第三巻
夢小説設定
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手のひらの手当てを受けず女性と会場を飛び出したダンデは乱暴に彼女の手首を握り人気のない場所を探した
パーティー会場では誰が聞いてるか分からない、嘘の話にしろこれ以上変な噂にされては困る
スーツ姿のチャンピオンが真っ赤なドレス姿の女性の手を引っ張り会場を抜け出した
後に自分がどれほど周りから注目されているか身を持って知る事になるが、この時のダンデは怒りで我を忘れていたようだ
建物の影を見つけるとダンデは女性を壁側へと追いやり腕を組み合わせ睨みつける
「さあ話してくれ」
「…全く…強引な人、ヒールを履いてるのにこんなに遠くまで歩かせるなんて」
「……俺は話せと言ったんだ、文句なら後にしてくれ」
早くしろと命令するような目に女性はビクリと肩を揺らし、自分のスマホロトムを呼び出し何やら操作しだした
「これ…ダンデさんの推薦した選手ですね?」
向けられた画面には援助交際を匂わせる掲示板が映っており薄いモザイクを顔の一部に入れた女性達が見えた
その中の一つにダンデは目を見開き記事に釘付けになった
「………ナマエ?」
そこには確かに彼女の写真が載っていた、モザイクは入っているがダンデが間違うわけもなく
ダンデは咄嗟に掲示板の内容を目で追いかけた
旅をするのに金が必要だという内容の記事に返信する男達
金額や希望の行為内容まで書かれておりダンデは音が鳴りそうな程歯を噛み締めた
「なんだこれはっ…こんな物誰が作ったんだ!」
「作った?彼女が自分から募集をかけたんじゃないですか、こうして写真まで載せて…体を売ってたんですよ?」
「違うっ!彼女はそんな事しない!ナマエはっ」
自分の恋人だ
初で人見知りで内気な彼女に限ってこんな事はしない
分かっているのに掲示板に載せられた内容がダンデの心を傷つけ抉ってくる
「(ありえないだろ…こんな…)」
だがならば何故こんなサイトに彼女が載っているのか
理解できないダンデは動揺し画面から目をそらすとフラフラと壁側に背をつけてもたれた
「可哀想なダンデさん…せっかく推薦してあげたのに…酷い事する選手ですね」
女性は心が弱った彼に近寄り、隙だらけの彼の胸元へと頰を寄せた
「私が…貴方を癒やして差し上げたい」
擦り寄る彼女からキツい香水の匂いがしズキズキと痛みだす頭に嫌な刺激が走る
豊満な胸を押し付け擦り寄る彼女はダンデの手を片方掴むと自分の頰を撫でさせた
「今夜だけ…私で忘れませんか?嫌な事…全てから」
赤い唇と白い肌
顔も整っており抱き心地は良いだろう
ダンデは背中を少し屈め、手を彼女の後頭部へと伸ばした
大きな手が頭に触れ彼の紫色の長い髪の毛がこちらへ垂れ落ちる、女性はついに期待していた瞬間が訪れた事に喜び瞳を閉じた
だが
「……離れ……ろ」
「え?」
「離れろっ!俺に触れるなっ!」
「きゃあっ!」
瞳に力を入れ直した彼は乱暴に女性の髪の毛を掴み無理矢理自分から引き離すと、バランスを崩した彼女は床に倒れてしまった
「っ!ダンデさん!」
文句を言おうとする彼女をダンデは冷たく見下ろし怒りに鼻の上にまで皺を寄せた
「君からの情報は有り難く受け取った…だがそれ以上を許す気はない」
「どうして?私はこんなに貴方を思っているのにっ…愛してるのに!」
「………愛…だと?」
途端に周りの温度が下がった気がした
目の前の王は普段ファンの前で笑顔を振りまく人物とは全くの別人で
前髪の影がさす金色の瞳は恐ろしい輝きを放っていた
「君のような者から愛なんて言葉が口から出るとはな…」
「っ、本当に愛してます!私はずっと貴方だけを想って!」
「なら俺の靴にキスできるか?」
「………え?」
彼の革靴をチラリと見れば走ったせいで少し土埃がついている
そこへ這い蹲るように頭を下げ唇を寄せる事を想像すると女性は顔を青くさせ拒否反応をあらわにした
「どうした?俺を愛しているならできるだろ?それとも君の言う愛はその程度なのか?」
「っ!こんなのっ…貴方だってできないでしょ!」
怒りと悔しさにダンデを見上げるが彼は鼻で笑うと自分の口元を片手でなぞり微笑んだ
「俺はできるぜ」
ダンデは背中を少し屈め床に座り込む女性の顔を覗き込むと
「俺は彼女が望むなら靴にだってキスするし足を舐める事も簡単にできる…君の薄っぺらな愛とは違うからな」
口元は笑っているのに目は笑っていない
ギラリとコチラを見る金色の瞳に狂気を感じ女性は息を飲んだ
「そうだな…足の指一本一本を舐めて噛みついて…残らず食べてしまいたいくらいだ、そうすれば俺から逃げる事もできないよな」
恐ろしい事を言いながらクスクス笑う琥珀色の瞳をした獣
ガタガタと震えだす彼女に興味を無くしたのか、ダンデは背筋を戻すと一人でその場から去り歩き出した
人気のない場所から街並みへと戻ると夜空を見上げ遠くに見える月を愛しそうに見つめた
「………いっそ…そうできたらいいのにな」
真実を知りたい
あのサイトはどういう事か
もし真実だとしたら…
「その時は俺が…君を…」
呟いた声は闇に溶け込みダンデの足元には手のひらから出た赤がぽたりと一雫落ちた
パーティー会場では誰が聞いてるか分からない、嘘の話にしろこれ以上変な噂にされては困る
スーツ姿のチャンピオンが真っ赤なドレス姿の女性の手を引っ張り会場を抜け出した
後に自分がどれほど周りから注目されているか身を持って知る事になるが、この時のダンデは怒りで我を忘れていたようだ
建物の影を見つけるとダンデは女性を壁側へと追いやり腕を組み合わせ睨みつける
「さあ話してくれ」
「…全く…強引な人、ヒールを履いてるのにこんなに遠くまで歩かせるなんて」
「……俺は話せと言ったんだ、文句なら後にしてくれ」
早くしろと命令するような目に女性はビクリと肩を揺らし、自分のスマホロトムを呼び出し何やら操作しだした
「これ…ダンデさんの推薦した選手ですね?」
向けられた画面には援助交際を匂わせる掲示板が映っており薄いモザイクを顔の一部に入れた女性達が見えた
その中の一つにダンデは目を見開き記事に釘付けになった
「………ナマエ?」
そこには確かに彼女の写真が載っていた、モザイクは入っているがダンデが間違うわけもなく
ダンデは咄嗟に掲示板の内容を目で追いかけた
旅をするのに金が必要だという内容の記事に返信する男達
金額や希望の行為内容まで書かれておりダンデは音が鳴りそうな程歯を噛み締めた
「なんだこれはっ…こんな物誰が作ったんだ!」
「作った?彼女が自分から募集をかけたんじゃないですか、こうして写真まで載せて…体を売ってたんですよ?」
「違うっ!彼女はそんな事しない!ナマエはっ」
自分の恋人だ
初で人見知りで内気な彼女に限ってこんな事はしない
分かっているのに掲示板に載せられた内容がダンデの心を傷つけ抉ってくる
「(ありえないだろ…こんな…)」
だがならば何故こんなサイトに彼女が載っているのか
理解できないダンデは動揺し画面から目をそらすとフラフラと壁側に背をつけてもたれた
「可哀想なダンデさん…せっかく推薦してあげたのに…酷い事する選手ですね」
女性は心が弱った彼に近寄り、隙だらけの彼の胸元へと頰を寄せた
「私が…貴方を癒やして差し上げたい」
擦り寄る彼女からキツい香水の匂いがしズキズキと痛みだす頭に嫌な刺激が走る
豊満な胸を押し付け擦り寄る彼女はダンデの手を片方掴むと自分の頰を撫でさせた
「今夜だけ…私で忘れませんか?嫌な事…全てから」
赤い唇と白い肌
顔も整っており抱き心地は良いだろう
ダンデは背中を少し屈め、手を彼女の後頭部へと伸ばした
大きな手が頭に触れ彼の紫色の長い髪の毛がこちらへ垂れ落ちる、女性はついに期待していた瞬間が訪れた事に喜び瞳を閉じた
だが
「……離れ……ろ」
「え?」
「離れろっ!俺に触れるなっ!」
「きゃあっ!」
瞳に力を入れ直した彼は乱暴に女性の髪の毛を掴み無理矢理自分から引き離すと、バランスを崩した彼女は床に倒れてしまった
「っ!ダンデさん!」
文句を言おうとする彼女をダンデは冷たく見下ろし怒りに鼻の上にまで皺を寄せた
「君からの情報は有り難く受け取った…だがそれ以上を許す気はない」
「どうして?私はこんなに貴方を思っているのにっ…愛してるのに!」
「………愛…だと?」
途端に周りの温度が下がった気がした
目の前の王は普段ファンの前で笑顔を振りまく人物とは全くの別人で
前髪の影がさす金色の瞳は恐ろしい輝きを放っていた
「君のような者から愛なんて言葉が口から出るとはな…」
「っ、本当に愛してます!私はずっと貴方だけを想って!」
「なら俺の靴にキスできるか?」
「………え?」
彼の革靴をチラリと見れば走ったせいで少し土埃がついている
そこへ這い蹲るように頭を下げ唇を寄せる事を想像すると女性は顔を青くさせ拒否反応をあらわにした
「どうした?俺を愛しているならできるだろ?それとも君の言う愛はその程度なのか?」
「っ!こんなのっ…貴方だってできないでしょ!」
怒りと悔しさにダンデを見上げるが彼は鼻で笑うと自分の口元を片手でなぞり微笑んだ
「俺はできるぜ」
ダンデは背中を少し屈め床に座り込む女性の顔を覗き込むと
「俺は彼女が望むなら靴にだってキスするし足を舐める事も簡単にできる…君の薄っぺらな愛とは違うからな」
口元は笑っているのに目は笑っていない
ギラリとコチラを見る金色の瞳に狂気を感じ女性は息を飲んだ
「そうだな…足の指一本一本を舐めて噛みついて…残らず食べてしまいたいくらいだ、そうすれば俺から逃げる事もできないよな」
恐ろしい事を言いながらクスクス笑う琥珀色の瞳をした獣
ガタガタと震えだす彼女に興味を無くしたのか、ダンデは背筋を戻すと一人でその場から去り歩き出した
人気のない場所から街並みへと戻ると夜空を見上げ遠くに見える月を愛しそうに見つめた
「………いっそ…そうできたらいいのにな」
真実を知りたい
あのサイトはどういう事か
もし真実だとしたら…
「その時は俺が…君を…」
呟いた声は闇に溶け込みダンデの足元には手のひらから出た赤がぽたりと一雫落ちた