第四章
夢小説設定
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「大丈夫かい?」
治療室のベッドに腰掛けぼんやりとしているナマエにモリーはホットミルクを持ってきてくれた
『ん…ありがとう…』
飛行船の修理は終わりやっと旅を再開できた、新しくロイも仲間に入り賑やかになったのにナマエの心は重く笑顔も浮かばなくなった
「……フリードを呼ぼうか?」
『……お願いします』
「ん、ちょい待ってな」
一人になった治療室は静かで耳が痛くなりそうだ
ナマエは飲みかけのホットミルクをサイドテーブルに置き自分の足元を見下ろし…か細い声をかけた
『ドラパルト…いるんでしょ?出てきて?』
彼女の足元の影が黒くなり水の中から出るようにぬるりと姿を現すドラパルト
彼は心配そうにナマエを見つめ遠慮がちに彼女の手に頭を擦り付けた
『何か…喋って?いつものように』
ギャルルル…
言われた通りに喋るとナマエの顔はじんわりと曇り、震えた手でドラパルトの首に抱きついた
『ドラパルトっ…どうしようっ』
ドラメシヤ達も彼女を心配しふよふよと周りを浮かぶが次第に鼻を啜る音と喉をひくつかせた音が聞こえた
グルルル…
彼女を慰めるように優しく鳴くが今のナマエには逆効果だったらしく彼女は声が漏れ出す程泣き出しぽたりぽたりと床に涙を落としていく
「ナマエっ」
そこへモリーから話しを聞いたフリードが治療室に入ってきた
ドラパルトに抱きつき泣きじゃくる恋人の姿に驚き一瞬足が止まるが、痛々しい姿になったナマエを慰めるのは相棒ではなく自分でありたい
フリードは拳を作り一度強く握りしめると止まった足を再び動かしナマエの背中をそっと撫でながらしゃがみ込んだ
「どうしたんだ?まだどこか痛むのか?」
ドラパルトから引き剥がし自分に顔を向けさせるが、彼女の瞳は溶けてしまいそうなほど涙で濡れコチラが見えているのかも分からない
ぐちゃぐちゃになった目元を親指の腹で拭ってやり頬を優しく両手で包んでやると、彼の手に白い手が重なる
『フリードさん…っ…あたしっ…聞こ…え…いの…』
「ん?」
『ドラパルトの声がっ、ドラメシヤやパモさん…ウォーグル…皆の声が聞こえないのっ、聞こえ…う…うわぁぁぁん』
大粒の涙を流し深い悲しみに震えた声を出す彼女はフリードの前だと言うのに恥ずかしがるそぶりもなく子供のように泣き出す
パルデアで別れたあの日のように泣き出す姿にフリードは心を締め付けられながらも愛しくて腕の中へと招き抱き寄せた
「大丈夫だ…声が聞こえなくてもお前の相棒が消えるわけじゃないだろ?」
『でもっ…あたし…声が聞こえないと…ここにいられないっ』
「………おい、待て」
聞き捨てならない言葉にフリードは眉間にシワを深く寄せ彼女の顔を覗き込んだ
「お前…まさか俺がお前の能力が欲しくて仲間にしたと思ってるのか?」
怒りに顔を染め出す彼は強くナマエの二の腕を掴み目元を細めていく
痛いほど強くなる彼の手に驚きめを見開きながら見上げるとフリードは感情のままに声をあげた
「ふざけるな…ふざけんなよっ!俺がお前を仲間に誘ったのは能力が目的じゃねぇ!お前が好きだから側に置きたくて誘ったんだ!」
ガクンっと体が揺れるほど強く捕まれフリードの怒った顔がすぐ側に見える
頬を伝う涙は次第に勢いが緩み最後の雫が顎下から床へと落ちるとフリードの蜂蜜色の瞳がやっとクリアに見えた
「声が聞こえなくても!お前がお前だって事は変わらねぇ!俺の大切な女だ!相棒と話せないのは寂しいかもしれねぇけど…言葉が通じなくても心で通じてる…お前にも分かる筈だ」
言い切った彼は肩で息をし興奮を抑えようとする、その間にフリードの隣に来たドラパルトが小さく鳴き声をあげナマエの顔を見つめた
『……ドラパルト』
彼はじっとナマエを見つめると次の瞬間にっこりと微笑んだ
大丈夫……と言ってくれた気がしナマエの止まっていたはずの涙がまた溢れ出る
『うんっ…うんっ、…ありがとうっ、ごめんね…ドラパルト…フリードさんっ』
ポロポロと涙をまた流す彼女にフリードは困ったように鼻で小さく笑い、ナマエの濡れた頬に唇を軽く触れさせた
「ったく……困ったお姫様だな、俺の恋人は」
ちゅっ…っ……ちゅっ…
何度も何度も彼女の頬や濡れた瞼にキスを落とし涙を止めてやる
鼻を啜る音が減りこちらをやっと見たナマエと見つめ合うとフリードは優しく微笑み彼女の唇に自分の唇を重ねた
触れるだけの優しいキスは気持ちよくて離れても余韻に心がふわふわとする
『ん……ふぁ……っ』
「大丈夫…お前を一人にはしない、俺は絶対に離さねぇって言ったろ?」
囁くような甘い男の声
彼はもう一度分からせるようにナマエの唇を塞ぎ強く抱きしめた
原因はなんなのか分からない
だがこの日を堺に彼女の能力は消えてしまいポケモンの声が聞こえなくなってしまった
この男はそんな事実も知らず、ただ目の前の情報に口角を吊り上げた
「あぁ…やっと見つけましたよ、私のオモチャ」
巨大な潜水艦
そのとある部屋では薄暗い中モニター画面にアップされた写真に不気味な笑みを浮かべる男がいた
「まさかまだその男といたなんて…いけない人だ」
黒いレックウザが現れペンダントを奪えなかったアメジオ
彼の仲間であるこの男スピネルはアメジオから共有された少ない写真の中にナマエを見つけた
ライジングボルテッカーズ
敵となる彼らの一人、フリードに運ばれた彼女は耳を抑え蹲っており顔がハッキリとは見えないがスピネルには分かる
これがずっと探していた彼女だと
「寂しかったでしょうに…すぐに迎えに行きますから…もう少し我慢してくださいね?」
画面に手のひらを滑らせ微笑む彼の瞳に入るのはナマエだけ
彼が望むのは能力かそれとも彼女自身か…
スピネルの魔の手が静かに伸びていた
治療室のベッドに腰掛けぼんやりとしているナマエにモリーはホットミルクを持ってきてくれた
『ん…ありがとう…』
飛行船の修理は終わりやっと旅を再開できた、新しくロイも仲間に入り賑やかになったのにナマエの心は重く笑顔も浮かばなくなった
「……フリードを呼ぼうか?」
『……お願いします』
「ん、ちょい待ってな」
一人になった治療室は静かで耳が痛くなりそうだ
ナマエは飲みかけのホットミルクをサイドテーブルに置き自分の足元を見下ろし…か細い声をかけた
『ドラパルト…いるんでしょ?出てきて?』
彼女の足元の影が黒くなり水の中から出るようにぬるりと姿を現すドラパルト
彼は心配そうにナマエを見つめ遠慮がちに彼女の手に頭を擦り付けた
『何か…喋って?いつものように』
ギャルルル…
言われた通りに喋るとナマエの顔はじんわりと曇り、震えた手でドラパルトの首に抱きついた
『ドラパルトっ…どうしようっ』
ドラメシヤ達も彼女を心配しふよふよと周りを浮かぶが次第に鼻を啜る音と喉をひくつかせた音が聞こえた
グルルル…
彼女を慰めるように優しく鳴くが今のナマエには逆効果だったらしく彼女は声が漏れ出す程泣き出しぽたりぽたりと床に涙を落としていく
「ナマエっ」
そこへモリーから話しを聞いたフリードが治療室に入ってきた
ドラパルトに抱きつき泣きじゃくる恋人の姿に驚き一瞬足が止まるが、痛々しい姿になったナマエを慰めるのは相棒ではなく自分でありたい
フリードは拳を作り一度強く握りしめると止まった足を再び動かしナマエの背中をそっと撫でながらしゃがみ込んだ
「どうしたんだ?まだどこか痛むのか?」
ドラパルトから引き剥がし自分に顔を向けさせるが、彼女の瞳は溶けてしまいそうなほど涙で濡れコチラが見えているのかも分からない
ぐちゃぐちゃになった目元を親指の腹で拭ってやり頬を優しく両手で包んでやると、彼の手に白い手が重なる
『フリードさん…っ…あたしっ…聞こ…え…いの…』
「ん?」
『ドラパルトの声がっ、ドラメシヤやパモさん…ウォーグル…皆の声が聞こえないのっ、聞こえ…う…うわぁぁぁん』
大粒の涙を流し深い悲しみに震えた声を出す彼女はフリードの前だと言うのに恥ずかしがるそぶりもなく子供のように泣き出す
パルデアで別れたあの日のように泣き出す姿にフリードは心を締め付けられながらも愛しくて腕の中へと招き抱き寄せた
「大丈夫だ…声が聞こえなくてもお前の相棒が消えるわけじゃないだろ?」
『でもっ…あたし…声が聞こえないと…ここにいられないっ』
「………おい、待て」
聞き捨てならない言葉にフリードは眉間にシワを深く寄せ彼女の顔を覗き込んだ
「お前…まさか俺がお前の能力が欲しくて仲間にしたと思ってるのか?」
怒りに顔を染め出す彼は強くナマエの二の腕を掴み目元を細めていく
痛いほど強くなる彼の手に驚きめを見開きながら見上げるとフリードは感情のままに声をあげた
「ふざけるな…ふざけんなよっ!俺がお前を仲間に誘ったのは能力が目的じゃねぇ!お前が好きだから側に置きたくて誘ったんだ!」
ガクンっと体が揺れるほど強く捕まれフリードの怒った顔がすぐ側に見える
頬を伝う涙は次第に勢いが緩み最後の雫が顎下から床へと落ちるとフリードの蜂蜜色の瞳がやっとクリアに見えた
「声が聞こえなくても!お前がお前だって事は変わらねぇ!俺の大切な女だ!相棒と話せないのは寂しいかもしれねぇけど…言葉が通じなくても心で通じてる…お前にも分かる筈だ」
言い切った彼は肩で息をし興奮を抑えようとする、その間にフリードの隣に来たドラパルトが小さく鳴き声をあげナマエの顔を見つめた
『……ドラパルト』
彼はじっとナマエを見つめると次の瞬間にっこりと微笑んだ
大丈夫……と言ってくれた気がしナマエの止まっていたはずの涙がまた溢れ出る
『うんっ…うんっ、…ありがとうっ、ごめんね…ドラパルト…フリードさんっ』
ポロポロと涙をまた流す彼女にフリードは困ったように鼻で小さく笑い、ナマエの濡れた頬に唇を軽く触れさせた
「ったく……困ったお姫様だな、俺の恋人は」
ちゅっ…っ……ちゅっ…
何度も何度も彼女の頬や濡れた瞼にキスを落とし涙を止めてやる
鼻を啜る音が減りこちらをやっと見たナマエと見つめ合うとフリードは優しく微笑み彼女の唇に自分の唇を重ねた
触れるだけの優しいキスは気持ちよくて離れても余韻に心がふわふわとする
『ん……ふぁ……っ』
「大丈夫…お前を一人にはしない、俺は絶対に離さねぇって言ったろ?」
囁くような甘い男の声
彼はもう一度分からせるようにナマエの唇を塞ぎ強く抱きしめた
原因はなんなのか分からない
だがこの日を堺に彼女の能力は消えてしまいポケモンの声が聞こえなくなってしまった
この男はそんな事実も知らず、ただ目の前の情報に口角を吊り上げた
「あぁ…やっと見つけましたよ、私のオモチャ」
巨大な潜水艦
そのとある部屋では薄暗い中モニター画面にアップされた写真に不気味な笑みを浮かべる男がいた
「まさかまだその男といたなんて…いけない人だ」
黒いレックウザが現れペンダントを奪えなかったアメジオ
彼の仲間であるこの男スピネルはアメジオから共有された少ない写真の中にナマエを見つけた
ライジングボルテッカーズ
敵となる彼らの一人、フリードに運ばれた彼女は耳を抑え蹲っており顔がハッキリとは見えないがスピネルには分かる
これがずっと探していた彼女だと
「寂しかったでしょうに…すぐに迎えに行きますから…もう少し我慢してくださいね?」
画面に手のひらを滑らせ微笑む彼の瞳に入るのはナマエだけ
彼が望むのは能力かそれとも彼女自身か…
スピネルの魔の手が静かに伸びていた