第三巻
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「っ、痛てて…あ〜変な寝方しちまったか」
リビングで目を覚ましたオレさま
自分の家なのにソファで寝てしまったその理由は扉の向こうの寝室で眠っているお姫様のせいだ
痛む首の後ろを撫でながら体を起こしたオレは足音を立てまいと静かに扉へ向かい、いつもより時間をかけてドアノブを回し扉を開く
中はカーテンのせいでまだ薄暗い
オレの愛用しているベッドの上には小さな膨らみがあり、そちらへ向かえば小動物のように体を丸めて眠る彼女が見える
頬をほんのりとピンク色に染め長い睫毛を閉じた瞳、微かに聞こえる寝息からしてまだ夢の中から出れないようだ
彼女の頬に少しかかっている乱れた髪を指先で退かしてやれば擽ったかったのか…一瞬首を竦めふにゃりと笑った
「……あ〜あ…幸せそうに寝ちゃって」
女を泊めたのは初めてだ
今まで付き合った相手は何度となく泊めてくれと言ってきたがオレは他人の匂いがベッドにつくのが嫌で泊めた事も使わせた事もない
セックスでさえホテルか相手のベッドと決めている
下手に私物を残されるのも嫌いだし
我が物顔で人の部屋に入り浸るのを防ぐ為にも決めたキバナのルール
そんなオレが酒の匂いをさせた女にベッドを譲ったのだから自分でも驚いてる
まあ……それほど惚れ込んだ相手って事かな
体の大きなオレに合わせたベッドだからかナマエちゃんが余計小さく見えて、許されるなら今すぐ抱きつきたい
それこそ抱き枕にしてオレも二度寝したいくらいだ
「……朝飯でも作っとくか」
ニヤけてしまう顔を手のひらで軽く撫で扉を閉めるとキッチンへと移動した
彼女が起きたらきっと驚くだろう
前もオレが料理をするといったら意外そうにしてたし、想像するだけで胸が温かくて気持ちがいい
今だけでも優しい人間になれたような錯覚をするくらいだ
愛するポケモン達にも食事を準備し、オレとナマエちゃんの食事をテーブルの上に用意した頃だった
「あ?」
来客を知らせる音が玄関から聞こえ自然と眉間にしわが寄る
「(おいおい誰だよ朝っぱらから…ナマエちゃんが起きちまうだろーが)」
彼女にはゆっくりとして欲しい
そんなオレの気持ちとは裏腹に騒がしい女が扉の前で待っていた
「来ちゃった!」
「………何か用か?」
そこにいたのは以前からオレやダンデに付き纏っていた女、一度モデルの仕事を一緒にこなしてから妙に距離感が近い面倒な奴だった
「ベーグルサンド買ってきたの!朝御飯まだでしょ?キバナの好きなトッピング買ったから一緒に食べましょ?」
何を勘違いしてんだか…オレはオマエの彼氏でもなければそんなに親しい間柄でもねぇ
なのにコイツはまるで彼女気取りだ
「いらねぇ、てか朝飯は自分で作るし」
「えぇ!キバナが?見たい見たい!どんなの作ったの!」
大胆にも中へ入ろうとする女を許せるわけもなく、オレはさり気なく入口の壁に手のひらをつけ通せんぼをした
ちょっとした壁ドンのように女を見下ろすとオレは仕事向けの笑顔を顔に貼り付けた
「それより本当は朝飯じゃなくてオレになんか話したい事あったんじゃねぇの?」
「え〜そんな事…あ、でもせっかくだしちょっと聞きたい事があるんだよね」
……やっぱりな
「………じゃあ外で話そっか?オレも着替えたいし、ここから一番近いコーヒーの店分かるだろ?そこで待ち合わせようぜ?」
「ええ!じゃあ待ってるわ!」
機嫌良く背中を向けた女を見送りオレは大きくため息をしながら扉を閉めた
「……面倒くせぇ」
さっきまで幸せな気分だったのに台無しだ、あんな女のご機嫌取りなんかしたくねぇが
今中に入られちゃナマエちゃんが何をされるか分かったもんじゃねぇ
彼女を守る為にも女の相手をする事を決め廊下を重い足で進むと
ゴトンッと寝室で何かが落ちた音が聞こえた
「っ!ナマエちゃん?」
オレはすぐに部屋へと急いだ
扉をノックもせず勢い任せに開け放つと
「ナマエちゃん!どうした?大丈夫か?」
『……っ、てて…ぁ…その…落ちちゃっただけで…へへ』
寝返りでもして落ちたのだろう
顔から落ちたのか赤くなった鼻を抑え恥ずかしそうに笑う彼女がオレの胸をキュンキュンさせて困る
「……はあぁ…もぉ〜心臓に悪いだろ?ほら立てる?」
いそいそと彼女の手を取り体を支えながら立たせてやるとナマエちゃんは申し訳無さそうに眉を下げ頬を赤めた
可愛いなぁ
本当ならゆっくりオマエと食事しながら話しをしたいが、キバナには仕事が残っている
「あのさ…オレちょっと用事できちまってさ、先に出掛けるけどナマエちゃんはどうする?まだ具合が悪いなら今夜も泊まってもいいけど?」
寧ろ泊まって欲しい
期待を込めて彼女の手を握るがナマエちゃんは頭を素早く左右に振り
『そんな、もう大丈夫です!昨日はいきなり泊めて貰ってありがとうございました!』
「本当?オレはナマエちゃんなら何日泊まってくれてもいいんだぜ?」
オレ…今どんな顔してんだろ
きっと情けない顔してんだろうな
彼女にもっといて欲しくて寂しくて
でも無理強いはできない
切なさを感じてしまうが、ナマエちゃんは控えめに微笑み
『ありがとうございます、でも旅に戻らないといけないので』
分かってる
オマエはそういう女だもんな
臆病な癖に真面目で頑張り屋
これ以上止めるのは良くないと感じオレは鼻で笑い手を静かに離した
「分かった、んじゃせめて朝食だけでも食ってきな?キッチンに用意してたからさ」
『え!キバナさんが作ったんですか!』
目を見開きまた意外そうな顔を浮かべた彼女はオレの想像通りだった
「クッ…ハハッ!やっぱりそんな顔した!驚きすぎだっつーの!」
『だって、やっぱり意外で…お洒落なお店で朝食とか取るのかと』
「オレはなぁ〜んでも出来るの!いい加減変なイメージは消せ!」
罰として彼女のほっぺたを両手の親指と人差し指で掴み左右に引っ張るとナマエちゃんは変な声で悲鳴をあげた
『ひはなひゃん!やめっ、やらぁっ!』
「んふふ!罰でーす!てかっすっげ伸びるな!おもしれっ!」
ああ…楽しい
このままオレの物になってくれたらいいのにな
リビングで目を覚ましたオレさま
自分の家なのにソファで寝てしまったその理由は扉の向こうの寝室で眠っているお姫様のせいだ
痛む首の後ろを撫でながら体を起こしたオレは足音を立てまいと静かに扉へ向かい、いつもより時間をかけてドアノブを回し扉を開く
中はカーテンのせいでまだ薄暗い
オレの愛用しているベッドの上には小さな膨らみがあり、そちらへ向かえば小動物のように体を丸めて眠る彼女が見える
頬をほんのりとピンク色に染め長い睫毛を閉じた瞳、微かに聞こえる寝息からしてまだ夢の中から出れないようだ
彼女の頬に少しかかっている乱れた髪を指先で退かしてやれば擽ったかったのか…一瞬首を竦めふにゃりと笑った
「……あ〜あ…幸せそうに寝ちゃって」
女を泊めたのは初めてだ
今まで付き合った相手は何度となく泊めてくれと言ってきたがオレは他人の匂いがベッドにつくのが嫌で泊めた事も使わせた事もない
セックスでさえホテルか相手のベッドと決めている
下手に私物を残されるのも嫌いだし
我が物顔で人の部屋に入り浸るのを防ぐ為にも決めたキバナのルール
そんなオレが酒の匂いをさせた女にベッドを譲ったのだから自分でも驚いてる
まあ……それほど惚れ込んだ相手って事かな
体の大きなオレに合わせたベッドだからかナマエちゃんが余計小さく見えて、許されるなら今すぐ抱きつきたい
それこそ抱き枕にしてオレも二度寝したいくらいだ
「……朝飯でも作っとくか」
ニヤけてしまう顔を手のひらで軽く撫で扉を閉めるとキッチンへと移動した
彼女が起きたらきっと驚くだろう
前もオレが料理をするといったら意外そうにしてたし、想像するだけで胸が温かくて気持ちがいい
今だけでも優しい人間になれたような錯覚をするくらいだ
愛するポケモン達にも食事を準備し、オレとナマエちゃんの食事をテーブルの上に用意した頃だった
「あ?」
来客を知らせる音が玄関から聞こえ自然と眉間にしわが寄る
「(おいおい誰だよ朝っぱらから…ナマエちゃんが起きちまうだろーが)」
彼女にはゆっくりとして欲しい
そんなオレの気持ちとは裏腹に騒がしい女が扉の前で待っていた
「来ちゃった!」
「………何か用か?」
そこにいたのは以前からオレやダンデに付き纏っていた女、一度モデルの仕事を一緒にこなしてから妙に距離感が近い面倒な奴だった
「ベーグルサンド買ってきたの!朝御飯まだでしょ?キバナの好きなトッピング買ったから一緒に食べましょ?」
何を勘違いしてんだか…オレはオマエの彼氏でもなければそんなに親しい間柄でもねぇ
なのにコイツはまるで彼女気取りだ
「いらねぇ、てか朝飯は自分で作るし」
「えぇ!キバナが?見たい見たい!どんなの作ったの!」
大胆にも中へ入ろうとする女を許せるわけもなく、オレはさり気なく入口の壁に手のひらをつけ通せんぼをした
ちょっとした壁ドンのように女を見下ろすとオレは仕事向けの笑顔を顔に貼り付けた
「それより本当は朝飯じゃなくてオレになんか話したい事あったんじゃねぇの?」
「え〜そんな事…あ、でもせっかくだしちょっと聞きたい事があるんだよね」
……やっぱりな
「………じゃあ外で話そっか?オレも着替えたいし、ここから一番近いコーヒーの店分かるだろ?そこで待ち合わせようぜ?」
「ええ!じゃあ待ってるわ!」
機嫌良く背中を向けた女を見送りオレは大きくため息をしながら扉を閉めた
「……面倒くせぇ」
さっきまで幸せな気分だったのに台無しだ、あんな女のご機嫌取りなんかしたくねぇが
今中に入られちゃナマエちゃんが何をされるか分かったもんじゃねぇ
彼女を守る為にも女の相手をする事を決め廊下を重い足で進むと
ゴトンッと寝室で何かが落ちた音が聞こえた
「っ!ナマエちゃん?」
オレはすぐに部屋へと急いだ
扉をノックもせず勢い任せに開け放つと
「ナマエちゃん!どうした?大丈夫か?」
『……っ、てて…ぁ…その…落ちちゃっただけで…へへ』
寝返りでもして落ちたのだろう
顔から落ちたのか赤くなった鼻を抑え恥ずかしそうに笑う彼女がオレの胸をキュンキュンさせて困る
「……はあぁ…もぉ〜心臓に悪いだろ?ほら立てる?」
いそいそと彼女の手を取り体を支えながら立たせてやるとナマエちゃんは申し訳無さそうに眉を下げ頬を赤めた
可愛いなぁ
本当ならゆっくりオマエと食事しながら話しをしたいが、キバナには仕事が残っている
「あのさ…オレちょっと用事できちまってさ、先に出掛けるけどナマエちゃんはどうする?まだ具合が悪いなら今夜も泊まってもいいけど?」
寧ろ泊まって欲しい
期待を込めて彼女の手を握るがナマエちゃんは頭を素早く左右に振り
『そんな、もう大丈夫です!昨日はいきなり泊めて貰ってありがとうございました!』
「本当?オレはナマエちゃんなら何日泊まってくれてもいいんだぜ?」
オレ…今どんな顔してんだろ
きっと情けない顔してんだろうな
彼女にもっといて欲しくて寂しくて
でも無理強いはできない
切なさを感じてしまうが、ナマエちゃんは控えめに微笑み
『ありがとうございます、でも旅に戻らないといけないので』
分かってる
オマエはそういう女だもんな
臆病な癖に真面目で頑張り屋
これ以上止めるのは良くないと感じオレは鼻で笑い手を静かに離した
「分かった、んじゃせめて朝食だけでも食ってきな?キッチンに用意してたからさ」
『え!キバナさんが作ったんですか!』
目を見開きまた意外そうな顔を浮かべた彼女はオレの想像通りだった
「クッ…ハハッ!やっぱりそんな顔した!驚きすぎだっつーの!」
『だって、やっぱり意外で…お洒落なお店で朝食とか取るのかと』
「オレはなぁ〜んでも出来るの!いい加減変なイメージは消せ!」
罰として彼女のほっぺたを両手の親指と人差し指で掴み左右に引っ張るとナマエちゃんは変な声で悲鳴をあげた
『ひはなひゃん!やめっ、やらぁっ!』
「んふふ!罰でーす!てかっすっげ伸びるな!おもしれっ!」
ああ…楽しい
このままオレの物になってくれたらいいのにな