第一章
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「そんなに大事なヘアピンだったのか?」
他愛ない話を暫くしマグカップに注いだホットミルクが無くなる頃、フリードは気になっていた事を聞き出した
大切な物とは言え海に身を投げて探す程の価値があったんだろうか?
彼の当然の疑問にナマエは空になったマグカップを傾けて揺らし瞳を曇らせた
『あれは…父さんが買ってくれた物なんです』
「親父さん?でもナマエの家は確か…」
『はい…離婚してます、家を出る前の日に父が買ってくれた物であたしにとっては思い出の品なんです』
引っ越して来てから彼女の家の事は風の噂で事情を聞いていた
何が原因とまでは聞いてないが数年前に急に出ていったのだと
『本当に優しい人で…ちょっと不器用で母さんの誕生日にはいつも顔を真っ赤にして花束を買ってきてくれたんですよ?』
「へぇ…いい人だったんだな」
『……本当に仲の良い夫婦であたしの憧れでした、いつかあたしも母さん達みたいな夫婦になりたいと思ってたのに…………の…せいで』
「ん?」
最後の方はとても小さな声だった
フリードは聞き返そうと顔を向けるが彼女はすぐには答えず
揺らしていたマグカップは静かに止まりナマエは隣に座るフリードへと不安げな顔を向ける
『フリードさんはポケモンに詳しいですよね?』
「ん?あぁ、まぁ博士にもなったからな」
『もし…もし人の言葉を話せるポケモンが現れたら気持ち悪いですか?』
「人語を話すポケモン?うーん」
マグカップをソファの向かい側にある低いテーブルに置き、彼は腕を組み合わせ考え込む
普通ポケモンは人語を話せない
パートナーとして深い絆を結んでも言葉の壁はどうにもならないのが現実だ
「………そうだなぁ」
待つ間も彼女はじっと不安そうに見つめるがフリードの答えは予想外なものだった
「面白いじゃないか!つまりコミュニケーションが取れるって事だろ?ポケモンにはまだ俺らにも理解できない謎があるし人語で理解できればもっと深く分かり合えるだろ?最高じゃないか!」
興奮気味に瞳を輝かせる彼はその後もブツブツと仮説を口にし一人頷いては楽しんでいる
予想とは違った反応にナマエの方が戸惑ってしまい前のめり気味にフリードへともう一度問いかけた
『怖くないんですか?他とは違うんですよ?』
「怖くはないさ、まあ驚きはするだろうが…俺ならそんな特別なポケモンがいたら友達になりたいと思う筈だぜ?」
少年のように笑ってみせる彼は本当に怯えがないのだろう
怖がったり気味悪がったりするのが普通だと思っていたナマエは呆気にとられ、前のめりにしていた体をフラリと元の位置に戻し肩から力を抜いた
『そんな事言うの…先輩以外いないと思ってました』
「先輩?あぁ…あのガキか」
ペパーを思い浮かべフリードはじっとりと瞳を細めつつ彼女の手元から空になったマグカップを奪い取った
「俺等と同じ考えの奴はきっと他にも沢山いると思うぜ?世界は広いからな!」
『世界……か』
パルデアで生まれ育ちパルデアしか知らない彼女にとって世界の広さは想像ができなかった
世界にはまだ発見されていないポケモンが沢山いる
それと同じく色んな考えを持つ人が沢山いるのかもしれない
心の世界を広げるとさっきまでの不安が薄まったような気がし、ナマエはフリードへと感謝の意味も込めて笑顔を向けた
『変な質問をしてごめんなさい、でもありがとうございます!なんだか気持ちが軽くなりました』
「そっか?まあお前がいいならいいさ」
ホっと息を吐きながらフリードは微笑むと彼女の頭に手を伸ばし、褒めるように頭を優しく撫でたが…
「おっと!こういうのセクハラに入るのか?嫌だったか?」
直ぐに手を離し苦笑いをしながら片手を宙に浮かべる、恋人でもない男がましてや歳上の自分が勝手に触っては嫌がられるかもしれない
冗談混じりに聞くとナマエは一瞬驚きの表情を浮かべるが、すぐにクスクスと笑いフリードの手を優しく掴み自ら自分の頭の上への招いた
『フリードさんになら何されても構いませんよ、とっても気持ちがいいもの』
「っ!」
幸せそうに身を任せる姿は少女ではなく女性そのもので色気さえ感じる
気持ちよさそうに瞳を閉じピンク色の口元を緩める彼女に言いようのない愛しさを感じフリードは頭を撫でていた手を頬へと滑らせた
柔らかい頬を大きな手で包み親指で唇の端を軽く撫でる
それでもナマエは抵抗する事なく身を任せており、静かに瞳を開け彼を見上げた
『フリードさん?』
「……ナマエ、俺はお前が思ってる程大人じゃなかったみたいだ」
『え?』
彼の指が唇の端から下唇へと伸びピンク色の唇の柔らかさを確かめるように横になぞった
そのまま上唇もなぞり頬を包んでいた手は自然と下がり彼女の顎を支え上を向かせる
『(あ…あれ?これ…ちょっとまずい雰囲気なんじゃ…)』
いつもより濃くなった蜂蜜色の瞳は熱を持ち、視界を埋めていく
近寄ってくる彼の顔は酷く整っていてナマエは心音が飛び跳ねさせ彼の胸元の服を掴んだ
離れなくてはいけないのに
咄嗟につかんでしまい頭が混乱する
彼女の背中にはフリードの空いていたもう片方の手が伸び軽く引き寄せられ
より近くなる二人の距離
恋愛ドラマのクライマックスで良く見るシュチュエーションだと薄っすらと感じこれからの事を予想してしまう
赤くなってしまう顔が恥ずかしいのに目を逸らせずお互いの瞳を見つめ意識が唇へと移るとどちらと無く瞳を閉じ…
フリードもキスしやすいように顔を傾けうっすらと唇を開け近寄る…が
しゃるるるっ!!
突然リビングの窓に激突してきたドラメシヤに二人はビクンッと体をビクつかせ慌てて離れた
「うおっっ!なっなんだ?」
『ドッドラメシヤ!!』
顔を真っ赤にさせたまま彼女はソファから逃げるように立ち上がり窓へと急ぎ、フリードも同じように窓に近寄り彼を中へと招いた
しゅるる
濡れたドラメシヤはご機嫌に宙を円を描いて飛ぶとナマエの手のひらにポトリと何かを乗せた
『これっ…ドラメシヤが見つけてくれたの?』
美しく輝くヘアピン
それは今日ずっと彼女が探していた物、どうやらナマエがフリードに保護された後も一匹で探してくれていたようだ
『っ、ドラメシヤぁ…ありがとっ!ありがとう!』
グズグズと鼻を鳴らしながら相棒に頬擦りし始める彼女
フリードは自分の首の後ろを片手で撫でながら小さく笑い、少し残念そうに目を泳がせた
「(危ねぇ…ドラメシヤが来なかったから俺完全に手だしてたわ)」
あのまま唇を重ねていたら
そんな想像をするとフリードはむず痒い気持ちが胸に溢れ眉間にシワをよせたまま顔を赤くさせた
「あぁ〜…よしっ!ヘアピンも戻ったし制服も乾いただろ?送ってやるから家に帰る準備しようぜ」
先程の事を誤魔化すようにわざと明るく話す彼
『はいっ!』
すっかりご機嫌の彼女はその後フリードに送られ自宅に無事に帰った
空にはすっかり月があがり母親には心配されたがフリードは上手く嘘の理由を話しながら謝罪し事は大きくならずにすんだ
「んじゃ今日はゆっくり休めよ?」
母親が先に家の中へ戻り、フリードも背を向けて自分の家へと戻ろうとした瞬間だった
『待ってっ』
突然外へ飛び出した彼女はフリードの腕にしがみつくと力任せに下へと彼の腕を引き寄せた、急な行動に対応できずフリードの体がふらつき傾くと
ちゅっ
「………は?」
頬に一瞬だけ触れた柔らかい唇
何が起きたのかと目を見開いた彼が見たのはイタズラが成功したように嬉しそうに笑うナマエの顔
『これは…ありがとうって意味です!』
照れ笑いをしすぐに手をフリードの腕から離した彼女は自宅へと逃げてしまい
残されたフリードは彼女が触れた頬を手のひらで撫で
「〜〜っ!あの馬鹿っ!」
不意打ちをもろに喰らい
どうやら効果はバツグンだったようだ
他愛ない話を暫くしマグカップに注いだホットミルクが無くなる頃、フリードは気になっていた事を聞き出した
大切な物とは言え海に身を投げて探す程の価値があったんだろうか?
彼の当然の疑問にナマエは空になったマグカップを傾けて揺らし瞳を曇らせた
『あれは…父さんが買ってくれた物なんです』
「親父さん?でもナマエの家は確か…」
『はい…離婚してます、家を出る前の日に父が買ってくれた物であたしにとっては思い出の品なんです』
引っ越して来てから彼女の家の事は風の噂で事情を聞いていた
何が原因とまでは聞いてないが数年前に急に出ていったのだと
『本当に優しい人で…ちょっと不器用で母さんの誕生日にはいつも顔を真っ赤にして花束を買ってきてくれたんですよ?』
「へぇ…いい人だったんだな」
『……本当に仲の良い夫婦であたしの憧れでした、いつかあたしも母さん達みたいな夫婦になりたいと思ってたのに…………の…せいで』
「ん?」
最後の方はとても小さな声だった
フリードは聞き返そうと顔を向けるが彼女はすぐには答えず
揺らしていたマグカップは静かに止まりナマエは隣に座るフリードへと不安げな顔を向ける
『フリードさんはポケモンに詳しいですよね?』
「ん?あぁ、まぁ博士にもなったからな」
『もし…もし人の言葉を話せるポケモンが現れたら気持ち悪いですか?』
「人語を話すポケモン?うーん」
マグカップをソファの向かい側にある低いテーブルに置き、彼は腕を組み合わせ考え込む
普通ポケモンは人語を話せない
パートナーとして深い絆を結んでも言葉の壁はどうにもならないのが現実だ
「………そうだなぁ」
待つ間も彼女はじっと不安そうに見つめるがフリードの答えは予想外なものだった
「面白いじゃないか!つまりコミュニケーションが取れるって事だろ?ポケモンにはまだ俺らにも理解できない謎があるし人語で理解できればもっと深く分かり合えるだろ?最高じゃないか!」
興奮気味に瞳を輝かせる彼はその後もブツブツと仮説を口にし一人頷いては楽しんでいる
予想とは違った反応にナマエの方が戸惑ってしまい前のめり気味にフリードへともう一度問いかけた
『怖くないんですか?他とは違うんですよ?』
「怖くはないさ、まあ驚きはするだろうが…俺ならそんな特別なポケモンがいたら友達になりたいと思う筈だぜ?」
少年のように笑ってみせる彼は本当に怯えがないのだろう
怖がったり気味悪がったりするのが普通だと思っていたナマエは呆気にとられ、前のめりにしていた体をフラリと元の位置に戻し肩から力を抜いた
『そんな事言うの…先輩以外いないと思ってました』
「先輩?あぁ…あのガキか」
ペパーを思い浮かべフリードはじっとりと瞳を細めつつ彼女の手元から空になったマグカップを奪い取った
「俺等と同じ考えの奴はきっと他にも沢山いると思うぜ?世界は広いからな!」
『世界……か』
パルデアで生まれ育ちパルデアしか知らない彼女にとって世界の広さは想像ができなかった
世界にはまだ発見されていないポケモンが沢山いる
それと同じく色んな考えを持つ人が沢山いるのかもしれない
心の世界を広げるとさっきまでの不安が薄まったような気がし、ナマエはフリードへと感謝の意味も込めて笑顔を向けた
『変な質問をしてごめんなさい、でもありがとうございます!なんだか気持ちが軽くなりました』
「そっか?まあお前がいいならいいさ」
ホっと息を吐きながらフリードは微笑むと彼女の頭に手を伸ばし、褒めるように頭を優しく撫でたが…
「おっと!こういうのセクハラに入るのか?嫌だったか?」
直ぐに手を離し苦笑いをしながら片手を宙に浮かべる、恋人でもない男がましてや歳上の自分が勝手に触っては嫌がられるかもしれない
冗談混じりに聞くとナマエは一瞬驚きの表情を浮かべるが、すぐにクスクスと笑いフリードの手を優しく掴み自ら自分の頭の上への招いた
『フリードさんになら何されても構いませんよ、とっても気持ちがいいもの』
「っ!」
幸せそうに身を任せる姿は少女ではなく女性そのもので色気さえ感じる
気持ちよさそうに瞳を閉じピンク色の口元を緩める彼女に言いようのない愛しさを感じフリードは頭を撫でていた手を頬へと滑らせた
柔らかい頬を大きな手で包み親指で唇の端を軽く撫でる
それでもナマエは抵抗する事なく身を任せており、静かに瞳を開け彼を見上げた
『フリードさん?』
「……ナマエ、俺はお前が思ってる程大人じゃなかったみたいだ」
『え?』
彼の指が唇の端から下唇へと伸びピンク色の唇の柔らかさを確かめるように横になぞった
そのまま上唇もなぞり頬を包んでいた手は自然と下がり彼女の顎を支え上を向かせる
『(あ…あれ?これ…ちょっとまずい雰囲気なんじゃ…)』
いつもより濃くなった蜂蜜色の瞳は熱を持ち、視界を埋めていく
近寄ってくる彼の顔は酷く整っていてナマエは心音が飛び跳ねさせ彼の胸元の服を掴んだ
離れなくてはいけないのに
咄嗟につかんでしまい頭が混乱する
彼女の背中にはフリードの空いていたもう片方の手が伸び軽く引き寄せられ
より近くなる二人の距離
恋愛ドラマのクライマックスで良く見るシュチュエーションだと薄っすらと感じこれからの事を予想してしまう
赤くなってしまう顔が恥ずかしいのに目を逸らせずお互いの瞳を見つめ意識が唇へと移るとどちらと無く瞳を閉じ…
フリードもキスしやすいように顔を傾けうっすらと唇を開け近寄る…が
しゃるるるっ!!
突然リビングの窓に激突してきたドラメシヤに二人はビクンッと体をビクつかせ慌てて離れた
「うおっっ!なっなんだ?」
『ドッドラメシヤ!!』
顔を真っ赤にさせたまま彼女はソファから逃げるように立ち上がり窓へと急ぎ、フリードも同じように窓に近寄り彼を中へと招いた
しゅるる
濡れたドラメシヤはご機嫌に宙を円を描いて飛ぶとナマエの手のひらにポトリと何かを乗せた
『これっ…ドラメシヤが見つけてくれたの?』
美しく輝くヘアピン
それは今日ずっと彼女が探していた物、どうやらナマエがフリードに保護された後も一匹で探してくれていたようだ
『っ、ドラメシヤぁ…ありがとっ!ありがとう!』
グズグズと鼻を鳴らしながら相棒に頬擦りし始める彼女
フリードは自分の首の後ろを片手で撫でながら小さく笑い、少し残念そうに目を泳がせた
「(危ねぇ…ドラメシヤが来なかったから俺完全に手だしてたわ)」
あのまま唇を重ねていたら
そんな想像をするとフリードはむず痒い気持ちが胸に溢れ眉間にシワをよせたまま顔を赤くさせた
「あぁ〜…よしっ!ヘアピンも戻ったし制服も乾いただろ?送ってやるから家に帰る準備しようぜ」
先程の事を誤魔化すようにわざと明るく話す彼
『はいっ!』
すっかりご機嫌の彼女はその後フリードに送られ自宅に無事に帰った
空にはすっかり月があがり母親には心配されたがフリードは上手く嘘の理由を話しながら謝罪し事は大きくならずにすんだ
「んじゃ今日はゆっくり休めよ?」
母親が先に家の中へ戻り、フリードも背を向けて自分の家へと戻ろうとした瞬間だった
『待ってっ』
突然外へ飛び出した彼女はフリードの腕にしがみつくと力任せに下へと彼の腕を引き寄せた、急な行動に対応できずフリードの体がふらつき傾くと
ちゅっ
「………は?」
頬に一瞬だけ触れた柔らかい唇
何が起きたのかと目を見開いた彼が見たのはイタズラが成功したように嬉しそうに笑うナマエの顔
『これは…ありがとうって意味です!』
照れ笑いをしすぐに手をフリードの腕から離した彼女は自宅へと逃げてしまい
残されたフリードは彼女が触れた頬を手のひらで撫で
「〜〜っ!あの馬鹿っ!」
不意打ちをもろに喰らい
どうやら効果はバツグンだったようだ