第四章
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彼らのアジトは森の奥深くに作られていた
森と同化できる色合いのテントがいくつかあり人数は十数人といったところだろうか
村から奪ったのは金品や食料だけかと思ったけど違ったみたい
テントの影に見えたポケモン用の檻には傷ついたポケモンが何匹か見えざわりと背中に嫌な物が走った
「俺は行く…お前はどうする?」
『勿論、行きます…あの子達を助けないと』
「……同感だ」
アメジオくんも同じ物を感じたのかもしれない、彼は眉間にシワを寄せ顔を険しくさせると合図と共に走り出しあたしも彼の側を離れなかった
「なっなんだこのガキはっ!」
彼らが驚いている隙がチャンスだ
今度は連携させまいとあたしはドラパルトとウォーグル、そしてパモさんを同時に呼び出し敵を攻撃していく
りゅうせいぐんにぼうふう
そして10万ボルト
わざと戦いの場を激しくなるように技を多く繰り広げテントごと吹き飛ばす、予想通り彼らは逃げ回るのに必死で村でのような連携はとれていない
『(アメジオくん!)』
あたしが暴れまわり、ある方向へと逃げるように仕向け彼らが逃げた先にはアメジオくんが待っている
「降参しろ…さもないと…」
アーマーガアの迫力とソウブレイズと鋭い刃先を前に彼らは今度こそ降参し事件は呆気なく解決する事ができた
『……良かった』
彼がいて本当によかった
もし今回アメジオくんに手伝って貰えなかったら村の人だけでなく檻に閉じ込められたポケモン達もきっと不幸になっていただろう
「おい、檻の鍵だ…出してやってくれ」
『分かった、そっちは大丈夫?』
投げられた鍵を宙で受け取り彼を心配するとアメジオくんはやれやれと言った涼しい顔つきで答えた
「問題ない」
アメジオくんが悪者達を連れ出そうとした時だった
ポケモン達を解放していたあたしの目に飛び込んで来たのは彼の後ろに忍び寄る窃盗団の男の一人
その時のあたしは声を出すとか
ドラパルトを呼ぶとか
そんなの頭に浮かばなくて
ただ地面を必死に足で蹴飛ばし、上体を蹌踉めかせながら前に飛び出す事しか浮かばなくて
「あああああああっッ!!」
「なっ!」
男の奇声と共に振り上げられた腕はアメジオくんの顔に影を落とし、彼の息を飲む音が聞こえた
男の手に強く握られた木の棒と驚き目を見開いたアメジオくんの顔
男の影が落ちていた彼の顔をあたしは咄嗟に胸に抱きしめ守ろうとした
変わりに重い衝撃があたしの頭を直撃し酷い鈍痛に世界がぐわんと揺れた
ガンっっ!!
『っ!!』
殴られた反動と共にあたしとアメジオくんは地べたへと崩れ落ちた
ズザザッ!と地面を滑る音をさせながら倒れ頭の痛みにあたしはすぐには動けなかった
ズキズキとした痛みと打たれた箇所が急激に熱を帯びていく感覚
そしてこめかみから目尻や頬にとろりと伝う熱い何か…
背中から地面に倒れたあたしの胸元からアメジオくんは慌てて顔を離しあたしを見下ろし
「っ!ナマエっっ!!」
怒ったような焦ったような表情を浮かべた彼に怪我はない
それだけでも良かったとへらりと笑えば目が回りだし…
「おいっ!!」
頭の奥が重くて
あたしは意識を飛ばした
『ん…?』
目が覚めて最初に見えたのはドラメシヤだった
どうやらあたしのドラパルトのドラメシヤらしく彼はあたしが目を覚ました事に気がつくと嬉しそうに鳴き次に視界いっぱいに迫ってきたのはパモさんだった
パモ〜〜っ!!
『うぶっ!パモさんっ、大丈夫だからっくるしいぃ〜』
涙を流して顔面に抱きつくパモさんを宥め起き上がるとウォーグルもあたしを心配そうに見守っていた
『なんでここで寝てるんだっけ?』
周りを見れば自分の使っている簡易ベッドがいくつか並んでいるだけの殺風景な部屋
他に目立つ物もなく窓から外を見てもまだ頭がぼやけててピンと来なかった
頭に違和感を感じ手を伸ばせば額からこめかみにかけて包帯が巻かれており鈍い痛みに触れた手がびくつく
『……ここって』
「村の病室だ」
ウォーグルがついに人語を話した!
と、思えば彼の後ろからアメジオくんが現れた
『アメジオくん?あ…悪者は?』
「先にそれを聞くのか?安心しろ、殺さない程度に懲らしめておいた」
呆れたように言う彼はあたしのベッドに腰掛けると何があったのか簡単に説明をしてくれた
逃げのびていた男がアメジオくんを襲おうとし、間に飛び込んだあたしが代わりに殴られた事
軽い脳震盪になり意識を飛ばし
こめかみを少し切ってしまったらしく血が出てしまったが大事には至らないそうだ
『事件が解決したならよかった…はぁ…ホッとしたらお腹すいちゃった』
「本当に怪我人か?…はぁ……後で何か買ってやる、だから今は大人しく寝てろ」
『脳震盪とちょっと切っただけでしょ?もう大丈夫だよ!』
もう目も回ってないし大丈夫!
両手の拳を作って元気アピールをして見せたのにアメジオくんは悲しげに眉を下げ瞳を細めた
「………馬鹿な奴」
『はい?』
「俺の事なんかほっとけばよかったのに…会ったばかりの男のせいで傷ができたんだぞ?」
彼が伸ばした手はあたしの包帯の巻かれたこめかみに触れようとし、躊躇して宙で止まった
「……いや、馬鹿は俺だ…油断した」
ゆっくりと下がる手
アメジオくんは落ち込んでいるのか
傷ついているのが分かった
体ではなく心が
『あたしも油断してたの、ちょっとバトルに慣れたと思っていい気になってた…だからこれはいい経験だよ!次は油断しないって』
下を見る彼の手に自分の手を重ねればアメジオくんはあたしを見てくれた
睫毛の長い綺麗な顔
男の子なのに美人さんだなと感じてしまう…言ったら怒るだろうけど
『だから気にしないで?それよりあたしは感謝してるんだから…事件解決を手伝ってくれて…あたしを助けてくれてありがとう』
ふにゃりと笑えばアメジオくんは口を半開きにさせ驚いた顔になる
その後すぐに目に力を戻すとあたしの手を振り払いベッドから立ち上がってしまった
「……何か食い物買ってくる」
それだけを言い革靴を鳴らして部屋を出ていってしまった
『(本当にいい人だな…バトルも強くて…やりやすかったな)』
ぼんやりと窓から外を眺め平和になった村の風景を楽しむ
子供達の笑い声や女性達の話し声
悲鳴や泣き声じゃない事に安堵しベッドに寝そべるとあたしの首元でチャリっとネックレスの鎖が音を鳴らした
森と同化できる色合いのテントがいくつかあり人数は十数人といったところだろうか
村から奪ったのは金品や食料だけかと思ったけど違ったみたい
テントの影に見えたポケモン用の檻には傷ついたポケモンが何匹か見えざわりと背中に嫌な物が走った
「俺は行く…お前はどうする?」
『勿論、行きます…あの子達を助けないと』
「……同感だ」
アメジオくんも同じ物を感じたのかもしれない、彼は眉間にシワを寄せ顔を険しくさせると合図と共に走り出しあたしも彼の側を離れなかった
「なっなんだこのガキはっ!」
彼らが驚いている隙がチャンスだ
今度は連携させまいとあたしはドラパルトとウォーグル、そしてパモさんを同時に呼び出し敵を攻撃していく
りゅうせいぐんにぼうふう
そして10万ボルト
わざと戦いの場を激しくなるように技を多く繰り広げテントごと吹き飛ばす、予想通り彼らは逃げ回るのに必死で村でのような連携はとれていない
『(アメジオくん!)』
あたしが暴れまわり、ある方向へと逃げるように仕向け彼らが逃げた先にはアメジオくんが待っている
「降参しろ…さもないと…」
アーマーガアの迫力とソウブレイズと鋭い刃先を前に彼らは今度こそ降参し事件は呆気なく解決する事ができた
『……良かった』
彼がいて本当によかった
もし今回アメジオくんに手伝って貰えなかったら村の人だけでなく檻に閉じ込められたポケモン達もきっと不幸になっていただろう
「おい、檻の鍵だ…出してやってくれ」
『分かった、そっちは大丈夫?』
投げられた鍵を宙で受け取り彼を心配するとアメジオくんはやれやれと言った涼しい顔つきで答えた
「問題ない」
アメジオくんが悪者達を連れ出そうとした時だった
ポケモン達を解放していたあたしの目に飛び込んで来たのは彼の後ろに忍び寄る窃盗団の男の一人
その時のあたしは声を出すとか
ドラパルトを呼ぶとか
そんなの頭に浮かばなくて
ただ地面を必死に足で蹴飛ばし、上体を蹌踉めかせながら前に飛び出す事しか浮かばなくて
「あああああああっッ!!」
「なっ!」
男の奇声と共に振り上げられた腕はアメジオくんの顔に影を落とし、彼の息を飲む音が聞こえた
男の手に強く握られた木の棒と驚き目を見開いたアメジオくんの顔
男の影が落ちていた彼の顔をあたしは咄嗟に胸に抱きしめ守ろうとした
変わりに重い衝撃があたしの頭を直撃し酷い鈍痛に世界がぐわんと揺れた
ガンっっ!!
『っ!!』
殴られた反動と共にあたしとアメジオくんは地べたへと崩れ落ちた
ズザザッ!と地面を滑る音をさせながら倒れ頭の痛みにあたしはすぐには動けなかった
ズキズキとした痛みと打たれた箇所が急激に熱を帯びていく感覚
そしてこめかみから目尻や頬にとろりと伝う熱い何か…
背中から地面に倒れたあたしの胸元からアメジオくんは慌てて顔を離しあたしを見下ろし
「っ!ナマエっっ!!」
怒ったような焦ったような表情を浮かべた彼に怪我はない
それだけでも良かったとへらりと笑えば目が回りだし…
「おいっ!!」
頭の奥が重くて
あたしは意識を飛ばした
『ん…?』
目が覚めて最初に見えたのはドラメシヤだった
どうやらあたしのドラパルトのドラメシヤらしく彼はあたしが目を覚ました事に気がつくと嬉しそうに鳴き次に視界いっぱいに迫ってきたのはパモさんだった
パモ〜〜っ!!
『うぶっ!パモさんっ、大丈夫だからっくるしいぃ〜』
涙を流して顔面に抱きつくパモさんを宥め起き上がるとウォーグルもあたしを心配そうに見守っていた
『なんでここで寝てるんだっけ?』
周りを見れば自分の使っている簡易ベッドがいくつか並んでいるだけの殺風景な部屋
他に目立つ物もなく窓から外を見てもまだ頭がぼやけててピンと来なかった
頭に違和感を感じ手を伸ばせば額からこめかみにかけて包帯が巻かれており鈍い痛みに触れた手がびくつく
『……ここって』
「村の病室だ」
ウォーグルがついに人語を話した!
と、思えば彼の後ろからアメジオくんが現れた
『アメジオくん?あ…悪者は?』
「先にそれを聞くのか?安心しろ、殺さない程度に懲らしめておいた」
呆れたように言う彼はあたしのベッドに腰掛けると何があったのか簡単に説明をしてくれた
逃げのびていた男がアメジオくんを襲おうとし、間に飛び込んだあたしが代わりに殴られた事
軽い脳震盪になり意識を飛ばし
こめかみを少し切ってしまったらしく血が出てしまったが大事には至らないそうだ
『事件が解決したならよかった…はぁ…ホッとしたらお腹すいちゃった』
「本当に怪我人か?…はぁ……後で何か買ってやる、だから今は大人しく寝てろ」
『脳震盪とちょっと切っただけでしょ?もう大丈夫だよ!』
もう目も回ってないし大丈夫!
両手の拳を作って元気アピールをして見せたのにアメジオくんは悲しげに眉を下げ瞳を細めた
「………馬鹿な奴」
『はい?』
「俺の事なんかほっとけばよかったのに…会ったばかりの男のせいで傷ができたんだぞ?」
彼が伸ばした手はあたしの包帯の巻かれたこめかみに触れようとし、躊躇して宙で止まった
「……いや、馬鹿は俺だ…油断した」
ゆっくりと下がる手
アメジオくんは落ち込んでいるのか
傷ついているのが分かった
体ではなく心が
『あたしも油断してたの、ちょっとバトルに慣れたと思っていい気になってた…だからこれはいい経験だよ!次は油断しないって』
下を見る彼の手に自分の手を重ねればアメジオくんはあたしを見てくれた
睫毛の長い綺麗な顔
男の子なのに美人さんだなと感じてしまう…言ったら怒るだろうけど
『だから気にしないで?それよりあたしは感謝してるんだから…事件解決を手伝ってくれて…あたしを助けてくれてありがとう』
ふにゃりと笑えばアメジオくんは口を半開きにさせ驚いた顔になる
その後すぐに目に力を戻すとあたしの手を振り払いベッドから立ち上がってしまった
「……何か食い物買ってくる」
それだけを言い革靴を鳴らして部屋を出ていってしまった
『(本当にいい人だな…バトルも強くて…やりやすかったな)』
ぼんやりと窓から外を眺め平和になった村の風景を楽しむ
子供達の笑い声や女性達の話し声
悲鳴や泣き声じゃない事に安堵しベッドに寝そべるとあたしの首元でチャリっとネックレスの鎖が音を鳴らした