第四章
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島で出会ったロイという少年は活発な男の子だった
朝早くに森へと散歩に出かけポケモン達の様子を見たり、パソコンで授業を受けたり
小腹が空いては小石で木の実を取り秘密基地で遊んでいた
いつもは一人だったが
今はナマエがいる
それだけでロイは世界が変わったように感じられた
『ロイくんは投げるの上手だね、あんなに高い場所にある木の実も一回で落としたし』
「へへ!いつかポケモントレーナーになる為に練習してんだ!」
取ってきた木の実を二人で食べながら彼の話しを聞き、ナマエもポケモンについて分かる事は全て教え込んだ
モニター越しの授業とも違う生の声の授業はロイにとって新鮮であり楽しい時間となり、彼女の体力が戻るまでの数日間を殆ど共に過ごした
「……あのさ」
木の実を食べていたロイはチラチラと隣に座るナマエを見ては口を尖らせ言いにくそうに呟いた
『ん?』
顔を覗き込み小首を傾げる彼女は可愛らしくてロイはぐっと息を飲み込むと白い歯を見せ照れ笑いをした
「僕さ…姉ちゃんが島に来てくれて嬉しい!こんなに楽しいの久しぶりだもん!」
『ふふ、喜んで貰えたならあたしも嬉しいよ』
「そうだ!そろそろ島の本屋に新しい本が届いたかもしれない!一緒に行こうよ!」
褐色の小さな手が当たり前のように白い彼女の手を握り走り出す
島の人達も二人の仲の良さに本当の兄弟のように感じ優しく見守ってくれる
居心地が悪いわけではない
寧ろいいが、ナマエは旅の途中でありずっとこの島にいるわけにはいかない
前を歩く少年を見ながら罪悪感がじんわりと胸に広がり笑顔がぎこちなくなりそうになった
『(ロイくんには悪いけど、もう少し体力が戻ったら島を出よう…フリードさん達と合流しなきゃ)』
本屋に着くと他の子供達が数人集まっておりロイもそこに混ざる
一人になった彼女はポケットにしまっていたスマホを取り出し指で操作するが画面は暗いままだ
海水のせいかスマホは壊れてしまいロトムも困った顔を浮かべている
『(ドットがいればなぁ)』
直したくても島に技術者はおらず迎えも呼べない…自力で戻るしかなかった
「姉ちゃん!皆がパモを見たいって!見せてよ!」
『うん、いいよ…パモさん出ておいで』
ボールから呼び出したパモはロイにとっても初めて見るポケモンだった
オレンジ色の体に柔らかそうな毛並み、愛くるしい丸い瞳が魅力的でロイを含む子供達は興奮気味に喜ぶ
「うわぁぁ〜可愛い!」
「ぬいぐるみみたい!」
突然迫ってくるロイや島の子供達の存在に驚きパモは悲鳴をあげながらナマエの腕の中へと戻ってしまい、ロイと彼女はお互いの顔を見合わせるとどちらとなく笑った
『(もう少しだけ…そしたらちゃんとロイくんに言わなきゃ)』
懐いてくれるロイが可愛くて、迫る別れの日の話ができず時ばかりが過ぎていく
そんなある日だった
「姉ちゃん!ナマエ姉ちゃん!聞いて!聞いて!」
ロイの家でドラメシヤ達の世話をしていると出かけた筈のロイが慌てて戻ってきた
『どうしたの?何か忘れ物?』
「僕さっき森で新しいポケモンに出会ったんだ!今まで島で見たことないポケモンで…えっと…トカゲみたいで赤くて歌うのが好きなポケモンで」
必死に見た特徴を伝えようとする彼は大きな赤い目をキラキラと輝かせナマエにも興奮を分けようとするが、ナマエは思い当たるポケモンに目を見開き外へと走り出した
「姉ちゃんっ!どこ行くの!待ってよ!」
後ろからロイの呼ぶ声が聞えたが足が止まらない
まだ彼女の予想が当たるとも言えないのに僅かな可能性に縋るように走り森を目指した
『(歌うのが好きなトカゲみたいなポケモン…もしそれがホゲータなら…もしかしたらっ!)』
島の殆どが森であり探す場所はきりがない、それでもじっとしてられなくてナマエは思うがままに走った
途中木の実を食べられたと怒る虫ポケモン達に会い話しを聞くと泥棒が向かった先を教えてもらい彼女もそちらへと走る
『(飛行船に乗っていたホゲータは食べのが大好きだった!もしあの子が来てるならフリードさんも!)』
同じ方向を目指して走るポケモンがどんどんと増え足が早い者は先に進みもう姿さえ見えなくなった
人とポケモンでは体力も移動速度も違う、次第に置いてきぼりになったナマエは一人森の中で彷徨い息を絶え絶えに走るのをやめた
『はぁ…はっ…はぁ…だめ…体力が…はぁ…』
よろよろと木に手を付けて休み肩で息をし、額から流れる汗を手の甲で乱暴に拭き上げた
早く行きたい
早く確かめたい
気持ちばかり焦り前を進もうとすると目の前の茂みが揺れ動き黄色い物体が飛び出してきた
『…はぁ…っ……キャッ……プ?』
名前を呼ばれた黄色い正体はピカチュウでありキャップだった
彼は驚き珍しくあどけない顔を浮かべると遅れて彼の後ろからもう一人茂みの中から現れた
「おいキャップ!俺を置いてく…な…」
『……っ…フリードさんっ』
「……っ、ぁ…っ!」
茂みから現れたのはフリードだった
彼は驚き息を詰まらせると吸い寄せられるように走り力加減もできずにナマエを抱きしめた
「ナマエ!この馬鹿!心配したんだぞっ!!」
『ぅ…ごめんなさいっ、っ、フリードさんっ……フリードさんだっ』
お互いに強く抱きしめ合い漸く自分の半身を見つけた気分だった
パズルのピースがぴったりと合うように安心できるお互いの温もり
フリードは彼女の頭に頬を強く押し付け無事を喜びナマエもほんのりと煙草の匂いが混ざったフリードの服の匂いに涙を滲ませた
ずっと会いたかった愛しい人
嬉しさに目元が熱くなり誤魔化すように彼の胸に鼻を押し付け甘える
「怪我はないか?いきなりお前のスマホの通信が切れて焦ったんだぞ?俺だけじゃなく皆も凄い心配した!」
体を少し離し彼女の顔を見下ろすフリードは眉を寄せ何があったのか聞こうとする
『あ…実は旅の途中で嵐にあって…海に落ちちゃってその時にスマホも壊れちゃった』
「なっ!っ…あ〜まったく!無事だったからよかったものの…むちゃしやがって」
『……ごめんなさい』
気をつけろと散々言われたのにまた心配をさせてしまう事をしてしまった
反省ししょんぼりと眉を下げ俯く彼女の顔さえ愛しくてフリードは困ったように笑い背中を静かに丸めると長い前髪を揺らしながら顔を近づけ
ちゅっ
「お前が無事なら…それでいい」
触れた柔らかい感触はすぐに離れてしまったが、すぐ目の前で優しく細められた蜂蜜色の瞳が彼女を離さなかった
『〜〜っ』
ナマエもフリードと同じくらい彼を求め恋しかった
その気持ちを言葉で伝えるには恥ずかしくてナマエは行動で示す
『(ほっぺだけじゃなくて…もっとしたい)』
フリードの服を強く握りほんの少し下へと引っ張りながら顔を向けると彼はナマエが何をしたいのか気が付き嬉しそうに微笑んだ
「俺も…ここにしたいと思ってたとこだ」
彼の親指がピンク色の柔らかい下唇をなぞり、人差し指の背が顎を上へと向かせる
されるがままに上を向くとフリードの顔がゆっくりと降りてくる
彼の瞳はナマエのピンク色の唇に落とされ彼女もフリードの形の良い唇に向けられる
下がっていく瞼をそのままに自然と顔を傾け、瞳を静かに閉じ二人の影は一つとなった
重なった唇は柔らかくて温かい
気持ちがよくて心が満たされていく
ちゅっ…ぷ…
小さく音を鳴らし唇を離すと余韻に顔を蕩けさせ、フリードは喉奥を鳴らした
「……足りねぇよっ」
『フリードさ…んんっ、ふっ…んぅ』
触れるだけだったキスでは我慢できない、フリードは噛みつくように唇に襲いかかると舌をねじ込み深いキスをしだした
『んっ、ぁ…待って…あたしっ、汗臭いし…ん』
「んな事気にすんなっ…ん…寧ろ…興奮するっ…」
ふらつき後ろに倒れそうになる彼女の体を両手で抱きしめ荒々しいキスを繰り返し二人の重なった唇からどちらのか分からない舌を絡ませる水音とくぐもった息遣いが聞こえる
彼の舌はナマエの口内を暴れまわり上顎や小さな舌をなぞっては絡め取り唾液ごと欲するようだった
不意に背中に回されていた彼の手はゆっくりと移動し片方の手がナマエの脇腹から服と素肌の隙間に入り込んだ
『(待って、ここ外!それに誰が来るか分かんないよっ)』
これ以上は駄目だと顔を離そうとするとフリードはムッと眉を険しくさせわざと一度深く舌を絡めてキスをし、リップ音を鳴らして漸く離れてくれた
「はぁ…っ…はぁ…なんで嫌がる?」
『ふぁ…はぁ…だって…ここじゃ…』
すっかり熱を孕ませた蜂蜜色の瞳はまだ彼女を欲している
愛する恋人と随分離れていたのだから仕方ないだろう
誰に見られても彼は構わない
もっとしたいが恥ずかしがり屋な恋人の願いを無視するわけにもいかない
「ん…なら…俺の部屋に戻ったら続きしてもいいよな?」
『っ!』
いいだろ?と了解を欲し彼はナマエの首筋に小さくキスを落とし意地悪そうに笑った
ここで嫌だと言えば暴走し今すぐ続きを強請るかもしれない
どちらかを選ぶしか無くナマエは顔を真っ赤に染め上げ小さく頷いた
「よし!ところでこんな森で何をやってたんだ?」
『あ、それは』
森に入った理由を言おうとすると向かおうとした方角から誰かの叫び声が聞こえた
一人は女の子のようだがもう一人はロイのものだった
『ロイくん!』
「は?ロイ?おいっまさか男か?誰だよそいつ!」
声が聞こえた方へ走りだす彼女を追いかけフリードもついていくとロイともう一人…依頼人の娘リコが虫ポケモン達の糸で捕まっていた
『ん〜どういう状況?』
「ナマエ姉ちゃん!助けてぇ!」
「待て待て寧ろお前は誰だ!」
何ともドタバタとした再会になってしまったようだ
朝早くに森へと散歩に出かけポケモン達の様子を見たり、パソコンで授業を受けたり
小腹が空いては小石で木の実を取り秘密基地で遊んでいた
いつもは一人だったが
今はナマエがいる
それだけでロイは世界が変わったように感じられた
『ロイくんは投げるの上手だね、あんなに高い場所にある木の実も一回で落としたし』
「へへ!いつかポケモントレーナーになる為に練習してんだ!」
取ってきた木の実を二人で食べながら彼の話しを聞き、ナマエもポケモンについて分かる事は全て教え込んだ
モニター越しの授業とも違う生の声の授業はロイにとって新鮮であり楽しい時間となり、彼女の体力が戻るまでの数日間を殆ど共に過ごした
「……あのさ」
木の実を食べていたロイはチラチラと隣に座るナマエを見ては口を尖らせ言いにくそうに呟いた
『ん?』
顔を覗き込み小首を傾げる彼女は可愛らしくてロイはぐっと息を飲み込むと白い歯を見せ照れ笑いをした
「僕さ…姉ちゃんが島に来てくれて嬉しい!こんなに楽しいの久しぶりだもん!」
『ふふ、喜んで貰えたならあたしも嬉しいよ』
「そうだ!そろそろ島の本屋に新しい本が届いたかもしれない!一緒に行こうよ!」
褐色の小さな手が当たり前のように白い彼女の手を握り走り出す
島の人達も二人の仲の良さに本当の兄弟のように感じ優しく見守ってくれる
居心地が悪いわけではない
寧ろいいが、ナマエは旅の途中でありずっとこの島にいるわけにはいかない
前を歩く少年を見ながら罪悪感がじんわりと胸に広がり笑顔がぎこちなくなりそうになった
『(ロイくんには悪いけど、もう少し体力が戻ったら島を出よう…フリードさん達と合流しなきゃ)』
本屋に着くと他の子供達が数人集まっておりロイもそこに混ざる
一人になった彼女はポケットにしまっていたスマホを取り出し指で操作するが画面は暗いままだ
海水のせいかスマホは壊れてしまいロトムも困った顔を浮かべている
『(ドットがいればなぁ)』
直したくても島に技術者はおらず迎えも呼べない…自力で戻るしかなかった
「姉ちゃん!皆がパモを見たいって!見せてよ!」
『うん、いいよ…パモさん出ておいで』
ボールから呼び出したパモはロイにとっても初めて見るポケモンだった
オレンジ色の体に柔らかそうな毛並み、愛くるしい丸い瞳が魅力的でロイを含む子供達は興奮気味に喜ぶ
「うわぁぁ〜可愛い!」
「ぬいぐるみみたい!」
突然迫ってくるロイや島の子供達の存在に驚きパモは悲鳴をあげながらナマエの腕の中へと戻ってしまい、ロイと彼女はお互いの顔を見合わせるとどちらとなく笑った
『(もう少しだけ…そしたらちゃんとロイくんに言わなきゃ)』
懐いてくれるロイが可愛くて、迫る別れの日の話ができず時ばかりが過ぎていく
そんなある日だった
「姉ちゃん!ナマエ姉ちゃん!聞いて!聞いて!」
ロイの家でドラメシヤ達の世話をしていると出かけた筈のロイが慌てて戻ってきた
『どうしたの?何か忘れ物?』
「僕さっき森で新しいポケモンに出会ったんだ!今まで島で見たことないポケモンで…えっと…トカゲみたいで赤くて歌うのが好きなポケモンで」
必死に見た特徴を伝えようとする彼は大きな赤い目をキラキラと輝かせナマエにも興奮を分けようとするが、ナマエは思い当たるポケモンに目を見開き外へと走り出した
「姉ちゃんっ!どこ行くの!待ってよ!」
後ろからロイの呼ぶ声が聞えたが足が止まらない
まだ彼女の予想が当たるとも言えないのに僅かな可能性に縋るように走り森を目指した
『(歌うのが好きなトカゲみたいなポケモン…もしそれがホゲータなら…もしかしたらっ!)』
島の殆どが森であり探す場所はきりがない、それでもじっとしてられなくてナマエは思うがままに走った
途中木の実を食べられたと怒る虫ポケモン達に会い話しを聞くと泥棒が向かった先を教えてもらい彼女もそちらへと走る
『(飛行船に乗っていたホゲータは食べのが大好きだった!もしあの子が来てるならフリードさんも!)』
同じ方向を目指して走るポケモンがどんどんと増え足が早い者は先に進みもう姿さえ見えなくなった
人とポケモンでは体力も移動速度も違う、次第に置いてきぼりになったナマエは一人森の中で彷徨い息を絶え絶えに走るのをやめた
『はぁ…はっ…はぁ…だめ…体力が…はぁ…』
よろよろと木に手を付けて休み肩で息をし、額から流れる汗を手の甲で乱暴に拭き上げた
早く行きたい
早く確かめたい
気持ちばかり焦り前を進もうとすると目の前の茂みが揺れ動き黄色い物体が飛び出してきた
『…はぁ…っ……キャッ……プ?』
名前を呼ばれた黄色い正体はピカチュウでありキャップだった
彼は驚き珍しくあどけない顔を浮かべると遅れて彼の後ろからもう一人茂みの中から現れた
「おいキャップ!俺を置いてく…な…」
『……っ…フリードさんっ』
「……っ、ぁ…っ!」
茂みから現れたのはフリードだった
彼は驚き息を詰まらせると吸い寄せられるように走り力加減もできずにナマエを抱きしめた
「ナマエ!この馬鹿!心配したんだぞっ!!」
『ぅ…ごめんなさいっ、っ、フリードさんっ……フリードさんだっ』
お互いに強く抱きしめ合い漸く自分の半身を見つけた気分だった
パズルのピースがぴったりと合うように安心できるお互いの温もり
フリードは彼女の頭に頬を強く押し付け無事を喜びナマエもほんのりと煙草の匂いが混ざったフリードの服の匂いに涙を滲ませた
ずっと会いたかった愛しい人
嬉しさに目元が熱くなり誤魔化すように彼の胸に鼻を押し付け甘える
「怪我はないか?いきなりお前のスマホの通信が切れて焦ったんだぞ?俺だけじゃなく皆も凄い心配した!」
体を少し離し彼女の顔を見下ろすフリードは眉を寄せ何があったのか聞こうとする
『あ…実は旅の途中で嵐にあって…海に落ちちゃってその時にスマホも壊れちゃった』
「なっ!っ…あ〜まったく!無事だったからよかったものの…むちゃしやがって」
『……ごめんなさい』
気をつけろと散々言われたのにまた心配をさせてしまう事をしてしまった
反省ししょんぼりと眉を下げ俯く彼女の顔さえ愛しくてフリードは困ったように笑い背中を静かに丸めると長い前髪を揺らしながら顔を近づけ
ちゅっ
「お前が無事なら…それでいい」
触れた柔らかい感触はすぐに離れてしまったが、すぐ目の前で優しく細められた蜂蜜色の瞳が彼女を離さなかった
『〜〜っ』
ナマエもフリードと同じくらい彼を求め恋しかった
その気持ちを言葉で伝えるには恥ずかしくてナマエは行動で示す
『(ほっぺだけじゃなくて…もっとしたい)』
フリードの服を強く握りほんの少し下へと引っ張りながら顔を向けると彼はナマエが何をしたいのか気が付き嬉しそうに微笑んだ
「俺も…ここにしたいと思ってたとこだ」
彼の親指がピンク色の柔らかい下唇をなぞり、人差し指の背が顎を上へと向かせる
されるがままに上を向くとフリードの顔がゆっくりと降りてくる
彼の瞳はナマエのピンク色の唇に落とされ彼女もフリードの形の良い唇に向けられる
下がっていく瞼をそのままに自然と顔を傾け、瞳を静かに閉じ二人の影は一つとなった
重なった唇は柔らかくて温かい
気持ちがよくて心が満たされていく
ちゅっ…ぷ…
小さく音を鳴らし唇を離すと余韻に顔を蕩けさせ、フリードは喉奥を鳴らした
「……足りねぇよっ」
『フリードさ…んんっ、ふっ…んぅ』
触れるだけだったキスでは我慢できない、フリードは噛みつくように唇に襲いかかると舌をねじ込み深いキスをしだした
『んっ、ぁ…待って…あたしっ、汗臭いし…ん』
「んな事気にすんなっ…ん…寧ろ…興奮するっ…」
ふらつき後ろに倒れそうになる彼女の体を両手で抱きしめ荒々しいキスを繰り返し二人の重なった唇からどちらのか分からない舌を絡ませる水音とくぐもった息遣いが聞こえる
彼の舌はナマエの口内を暴れまわり上顎や小さな舌をなぞっては絡め取り唾液ごと欲するようだった
不意に背中に回されていた彼の手はゆっくりと移動し片方の手がナマエの脇腹から服と素肌の隙間に入り込んだ
『(待って、ここ外!それに誰が来るか分かんないよっ)』
これ以上は駄目だと顔を離そうとするとフリードはムッと眉を険しくさせわざと一度深く舌を絡めてキスをし、リップ音を鳴らして漸く離れてくれた
「はぁ…っ…はぁ…なんで嫌がる?」
『ふぁ…はぁ…だって…ここじゃ…』
すっかり熱を孕ませた蜂蜜色の瞳はまだ彼女を欲している
愛する恋人と随分離れていたのだから仕方ないだろう
誰に見られても彼は構わない
もっとしたいが恥ずかしがり屋な恋人の願いを無視するわけにもいかない
「ん…なら…俺の部屋に戻ったら続きしてもいいよな?」
『っ!』
いいだろ?と了解を欲し彼はナマエの首筋に小さくキスを落とし意地悪そうに笑った
ここで嫌だと言えば暴走し今すぐ続きを強請るかもしれない
どちらかを選ぶしか無くナマエは顔を真っ赤に染め上げ小さく頷いた
「よし!ところでこんな森で何をやってたんだ?」
『あ、それは』
森に入った理由を言おうとすると向かおうとした方角から誰かの叫び声が聞こえた
一人は女の子のようだがもう一人はロイのものだった
『ロイくん!』
「は?ロイ?おいっまさか男か?誰だよそいつ!」
声が聞こえた方へ走りだす彼女を追いかけフリードもついていくとロイともう一人…依頼人の娘リコが虫ポケモン達の糸で捕まっていた
『ん〜どういう状況?』
「ナマエ姉ちゃん!助けてぇ!」
「待て待て寧ろお前は誰だ!」
何ともドタバタとした再会になってしまったようだ