第一巻
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ガラルチャンピオン
最年少でチャンピオンとなり今だに無敗記録を更新中
彼が唯一ライバルと認めるトップジムリーダーキバナがその記録を止めるか、新たなチャレンジャーが彼の前に立つか期待されている
『ふ〜ん』
宙に浮くスマホロトムに映されたダンデの記事
マントと独特なユニフォームが気になるものの長年無敗という強さは素直に尊敬できる
だがガラルのトップである有名人に会ったというのにナマエの心は興奮するわけでもなく、逆に不安と冷や汗が浮かんだ
『(そんな凄い人に睨まれたあたしって…ヤバいんじゃ?)』
先日お隣さんへの挨拶をすませ無理に外へ行かなくてよくなったナマエは今日は自宅でクッキー作りを楽しんでいた
前髪は横へ流してヘアピンでとめ、腰まである長い髪を一つに結びエプロンをつけ楽しそうにお菓子作りをする彼女は普段とは別人だ
「お姉ちゃん、私ホップと出かけてくるけど一緒に行かない?」
キッチンに顔を出したユウリは期待に瞳をキラキラと輝かせるがナマエの答えは決まっている
『行かな〜い、それに今一番楽しい瞬間だから』
銀色の型抜きを一つ持ちながら微笑むとユウリも納得し小さく笑った
今回は妹のお願い作戦は効かないようだ
「分かった、あっ!焼き上がったら私の分残しといてね?」
『はいはい、気をつけて行って来てね』
キッチンを出ていく妹を見送りクッキー作りへとまた意識を戻す
生地の上へ型抜きを押し付け抜き取ればピカチュウの顔が出来上がる
彼女は機嫌よく次々とポケモンの型抜きを使い形を整えた物を予熱していたオーブンへと入れていく
出来上がるまではキッチンの椅子に座り、ゆっくりとクッキーの焼き上がる匂いを楽しみつつ紅茶を飲む
この瞬間が大好きだった
『今度は木の実でも入れてみようかな…あ…ジャムまだあったかな?』
彼女がジャムを探そうと腰をあげた瞬間だった
ピンポーン
玄関から来客を知らせるベルが鳴りドキンと胸が飛び跳ねた
『うえっ!え?お客さん?えぇ…?あたしが出るの?』
ユウリは出かけていない
母親も仕事で家にはいなかった
居留守をしてしまおうかとも考えたがクッキーの香りが外へ漏れていれば後々面倒だ
『うぅ…誰?こんな時に』
動揺していたのだろう
エプロンをつけたまま玄関へと向った彼女は外で待つ相手が誰か確認する前に扉を開いてしまった
ガチャと音を鳴らすドアノブ
扉を開ければ二度と会わないだろうと思っていた琥珀色の目をした青年が私服で立っていた
「やあ!」
『っっ!』
ダンッッッ!
「……………」
咄嗟に開けたばかりのドアを勢いよく閉めてしまい冷や汗が一気に湧き上がる
『(つい閉めちゃった!どどどどどうしよっ!)』
失礼な事をしたのは分かっていたがまた開けたとしても言い訳が浮かばない
ドアノブを握ったままダラダラと冷や汗を流していると扉をノックする音が響いた
「急にすまない、ホップを探しているんだが…ここに来てないかと思って」
『(ポップ?ホップ?……ん?)』
聞いた事がある名前だ
誰だったかと眉間にシワをよせ目元に力を入れると挨拶の時に会った元気な男の子を思い出した
『あの…それなら確か…』
「顔を見て話してくれないか?ドアを見て話すのは嫌なんだが」
『ひっ!(怒ってらっしゃる!)』
太い腕を組み合わせた最強チャンピオンの姿を思い浮かべ、余計に冷や汗を浮かべたナマエは恐る恐るドアを開きダンデを見上げた
やっと姿を現した相手に視線を向けたダンデは一瞬目を見開き琥珀色の瞳を大きくさせる
『ホップ…くん?ならきっと妹のユウリと出かけたと思いますが…あ、行き先までは知らなくて…すみません』
自信無さげに喋る彼女は眉を八の字に下げさせいつでもドアを閉めれるように体の半分だけを出した
彼の目に止まったのは顔を隠す邪魔な前髪が今日はヘアピンでとめられていたからだ
頬をほんのりとピンク色にさせ泳ぎそうになる視線を揺らしてはこちらを一生懸命見る潤んだ瞳
早く終わらせたくて困り顔をする彼女はダンデの手をむずむずと疼かせ、彼自身もむず痒い感情に違和感感じ頭にハテナマークを浮かべた
「あ…ああ、そうか…ユウリくんと随分仲良くなっていたんだな」
『……じゃあ(もう閉めていいよね?終わったよね?)』
扉を閉めようとするとダンデは咄嗟に前のめりになり扉を片手で掴み妨害した
ガタンッ!
「きっ君は何をしてたんだっ?エプロンをしているが」
『ひっ!えっ、あ…あたしはクッキーを作ってて…』
小動物のような反応はいっそ笑いそうになる、ダンデはもっと彼女と話したくなり扉を掴む手に力を入れた
「手作りか!道理で外までいい匂いがしてると思ったぜ!」
『(やっぱり外に匂い漏れてたんだ、居留守使ってたら…考えるだけで怖いな)』
先程から必死に力を入れ扉を閉めようとしているのだが、扉を掴むダンデは爽やかな笑顔をしたまま何事もないようにしている
男と女の力の差を感じ余計にダンデが恐ろしい物に見えた
『(これは…どうしたら……)』
ぐるぐると頭の中が混乱し困っていると、ぐぅぅぅぅ〜と大きな腹の虫が聞こえた
『ん?』
「……………」
音の主を見上げれば笑顔を貼り付けたままの彼の頬がじわじわと赤くなりダンデはぎこちなく扉を掴んでいた手を離した
「その…本当にいい匂いだったんだ…だから腹が……っ……カッコ悪いな」
自分の口元を手のひらで隠しそっぽを向いた彼は照れているのだろう
浅黒い肌でも分かるほど顔が赤くなりナマエはついじっと見てしまった
『………ちょっと待っててください』
「えっ?」
パタンと一度ドアを閉めてしまうと中でパタパタと小走りする音が僅かに聞こえ次第に何も聞こえなくなった
待てと言われた以上待つしかない
ダンデは気不味そうに顔を手で軽く扇ぎキョロキョロと辺りを見回して待つ
すると暫くして扉がまた開いた
『これ…良かったら』
彼女が両手で持ってきたのはクッキーをハンカチで包んだ物だった
白いハンカチの中にはポケモンの形をした可愛らしいクッキーが沢山入っており見ているだけで満足できそうだ
「いいのか?」
『はい、いつも沢山作ってるんで…あ、勿論美味しくなかったら捨てていいので!』
ハッと我に帰り慌てて捨ててもいいと言う彼女にダンデは優しく微笑み両手でクッキーを受け取った
「そんな事絶対しないぜ?いい匂いだし見た目もとても美味しそうだ!サンキューだぜ!」
受け取った包みを大事そうに持つ彼の笑顔にナマエは頬を赤め口を数回開けては閉めるが声が出ない
『じゃ、じゃあそういう事で!』
少し声が裏返ってしまったがやっと出だ言葉を喉奥からひり出しナマエは力任せに扉を閉めてしまった
また扉を見つめる事になったダンデは今度は気不味さは感じず
手の中に感じるまだ温かいクッキーに頬を緩めた
「(…思ってたより面白い子だな)」
扉を閉めてしまったナマエは今更自分の行動に驚きズルズルとその場にへたり込むと熱い顔を両手で覆い隠し小さく唸り声を上げていた
最年少でチャンピオンとなり今だに無敗記録を更新中
彼が唯一ライバルと認めるトップジムリーダーキバナがその記録を止めるか、新たなチャレンジャーが彼の前に立つか期待されている
『ふ〜ん』
宙に浮くスマホロトムに映されたダンデの記事
マントと独特なユニフォームが気になるものの長年無敗という強さは素直に尊敬できる
だがガラルのトップである有名人に会ったというのにナマエの心は興奮するわけでもなく、逆に不安と冷や汗が浮かんだ
『(そんな凄い人に睨まれたあたしって…ヤバいんじゃ?)』
先日お隣さんへの挨拶をすませ無理に外へ行かなくてよくなったナマエは今日は自宅でクッキー作りを楽しんでいた
前髪は横へ流してヘアピンでとめ、腰まである長い髪を一つに結びエプロンをつけ楽しそうにお菓子作りをする彼女は普段とは別人だ
「お姉ちゃん、私ホップと出かけてくるけど一緒に行かない?」
キッチンに顔を出したユウリは期待に瞳をキラキラと輝かせるがナマエの答えは決まっている
『行かな〜い、それに今一番楽しい瞬間だから』
銀色の型抜きを一つ持ちながら微笑むとユウリも納得し小さく笑った
今回は妹のお願い作戦は効かないようだ
「分かった、あっ!焼き上がったら私の分残しといてね?」
『はいはい、気をつけて行って来てね』
キッチンを出ていく妹を見送りクッキー作りへとまた意識を戻す
生地の上へ型抜きを押し付け抜き取ればピカチュウの顔が出来上がる
彼女は機嫌よく次々とポケモンの型抜きを使い形を整えた物を予熱していたオーブンへと入れていく
出来上がるまではキッチンの椅子に座り、ゆっくりとクッキーの焼き上がる匂いを楽しみつつ紅茶を飲む
この瞬間が大好きだった
『今度は木の実でも入れてみようかな…あ…ジャムまだあったかな?』
彼女がジャムを探そうと腰をあげた瞬間だった
ピンポーン
玄関から来客を知らせるベルが鳴りドキンと胸が飛び跳ねた
『うえっ!え?お客さん?えぇ…?あたしが出るの?』
ユウリは出かけていない
母親も仕事で家にはいなかった
居留守をしてしまおうかとも考えたがクッキーの香りが外へ漏れていれば後々面倒だ
『うぅ…誰?こんな時に』
動揺していたのだろう
エプロンをつけたまま玄関へと向った彼女は外で待つ相手が誰か確認する前に扉を開いてしまった
ガチャと音を鳴らすドアノブ
扉を開ければ二度と会わないだろうと思っていた琥珀色の目をした青年が私服で立っていた
「やあ!」
『っっ!』
ダンッッッ!
「……………」
咄嗟に開けたばかりのドアを勢いよく閉めてしまい冷や汗が一気に湧き上がる
『(つい閉めちゃった!どどどどどうしよっ!)』
失礼な事をしたのは分かっていたがまた開けたとしても言い訳が浮かばない
ドアノブを握ったままダラダラと冷や汗を流していると扉をノックする音が響いた
「急にすまない、ホップを探しているんだが…ここに来てないかと思って」
『(ポップ?ホップ?……ん?)』
聞いた事がある名前だ
誰だったかと眉間にシワをよせ目元に力を入れると挨拶の時に会った元気な男の子を思い出した
『あの…それなら確か…』
「顔を見て話してくれないか?ドアを見て話すのは嫌なんだが」
『ひっ!(怒ってらっしゃる!)』
太い腕を組み合わせた最強チャンピオンの姿を思い浮かべ、余計に冷や汗を浮かべたナマエは恐る恐るドアを開きダンデを見上げた
やっと姿を現した相手に視線を向けたダンデは一瞬目を見開き琥珀色の瞳を大きくさせる
『ホップ…くん?ならきっと妹のユウリと出かけたと思いますが…あ、行き先までは知らなくて…すみません』
自信無さげに喋る彼女は眉を八の字に下げさせいつでもドアを閉めれるように体の半分だけを出した
彼の目に止まったのは顔を隠す邪魔な前髪が今日はヘアピンでとめられていたからだ
頬をほんのりとピンク色にさせ泳ぎそうになる視線を揺らしてはこちらを一生懸命見る潤んだ瞳
早く終わらせたくて困り顔をする彼女はダンデの手をむずむずと疼かせ、彼自身もむず痒い感情に違和感感じ頭にハテナマークを浮かべた
「あ…ああ、そうか…ユウリくんと随分仲良くなっていたんだな」
『……じゃあ(もう閉めていいよね?終わったよね?)』
扉を閉めようとするとダンデは咄嗟に前のめりになり扉を片手で掴み妨害した
ガタンッ!
「きっ君は何をしてたんだっ?エプロンをしているが」
『ひっ!えっ、あ…あたしはクッキーを作ってて…』
小動物のような反応はいっそ笑いそうになる、ダンデはもっと彼女と話したくなり扉を掴む手に力を入れた
「手作りか!道理で外までいい匂いがしてると思ったぜ!」
『(やっぱり外に匂い漏れてたんだ、居留守使ってたら…考えるだけで怖いな)』
先程から必死に力を入れ扉を閉めようとしているのだが、扉を掴むダンデは爽やかな笑顔をしたまま何事もないようにしている
男と女の力の差を感じ余計にダンデが恐ろしい物に見えた
『(これは…どうしたら……)』
ぐるぐると頭の中が混乱し困っていると、ぐぅぅぅぅ〜と大きな腹の虫が聞こえた
『ん?』
「……………」
音の主を見上げれば笑顔を貼り付けたままの彼の頬がじわじわと赤くなりダンデはぎこちなく扉を掴んでいた手を離した
「その…本当にいい匂いだったんだ…だから腹が……っ……カッコ悪いな」
自分の口元を手のひらで隠しそっぽを向いた彼は照れているのだろう
浅黒い肌でも分かるほど顔が赤くなりナマエはついじっと見てしまった
『………ちょっと待っててください』
「えっ?」
パタンと一度ドアを閉めてしまうと中でパタパタと小走りする音が僅かに聞こえ次第に何も聞こえなくなった
待てと言われた以上待つしかない
ダンデは気不味そうに顔を手で軽く扇ぎキョロキョロと辺りを見回して待つ
すると暫くして扉がまた開いた
『これ…良かったら』
彼女が両手で持ってきたのはクッキーをハンカチで包んだ物だった
白いハンカチの中にはポケモンの形をした可愛らしいクッキーが沢山入っており見ているだけで満足できそうだ
「いいのか?」
『はい、いつも沢山作ってるんで…あ、勿論美味しくなかったら捨てていいので!』
ハッと我に帰り慌てて捨ててもいいと言う彼女にダンデは優しく微笑み両手でクッキーを受け取った
「そんな事絶対しないぜ?いい匂いだし見た目もとても美味しそうだ!サンキューだぜ!」
受け取った包みを大事そうに持つ彼の笑顔にナマエは頬を赤め口を数回開けては閉めるが声が出ない
『じゃ、じゃあそういう事で!』
少し声が裏返ってしまったがやっと出だ言葉を喉奥からひり出しナマエは力任せに扉を閉めてしまった
また扉を見つめる事になったダンデは今度は気不味さは感じず
手の中に感じるまだ温かいクッキーに頬を緩めた
「(…思ってたより面白い子だな)」
扉を閉めてしまったナマエは今更自分の行動に驚きズルズルとその場にへたり込むと熱い顔を両手で覆い隠し小さく唸り声を上げていた