第四章
夢小説設定
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ポケモンの声が聞こえなくなってしまったナマエ
フリードと出会う前は疎ましく思っていた筈の能力だったがいざ無くなると落ち着かず、飛行船内をそわそわと彷徨く姿が目に付く
「ナマエ姉ちゃん!今隙?ちょっと勉強で教えて欲しいとこがあるんだけど」
『あ……うん、勿論いいよ!』
子供達はナマエの元気のない笑顔に気がついていないのだろう
ロイやリコは彼女を見つけてはいつも通り声をかけ姉のように懐いており
大人グループはそんなナマエを気にかけ心配そうに見守っていた
「ねぇ大丈夫なの?なんかずっと元気ないじゃん?」
「さっき出した昼食も殆ど食べてなかったもんなぁ」
「顔に疲れも出てるようだし…十分な睡眠取れてないんじゃないか?」
オリオにマードック、そしてモリーまで壁に隠れながらナマエを見守りどうにかしろとばかりにフリードへと振り返る
「そんな目でこっちを見るな!俺だってどうにかしようと考えてるさ!」
ナマエの事は勿論フリードも心配している、何故能力が消えたのかは分からないが元の元気な彼女の顔がみたい
彼なりに元気を取り戻す方法を考えてみるがこれと言って効果はなかった
悲しむ彼女を励ましたり
甘やかして側には自分がいると分からせたりしたのだが、弱々しい笑顔しか見せてくない
「(そりゃそうだよな…ずっと側にいた相棒と会話ができなくなっちまったんだし…でも今の俺には何もできねぇ、このまま時間が解決するのを待つしかないのか)」
何かないのかと解決策を考えていると突然目の前に白い物体が現れた
「心と体の疲れを癒やすにはアレしかないじゃろう」
「うわぁ!じっちゃん!」
音も無く現れたのはランドウ、彼は持ってきた地図をフリードに手渡すとある場所を指差し次なる目的地を提案してくれた
「っ!ここは…」
「え、どこどこ!」
「なんだ?」
「……ここって」
オリオ達もランドウの指差した地図を覗き込むと同じように反応し、それぞれお互いを見つめながら頷き納得した
「どうじゃ?試してみんか?」
「ああっ!サンキュじっちゃん!」
フリードはいそいそと操舵室へと移動しキャップに目的地の変更を告げ舵を握りしめた
数時間後ー
パルデアに向かっていた飛行船が停泊したのはあちこちから湧き上がる白い煙に包まれた島だった
「うわぁ!すっごい霧!」
「霧なのかな?まだ昼過ぎなのに」
霧にしては生暖かく湿気もある
微かに独特な匂いもしておりニャオハやホゲータ達も不思議そうに鼻をひくつかせた
デッキから島の風景を見ようとするロイとリコは早く降りたいとワクワクと瞳を輝かせており、ナマエも初めて見る島に好奇心を出しデッキの手摺りを自然と握りしめた
「ありゃ霧じゃねぇよ、湯けむりだ」
『湯けむり?』
隣に並んだフリードを見上げると彼はニヤリと笑い
「ここは温泉が有名な島でな、島中に色んな種類の温泉があって楽しめる観光スポットなんだ」
「「温泉?」」
リコとロイは同じように驚き目を丸くさせた、どうやら彼らは温泉が何か分からないようだ
元々温泉は限られた地方にしかなくパルデアでも知る者は少ない
自然にできた温泉もポケモン達が使うだけでワザワザ入りに来る人間はあまりいなかった
「今日はここで泊まる!留守番はマードックが引き受けてくれたからお前らは降りる準備をしてきてくれ」
「うわぁ!やったぁ!リコ!ドットにも知らせようよ!」
「あ、ロイ!待ってよ!」
パタパタと船内へ駆け込む二人を見送りナマエも降りる準備をする為に自室へと歩きだす
『……あたしも用意してきます』
「おう!慌てなくていいからな」
小さく小走りする彼女をフリードは静かに見送り
彼の足元にはキャップが近寄り同じように彼女を見つめており、何か思うところがあるようだ
「……元気が戻ればいいな」
フリードの呟きに賛成するようにキャップは小さく鳴き声をあげる
準備ができたライジングボルテッカーズは島の中心に位置する街へと辿り着き宿へと向った
途中浴衣を着て歩く通行人と何人もすれ違いナマエはじっと見つめてしまう
『……不思議な服ですね』
「この島は宿でチェックインすりゃ島の色んな場所にある風呂に入り放題なんだ、あの服も宿に泊まっている客である証みたいなもんらしいぜ」
『…なるほど(あれって中に何か着てるのかな?歩きにくそうだけど)』
白い湯けむりに包まれた木造の大きな宿は他の客も多く賑やかだった
チェックインを済ませ宿で準備された浴衣にそれぞれ着替えるが…
『これって…合ってるのかな?』
「ん〜もうちょい帯締めたほうがいいかもね」
初めての浴衣
オリオやモリーに先に着付けしてもらったリコとドットはお互いの浴衣の可愛らしい模様に喜び
ナマエも教わりながら着た浴衣を鏡の前で何度も確認した
『(下着の上に浴衣一枚なんだ…なんかこのまま寝ても楽そう)』
ルームウェアに一枚欲しいと考えていると部屋の外から男性陣が呼ぶ声が聞こえ、一行は温泉街へと出発する
宿で貸し出した下駄を履きカラコロと音を鳴らしながら歩くと異文化の中に自分も前からいたような不思議な感覚が楽しめた
『(ぅ…ちょっと転びそう)』
初めての下駄はバランスを取るのが難しく鼻緒が少しキツくて痛む、他の仲間達より歩くスピードが遅くなり気持ちだけ焦っていると彼女の目の前に浅黒い手のひらが向けられた
「ほら、支えてやるから手を貸せ」
同じように浴衣を着たフリードだった、いつものゴーグルも外し少し長い後ろ髪を軽く結んだ彼は優しく微笑むと彼女の手を自分の腕に絡ませいつもよりゆっくりと歩いた
「あ、姉ちゃん達が遅れてるよ?」
前を歩くロイが側にいない彼女達に気が付き振り返るとフリードは軽く手を振り
「俺らゆっくり行くわ、夕飯の時間までそれぞれ自由時間にしようぜ!」
「え?なら僕も姉ちゃんとっ」
二人の元へ走ろうとするが、ロイの手をランドウが掴み彼の動きを邪魔する
「ロイ、わしのおすすめの湯に共に行こう」
「え?う、うん?」
「じゃあリコはあたし達とね!」
「えっちょっオリオ!引っ張らないで!」
ロイはランドウとリコはオリオ達に引っ張られそれぞれ別の湯へと向かい、残されたナマエは唖然とし目を丸くさせていた
「んじゃ、久々にデートと行こうぜ」
ご機嫌に言う彼はこうなるのを分かっていたのかもしれない
大人達に気を使われながらナマエはフリードと共に温泉街へと向かう事になった
フリードと出会う前は疎ましく思っていた筈の能力だったがいざ無くなると落ち着かず、飛行船内をそわそわと彷徨く姿が目に付く
「ナマエ姉ちゃん!今隙?ちょっと勉強で教えて欲しいとこがあるんだけど」
『あ……うん、勿論いいよ!』
子供達はナマエの元気のない笑顔に気がついていないのだろう
ロイやリコは彼女を見つけてはいつも通り声をかけ姉のように懐いており
大人グループはそんなナマエを気にかけ心配そうに見守っていた
「ねぇ大丈夫なの?なんかずっと元気ないじゃん?」
「さっき出した昼食も殆ど食べてなかったもんなぁ」
「顔に疲れも出てるようだし…十分な睡眠取れてないんじゃないか?」
オリオにマードック、そしてモリーまで壁に隠れながらナマエを見守りどうにかしろとばかりにフリードへと振り返る
「そんな目でこっちを見るな!俺だってどうにかしようと考えてるさ!」
ナマエの事は勿論フリードも心配している、何故能力が消えたのかは分からないが元の元気な彼女の顔がみたい
彼なりに元気を取り戻す方法を考えてみるがこれと言って効果はなかった
悲しむ彼女を励ましたり
甘やかして側には自分がいると分からせたりしたのだが、弱々しい笑顔しか見せてくない
「(そりゃそうだよな…ずっと側にいた相棒と会話ができなくなっちまったんだし…でも今の俺には何もできねぇ、このまま時間が解決するのを待つしかないのか)」
何かないのかと解決策を考えていると突然目の前に白い物体が現れた
「心と体の疲れを癒やすにはアレしかないじゃろう」
「うわぁ!じっちゃん!」
音も無く現れたのはランドウ、彼は持ってきた地図をフリードに手渡すとある場所を指差し次なる目的地を提案してくれた
「っ!ここは…」
「え、どこどこ!」
「なんだ?」
「……ここって」
オリオ達もランドウの指差した地図を覗き込むと同じように反応し、それぞれお互いを見つめながら頷き納得した
「どうじゃ?試してみんか?」
「ああっ!サンキュじっちゃん!」
フリードはいそいそと操舵室へと移動しキャップに目的地の変更を告げ舵を握りしめた
数時間後ー
パルデアに向かっていた飛行船が停泊したのはあちこちから湧き上がる白い煙に包まれた島だった
「うわぁ!すっごい霧!」
「霧なのかな?まだ昼過ぎなのに」
霧にしては生暖かく湿気もある
微かに独特な匂いもしておりニャオハやホゲータ達も不思議そうに鼻をひくつかせた
デッキから島の風景を見ようとするロイとリコは早く降りたいとワクワクと瞳を輝かせており、ナマエも初めて見る島に好奇心を出しデッキの手摺りを自然と握りしめた
「ありゃ霧じゃねぇよ、湯けむりだ」
『湯けむり?』
隣に並んだフリードを見上げると彼はニヤリと笑い
「ここは温泉が有名な島でな、島中に色んな種類の温泉があって楽しめる観光スポットなんだ」
「「温泉?」」
リコとロイは同じように驚き目を丸くさせた、どうやら彼らは温泉が何か分からないようだ
元々温泉は限られた地方にしかなくパルデアでも知る者は少ない
自然にできた温泉もポケモン達が使うだけでワザワザ入りに来る人間はあまりいなかった
「今日はここで泊まる!留守番はマードックが引き受けてくれたからお前らは降りる準備をしてきてくれ」
「うわぁ!やったぁ!リコ!ドットにも知らせようよ!」
「あ、ロイ!待ってよ!」
パタパタと船内へ駆け込む二人を見送りナマエも降りる準備をする為に自室へと歩きだす
『……あたしも用意してきます』
「おう!慌てなくていいからな」
小さく小走りする彼女をフリードは静かに見送り
彼の足元にはキャップが近寄り同じように彼女を見つめており、何か思うところがあるようだ
「……元気が戻ればいいな」
フリードの呟きに賛成するようにキャップは小さく鳴き声をあげる
準備ができたライジングボルテッカーズは島の中心に位置する街へと辿り着き宿へと向った
途中浴衣を着て歩く通行人と何人もすれ違いナマエはじっと見つめてしまう
『……不思議な服ですね』
「この島は宿でチェックインすりゃ島の色んな場所にある風呂に入り放題なんだ、あの服も宿に泊まっている客である証みたいなもんらしいぜ」
『…なるほど(あれって中に何か着てるのかな?歩きにくそうだけど)』
白い湯けむりに包まれた木造の大きな宿は他の客も多く賑やかだった
チェックインを済ませ宿で準備された浴衣にそれぞれ着替えるが…
『これって…合ってるのかな?』
「ん〜もうちょい帯締めたほうがいいかもね」
初めての浴衣
オリオやモリーに先に着付けしてもらったリコとドットはお互いの浴衣の可愛らしい模様に喜び
ナマエも教わりながら着た浴衣を鏡の前で何度も確認した
『(下着の上に浴衣一枚なんだ…なんかこのまま寝ても楽そう)』
ルームウェアに一枚欲しいと考えていると部屋の外から男性陣が呼ぶ声が聞こえ、一行は温泉街へと出発する
宿で貸し出した下駄を履きカラコロと音を鳴らしながら歩くと異文化の中に自分も前からいたような不思議な感覚が楽しめた
『(ぅ…ちょっと転びそう)』
初めての下駄はバランスを取るのが難しく鼻緒が少しキツくて痛む、他の仲間達より歩くスピードが遅くなり気持ちだけ焦っていると彼女の目の前に浅黒い手のひらが向けられた
「ほら、支えてやるから手を貸せ」
同じように浴衣を着たフリードだった、いつものゴーグルも外し少し長い後ろ髪を軽く結んだ彼は優しく微笑むと彼女の手を自分の腕に絡ませいつもよりゆっくりと歩いた
「あ、姉ちゃん達が遅れてるよ?」
前を歩くロイが側にいない彼女達に気が付き振り返るとフリードは軽く手を振り
「俺らゆっくり行くわ、夕飯の時間までそれぞれ自由時間にしようぜ!」
「え?なら僕も姉ちゃんとっ」
二人の元へ走ろうとするが、ロイの手をランドウが掴み彼の動きを邪魔する
「ロイ、わしのおすすめの湯に共に行こう」
「え?う、うん?」
「じゃあリコはあたし達とね!」
「えっちょっオリオ!引っ張らないで!」
ロイはランドウとリコはオリオ達に引っ張られそれぞれ別の湯へと向かい、残されたナマエは唖然とし目を丸くさせていた
「んじゃ、久々にデートと行こうぜ」
ご機嫌に言う彼はこうなるのを分かっていたのかもしれない
大人達に気を使われながらナマエはフリードと共に温泉街へと向かう事になった