第一章
夢小説設定
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『うわぁ…』
リザードンが翼を広げ飛ぶ度に風が彼女の肌を通り過ぎ髪の毛が揺れ動く
高い空の上は地上より涼しく気持ちがいい空間だった
「どうだ?気持ちいいだろ?」
後ろから顔を覗き込んできたフリードも癖毛を風に靡かせ気持ちよさそうだ
『うん!風も気持ちいいし…なんか…開放的!』
トンッと彼の胸板に頭をもたれさせ嬉しそうに微笑む彼女、間近で見た笑顔にフリードは小さく胸を鳴らし吊られるように頬を緩めた
「ハハっ!だよな?俺も狭い研究室よりこっちの方が何倍も好きだ!」
大自然に囲まれたパルデア
深い森から砂漠地方に真っ白な雪景色
場所により生息するポケモンも違い上空から見える地上では彼らが平和そうに暮らしているのが見える
ふとパルデアでも有名なアカデミーの建物が見えだすとナマエがギクリと肩を揺らしたのが後ろにいるフリードから見えた
オレンジアカデミーでは幅広い年代の人々が通いポケモンについて多くの知識とバトルの強さを学べる
他の地方から転校してくる程魅力的な学園の筈だが、彼女のすくんだ肩を見下ろしフリードは片眉を吊り上げた
「リザードン!腹も減ったし次はあっちに行ってくれ」
アカデミーとは反対方向にある街を指差し指示を出すとリザードンは言われた通りの方角へと飛び、視界にアカデミーが入らなくなる
『……はぁ』
すくめていた肩から力を抜き緊張を解く彼女は小さく息を吐き、フリードはそんな彼女に疑問を感じ始める
セルクルタウンに降り立つとフリードは先にリザードンから飛び降りナマエへと両手を伸ばした
『え?』
「ほら、今降ろしてやるから待ってな?」
『自分で、わわっ!』
「いいから任せろって」
彼女の意志等お構いなしにフリードはナマエの骨盤辺りを両手で掴むと軽々持ち上げリザードンから降ろしてくれた
「お前軽すぎだな、ちゃんと食ってるか?」
浮遊感と力強さに驚きつつ地面に降ろして貰った彼女はフリードの手が離れると彼をじっと見上げた
『フリードさんて…力持ちなんですね?』
「これでも男だからな、お前を抱いて運べるくらいの筋肉はあるさ」
半袖から出た腕を軽く叩き筋肉をアピールしてくる彼にナマエは小さく笑い、二人は街の飲食店へと足を進めた
『ご飯食べたらお菓子も買っていいですか?セルクルはお菓子が有名なんですよ?』
「ふーん?んじゃ俺も…」
「ナマエっ!!」
会話の途中だというのに誰かの大きな声が邪魔をする
後ろから声を掛けられナマエとフリードが自然と振り返るとそこにはアカデミーの制服を着た長髪の男が立っていた
『ペパー…先輩…なんで?』
「先輩?知り合いか?」
ナマエがフリードに説明しようとするが大股で近寄ってきたペパーはそれさえ待たずに怒鳴り声を上げた
「お前学校にも来ないで何してんだよ!しかも…こんなオッサンとっ」
ギロリと睨みつけてくるペパーにフリードもムッと口をへの字にさせ眉を寄せる
「オッサンって…おいおい俺まだ二十代なんだが?」
「うるせぇ!オレらから見たら十分オッサンだろ、ナマエそんな奴ほっといてこっち来い!」
手のひらを向け早くこちらへと来いと急かすがナマエは視線を彷徨わせ動かない
思い通りにならない事に腹を立てたペパーは奥歯を噛みしめると前へと歩き出し彼女の手首を突然掴んだ
「来いっ!」
『痛っ!』
気持ちが昂っているのか手加減出来ず力任せに握ったのだろう
苦痛に顔を歪める彼女にフリードは眉を険しくさせペパーの手首を咄嗟に掴んだ
「嫌がってるだろ?無理矢理女の子に触るもんじゃない」
「くっ!オッサンには関係ないだろっ」
「………関係あるんだよっ」
長身の彼は垂れた瞳を細めペパーを睨むがペパーも負けずに睨み上げる
二人の男はお互いに引かず怒りをあらわにするが間にいるナマエはたまったものじゃない
なんとかしようと考え思いついたのは
『あ、あの!先輩も一緒にご飯食べませんか?』
「は?」
「あ?」
***************
テーブル席に並んで座るフリードとペパー、そして向かい側に座るナマエは気まずそうに食事に手を付けパスタをフォークで突いた
『その…彼はあたしの通うアカデミーの先輩でペパー先輩です、先輩こちらの方はあたしの家の隣に引っ越してきたフリードさんです』
簡単な紹介をするも男達はお互いを見ることはなく眉を寄せている
『えっと、先輩にはいつも美味しい料理を教わったり勉強教わったりしてて…フリードさんはポケモンについて沢山教えてくれて…今日は初めてお出かけしたとこ…でした…うん』
なんの報告なのか
ナマエも内心困惑しており上手く説明できないようだ
困り果てる姿にペパーは大きなため息を一つし、やっと怒っていた顔を緩めてくれた
「はぁ…だいたい分かった、最近連絡もないしアカデミーにも顔出さなかったろ?てっきりこのオッサンのせいかと思っちまったんだ…ごめんな」
「フリードだ!アカデミーに行ってないって……ナマエ何処か悪かったのか?」
話を振られた彼女はギクリと肩を揺らし眉を下げ、顎を低くさせ唾を飲み込んだ
『…それは…その…色々あって…いつかは行かなきゃって思ってたんだけど…なんか行きづらくなっちゃって』
作り笑いを浮かべ彼らを見ない瞳
フリードだけでなくペパーもまた彼女が嘘をついているのが分かりこれ以上聞くのは良くないと察した
「まぁ、オレはお前が元気なら別にいいけどよ…オレも結構サボる事多いしな……人の事言えねぇよ」
わざと場を軽くさせようとしてくれたペパーにナマエはやっと顔を上げ不安で満ちた瞳を見せた
「でもオレを心配させた罰として…一口よこせっ!」
『えっ?ああっ!あたしのミートボール!最後に食べようと取っといたのに!』
素早い動きでパスタに乗っていた大きめのミートボールをペパーに奪われナマエは子供らしく怒り、奪った物で頬を片方だけ膨らませたペパーはニヤニヤと笑った
「ほほいほまへがわふいっ!(遅いお前が悪いっ!)」
『なんでですか!横取りする人の方が悪いに決まってます!』
普段からこの二人は仲がいいのだろう、自然な空気を感じる彼らにフリードは視線を逸らし自分の皿の上に乗った食べ物にフォークを突き刺した
刺した物はステーキで自分ではないのに…
「(……痛ぇ)」
胸の奥がヂクヂクと痛み不思議そうに片手で胸を撫で下ろした
リザードンが翼を広げ飛ぶ度に風が彼女の肌を通り過ぎ髪の毛が揺れ動く
高い空の上は地上より涼しく気持ちがいい空間だった
「どうだ?気持ちいいだろ?」
後ろから顔を覗き込んできたフリードも癖毛を風に靡かせ気持ちよさそうだ
『うん!風も気持ちいいし…なんか…開放的!』
トンッと彼の胸板に頭をもたれさせ嬉しそうに微笑む彼女、間近で見た笑顔にフリードは小さく胸を鳴らし吊られるように頬を緩めた
「ハハっ!だよな?俺も狭い研究室よりこっちの方が何倍も好きだ!」
大自然に囲まれたパルデア
深い森から砂漠地方に真っ白な雪景色
場所により生息するポケモンも違い上空から見える地上では彼らが平和そうに暮らしているのが見える
ふとパルデアでも有名なアカデミーの建物が見えだすとナマエがギクリと肩を揺らしたのが後ろにいるフリードから見えた
オレンジアカデミーでは幅広い年代の人々が通いポケモンについて多くの知識とバトルの強さを学べる
他の地方から転校してくる程魅力的な学園の筈だが、彼女のすくんだ肩を見下ろしフリードは片眉を吊り上げた
「リザードン!腹も減ったし次はあっちに行ってくれ」
アカデミーとは反対方向にある街を指差し指示を出すとリザードンは言われた通りの方角へと飛び、視界にアカデミーが入らなくなる
『……はぁ』
すくめていた肩から力を抜き緊張を解く彼女は小さく息を吐き、フリードはそんな彼女に疑問を感じ始める
セルクルタウンに降り立つとフリードは先にリザードンから飛び降りナマエへと両手を伸ばした
『え?』
「ほら、今降ろしてやるから待ってな?」
『自分で、わわっ!』
「いいから任せろって」
彼女の意志等お構いなしにフリードはナマエの骨盤辺りを両手で掴むと軽々持ち上げリザードンから降ろしてくれた
「お前軽すぎだな、ちゃんと食ってるか?」
浮遊感と力強さに驚きつつ地面に降ろして貰った彼女はフリードの手が離れると彼をじっと見上げた
『フリードさんて…力持ちなんですね?』
「これでも男だからな、お前を抱いて運べるくらいの筋肉はあるさ」
半袖から出た腕を軽く叩き筋肉をアピールしてくる彼にナマエは小さく笑い、二人は街の飲食店へと足を進めた
『ご飯食べたらお菓子も買っていいですか?セルクルはお菓子が有名なんですよ?』
「ふーん?んじゃ俺も…」
「ナマエっ!!」
会話の途中だというのに誰かの大きな声が邪魔をする
後ろから声を掛けられナマエとフリードが自然と振り返るとそこにはアカデミーの制服を着た長髪の男が立っていた
『ペパー…先輩…なんで?』
「先輩?知り合いか?」
ナマエがフリードに説明しようとするが大股で近寄ってきたペパーはそれさえ待たずに怒鳴り声を上げた
「お前学校にも来ないで何してんだよ!しかも…こんなオッサンとっ」
ギロリと睨みつけてくるペパーにフリードもムッと口をへの字にさせ眉を寄せる
「オッサンって…おいおい俺まだ二十代なんだが?」
「うるせぇ!オレらから見たら十分オッサンだろ、ナマエそんな奴ほっといてこっち来い!」
手のひらを向け早くこちらへと来いと急かすがナマエは視線を彷徨わせ動かない
思い通りにならない事に腹を立てたペパーは奥歯を噛みしめると前へと歩き出し彼女の手首を突然掴んだ
「来いっ!」
『痛っ!』
気持ちが昂っているのか手加減出来ず力任せに握ったのだろう
苦痛に顔を歪める彼女にフリードは眉を険しくさせペパーの手首を咄嗟に掴んだ
「嫌がってるだろ?無理矢理女の子に触るもんじゃない」
「くっ!オッサンには関係ないだろっ」
「………関係あるんだよっ」
長身の彼は垂れた瞳を細めペパーを睨むがペパーも負けずに睨み上げる
二人の男はお互いに引かず怒りをあらわにするが間にいるナマエはたまったものじゃない
なんとかしようと考え思いついたのは
『あ、あの!先輩も一緒にご飯食べませんか?』
「は?」
「あ?」
***************
テーブル席に並んで座るフリードとペパー、そして向かい側に座るナマエは気まずそうに食事に手を付けパスタをフォークで突いた
『その…彼はあたしの通うアカデミーの先輩でペパー先輩です、先輩こちらの方はあたしの家の隣に引っ越してきたフリードさんです』
簡単な紹介をするも男達はお互いを見ることはなく眉を寄せている
『えっと、先輩にはいつも美味しい料理を教わったり勉強教わったりしてて…フリードさんはポケモンについて沢山教えてくれて…今日は初めてお出かけしたとこ…でした…うん』
なんの報告なのか
ナマエも内心困惑しており上手く説明できないようだ
困り果てる姿にペパーは大きなため息を一つし、やっと怒っていた顔を緩めてくれた
「はぁ…だいたい分かった、最近連絡もないしアカデミーにも顔出さなかったろ?てっきりこのオッサンのせいかと思っちまったんだ…ごめんな」
「フリードだ!アカデミーに行ってないって……ナマエ何処か悪かったのか?」
話を振られた彼女はギクリと肩を揺らし眉を下げ、顎を低くさせ唾を飲み込んだ
『…それは…その…色々あって…いつかは行かなきゃって思ってたんだけど…なんか行きづらくなっちゃって』
作り笑いを浮かべ彼らを見ない瞳
フリードだけでなくペパーもまた彼女が嘘をついているのが分かりこれ以上聞くのは良くないと察した
「まぁ、オレはお前が元気なら別にいいけどよ…オレも結構サボる事多いしな……人の事言えねぇよ」
わざと場を軽くさせようとしてくれたペパーにナマエはやっと顔を上げ不安で満ちた瞳を見せた
「でもオレを心配させた罰として…一口よこせっ!」
『えっ?ああっ!あたしのミートボール!最後に食べようと取っといたのに!』
素早い動きでパスタに乗っていた大きめのミートボールをペパーに奪われナマエは子供らしく怒り、奪った物で頬を片方だけ膨らませたペパーはニヤニヤと笑った
「ほほいほまへがわふいっ!(遅いお前が悪いっ!)」
『なんでですか!横取りする人の方が悪いに決まってます!』
普段からこの二人は仲がいいのだろう、自然な空気を感じる彼らにフリードは視線を逸らし自分の皿の上に乗った食べ物にフォークを突き刺した
刺した物はステーキで自分ではないのに…
「(……痛ぇ)」
胸の奥がヂクヂクと痛み不思議そうに片手で胸を撫で下ろした