第四章
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『ドラパルト!逃さないで!』
村の依頼を受けた時は一人でやれる程度の問題だろうと思ってた
窃盗団と言えども襲っていたのは小さな村だったから…
でもこの悪者達は一人一人の強さが問題ではなく、数が問題だったのかもしれない
昼間から襲ってきた彼らは少人数だった、最初こそドラパルトとあたしで解決できる程度だったのに次から次へと新手が現れ注意を反らした隙に傷を負った仲間を連れ出そうとする
連携された動きは時間が経つにつれあたしを不利にさせていった
『(せっかく倒したのに…せめて拘束だけでもできたらいいのに村の人は怖がって手伝えないだろうし…どうしたら?)』
どうしたものかと焦りを顔に浮かべているとまた一人悪者が森へと逃げ込んだ
『あっ!〜〜くっ!』
残すは目の前の覆面の男一人
せめて彼を捕まえてアジトを吐かせればなんとかなるかもしれない
最後のチャンスにあたしとドラパルトは目を光らせ集中しようとする
すると男は森ではなく村の店通りへと走り出し通行人の女性を襲い出した
「動くなっ!動けばこの女の顔を引き裂くぞ!」
刃物を女性の頬に押し付けようとする男はなんて往生際が悪いんだろうか
『諦めてください!貴方を逃がす気はないですし他の仲間も必ず捕まえます!』
「はっ!小娘がっ!何処から現れたか知らねぇが…大人の邪魔すると痛い目にあうぞ!」
『(ドラパルトを影移動させれば…)』
一瞬だけでいい
隙さえあれば女性を救える
手に汗を滲ませながら奥歯を噛み締めていると、不意に上空から影がかかり…
「ソウブレイズ!サイコカッター!」
誰かの高々な声と共に鋭い斬撃が飛んできた
驚きに刃物を握る悪者の腕が下がったのを見逃さずあたしはすぐにドラパルトに指示を出した
『ドラパルトっゴーストダイブ!』
全てを言わなくてもドラパルトはあたしがして欲しい事を理解し影から影へと移動し悪者の足元に現れると素早く女性を影の中へと引きずり込んだ
それと同時に斬撃が男を襲い衝撃音と土煙が当たりを覆い尽くす
土煙が薄れる頃には地面に倒れ失神した男の姿が見えホッと肩の力が抜け落ちた気がした
『(いったい誰が?)』
村人の誰かが勇気を出したとでも言うのか、男を挟んで向こう側の道から誰かの気配を感じ煙のカーテンの向こうをじっと見つめると
あたしとそんなに変わらない年頃の男の子が立っていた
彼はソウブレイズに何やら指示を出し倒れた男を連れ出そうとしていた為、あたしは慌てて彼らの元へと駆け出した
『待ってください!その人をどうするつもりですか!』
声をかけられた男の子はギロリとあたしを見つめ不満げに声を出した
「決まってるだろ?警察に突き出すんだ」
『警察に出すのはあたしも賛成です!でも他にも仲間がいるんです、上手く行けばこの人を使って他の仲間をおびき出せるかもしれない』
たった一人警察に連れてっても事件解決とはならない
ましてやあたしもここにずっといられるわけじゃないから
森に逃げた仲間の数を分かる程度説明し今後も村を襲う危険性を語ると男の子は自分の顎を人差し指で撫でながら考え込み小さく頷いた
「………分かった、なら俺も行く」
『え?もしかして村の関係者さんですか?』
見た感じいいとこのお坊ちゃんと言うか…村のイメージとは違って見えるけど
不思議そうにしているのが顔に出ていたのか男の子は小さくため息を吐き顔を逸らした
「この村には何も義理はないが…目の前で悪事を見たからにはほっとくわけには行かないだろ」
『そっか…ありがとうございます!実は一人で手に負えなくてどうしようか困ってたんです』
たははっと苦笑いして見せるとちょうど女性を安全な場所に避難させ終わったドラパルトが帰ってきた
相棒の顎を撫でる褒めてやるとソウブレイズに悪者を担がせた男の子がこちらへと近寄り片眉を吊り上げた顔を見せた
「……君は何者だ?この村の住人か?」
『いえ、依頼を受けて来た何でも屋みたいなもんです』
「……よそ者同士か」
ならばいいだろうと何か納得した彼はじっとあたしを見つめ何かを待っているようだった
なんだろうか?
『何?』
「何じゃない!さっさと作戦を言え!コイツの仲間をどこに誘き寄せるんだ!」
『あ〜まだ考えてなかった』
「ぐっ!」
なんかこう…何となくではあるけど
この男の子はいい人なんだろうなと感じた
今も怒ってはいるけどちゃんと待っててくれてるし手伝う気はあるみたい
*****************
『せめて仰向けの方が…』
「うつ伏せの方が自然だろ?」
村から離れた森の奥ー
なるべく逃げてきたというシチュエーションに見せる為に男を地べたに倒れさせあたし達は茂みに身を隠した
誰も現れなければ仕方ない一人だけでも警察に届けようと二人で決め、いつでも戦えるようにボールを構える
隣で並んで構える男の子をチラリと見るとタイミングよく彼もあたしを見ていたようだ
「……なんだ?」
『あ、いえ…あ!あたしナマエ!名前言ってなかったから』
今言うべきじゃないかもしれないけど、名乗ってから少し後悔していると隣から鼻で笑ったような声が聞こえた
「この状況で普通自己紹介するか?」
『ぅ…ごめんなさい』
「………アメジオだ」
『へ?』
「来たぞ」
慌てて前を向けば倒れた男の前に二人の仲間が現れた、すぐに捕まえようとボールを握る手に力を入れると
あたしの手をアメジオくんが掴み静かに頭を左右にふった
『(あ…そっかこのまま行けばアジトが分かるかもしれない!)』
彼の考えに気が付き頷くと男達は疑う事もなく傷ついた男を連れ森の奥へと移動していく
「……行くぞ、全員捕まえる!」
『うん!』
村の依頼を受けた時は一人でやれる程度の問題だろうと思ってた
窃盗団と言えども襲っていたのは小さな村だったから…
でもこの悪者達は一人一人の強さが問題ではなく、数が問題だったのかもしれない
昼間から襲ってきた彼らは少人数だった、最初こそドラパルトとあたしで解決できる程度だったのに次から次へと新手が現れ注意を反らした隙に傷を負った仲間を連れ出そうとする
連携された動きは時間が経つにつれあたしを不利にさせていった
『(せっかく倒したのに…せめて拘束だけでもできたらいいのに村の人は怖がって手伝えないだろうし…どうしたら?)』
どうしたものかと焦りを顔に浮かべているとまた一人悪者が森へと逃げ込んだ
『あっ!〜〜くっ!』
残すは目の前の覆面の男一人
せめて彼を捕まえてアジトを吐かせればなんとかなるかもしれない
最後のチャンスにあたしとドラパルトは目を光らせ集中しようとする
すると男は森ではなく村の店通りへと走り出し通行人の女性を襲い出した
「動くなっ!動けばこの女の顔を引き裂くぞ!」
刃物を女性の頬に押し付けようとする男はなんて往生際が悪いんだろうか
『諦めてください!貴方を逃がす気はないですし他の仲間も必ず捕まえます!』
「はっ!小娘がっ!何処から現れたか知らねぇが…大人の邪魔すると痛い目にあうぞ!」
『(ドラパルトを影移動させれば…)』
一瞬だけでいい
隙さえあれば女性を救える
手に汗を滲ませながら奥歯を噛み締めていると、不意に上空から影がかかり…
「ソウブレイズ!サイコカッター!」
誰かの高々な声と共に鋭い斬撃が飛んできた
驚きに刃物を握る悪者の腕が下がったのを見逃さずあたしはすぐにドラパルトに指示を出した
『ドラパルトっゴーストダイブ!』
全てを言わなくてもドラパルトはあたしがして欲しい事を理解し影から影へと移動し悪者の足元に現れると素早く女性を影の中へと引きずり込んだ
それと同時に斬撃が男を襲い衝撃音と土煙が当たりを覆い尽くす
土煙が薄れる頃には地面に倒れ失神した男の姿が見えホッと肩の力が抜け落ちた気がした
『(いったい誰が?)』
村人の誰かが勇気を出したとでも言うのか、男を挟んで向こう側の道から誰かの気配を感じ煙のカーテンの向こうをじっと見つめると
あたしとそんなに変わらない年頃の男の子が立っていた
彼はソウブレイズに何やら指示を出し倒れた男を連れ出そうとしていた為、あたしは慌てて彼らの元へと駆け出した
『待ってください!その人をどうするつもりですか!』
声をかけられた男の子はギロリとあたしを見つめ不満げに声を出した
「決まってるだろ?警察に突き出すんだ」
『警察に出すのはあたしも賛成です!でも他にも仲間がいるんです、上手く行けばこの人を使って他の仲間をおびき出せるかもしれない』
たった一人警察に連れてっても事件解決とはならない
ましてやあたしもここにずっといられるわけじゃないから
森に逃げた仲間の数を分かる程度説明し今後も村を襲う危険性を語ると男の子は自分の顎を人差し指で撫でながら考え込み小さく頷いた
「………分かった、なら俺も行く」
『え?もしかして村の関係者さんですか?』
見た感じいいとこのお坊ちゃんと言うか…村のイメージとは違って見えるけど
不思議そうにしているのが顔に出ていたのか男の子は小さくため息を吐き顔を逸らした
「この村には何も義理はないが…目の前で悪事を見たからにはほっとくわけには行かないだろ」
『そっか…ありがとうございます!実は一人で手に負えなくてどうしようか困ってたんです』
たははっと苦笑いして見せるとちょうど女性を安全な場所に避難させ終わったドラパルトが帰ってきた
相棒の顎を撫でる褒めてやるとソウブレイズに悪者を担がせた男の子がこちらへと近寄り片眉を吊り上げた顔を見せた
「……君は何者だ?この村の住人か?」
『いえ、依頼を受けて来た何でも屋みたいなもんです』
「……よそ者同士か」
ならばいいだろうと何か納得した彼はじっとあたしを見つめ何かを待っているようだった
なんだろうか?
『何?』
「何じゃない!さっさと作戦を言え!コイツの仲間をどこに誘き寄せるんだ!」
『あ〜まだ考えてなかった』
「ぐっ!」
なんかこう…何となくではあるけど
この男の子はいい人なんだろうなと感じた
今も怒ってはいるけどちゃんと待っててくれてるし手伝う気はあるみたい
*****************
『せめて仰向けの方が…』
「うつ伏せの方が自然だろ?」
村から離れた森の奥ー
なるべく逃げてきたというシチュエーションに見せる為に男を地べたに倒れさせあたし達は茂みに身を隠した
誰も現れなければ仕方ない一人だけでも警察に届けようと二人で決め、いつでも戦えるようにボールを構える
隣で並んで構える男の子をチラリと見るとタイミングよく彼もあたしを見ていたようだ
「……なんだ?」
『あ、いえ…あ!あたしナマエ!名前言ってなかったから』
今言うべきじゃないかもしれないけど、名乗ってから少し後悔していると隣から鼻で笑ったような声が聞こえた
「この状況で普通自己紹介するか?」
『ぅ…ごめんなさい』
「………アメジオだ」
『へ?』
「来たぞ」
慌てて前を向けば倒れた男の前に二人の仲間が現れた、すぐに捕まえようとボールを握る手に力を入れると
あたしの手をアメジオくんが掴み静かに頭を左右にふった
『(あ…そっかこのまま行けばアジトが分かるかもしれない!)』
彼の考えに気が付き頷くと男達は疑う事もなく傷ついた男を連れ森の奥へと移動していく
「……行くぞ、全員捕まえる!」
『うん!』