第四章
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「娘さんのボディガード?」
フリードの部屋で二人でコーヒーを楽しんでいた時、その電話は突然来た
昔世話になった恩師から突然入った仕事依頼は研究やポケモンに関する事ではなく、カントーに転校したばかりの娘をパルデアまで無事に連れ帰って欲しいとの事
フリードは意味が分からず小首を傾げ、隣に立つナマエと共にスマホロトムの画面に映った恩師ルッカを見つめた
ルッカはフリードの恩師であると同時にナマエの通うアカデミーの教師でもある
『せっかく転校したのに?どうしてですか?』
自然とナマエも話を聞く形になるが、何故転校したばかりの娘を連れ戻さなればならないのか分からなかった
【あの子の祖母があげたペンダントが原因らしいんだけどね?もしかしたら危ない目に会うかもしれないらしいの】
【私はここを離れられないし…だからフリード君達にお願いしたいのよ】
「……了解しました、他でもないルッカ先生の依頼だ!受けますよ」
【ありがとう!】
スマホを切った後もフリードは自分の顎を撫で考え込んだ
「……ふむ」
ペンダント一つにボディガードが必要な程の事なのか
飛行船を持つ自分達が必要なら狙ってくる相手はこそ泥等ではないだろう
もっと力を持つ相手なのかもしれない
「ナマエ、どう思う?」
『どうでしょう…今のままではまだよく分からないけど』
スマホに送られたルッカの娘リコの写真を見下ろしナマエは眉を下げた
『先生が心配してるなら早く保護した方がいいのかもしれないですね』
スマホをしまい飲み終わったコーヒーを片付けようと小さなシンクへ向かう彼女をフリードは複雑な顔で見つめた
「だな、カントーまではそんなに掛からないから問題ないが…」
この時問題は別にあった
それはルッカの話が来る前にもう1件仕事を受けたばかりと言う事だ
『村からの用心棒のお話はあたしが受けたんだし、こっちは一人で大丈夫ですよ?』
シンクに立つ彼女はフリードに片手を伸ばし飲み終わったコーヒーカップをくれとジェスチャーする
「………別行動するつもりか?」
言われた通りにカップを彼女に渡し隣に立つフリードは片眉を吊り上げ不服そうだった
『だって方向が違うし、あたしのを終えてから行くよりその方が早くリコちゃんを保護できるじゃないですか』
「はぁ……分かってるさ、でもなぁ」
洗い物で両手が使えない無防備なナマエにフリードは近寄ると彼女を後ろから抱きしめ襟元へと顔を埋めた
『んっ、フリードさんっ?』
突然何をするのかと首を竦めようとするが彼の顔があって上手くできない
フリードはその隙に彼女の首にかかった銀色の小さな鎖に歯を立て鼻先を首筋へと擦付けた
「彼氏としちゃ不安なんだよ!俺の目の届かない場所で他の男に取られないかって」
チャリっと音を鳴らした鎖の先にはフリードの瞳と同じ色の小さな宝石が輝いている
蜂蜜色の透き通った石は彼の瞳とよく似ていた
『あたしには相棒達もいますから、それに素敵なお守りがあるから大丈夫です』
鎖に噛みついた彼の頬を撫でてやるとフリードは仕方なく歯を立てるのをやめ代わりにナマエの首へとキスを落とした
ちゅっ
「無理はするなよ?俺らも早く終わらせるから…お互いに位置を確認して合流だ」
『はい!』
「それと…」
フリードは一度体を離しナマエの肩を両手で掴むと大きく深呼吸し突然真剣な顔で迫ってきた
「ぜっっったい!!俺の元に帰ってこい!いいな?」
本人は至って真面目な事を言っているのだろうが
大人の癖に子供のように余裕のない姿が可笑しくてナマエは愛しい気持ちを溢れさせながら笑った
ここまで自分を想う相手は彼くらいだろうと…
****************
次の日
ナマエは飛行船をウォーグルで飛び立ち行動を別にした
仲間と共に見送ったフリードとしてはやはり心配が尽きず若干後悔もしているようだ
「フリード!いつまでぼーとしてんのさ!」
「仕方ねぇだろ…心配なんだから」
デッキの手摺でぐったりと体をもたれさせ俯くフリードにオリオとモリーは意地悪く笑みを浮かべ後ろから嫌がらせの言葉を続ける
「あんまり構うとウザい男って思われるかもよ〜?」
「ぐっ!」
ぐさりと何かがフリードの胸に刺さる
「この機会に新しい彼氏候補見つけたりしてね〜」
「うぐっ!!」
容赦無い嫌な言葉は鋭い刃物となり胸に痛みを与えフリードは自分の胸元の服を強く掴み背中を振るわせた
「(いやありえねぇって!ナマエが他の野郎なんかに!)」
「やっぱお金がないと?」
「寧ろ若い方がいいじゃん?」
彼の気持ちを知ってか楽しげに話す彼女達にフリードは青筋をこめかみに浮かべゆらりと顔を上げた
「お前らぁ〜〜!人が真剣に悩んでるのにっ!!」
その後暫く飛行船内ではフリードをからかう女性陣の笑い声が響いたそうだ
別行動をし数日後ー
依頼された村へと急ぎ降り立つと村の人々は遠巻きにナマエを家の影から見つめ警戒しているようだった
『依頼を受けた者ですが…詳しくお話を聞かせて貰えますか?』
雇い主の村長らしき老人に話を聞くとどうやら最近ポケモンを使い金品を奪う窃盗団が現れたらしい
村の警備ではポケモンに勝てず、窃盗団も誰も止める者がいないのをいい事に昼間でも現れるらしい
『窃盗団…ですか』
ならば遠慮はいらないだろう
ナマエは自分の足元を見つめ小さく微笑んだ
すると今まさに噂していた窃盗団が現れたと誰かが叫んだ
他の家に盗みに現れたようだ
「お願いします!これ以上盗られてはっ」
『お任せ下さい!出番だよ?ドラパルト』
床を見つめ名を呼べばナマエの影がグニャリと歪みだし老人は驚き慌てて後ろへと体を下げた
「ひっ!なっ、なんじゃ!」
『ご安心を、あたしの頼れるパートナーですから』
影からぬるりと出てきたのはポケモンのドラパルト、ナマエの長年の相棒だったドラメシヤが進化した姿だった
彼女を守る為に彼はいつも影に身を潜めていたのだ
『さあ、たまには遊ぼっかドラパルト』
フリードの部屋で二人でコーヒーを楽しんでいた時、その電話は突然来た
昔世話になった恩師から突然入った仕事依頼は研究やポケモンに関する事ではなく、カントーに転校したばかりの娘をパルデアまで無事に連れ帰って欲しいとの事
フリードは意味が分からず小首を傾げ、隣に立つナマエと共にスマホロトムの画面に映った恩師ルッカを見つめた
ルッカはフリードの恩師であると同時にナマエの通うアカデミーの教師でもある
『せっかく転校したのに?どうしてですか?』
自然とナマエも話を聞く形になるが、何故転校したばかりの娘を連れ戻さなればならないのか分からなかった
【あの子の祖母があげたペンダントが原因らしいんだけどね?もしかしたら危ない目に会うかもしれないらしいの】
【私はここを離れられないし…だからフリード君達にお願いしたいのよ】
「……了解しました、他でもないルッカ先生の依頼だ!受けますよ」
【ありがとう!】
スマホを切った後もフリードは自分の顎を撫で考え込んだ
「……ふむ」
ペンダント一つにボディガードが必要な程の事なのか
飛行船を持つ自分達が必要なら狙ってくる相手はこそ泥等ではないだろう
もっと力を持つ相手なのかもしれない
「ナマエ、どう思う?」
『どうでしょう…今のままではまだよく分からないけど』
スマホに送られたルッカの娘リコの写真を見下ろしナマエは眉を下げた
『先生が心配してるなら早く保護した方がいいのかもしれないですね』
スマホをしまい飲み終わったコーヒーを片付けようと小さなシンクへ向かう彼女をフリードは複雑な顔で見つめた
「だな、カントーまではそんなに掛からないから問題ないが…」
この時問題は別にあった
それはルッカの話が来る前にもう1件仕事を受けたばかりと言う事だ
『村からの用心棒のお話はあたしが受けたんだし、こっちは一人で大丈夫ですよ?』
シンクに立つ彼女はフリードに片手を伸ばし飲み終わったコーヒーカップをくれとジェスチャーする
「………別行動するつもりか?」
言われた通りにカップを彼女に渡し隣に立つフリードは片眉を吊り上げ不服そうだった
『だって方向が違うし、あたしのを終えてから行くよりその方が早くリコちゃんを保護できるじゃないですか』
「はぁ……分かってるさ、でもなぁ」
洗い物で両手が使えない無防備なナマエにフリードは近寄ると彼女を後ろから抱きしめ襟元へと顔を埋めた
『んっ、フリードさんっ?』
突然何をするのかと首を竦めようとするが彼の顔があって上手くできない
フリードはその隙に彼女の首にかかった銀色の小さな鎖に歯を立て鼻先を首筋へと擦付けた
「彼氏としちゃ不安なんだよ!俺の目の届かない場所で他の男に取られないかって」
チャリっと音を鳴らした鎖の先にはフリードの瞳と同じ色の小さな宝石が輝いている
蜂蜜色の透き通った石は彼の瞳とよく似ていた
『あたしには相棒達もいますから、それに素敵なお守りがあるから大丈夫です』
鎖に噛みついた彼の頬を撫でてやるとフリードは仕方なく歯を立てるのをやめ代わりにナマエの首へとキスを落とした
ちゅっ
「無理はするなよ?俺らも早く終わらせるから…お互いに位置を確認して合流だ」
『はい!』
「それと…」
フリードは一度体を離しナマエの肩を両手で掴むと大きく深呼吸し突然真剣な顔で迫ってきた
「ぜっっったい!!俺の元に帰ってこい!いいな?」
本人は至って真面目な事を言っているのだろうが
大人の癖に子供のように余裕のない姿が可笑しくてナマエは愛しい気持ちを溢れさせながら笑った
ここまで自分を想う相手は彼くらいだろうと…
****************
次の日
ナマエは飛行船をウォーグルで飛び立ち行動を別にした
仲間と共に見送ったフリードとしてはやはり心配が尽きず若干後悔もしているようだ
「フリード!いつまでぼーとしてんのさ!」
「仕方ねぇだろ…心配なんだから」
デッキの手摺でぐったりと体をもたれさせ俯くフリードにオリオとモリーは意地悪く笑みを浮かべ後ろから嫌がらせの言葉を続ける
「あんまり構うとウザい男って思われるかもよ〜?」
「ぐっ!」
ぐさりと何かがフリードの胸に刺さる
「この機会に新しい彼氏候補見つけたりしてね〜」
「うぐっ!!」
容赦無い嫌な言葉は鋭い刃物となり胸に痛みを与えフリードは自分の胸元の服を強く掴み背中を振るわせた
「(いやありえねぇって!ナマエが他の野郎なんかに!)」
「やっぱお金がないと?」
「寧ろ若い方がいいじゃん?」
彼の気持ちを知ってか楽しげに話す彼女達にフリードは青筋をこめかみに浮かべゆらりと顔を上げた
「お前らぁ〜〜!人が真剣に悩んでるのにっ!!」
その後暫く飛行船内ではフリードをからかう女性陣の笑い声が響いたそうだ
別行動をし数日後ー
依頼された村へと急ぎ降り立つと村の人々は遠巻きにナマエを家の影から見つめ警戒しているようだった
『依頼を受けた者ですが…詳しくお話を聞かせて貰えますか?』
雇い主の村長らしき老人に話を聞くとどうやら最近ポケモンを使い金品を奪う窃盗団が現れたらしい
村の警備ではポケモンに勝てず、窃盗団も誰も止める者がいないのをいい事に昼間でも現れるらしい
『窃盗団…ですか』
ならば遠慮はいらないだろう
ナマエは自分の足元を見つめ小さく微笑んだ
すると今まさに噂していた窃盗団が現れたと誰かが叫んだ
他の家に盗みに現れたようだ
「お願いします!これ以上盗られてはっ」
『お任せ下さい!出番だよ?ドラパルト』
床を見つめ名を呼べばナマエの影がグニャリと歪みだし老人は驚き慌てて後ろへと体を下げた
「ひっ!なっ、なんじゃ!」
『ご安心を、あたしの頼れるパートナーですから』
影からぬるりと出てきたのはポケモンのドラパルト、ナマエの長年の相棒だったドラメシヤが進化した姿だった
彼女を守る為に彼はいつも影に身を潜めていたのだ
『さあ、たまには遊ぼっかドラパルト』