第四章
夢小説設定
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「ナマエ、そっちは大丈夫か?」
夕暮れ時フリードは愛しの恋人へと電話をかける事にした
メールのやり取りはしていたが声が聞きたくなり我慢ができない
操舵室から外の景色を眺めながら耳に神経を集め声を聞くとフリードは静かに微笑む
『こっちは問題ないですよ、依頼も解決できましたしフリードさんの方は問題ないですか?』
「ああ、こっちもまだカントーには着いてないが特に嵐も故障もなく進んでる」
『それならよかったです』
声を聞いていたフリードは今度は顔が見たくなりスマホを耳元へと強く押し付ける
「なぁ、少し顔見て話さないか?声だけじゃ味気ねぇし」
特に深い理由はない
ただ顔が見たいという欲求で口にしたが受話器の向こう側から何やら唾を飲み込む音が聞こえた
『あ、それは…ちょっと、無理かな?今色々と立て込んでるし…あたしきっと酷い顔してるし』
何やら歯切れの悪い言い訳をしだす彼女にフリードは勘が働き嫌な予感を感じた
「何かあったのか?」
『ええっ!っ、ううん?別に?』
「お嬢さ〜ん?怪しすぎるだろーがっ」
いったいどうしたと言うのか
フリードが次の言葉を口にしようとした時だった
【おい、包帯変えるからさっさと通話をやめろ!看護師が待ってるだろ】
『ちょっ!シィーーっ!』
突然聞こえて来た男の声と包帯という言葉
フリードは垂れた目を見開くとすぐさま眉間に深いシワを作り声を大きくした
「誰だそいつ!つーか包帯ってなんだっ!怪我したのか!」
怒鳴り口調で通話を始めた事により側にいたキャップが耳を揺らした
無意識に出た大きな声に気が付きフリードは乱暴に自分の髪をかき乱しスマホへと耳を押し付けた
「どういう事だ?ちゃんと説明しろナマエっ」
『えっと…怪我はそんなに酷くないですし…さっきの人は』
【いい加減にしろっ!さっさと切れ!】
ブツン!と途中で切れた通話
フリードは暗くなったスマホ画面を凝視するとじわじわと黒い感情が胸を支配し鼻の上にまでシワを作った
「誰だよ……クソっ!」
****************
『ふぅ…任務完了!』
数日後、ナマエは退院し村からは感謝と報酬を受け取った
退院するまで彼女の側にはずっとアメジオがおり少しスマホを弄ろうとするだけで母親のように怒った
そのせいで安静に寝るしかなくフリードとはメールさえできていない
『(あれから全然フリードさんに連絡できてないんだよね…着信やらメールの山が怖い…とほほ)』
病室を出ても彼は何か言いたそうに視線を送っていたがナマエは気が付かないふりをする
彼が見つめる先は包帯がなくなったナマエのこめかみだからだ
血は止まったが傷跡は残るようだ
髪があれば隠せるが風が吹く度に見える跡がアメジオに責任感と罪悪感を感じさせるのだろう
『アメジオくんはこれからどうするの?』
何でもないふりをし聞くと隣に来たアメジオは視線を泳がせながら答えてくれた
「俺にも任務がある、この村に来たのは物資の調達目的だけだからな…もう出発するつもりだ」
『そっか、あたしも任務終わったし……ここでバイバイだね?』
へらりと笑って彼の前に移動する彼女は片手を差し出し握手を求めた
「………なんだ?」
『またね〜とありがとうの意味を込めての握手!』
差し出していた手を再度出すとアメジオはその手を見つめ、自分の手を恐る恐る出すが
「………少し待て」
『ん?』
何をする気なのかと見つめると彼は黒い手袋を片方だけ外し、白い手をあらわにさせた
その手のひらは彼の美しい顔からは想像できないほど多くの古い傷跡や豆が潰れた跡があった
「もう俺とは会わない方がいいだろう…きっとろくな事にならない」
『そんな事ないってば!せっかく知り合ったんだから…あたしはまた会いたいよ?』
「俺は会いたくない」
『え〜?寂しい事言わないでよ!』
ナマエから彼の手を握ると思ったよりも大きかった
細いとはいえ彼は男なのだから当たり前だが、ナマエは内心驚きアメジオを男として初めてちゃんと意識した瞬間だった
『あ…あ〜…じゃあね!』
慌てて彼の手から離れ背を向けるとナマエはすぐさまウォーグルを呼び出し空へと飛び上がった
チラリと後ろを振り向けばアメジオがじっとコチラを見上げており、ナマエは頬を掠める長い髪を退かしながら暫く彼を見つめた
相手が見えなくなるとアメジオは自分の手袋をしていない手のひらを見下ろし眉を静かに寄せる
「………変な女だ」
呟いた言葉ごと手のひらを強く握ると彼はすぐに黒い手袋を付け直し、同じようにアーマーガアを呼び出し空へと飛び上がり村の外に待たせていた潜水艦へと帰っていった
ある男は新しい友人に戸惑い
またある男は見えない男の存在に苛立ちを燃やし胸を焦がしていた
夕暮れ時フリードは愛しの恋人へと電話をかける事にした
メールのやり取りはしていたが声が聞きたくなり我慢ができない
操舵室から外の景色を眺めながら耳に神経を集め声を聞くとフリードは静かに微笑む
『こっちは問題ないですよ、依頼も解決できましたしフリードさんの方は問題ないですか?』
「ああ、こっちもまだカントーには着いてないが特に嵐も故障もなく進んでる」
『それならよかったです』
声を聞いていたフリードは今度は顔が見たくなりスマホを耳元へと強く押し付ける
「なぁ、少し顔見て話さないか?声だけじゃ味気ねぇし」
特に深い理由はない
ただ顔が見たいという欲求で口にしたが受話器の向こう側から何やら唾を飲み込む音が聞こえた
『あ、それは…ちょっと、無理かな?今色々と立て込んでるし…あたしきっと酷い顔してるし』
何やら歯切れの悪い言い訳をしだす彼女にフリードは勘が働き嫌な予感を感じた
「何かあったのか?」
『ええっ!っ、ううん?別に?』
「お嬢さ〜ん?怪しすぎるだろーがっ」
いったいどうしたと言うのか
フリードが次の言葉を口にしようとした時だった
【おい、包帯変えるからさっさと通話をやめろ!看護師が待ってるだろ】
『ちょっ!シィーーっ!』
突然聞こえて来た男の声と包帯という言葉
フリードは垂れた目を見開くとすぐさま眉間に深いシワを作り声を大きくした
「誰だそいつ!つーか包帯ってなんだっ!怪我したのか!」
怒鳴り口調で通話を始めた事により側にいたキャップが耳を揺らした
無意識に出た大きな声に気が付きフリードは乱暴に自分の髪をかき乱しスマホへと耳を押し付けた
「どういう事だ?ちゃんと説明しろナマエっ」
『えっと…怪我はそんなに酷くないですし…さっきの人は』
【いい加減にしろっ!さっさと切れ!】
ブツン!と途中で切れた通話
フリードは暗くなったスマホ画面を凝視するとじわじわと黒い感情が胸を支配し鼻の上にまでシワを作った
「誰だよ……クソっ!」
****************
『ふぅ…任務完了!』
数日後、ナマエは退院し村からは感謝と報酬を受け取った
退院するまで彼女の側にはずっとアメジオがおり少しスマホを弄ろうとするだけで母親のように怒った
そのせいで安静に寝るしかなくフリードとはメールさえできていない
『(あれから全然フリードさんに連絡できてないんだよね…着信やらメールの山が怖い…とほほ)』
病室を出ても彼は何か言いたそうに視線を送っていたがナマエは気が付かないふりをする
彼が見つめる先は包帯がなくなったナマエのこめかみだからだ
血は止まったが傷跡は残るようだ
髪があれば隠せるが風が吹く度に見える跡がアメジオに責任感と罪悪感を感じさせるのだろう
『アメジオくんはこれからどうするの?』
何でもないふりをし聞くと隣に来たアメジオは視線を泳がせながら答えてくれた
「俺にも任務がある、この村に来たのは物資の調達目的だけだからな…もう出発するつもりだ」
『そっか、あたしも任務終わったし……ここでバイバイだね?』
へらりと笑って彼の前に移動する彼女は片手を差し出し握手を求めた
「………なんだ?」
『またね〜とありがとうの意味を込めての握手!』
差し出していた手を再度出すとアメジオはその手を見つめ、自分の手を恐る恐る出すが
「………少し待て」
『ん?』
何をする気なのかと見つめると彼は黒い手袋を片方だけ外し、白い手をあらわにさせた
その手のひらは彼の美しい顔からは想像できないほど多くの古い傷跡や豆が潰れた跡があった
「もう俺とは会わない方がいいだろう…きっとろくな事にならない」
『そんな事ないってば!せっかく知り合ったんだから…あたしはまた会いたいよ?』
「俺は会いたくない」
『え〜?寂しい事言わないでよ!』
ナマエから彼の手を握ると思ったよりも大きかった
細いとはいえ彼は男なのだから当たり前だが、ナマエは内心驚きアメジオを男として初めてちゃんと意識した瞬間だった
『あ…あ〜…じゃあね!』
慌てて彼の手から離れ背を向けるとナマエはすぐさまウォーグルを呼び出し空へと飛び上がった
チラリと後ろを振り向けばアメジオがじっとコチラを見上げており、ナマエは頬を掠める長い髪を退かしながら暫く彼を見つめた
相手が見えなくなるとアメジオは自分の手袋をしていない手のひらを見下ろし眉を静かに寄せる
「………変な女だ」
呟いた言葉ごと手のひらを強く握ると彼はすぐに黒い手袋を付け直し、同じようにアーマーガアを呼び出し空へと飛び上がり村の外に待たせていた潜水艦へと帰っていった
ある男は新しい友人に戸惑い
またある男は見えない男の存在に苛立ちを燃やし胸を焦がしていた