第四章
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姉ちゃん
姉ちゃん!
浮上していく意識の中聞こえた声はまだ声変わりがしていない少年の声だった
『(……ドラメシヤ?)』
夢でも見ているんだろうか
パートナーの声かと思い瞼を震わせるぼんやりと瞳を開けると予想していた相手ではなく大きな赤い目をした少年が飛び込んできた
「気がついた!大丈夫?何処か痛くない?」
顔を覗き込んでくる少年は何かできる事はないかとソワソワと両手を揺らし心配そうに見下ろしてくる
彼の後ろに見えたのは空ではなく見知らぬ天井であり、背中の感触からしてベッドに寝かされてるのだろう
匂いからして病院でないだろうが
ならばここは何処だろうか?
『………あたし……なんで…』
彼が誰なのか
自分は何をしていたのか
段々と意識がハッキリしていくと嵐の中海へと落ちた事を思い出し心臓が飛び跳ねた
『ウォーグルっ!!』
寝ていたベッドから飛び起き床に足をつけようとすると体が予想以上に重く感じその場に崩れ落ちる
「駄目だよ!まだ安静にしてないとって先生が言ってたんだ!」
すぐさま彼女の体を支えようと近寄った少年はナマエの背中を擦りベッドに戻るように願った
『でもっ、あたしのウォーグル知らない?嵐の日に離れ離れになって……』
混乱と焦りを顔に浮かべもう一度立とうとすると彼女の足元の影がゆらりと揺れ動いた
影はじんわりと色を濃くさせ何もなかった筈の床からぬるりとドラパルトが顔を出す
「うわぁっ!なんだっ!!」
『ドラパルト!』
水から出てくるようにぬるりと姿を現したドラパルトは宙に浮き、彼の側から二匹のドラメシヤがナマエの元へと近寄り心配そうに頬に顔を擦り付けた
『ごめん…心配させたね?ドラメシヤ…ドラパルト、ウォーグルは?』
蛇の鳴き声のような声を出すドラパルト、彼の言葉を理解したように会話を続けるナマエに少年は驚き目を丸くさせる
自分より大きく強そうなポケモンと信頼しあった姿は彼の理想であり憧れだ
キラキラと目を輝かせた頃にはナマエの指示により二匹のドラメシヤは窓から飛び出し外へと飛んでいった
「え?逃げたの?捕まえなくていいの?」
慌てる少年と違いナマエはやっと落ち着きを取り戻しドラパルトに手伝って貰いながらベッドへと座り直す
『大丈夫、あたしのウォーグルを探して貰ってるだけだから』
「へぇ……なんか凄いや、姉ちゃんはポケモントレーナーなんだね!何処から来たの?」
『何処から…えっと』
ナマエは簡単に今までの事を少年に話し始めた
生まれはパルデアである事
縁があって冒険家グループのライジングボルテッカーズに入り旅をしている事
旅の途中別行動となり任務帰りに海の上を飛んでいた時、運悪く嵐にあってしまった事
「そのウォーグルってポケモン大丈夫かな?この島には野生ポケモンも結構いるしイジメられてないといいけど」
『それは大丈夫だよ、あたしのウォーグルはパルデアでは群れのボスにもなった子だから』
「へぇ~!強いんだ!会ってみたいなぁ」
話しをしている間ドラパルトは影には戻らずナマエの座るベッドに横たわり彼女が倒れないように背もたれの役目をしてくれていた
優しい相棒の額を撫でながら全てを話し終えると少年も彼女を見つけた時の事を教えてくれた
嵐の後
朝早く海岸に向かい何か面白い宝物でもないかと散歩していた時、砂浜に打ち上げられていたナマエを見つけたのだと
『そっか…ありがとうね?あ…名前を聞いてもいいかな?』
「ロイだよ!姉ちゃんの名前は?」
『あたしはナマエ、よろしくねロイくん』
元気な少年に微笑むとロイも嬉しそうに笑いまるで兄弟のようだ
ロイは敵になる事はないと感じたドラパルトも小さく笑うと瞳を閉じリラックスし始め静かに二人の会話を聞き始める
島は小さく人口も少なく学校がない為、遠くの島とネットを繋げオンライン授業を受けている事
ポケモンと共存して暮しているがトレーナーではない事
いつかは旅に出て沢山の冒険をしたい事をロイは話してくれた
自分の話しを真剣に聞き驚いたり笑ってくれるナマエの反応に気を良くしたロイは鼻息を荒くしポケットから何かを自慢気に取り出した
「これ見て!古のモンスターボールって僕は呼んでるんだけど…いつか旅に出たらこれの秘密を知りたいんだ!」
『いにしえ……不思議なボールだね』
彼がポケットから出したボールは今まで見たどのボールとも違っており細かい細工はいっそ高級感を感じさせる
そして何より不思議な力をボールから感じた
『中に何が入ってるの?』
「それが開かないんだ、何度も投げたり開けようとしたんだけど…きっと壊れてるし空っぽだよ」
『……そう(それにしては変な気配がする)』
だがボールの開閉となるセンサーボタンを押しても特に反応はない
本当に空っぽなのかもしれないと諦めボールをロイに返すと外から叫び声のような鳴き声が聞こえた
ギュアアアッ!!
声の正体はウォーグルだった
ドラメシヤよりナマエの無事を知らされ居ても立っても居られず急いで来てくれたのだろうが…
『えっ?ウォーグル?ちょっ』
「ちょっ、こっちに突っ込んでくるんじゃ」
窓から見えるウォーグルの速度は落ちることなく、みるみる接近してくる彼にロイとナマエは顔を青ざめる
まさかと思った瞬間
ギャギャァァァ!!
『嘘っっ!』
「うわあああっ!」
ドッカーンと大きな音をさせながら体当たりしてきたウォーグルのせいで窓ごと壁は破壊されてしまい煙が舞う
間一髪ドラパルトが二人を避難させたから良いものの危なく余計な怪我をするところだった
余程心配したのだろう
ウォーグルは破壊した瓦礫から体を出すとナマエの元へと駆け寄り頭を彼女の腹に擦り付ける甘えた
『ウォーグルったら…本当にあの人みたいなんだから』
真っ直ぐな愛情表現をしてくれるのは元の持ち主だったフリードに似ている
相棒への愛しさとまだ会えない恋人への愛を感じながらナマエは瞳を熱くさせて微笑み、ロイはそんな彼女の横顔を暫くじっと見つめていた
建物を破壊した事を家主に謝罪したが事情を聞いた家主は大笑いするだけで責める事はしなかった
優しい家主に感謝しながら、ドラパルトに支えられながら外へと出ると辺りは青い空と海に包まれていた
ロイの言った通り小さな島
自然豊かで街も一つしかなく人よりポケモンが多そうだ
「ナマエ姉ちゃん!」
『ロイくん?』
家主に謝りに言っている間に姿を消していたロイが走って戻ってきた
何かあったのかと小首を傾げ彼を見つめると
「じいちゃんが壁を直すまで僕の部屋を使ってよ!僕の部屋広いから姉ちゃん一人くらい余裕で眠れるよ?」
『いや…でも壁まで壊したのにまだお世話になるなんて悪いよ』
「そんな事ないよ!僕まだまだ姉ちゃんの話聞きたいしポケモンの事教わりたいんだ!ね?いいでしょ?」
自分より少し身長の低い少年はキラキラとした瞳を向け短い眉を下げる
ナマエは何度か言葉にならない唸り声をあげ悩むが、可愛らしい少年の顔に負け小さく頷くしかなかった
姉ちゃん!
浮上していく意識の中聞こえた声はまだ声変わりがしていない少年の声だった
『(……ドラメシヤ?)』
夢でも見ているんだろうか
パートナーの声かと思い瞼を震わせるぼんやりと瞳を開けると予想していた相手ではなく大きな赤い目をした少年が飛び込んできた
「気がついた!大丈夫?何処か痛くない?」
顔を覗き込んでくる少年は何かできる事はないかとソワソワと両手を揺らし心配そうに見下ろしてくる
彼の後ろに見えたのは空ではなく見知らぬ天井であり、背中の感触からしてベッドに寝かされてるのだろう
匂いからして病院でないだろうが
ならばここは何処だろうか?
『………あたし……なんで…』
彼が誰なのか
自分は何をしていたのか
段々と意識がハッキリしていくと嵐の中海へと落ちた事を思い出し心臓が飛び跳ねた
『ウォーグルっ!!』
寝ていたベッドから飛び起き床に足をつけようとすると体が予想以上に重く感じその場に崩れ落ちる
「駄目だよ!まだ安静にしてないとって先生が言ってたんだ!」
すぐさま彼女の体を支えようと近寄った少年はナマエの背中を擦りベッドに戻るように願った
『でもっ、あたしのウォーグル知らない?嵐の日に離れ離れになって……』
混乱と焦りを顔に浮かべもう一度立とうとすると彼女の足元の影がゆらりと揺れ動いた
影はじんわりと色を濃くさせ何もなかった筈の床からぬるりとドラパルトが顔を出す
「うわぁっ!なんだっ!!」
『ドラパルト!』
水から出てくるようにぬるりと姿を現したドラパルトは宙に浮き、彼の側から二匹のドラメシヤがナマエの元へと近寄り心配そうに頬に顔を擦り付けた
『ごめん…心配させたね?ドラメシヤ…ドラパルト、ウォーグルは?』
蛇の鳴き声のような声を出すドラパルト、彼の言葉を理解したように会話を続けるナマエに少年は驚き目を丸くさせる
自分より大きく強そうなポケモンと信頼しあった姿は彼の理想であり憧れだ
キラキラと目を輝かせた頃にはナマエの指示により二匹のドラメシヤは窓から飛び出し外へと飛んでいった
「え?逃げたの?捕まえなくていいの?」
慌てる少年と違いナマエはやっと落ち着きを取り戻しドラパルトに手伝って貰いながらベッドへと座り直す
『大丈夫、あたしのウォーグルを探して貰ってるだけだから』
「へぇ……なんか凄いや、姉ちゃんはポケモントレーナーなんだね!何処から来たの?」
『何処から…えっと』
ナマエは簡単に今までの事を少年に話し始めた
生まれはパルデアである事
縁があって冒険家グループのライジングボルテッカーズに入り旅をしている事
旅の途中別行動となり任務帰りに海の上を飛んでいた時、運悪く嵐にあってしまった事
「そのウォーグルってポケモン大丈夫かな?この島には野生ポケモンも結構いるしイジメられてないといいけど」
『それは大丈夫だよ、あたしのウォーグルはパルデアでは群れのボスにもなった子だから』
「へぇ~!強いんだ!会ってみたいなぁ」
話しをしている間ドラパルトは影には戻らずナマエの座るベッドに横たわり彼女が倒れないように背もたれの役目をしてくれていた
優しい相棒の額を撫でながら全てを話し終えると少年も彼女を見つけた時の事を教えてくれた
嵐の後
朝早く海岸に向かい何か面白い宝物でもないかと散歩していた時、砂浜に打ち上げられていたナマエを見つけたのだと
『そっか…ありがとうね?あ…名前を聞いてもいいかな?』
「ロイだよ!姉ちゃんの名前は?」
『あたしはナマエ、よろしくねロイくん』
元気な少年に微笑むとロイも嬉しそうに笑いまるで兄弟のようだ
ロイは敵になる事はないと感じたドラパルトも小さく笑うと瞳を閉じリラックスし始め静かに二人の会話を聞き始める
島は小さく人口も少なく学校がない為、遠くの島とネットを繋げオンライン授業を受けている事
ポケモンと共存して暮しているがトレーナーではない事
いつかは旅に出て沢山の冒険をしたい事をロイは話してくれた
自分の話しを真剣に聞き驚いたり笑ってくれるナマエの反応に気を良くしたロイは鼻息を荒くしポケットから何かを自慢気に取り出した
「これ見て!古のモンスターボールって僕は呼んでるんだけど…いつか旅に出たらこれの秘密を知りたいんだ!」
『いにしえ……不思議なボールだね』
彼がポケットから出したボールは今まで見たどのボールとも違っており細かい細工はいっそ高級感を感じさせる
そして何より不思議な力をボールから感じた
『中に何が入ってるの?』
「それが開かないんだ、何度も投げたり開けようとしたんだけど…きっと壊れてるし空っぽだよ」
『……そう(それにしては変な気配がする)』
だがボールの開閉となるセンサーボタンを押しても特に反応はない
本当に空っぽなのかもしれないと諦めボールをロイに返すと外から叫び声のような鳴き声が聞こえた
ギュアアアッ!!
声の正体はウォーグルだった
ドラメシヤよりナマエの無事を知らされ居ても立っても居られず急いで来てくれたのだろうが…
『えっ?ウォーグル?ちょっ』
「ちょっ、こっちに突っ込んでくるんじゃ」
窓から見えるウォーグルの速度は落ちることなく、みるみる接近してくる彼にロイとナマエは顔を青ざめる
まさかと思った瞬間
ギャギャァァァ!!
『嘘っっ!』
「うわあああっ!」
ドッカーンと大きな音をさせながら体当たりしてきたウォーグルのせいで窓ごと壁は破壊されてしまい煙が舞う
間一髪ドラパルトが二人を避難させたから良いものの危なく余計な怪我をするところだった
余程心配したのだろう
ウォーグルは破壊した瓦礫から体を出すとナマエの元へと駆け寄り頭を彼女の腹に擦り付ける甘えた
『ウォーグルったら…本当にあの人みたいなんだから』
真っ直ぐな愛情表現をしてくれるのは元の持ち主だったフリードに似ている
相棒への愛しさとまだ会えない恋人への愛を感じながらナマエは瞳を熱くさせて微笑み、ロイはそんな彼女の横顔を暫くじっと見つめていた
建物を破壊した事を家主に謝罪したが事情を聞いた家主は大笑いするだけで責める事はしなかった
優しい家主に感謝しながら、ドラパルトに支えられながら外へと出ると辺りは青い空と海に包まれていた
ロイの言った通り小さな島
自然豊かで街も一つしかなく人よりポケモンが多そうだ
「ナマエ姉ちゃん!」
『ロイくん?』
家主に謝りに言っている間に姿を消していたロイが走って戻ってきた
何かあったのかと小首を傾げ彼を見つめると
「じいちゃんが壁を直すまで僕の部屋を使ってよ!僕の部屋広いから姉ちゃん一人くらい余裕で眠れるよ?」
『いや…でも壁まで壊したのにまだお世話になるなんて悪いよ』
「そんな事ないよ!僕まだまだ姉ちゃんの話聞きたいしポケモンの事教わりたいんだ!ね?いいでしょ?」
自分より少し身長の低い少年はキラキラとした瞳を向け短い眉を下げる
ナマエは何度か言葉にならない唸り声をあげ悩むが、可愛らしい少年の顔に負け小さく頷くしかなかった