第一章
夢小説設定
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『大丈夫…大丈夫だよ…うん』
鏡に向かって何度も自分に唱える言葉、ドラメシヤも心配そうにナマエの周りを飛んでは顔色を伺ってくる
優しい相棒と頬を合わせ大丈夫だと感謝を伝えるとナマエは目に力を込めた
『今日は何も起こらない…きっと普通の学校生活になるはず!』
髪の毛をブラシで整えアカデミーの制服に身を包み最後の仕上げにこめかみ付近にお気に入りのヘアピンを付け
鏡に向かって顔の角度を変え左右を確かめると大きく深呼吸をし自室をドラメシヤと飛び出した
今日彼女は久しぶりに登校する
訳あって暫くアカデミーに行けなかったが、ペパーの励ましもあり今日から行くことを決意したのだ
「本当に行くの?無理しなくてもいいのよ?」
母親が玄関まで寄り添ってくれたがナマエは安心させようとニコリと微笑みを浮かべた
『……うん、もう大丈夫だよ!行ってきます!』
元気に飛び出しアカデミーへの道を目指そうとすると隣に住むフリードが彼女に気が付き二階のベランダから声をかけた
「ん、学校かぁ?」
『はい!行ってきますね!ってフリードさん!煙草吸ってる!』
駄目なんだーと子供特有のリアクションをする彼女にフリードはやれやれと肩を揺らし咥えていた煙草を指の隙間で支え抜き取った
「俺は大人だからいいの〜それより遅刻するぞ?」
灰色の煙を空へと吐きながら笑う彼を悔しげに睨み上げナマエは通学路へと急いだ
学生服に身を包んだ彼女が見えなくなるまで暫くフリードはベランダの手摺りに体をもたれさせ眺め、完全に見えなくなると空へとまた煙を吐いた
「アカデミーか…ポケモンばっか勉強して青春らしい事なんにもしてなかったな」
勉強は出来たほうだ
運動神経も良く、年齢関係なく女にもモテた
だが心を熱くさせる物が果たして一つでもあっただろうか?
「付き合った女も皆あっちから告白してきた子ばっかだったし…俺って恋した事あったっけ?」
ふと考え込むと中々寂しい物を感じげんなりと肩を落とした
「恋……か……」
****************
『先輩!お待たせしました』
「おう!元気ちゃんだな!」
ペパーと待ち合わせ場所で合流すると彼の後ろにもう一人誰かが待っていた
「ナマエ〜〜!!」
『うわっネモ?どうして?』
突然ペパーの後ろから飛び出し抱きついて来たのはネモというアカデミーの生徒だ
彼女とはクラスも別ではあるが出会った頃から何かと絡まれ今では友人の一人となっている
ハートでも飛ばしそうな程懐いているネモをペパーはじっとりと見下ろし腕を組み合わせた
「生徒会長とはさっき会ったんだけどよ、お前と待ち合わせだって言ったら一緒に行くって聞かねぇんだよ」
本当なら二人っきりで登校したかった、小さな夢を壊され不機嫌そうなペパーだがネモは気にせずナマエに抱きつく
「当たり前でしょ?もうっすっごく会いたかったんだから!いきなり学校休んで何かあったの?」
『………ん、そのうち話すよ』
ネモを優しく自分から引き離したナマエは弱々しく微笑み真実を話そうとはしなかった
何故そんな顔をするのか不思議でネモは片眉を上げるが彼女が問いかける前にペパーが話を邪魔する
「ほら、そろそろ行こうぜ?三人とも遅刻になっちまうぞ?」
「えっ!嘘!もうそんな時間?あっそうだ!聞いて聞いて!この前すっごく強そうなポケモン捕まえたの」
『本当?どんなの?』
普段通りに接するネモに救われつつ三人は並んで通学路を進んだ
ナマエを真ん中にしアカデミーを目指し歩き始め、建物が近づく度に生徒の姿が増えていく
それと同時にこちらを見る白い目にナマエは怯え自然と顔が下がっていき俯きかけるが、隣を歩くペパーが彼女の手を強く握った
「下を向くな…お前は何も悪い事してないだろ?」
隣のナマエにだけ聞こえるように語りかけてた彼は励ますように手を強く握り直し手の温かさが冷たくなった彼女の手をじんわりと温めてくれた
『………はい』
それだけでも心が少し軽くなりナマエも遠慮がちにペパーの手を握った
「ん?ああっ!手ぇ握ってる!狡いっ私とも繋いでくれないとやだやだ!」
「本当っ生徒会長はうるせぇなっ!握ったもん勝ちだろ?」
「だめっ!許さないっナマエ私とも仲良ししよーね?」
空いていた方の手をネモの手が握り恋人繋ぎのように指が絡められる
握り方にも個性があるんだなぁと呑気な事を考えた彼女はふとフリードはどうなんだろうかと頭に浮かんだ
『(なんでフリードさんの事考えたんだろ…今は関係ないのに…変なの)』
ほんのりと頬を赤めたナマエ
「(あれ?ほっぺが……コイツもしかしてオレの事……マジか?)」
それを隣で見下ろしていたペパーは自分と手を繋いでいる事を意識してくれたのだと勘違いし、似たように頬を赤めそっぽを向いた
ネモとペパーのお陰で登校中は嫌な思いをしなかったが、アカデミーに着いてしまえば話は別だ
クラスの違う二人と別れ自分の教室へと辿り着くとナマエは深呼吸を大きく一つし扉を開けた
『おはようっ』
明るく言ったつもりだが
教室内の生徒達は突然静まり返りナマエに視線を集中させた
これは歓迎の目ではなく
寧ろ反対の感情が込められた視線だった
鏡に向かって何度も自分に唱える言葉、ドラメシヤも心配そうにナマエの周りを飛んでは顔色を伺ってくる
優しい相棒と頬を合わせ大丈夫だと感謝を伝えるとナマエは目に力を込めた
『今日は何も起こらない…きっと普通の学校生活になるはず!』
髪の毛をブラシで整えアカデミーの制服に身を包み最後の仕上げにこめかみ付近にお気に入りのヘアピンを付け
鏡に向かって顔の角度を変え左右を確かめると大きく深呼吸をし自室をドラメシヤと飛び出した
今日彼女は久しぶりに登校する
訳あって暫くアカデミーに行けなかったが、ペパーの励ましもあり今日から行くことを決意したのだ
「本当に行くの?無理しなくてもいいのよ?」
母親が玄関まで寄り添ってくれたがナマエは安心させようとニコリと微笑みを浮かべた
『……うん、もう大丈夫だよ!行ってきます!』
元気に飛び出しアカデミーへの道を目指そうとすると隣に住むフリードが彼女に気が付き二階のベランダから声をかけた
「ん、学校かぁ?」
『はい!行ってきますね!ってフリードさん!煙草吸ってる!』
駄目なんだーと子供特有のリアクションをする彼女にフリードはやれやれと肩を揺らし咥えていた煙草を指の隙間で支え抜き取った
「俺は大人だからいいの〜それより遅刻するぞ?」
灰色の煙を空へと吐きながら笑う彼を悔しげに睨み上げナマエは通学路へと急いだ
学生服に身を包んだ彼女が見えなくなるまで暫くフリードはベランダの手摺りに体をもたれさせ眺め、完全に見えなくなると空へとまた煙を吐いた
「アカデミーか…ポケモンばっか勉強して青春らしい事なんにもしてなかったな」
勉強は出来たほうだ
運動神経も良く、年齢関係なく女にもモテた
だが心を熱くさせる物が果たして一つでもあっただろうか?
「付き合った女も皆あっちから告白してきた子ばっかだったし…俺って恋した事あったっけ?」
ふと考え込むと中々寂しい物を感じげんなりと肩を落とした
「恋……か……」
****************
『先輩!お待たせしました』
「おう!元気ちゃんだな!」
ペパーと待ち合わせ場所で合流すると彼の後ろにもう一人誰かが待っていた
「ナマエ〜〜!!」
『うわっネモ?どうして?』
突然ペパーの後ろから飛び出し抱きついて来たのはネモというアカデミーの生徒だ
彼女とはクラスも別ではあるが出会った頃から何かと絡まれ今では友人の一人となっている
ハートでも飛ばしそうな程懐いているネモをペパーはじっとりと見下ろし腕を組み合わせた
「生徒会長とはさっき会ったんだけどよ、お前と待ち合わせだって言ったら一緒に行くって聞かねぇんだよ」
本当なら二人っきりで登校したかった、小さな夢を壊され不機嫌そうなペパーだがネモは気にせずナマエに抱きつく
「当たり前でしょ?もうっすっごく会いたかったんだから!いきなり学校休んで何かあったの?」
『………ん、そのうち話すよ』
ネモを優しく自分から引き離したナマエは弱々しく微笑み真実を話そうとはしなかった
何故そんな顔をするのか不思議でネモは片眉を上げるが彼女が問いかける前にペパーが話を邪魔する
「ほら、そろそろ行こうぜ?三人とも遅刻になっちまうぞ?」
「えっ!嘘!もうそんな時間?あっそうだ!聞いて聞いて!この前すっごく強そうなポケモン捕まえたの」
『本当?どんなの?』
普段通りに接するネモに救われつつ三人は並んで通学路を進んだ
ナマエを真ん中にしアカデミーを目指し歩き始め、建物が近づく度に生徒の姿が増えていく
それと同時にこちらを見る白い目にナマエは怯え自然と顔が下がっていき俯きかけるが、隣を歩くペパーが彼女の手を強く握った
「下を向くな…お前は何も悪い事してないだろ?」
隣のナマエにだけ聞こえるように語りかけてた彼は励ますように手を強く握り直し手の温かさが冷たくなった彼女の手をじんわりと温めてくれた
『………はい』
それだけでも心が少し軽くなりナマエも遠慮がちにペパーの手を握った
「ん?ああっ!手ぇ握ってる!狡いっ私とも繋いでくれないとやだやだ!」
「本当っ生徒会長はうるせぇなっ!握ったもん勝ちだろ?」
「だめっ!許さないっナマエ私とも仲良ししよーね?」
空いていた方の手をネモの手が握り恋人繋ぎのように指が絡められる
握り方にも個性があるんだなぁと呑気な事を考えた彼女はふとフリードはどうなんだろうかと頭に浮かんだ
『(なんでフリードさんの事考えたんだろ…今は関係ないのに…変なの)』
ほんのりと頬を赤めたナマエ
「(あれ?ほっぺが……コイツもしかしてオレの事……マジか?)」
それを隣で見下ろしていたペパーは自分と手を繋いでいる事を意識してくれたのだと勘違いし、似たように頬を赤めそっぽを向いた
ネモとペパーのお陰で登校中は嫌な思いをしなかったが、アカデミーに着いてしまえば話は別だ
クラスの違う二人と別れ自分の教室へと辿り着くとナマエは深呼吸を大きく一つし扉を開けた
『おはようっ』
明るく言ったつもりだが
教室内の生徒達は突然静まり返りナマエに視線を集中させた
これは歓迎の目ではなく
寧ろ反対の感情が込められた視線だった