最終章
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「イテテっ!マジで信じらんねぇっ!普通顔やる?オレさまの顔にどれだけ価値があるか知らねぇのっ?ガラルの宝だぞ!」
「…先に手を出したのは君だろ」
鼻血に青あざ、そして切れた唇
モデルもこなすキバナにとっては最悪な結果となった
ダンデはと言うと普段からバトルでも怪我を作っているせいか特に気にはしておらず鼻血の後を手の甲で乱暴に拭っていた
ここはキルクスジムの治療室だ
医者により治療を受けた彼らはベンチに腰掛け、口を尖らせ文句を背中越しに言い合うばかりで喧嘩の理由を言わない
二人の為にお湯で温めたタオルを持ってきたナマエは困り果て彼らを見つめるが…メロンはお構いなしに理由を聞き出す
「で?喧嘩の理由はなんだい?」
「………ダンデのせいっす」
「キバナだろっ!」
まるで子供の喧嘩だ
やれやれと大きくため息をしたメロンは困り顔のナマエの肩を軽く叩くと二人を見つめ直し
「ちゃんとこの子にも分かるように説明しな!アンタ達が治療中ずっと心配してたんだからね」
それだけ言うとメロンは仕事に戻る為に治療室を出ていき三人の間に暫し沈黙が走った
『(ひぇ〜メロンさん!こんなとこに一人で置いてかないでくださいっ!あたしも部屋から出たいっ)』
どうにかタイミングを狙い部屋を出ようとし、せめてタオルだけ渡してしまおうとダンデの側に寄った
『あの…顔を拭いてください』
乾いた血がまだ顔についているのに彼にタオルを渡そうとするとダンデはナマエの手首を掴み眉を寄せた
「ナマエ…君に確認したい事がある」
『っ、な、なんですか?』
「君は…その……エッチなサイトに登録してないよな?」
あまりに真っ直ぐな問いかけにキバナは吹き出しそうになる
驚いたのは彼女も同じで顔を急激に赤めたナマエはわなわなと震え出した
『すっするわけないじゃないですかっ!!ダンデさんこそっ!あんな記事…』
「ドレスを着た女性との事か?あれは君が心配するような事はしてないぜ?彼女から君のサイトの事を聞いただけだ」
『でもっ、でも新聞には二人は隠れて付き合ってるとか…結婚とか…』
「君と言う恋人がいるんだ、有り得ないだろ?」
淡々と応えるがいまいちナマエは信じられないようだ
それもそうだろう、彼女はここ数日間酷い目に会っているのだから
それをフォローするように黙って聞いていたキバナが話に割り込んだ
「ダンデよ、もう少しナマエちゃんの気持ちを分かってやれ」
「む?」
「そのサイトのせいでナマエちゃんは危なく襲われそうになったんだぜ?」
知らなかった情報に驚き目を見開いたダンデは彼女を見つめ直す
「この際だから聞くけどさ…キルクスに着く前から嫌がらせとかなんかあっただろ?バウタウンの時みたいにさ」
「……なんの話だ?バウタウンでも何かあったのか?」
琥珀と海の色をした瞳に見つめられナマエは持っていたタオルを握りしめると唇を噛み締めた
実は嫌がらせはバウタウンを出てからも続いていた
陰口だけでなく場合によっては石を投げられたり、偶然を装ってぶつかってきた者もいた
そのせいで彼女の体には痣があり、いつぞやダンデが見つけた太ももの痣もその一つだった
彼女の代わりにバウタウンでの事をキバナが話すとダンデは信じられないといった顔を浮べ口元を片手で覆った
話を全て聞き終えるまで、太い眉を寄せたまま不自然な程に押し黙る彼は感情のコントロールができないのか体を震わせた
『……でも、キバナさんに助けて貰ったし…サイトさえなんとかなれば大丈夫だと』
「大丈夫なわけあるかっっ!!」
やっと声を出した彼は両手を強く握り合わせると床に向かって怒鳴った
「なんだ…それは…俺は…何も知らずにいたのか?……君がそんな目にあってたのにヘラヘラ笑って…俺はっ!」
ガリッと奥歯を噛み鳴らす彼の顔は俯いており見えない
不安に息を飲み込むが手を伸ばす事もできずダンデを見つめた
「……っ…自分自身に腹が立つ…怒りで…吐きそうだっ!」
彼は爪が強く食い込む程手を握り手の甲に太い血管を浮かばせた
きっと今相手が目の前にいれば彼は迷う事なくその拳を振り上げるだろう
「オレも全部から守る事はできてねぇからダンデの気持ちも分かる、だからさ…提案なんだけど」
キバナは背中を丸め自分の手を握り合わせると二人を見て口を開いた
「二人でナマエちゃんを守らねぇか?」
「………は?」
やっとコチラを見たダンデの目は怒りを含ませたままだ
襲いかかってきそうな獣の目をした彼を気にせずキバナはナマエを見上げ真面目な顔を向けた
「オレさ、今もナマエちゃんが好きなんだ…だから出来る限り守ってやりたいし頼ってほしい…それにダンデと二人でやればお互いに動けない時間をフォローできっだろ?」
『そんな…大袈裟にしなくてもっ』
「大袈裟じゃねぇし、好きな女のピンチを黙って見てるキバナさまじゃねぇ!寧ろオレさまがそうしたいの!どうよ?ダンデ」
ダンデは少し考え込むと何度か深呼吸をし、やっと背筋を戻しながら顔をあげた
口を真っ直ぐに結んだ彼はまだ不機嫌だが、先程よりは近寄りやすい雰囲気を放っていた
「…分かったぜ、今後はナマエを君と協力して守ろう」
『ええっ!ダンデさんっ?』
「よしっ!任せな!もう二度とナマエちゃんを酷い目にあわせねぇからな!」
『ちょっ、キバナさんまで!』
二人の男は勝手に話を進めると誓いをするように拳同士を合わせた
「言っとくが…守るだけだぜ?彼女にそれ以上手を出すなよ?」
「ん〜それは約束できねぇな、てかもう遅いかも」
キバナの言葉にピクリと眉を揺らした彼は黒い笑みを浮べる
「………まだ顔に青あざが欲しいのか?」
「オマエにもプレゼントしてやろうか?」
拳同士で押し合う二人は青筋を浮べながら笑い、三人はまだまだ治療室から出られそうにない
「…先に手を出したのは君だろ」
鼻血に青あざ、そして切れた唇
モデルもこなすキバナにとっては最悪な結果となった
ダンデはと言うと普段からバトルでも怪我を作っているせいか特に気にはしておらず鼻血の後を手の甲で乱暴に拭っていた
ここはキルクスジムの治療室だ
医者により治療を受けた彼らはベンチに腰掛け、口を尖らせ文句を背中越しに言い合うばかりで喧嘩の理由を言わない
二人の為にお湯で温めたタオルを持ってきたナマエは困り果て彼らを見つめるが…メロンはお構いなしに理由を聞き出す
「で?喧嘩の理由はなんだい?」
「………ダンデのせいっす」
「キバナだろっ!」
まるで子供の喧嘩だ
やれやれと大きくため息をしたメロンは困り顔のナマエの肩を軽く叩くと二人を見つめ直し
「ちゃんとこの子にも分かるように説明しな!アンタ達が治療中ずっと心配してたんだからね」
それだけ言うとメロンは仕事に戻る為に治療室を出ていき三人の間に暫し沈黙が走った
『(ひぇ〜メロンさん!こんなとこに一人で置いてかないでくださいっ!あたしも部屋から出たいっ)』
どうにかタイミングを狙い部屋を出ようとし、せめてタオルだけ渡してしまおうとダンデの側に寄った
『あの…顔を拭いてください』
乾いた血がまだ顔についているのに彼にタオルを渡そうとするとダンデはナマエの手首を掴み眉を寄せた
「ナマエ…君に確認したい事がある」
『っ、な、なんですか?』
「君は…その……エッチなサイトに登録してないよな?」
あまりに真っ直ぐな問いかけにキバナは吹き出しそうになる
驚いたのは彼女も同じで顔を急激に赤めたナマエはわなわなと震え出した
『すっするわけないじゃないですかっ!!ダンデさんこそっ!あんな記事…』
「ドレスを着た女性との事か?あれは君が心配するような事はしてないぜ?彼女から君のサイトの事を聞いただけだ」
『でもっ、でも新聞には二人は隠れて付き合ってるとか…結婚とか…』
「君と言う恋人がいるんだ、有り得ないだろ?」
淡々と応えるがいまいちナマエは信じられないようだ
それもそうだろう、彼女はここ数日間酷い目に会っているのだから
それをフォローするように黙って聞いていたキバナが話に割り込んだ
「ダンデよ、もう少しナマエちゃんの気持ちを分かってやれ」
「む?」
「そのサイトのせいでナマエちゃんは危なく襲われそうになったんだぜ?」
知らなかった情報に驚き目を見開いたダンデは彼女を見つめ直す
「この際だから聞くけどさ…キルクスに着く前から嫌がらせとかなんかあっただろ?バウタウンの時みたいにさ」
「……なんの話だ?バウタウンでも何かあったのか?」
琥珀と海の色をした瞳に見つめられナマエは持っていたタオルを握りしめると唇を噛み締めた
実は嫌がらせはバウタウンを出てからも続いていた
陰口だけでなく場合によっては石を投げられたり、偶然を装ってぶつかってきた者もいた
そのせいで彼女の体には痣があり、いつぞやダンデが見つけた太ももの痣もその一つだった
彼女の代わりにバウタウンでの事をキバナが話すとダンデは信じられないといった顔を浮べ口元を片手で覆った
話を全て聞き終えるまで、太い眉を寄せたまま不自然な程に押し黙る彼は感情のコントロールができないのか体を震わせた
『……でも、キバナさんに助けて貰ったし…サイトさえなんとかなれば大丈夫だと』
「大丈夫なわけあるかっっ!!」
やっと声を出した彼は両手を強く握り合わせると床に向かって怒鳴った
「なんだ…それは…俺は…何も知らずにいたのか?……君がそんな目にあってたのにヘラヘラ笑って…俺はっ!」
ガリッと奥歯を噛み鳴らす彼の顔は俯いており見えない
不安に息を飲み込むが手を伸ばす事もできずダンデを見つめた
「……っ…自分自身に腹が立つ…怒りで…吐きそうだっ!」
彼は爪が強く食い込む程手を握り手の甲に太い血管を浮かばせた
きっと今相手が目の前にいれば彼は迷う事なくその拳を振り上げるだろう
「オレも全部から守る事はできてねぇからダンデの気持ちも分かる、だからさ…提案なんだけど」
キバナは背中を丸め自分の手を握り合わせると二人を見て口を開いた
「二人でナマエちゃんを守らねぇか?」
「………は?」
やっとコチラを見たダンデの目は怒りを含ませたままだ
襲いかかってきそうな獣の目をした彼を気にせずキバナはナマエを見上げ真面目な顔を向けた
「オレさ、今もナマエちゃんが好きなんだ…だから出来る限り守ってやりたいし頼ってほしい…それにダンデと二人でやればお互いに動けない時間をフォローできっだろ?」
『そんな…大袈裟にしなくてもっ』
「大袈裟じゃねぇし、好きな女のピンチを黙って見てるキバナさまじゃねぇ!寧ろオレさまがそうしたいの!どうよ?ダンデ」
ダンデは少し考え込むと何度か深呼吸をし、やっと背筋を戻しながら顔をあげた
口を真っ直ぐに結んだ彼はまだ不機嫌だが、先程よりは近寄りやすい雰囲気を放っていた
「…分かったぜ、今後はナマエを君と協力して守ろう」
『ええっ!ダンデさんっ?』
「よしっ!任せな!もう二度とナマエちゃんを酷い目にあわせねぇからな!」
『ちょっ、キバナさんまで!』
二人の男は勝手に話を進めると誓いをするように拳同士を合わせた
「言っとくが…守るだけだぜ?彼女にそれ以上手を出すなよ?」
「ん〜それは約束できねぇな、てかもう遅いかも」
キバナの言葉にピクリと眉を揺らした彼は黒い笑みを浮べる
「………まだ顔に青あざが欲しいのか?」
「オマエにもプレゼントしてやろうか?」
拳同士で押し合う二人は青筋を浮べながら笑い、三人はまだまだ治療室から出られそうにない