第二巻
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『エンジンシティに……やっと着いた〜』
キバナさんは用事があるからと言いワイルドエリアで別れたけどもうエンジンシティについたのかな?
開会式にまた会えるらしいけど今思えば凄い事だ
だってトップジムリーダー様があたしのテントに泊まっていったんだから…
『(後で迷惑料とか払えって言われないかな?寧ろファンの方々に殺されそうだし…あんまり目立たないようにしよう)』
黙々と考えながら昇降機へ向おうとするとあたしの視界に僅かに紫が横切った
何処かで見た紫だと思い足を止め振り返るとそこには腕組みをしこちらを睨むダンデさんが立っていた
『ダンデさんっ!』
「酷いじゃないか、挨拶もなしに通りすぎるなんて」
口をへの字にさせた彼は大股であたしの方へと近寄りなんとも怖いオーラを背中から出していた
『すみませんっ!無視とかじゃなくて、色々考えてて…』
無視なんてするわけがない
したらそれこそ殺されそうな気がする
あたしは必死に誤解だと訴え続け彼に許しを請った
ダンデさんはそんなあたしをじっと見下ろし暫くするとニヤリと笑い
「もういいぜ、イジメすぎたな?でも元々は君が俺のメールを無視するのが悪いんだぜ?」
『メール?…………え?』
ロトムを呼び出し確認すれば昨日から沢山のメールが…
全然気が付かなった、きっと吹雪やらキバナさんの事で頭がいっぱいだったからかもしれない
殆どダンデさんからのメールで中身は全てあたしを心配する内容だった
『……ごめんなさい』
「君が無事ならいいさ!でも今度はちゃんと返事をくれ、心配で昨日は眠れなかったんだ」
本当に申し訳ない
推薦状を送った相手に何かあればそりゃ心配もするよね
さっそく彼の迷惑になってしまい余計に開会式への足が重くなった気がした
『あたし…ちゃんとジムチャレンジできますかね、なんだか自信ないです』
ユウリもあたしがいなくても平気そうだし
今からでもやめていいんじゃないかな
変わりたいと思ったのにまた昔のマイナス思考の自分が出てきて下を向いてしまう
「俺は観察眼には自信があるんだ」
『はい?』
いきなり何の話かと彼を見上げれば先程より近くにダンデさんが立っていた
彼はあたしの頭を軽く撫で顔の横を隠す髪の毛を一束手の中で滑らせながら下ろすと
「君はきっと凄いトレーナーになれる、だから自信をもって進むんだ」
毛先へと滑る手を止めあたしの髪の毛を軽く握ると彼はそこへ背中を屈めて顔を近づけ、まるで王子様がお姫様の手の甲にキスするように唇を落とした
『っ!!』
可愛らしいリップ音が聞こえ髪の毛だから感触なんて感じない筈なのに柔らかい唇が生々しく感じる
叫びたいのに声にならなくてハクハクと口を動かすとダンデさんは意地悪く笑い背筋を戻した
「さあ開会式だ!君のユニフォーム姿楽しみにしているぜ!」
髪の毛を手放し歯を出していつものように笑う彼
太陽のような笑顔を向けられさっきまでのマイナス思考が消えていくように心が温かくなる
見送られながら昇降機に乗り下で手を振る彼に遠慮がちに小さく手を振り、あたしは前を向いた
ダンデさんの為
あたしの為に今度こそ前を向いて頑張ろう
そう胸に決めた
*************************
今年のジムチャレンジは面白いメンバーが揃った
俺が推薦した三人も勿論だが、ローズさんの推薦した少年やネズの妹…可能性に溢れたチャレンジャー達に俺の胸がワクワク言っているぜ
上から会場を見渡せるVIP席でローズ委員長のいつもの演説を聞いているとふとキバナに目がいった
彼はチラチラと何かを気にしているようでその視線を辿っていくとジムチャレンジャー達の並ぶ列だった
彼の目に止まるような選手がいたんだろう
暫くし開会式が終わりそれぞれが退場しようとするとキバナは軽く駆け出しさっきから見ていたジムチャレンジャー達の中へと入り込む
ウールーの群れのように動く人混みのせいで彼が誰と話してるのかよく見えない
だが何故か嫌な予感がして俺はじっと人混みが少なくなるのを待ち瞳を細めた
一人、また一人と邪魔になっていた人影が消えた頃
漸く見えたのは俺の心を支配する彼女の姿だった
「(キバナ?何故ナマエと?)」
ここからじゃ何を話しているか分からない
ただ初対面にしてはナマエの表情が柔らかい
俺と初めて会った時はもっと硬くおどおどとした表情だったのに
彼女は驚き次の瞬間顔を真っ赤に染め意味もなく両手をそわそわと宙で動かし、それに対してキバナはケラケラと笑っているようだった
何やら話をし終えるとキバナと彼女は控室がある廊下の方へと姿を消し俺は考えるより先にVIPルームを飛び出した
途中式を見に来たスポンサーやリーグスタッフに声をかけられたが今はそれどころじゃない
受付となるロビーへ降り彼女の姿を探すが突然現れた俺にルーキー達がすぐに集まりサインを強請ってきた
いつもの俺なら勿論応えるでも今は勘弁して欲しい
苦笑いを浮かべそれとなく断ろうとするとユニフォームから私服へと着替えた彼女が遠くに見えた
「ナマエっ待っ」
彼女を呼び止めようとするが俺の声より先に大きな声が彼女を呼んだ
「ナマエちゃん!こっちこっち〜」
キバナだ
彼はナマエを馴れ馴れしく呼び寄せると彼女と共にロビーを出ていってしまい外へと消えていく
何がなんだか分からないが、このまま見逃すわけにはいかない
「すまないっ急いでるんだ!」
ルーキー達に謝罪し足を進めようとすると後ろから俺を呼び止めるローズさんの声が響いた
その後ろにはホップとユウリくんがいて……
ああ…まただ、上手くいかない
どうして彼女の側にすぐに行けないんだ
もどかしい気持ちを抑え込み俺はマントに隠れた手に拳を作った、早く終われと何度も心で叫びながら握った俺の拳の中では爪が手のひらに食い込み血を滲ませていた
今頃キバナと彼女は何をしている
君はいつからキバナと知り合っていたんだ?
どういう関係なんだ
勝手な想像が膨らみ腹の奥から熱くなる
ローズさんの話に合わせ口を動かしているが正直何を話しているのか分からない
早く終われ
それだけを頭に浮かべ手早くホップ達と別れると俺は急ぎ外へと飛び出し右へ左へと視線を向けた
既にそこに彼らの姿はなく悔しさに奥歯を噛み鳴らす
「リザードンっ!」
上空から探せば見つかるかもしれない
どうしてここまでして彼女を探したいのか自分でもよく分からない
それでも嫌なんだ
君が他の男の隣にいるのが耐えられない
だから……俺だけを見てくれ
リザードンで空から探し漸く見つけた彼女はキバナと並んでベンチに腰掛けていた
俺はすぐに下へ降りるように指示を出し彼女達の目の前に飛び降りた
マントを地面につけながら降り立ち背筋を戻しながら立ち上がると驚いたナマエとコチラを睨むキバナの目と視線がぶつかった
ああ…その目
君の言いたい事が手に取るように分かるぜキバナ
俺も今君と同じ目をしているからな
邪魔者が現れた………だろ?
キバナさんは用事があるからと言いワイルドエリアで別れたけどもうエンジンシティについたのかな?
開会式にまた会えるらしいけど今思えば凄い事だ
だってトップジムリーダー様があたしのテントに泊まっていったんだから…
『(後で迷惑料とか払えって言われないかな?寧ろファンの方々に殺されそうだし…あんまり目立たないようにしよう)』
黙々と考えながら昇降機へ向おうとするとあたしの視界に僅かに紫が横切った
何処かで見た紫だと思い足を止め振り返るとそこには腕組みをしこちらを睨むダンデさんが立っていた
『ダンデさんっ!』
「酷いじゃないか、挨拶もなしに通りすぎるなんて」
口をへの字にさせた彼は大股であたしの方へと近寄りなんとも怖いオーラを背中から出していた
『すみませんっ!無視とかじゃなくて、色々考えてて…』
無視なんてするわけがない
したらそれこそ殺されそうな気がする
あたしは必死に誤解だと訴え続け彼に許しを請った
ダンデさんはそんなあたしをじっと見下ろし暫くするとニヤリと笑い
「もういいぜ、イジメすぎたな?でも元々は君が俺のメールを無視するのが悪いんだぜ?」
『メール?…………え?』
ロトムを呼び出し確認すれば昨日から沢山のメールが…
全然気が付かなった、きっと吹雪やらキバナさんの事で頭がいっぱいだったからかもしれない
殆どダンデさんからのメールで中身は全てあたしを心配する内容だった
『……ごめんなさい』
「君が無事ならいいさ!でも今度はちゃんと返事をくれ、心配で昨日は眠れなかったんだ」
本当に申し訳ない
推薦状を送った相手に何かあればそりゃ心配もするよね
さっそく彼の迷惑になってしまい余計に開会式への足が重くなった気がした
『あたし…ちゃんとジムチャレンジできますかね、なんだか自信ないです』
ユウリもあたしがいなくても平気そうだし
今からでもやめていいんじゃないかな
変わりたいと思ったのにまた昔のマイナス思考の自分が出てきて下を向いてしまう
「俺は観察眼には自信があるんだ」
『はい?』
いきなり何の話かと彼を見上げれば先程より近くにダンデさんが立っていた
彼はあたしの頭を軽く撫で顔の横を隠す髪の毛を一束手の中で滑らせながら下ろすと
「君はきっと凄いトレーナーになれる、だから自信をもって進むんだ」
毛先へと滑る手を止めあたしの髪の毛を軽く握ると彼はそこへ背中を屈めて顔を近づけ、まるで王子様がお姫様の手の甲にキスするように唇を落とした
『っ!!』
可愛らしいリップ音が聞こえ髪の毛だから感触なんて感じない筈なのに柔らかい唇が生々しく感じる
叫びたいのに声にならなくてハクハクと口を動かすとダンデさんは意地悪く笑い背筋を戻した
「さあ開会式だ!君のユニフォーム姿楽しみにしているぜ!」
髪の毛を手放し歯を出していつものように笑う彼
太陽のような笑顔を向けられさっきまでのマイナス思考が消えていくように心が温かくなる
見送られながら昇降機に乗り下で手を振る彼に遠慮がちに小さく手を振り、あたしは前を向いた
ダンデさんの為
あたしの為に今度こそ前を向いて頑張ろう
そう胸に決めた
*************************
今年のジムチャレンジは面白いメンバーが揃った
俺が推薦した三人も勿論だが、ローズさんの推薦した少年やネズの妹…可能性に溢れたチャレンジャー達に俺の胸がワクワク言っているぜ
上から会場を見渡せるVIP席でローズ委員長のいつもの演説を聞いているとふとキバナに目がいった
彼はチラチラと何かを気にしているようでその視線を辿っていくとジムチャレンジャー達の並ぶ列だった
彼の目に止まるような選手がいたんだろう
暫くし開会式が終わりそれぞれが退場しようとするとキバナは軽く駆け出しさっきから見ていたジムチャレンジャー達の中へと入り込む
ウールーの群れのように動く人混みのせいで彼が誰と話してるのかよく見えない
だが何故か嫌な予感がして俺はじっと人混みが少なくなるのを待ち瞳を細めた
一人、また一人と邪魔になっていた人影が消えた頃
漸く見えたのは俺の心を支配する彼女の姿だった
「(キバナ?何故ナマエと?)」
ここからじゃ何を話しているか分からない
ただ初対面にしてはナマエの表情が柔らかい
俺と初めて会った時はもっと硬くおどおどとした表情だったのに
彼女は驚き次の瞬間顔を真っ赤に染め意味もなく両手をそわそわと宙で動かし、それに対してキバナはケラケラと笑っているようだった
何やら話をし終えるとキバナと彼女は控室がある廊下の方へと姿を消し俺は考えるより先にVIPルームを飛び出した
途中式を見に来たスポンサーやリーグスタッフに声をかけられたが今はそれどころじゃない
受付となるロビーへ降り彼女の姿を探すが突然現れた俺にルーキー達がすぐに集まりサインを強請ってきた
いつもの俺なら勿論応えるでも今は勘弁して欲しい
苦笑いを浮かべそれとなく断ろうとするとユニフォームから私服へと着替えた彼女が遠くに見えた
「ナマエっ待っ」
彼女を呼び止めようとするが俺の声より先に大きな声が彼女を呼んだ
「ナマエちゃん!こっちこっち〜」
キバナだ
彼はナマエを馴れ馴れしく呼び寄せると彼女と共にロビーを出ていってしまい外へと消えていく
何がなんだか分からないが、このまま見逃すわけにはいかない
「すまないっ急いでるんだ!」
ルーキー達に謝罪し足を進めようとすると後ろから俺を呼び止めるローズさんの声が響いた
その後ろにはホップとユウリくんがいて……
ああ…まただ、上手くいかない
どうして彼女の側にすぐに行けないんだ
もどかしい気持ちを抑え込み俺はマントに隠れた手に拳を作った、早く終われと何度も心で叫びながら握った俺の拳の中では爪が手のひらに食い込み血を滲ませていた
今頃キバナと彼女は何をしている
君はいつからキバナと知り合っていたんだ?
どういう関係なんだ
勝手な想像が膨らみ腹の奥から熱くなる
ローズさんの話に合わせ口を動かしているが正直何を話しているのか分からない
早く終われ
それだけを頭に浮かべ手早くホップ達と別れると俺は急ぎ外へと飛び出し右へ左へと視線を向けた
既にそこに彼らの姿はなく悔しさに奥歯を噛み鳴らす
「リザードンっ!」
上空から探せば見つかるかもしれない
どうしてここまでして彼女を探したいのか自分でもよく分からない
それでも嫌なんだ
君が他の男の隣にいるのが耐えられない
だから……俺だけを見てくれ
リザードンで空から探し漸く見つけた彼女はキバナと並んでベンチに腰掛けていた
俺はすぐに下へ降りるように指示を出し彼女達の目の前に飛び降りた
マントを地面につけながら降り立ち背筋を戻しながら立ち上がると驚いたナマエとコチラを睨むキバナの目と視線がぶつかった
ああ…その目
君の言いたい事が手に取るように分かるぜキバナ
俺も今君と同じ目をしているからな
邪魔者が現れた………だろ?