバナの頭にそう浮び笑みが浮かびそうになる
すると階段を誰かがゆっくりと降りてくる足音が聞こえた
「あれ?ダンデくん?早かったわね」
階段へと目を向けると白い衣装を着た二人の女性にキバナは目を見開いた
一人はダンデの幼馴染みであるソニアだ、髪を一つに結んだ彼女は隣に立つ少女を支えながら階段を降りてくる
階段を一段ずつ降りる度に柔らかい紫色の髪が静かに揺れ真っ白なドレスが優しく光を反射し美しい
階段を降り終えた彼女はソニアから手を離すと改めてキバナを見つめた
『えっと…こんにちは?お兄ちゃんのお友達ですか?』
「あ…ああ」
写真で見た彼女は実物の方が何倍も魅力的な少女だった
キバナが珍しく言葉に詰まっていると彼の横を勢いよく横切った紫がチハルに抱きついた
「チハルっっ!なんて可愛いんだ!」
『お兄ちゃんっ!くるしっ』
「ちょっ!ダンデくんっ!せっかくセットした髪が崩れるでしょ!離れなさいよっ!」
「無理だ!もう俺の手は離れないっ!」
ぬいぐるみのように腕の中に強く抱きしめた彼はもう離すものかと言うように頭を擦り付ける
足を床から浮かせ苦しそうにもがくチハルと彼女を救出しようと怒るソニア、それを見て笑うホップ
なんともシュールな光景にキバナも自然と笑ってしまい、遅れてダンデの暴走を止めてくれた
『改めて…チハルです、よろしくお願いしますキバナさん』
「おう!」
祭りの会場へと向かいながら自己紹介をすませるが、チハルをよく見たくても間にダンデがいて邪魔だ
三人並んで歩く中、真ん中にいるダンデはチハルの手をぎゅっと握り独り占めでもしているようだった
「チハル、歩きにくいなら抱いて運ぶから遠慮なく言ってくれよ?」
『大丈夫だってば』
ひらひらした真っ白なドレス姿の妹にメロメロなダンデはどうにかして彼女の役にたとうと必死なようだ
「そういや、祭りの花ってどうやって女の子に渡すの?」
「祭りの後半に男性は係りの人から花を貰えるんだ、それを気に入った女性に渡すんだぜ」
「ふ〜ん了解、んじゃちょっと別行動な?色々見たいし」
ふらりと祭りの会場へと消えるキバナを見送り二人っきりになったダンデとチハル
ダンデはチラリと隣にいる彼女を盗み見ると頬をほんのりと赤めた
『お兄ちゃん?』
「あ、なんだ?何か食べたい物あるなら兄ちゃんが買ってやるぞ!」
『本当!じゃあね〜まずはあのフルーツ飴!』
早く行こうと手を引っ張ってくれる白いドレスを着た少女、ダンデは彼女を眩しそうに眺め口元をむず痒くさせていた