第三章
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旅に出て初めての島についた飛行船、だがナマエ以外の仲間達は新しい島への期待より不安が募っていた
「さて、いつものジャンケンだが…その前に確認したい事がある」
ミーティングルームに集まった仲間達はフリードの言葉に頷き全員がナマエへと視線を向けた
「ナマエ、お前にとって今回は初めての島だから留守番にはさせないが…前に言ってた金を稼ぐ方法を教えてくれないか?」
『え?』
フリードの真剣な眼差しにナマエは戸惑い側にいたマードックへと視線を向け助けを求めた
「何かアルバイトでも探すのか?」
その日限りのバイトなら他の仲間達もしたことがある
彼女もそれが目的なのだろうとマードックは手元にあったコーヒーのカップを傾けるが
『いえ、体で稼ごうかと思ってます』
「ぶっっっ!!」
「なっ!」
「はぁぁあっ?」
コーヒーを盛大に吹き出すマードックと同時にモリーやオリオも驚き直ぐ様ナマエへと詰め寄る
「ちょっとちょっと!体でって、そんな事しなくていいのよ!」
『え?いや、あのですね…』
「そうだよ!お金がないのは計画性のないフリードのせいなんだからナマエが犠牲になる事ないんだよ?」
二人の女性は必死にナマエの体を揺らし説得をし、マードックはぎこち無くフリードの様子をチラリと確認した
彼は思考が停止してしまったのか目を見開いたまま固まっており言葉さえでないようだ
『とにかくっ大丈夫ですから!あたしも皆の役にたちたいし、だから心配しないで待っててください!』
困ったように笑う彼女はオリオ達の手から抜け出すと慌てて部屋から飛び出してしまい
残されたメンバーは顔を青くさせたり怒りに眉を寄せフリードを睨んだ
「「「フリード!!」」」
「え?あ…あれ?」
ハッと我に帰った彼は辺りを慌てて見回しナマエがいないことに今さら気がついたようだ
「あんたナマエに何を言ったのよ!お金に困ってるとかバラしたのっ?」
オリオは彼の胸ぐらを掴むと下へと引き寄せ視線を合わせた
彼に正面から怒れるのは彼女が幼馴染みだからだろう
彼女の怒りに満ちた顔にフリードも眉を寄せ眉間に深いシワを作る
「んなわけねぇだろ!アイツはただ自分も何かしたいって言ってて、まさか体を売るなんて俺も知らなかったんだ!」
オリオの手を振り払いシワが出来た服を直すとフリードは長い前髪をくしゃりと乱暴にかき上げ舌打ちをした
「皆、悪いが今回は俺も島に降りていいか?ナマエを止めてくる」
「勿論!寧ろ早くそうして!あんな可愛い子が誘ったらすぐ変な男が来ちゃう!」
顔を青くさせ慌てるオリオにモリーも頷きフリードへと鋭い瞳を向ける
「オリオは留守番、私とマードックも探しに行く!」
「おっおう!」
先にモリーが部屋を飛び出しコーヒーで汚した口元を腕で拭うマードックも慌てて彼女を追いかけた
だがフリードはすぐには動かずショックを受けたようにじっと床を見つめていた
「(ナマエの奴…何考えてんだ?体で稼ぐなんて…お前は好きでもない奴に抱かれても平気なのか?)」
ぐるぐると頭に浮かぶ答えのない質問に体が動いてくれない
酷く動揺した彼はじんわりと冷や汗が体に浮かび心音を早める
指先が冷えだし息苦しくなったその時
バンッ!と彼の背中を誰かが叩き痛みが走った
「痛っ!!なっ、キャップ?」
彼の背中を叩いたのはキャップの尻尾、相棒である彼はフリードに何やら怒った声を出し部屋を飛び出した
「……はぁ、考えても仕方ないってか?」
悩むなら行動しろ
相棒にそんな事を言われたような気がしてフリードは漸く走り出し、オリオはホッと息を吐き彼らがナマエを止めてくれるのを願った
****************
着いた島は海沿いに街が並び漁船や魚を売る店が多く目につく
市場はガタイの良い人々の声で賑わい人通りも多くナマエを探すには時間が掛かりそうだ
「マードックとモリーはあっちを!俺はこっちを探す!」
二人に指示を出したフリードはキャップと共に街へと走り出し彼女を探し回る
キャップも潮風に邪魔されつつ匂いを頼りに走り回り暫くした頃、賑やかな街から少し外れた時だった
キャップは何かに気が付きフリードへと声をあげた
「見つけたのか!」
相棒が示す方向では人目があまり向かない路地裏へと入り込むナマエの後ろ姿が見えた
「ナマエ!!」
慌てた声を出す彼は前のめりに走り無我夢中で彼女を追いかけるが一足先にナマエは路地裏の影に消えてしまった
フリードも同じ場所へと入ろうとするが路地裏への細い道の前には目つきの悪い男達が陣取っており道を塞いでいる
「あ?なんだお前」
一人の男がフリードへと睨みながら問いかける
「退いてくれ!さっきここに入った女の子がいただろ!彼女に用があるんだ!」
早く追いかけさせて欲しいと願うが彼らは焦るフリードの気も知らずニヤニヤと笑った
「悪いがここは通せねぇ、今俺らのボスがお楽しみ中だからな」
「せっかく可愛い子ちゃんから誘ってくれたんだ、じっくり楽しまねぇとな」
「ハハッ!もしかしたらもう泣かせちまったかもな!」
ケラケラと笑う男達
「(お楽しみ中…だと…?)」
フリードの頭に浮かぶのは顔も知らない男の下に組み敷かれる恋人の泣き顔だった
「っっ!!」
途端に脈が早まり心臓が痛いほど早鐘を打つ、フリードは怒りに奥歯を強く噛みしめると険しい目つきとなり腰に下げていたボールを乱暴に掴み取った
「そこを退けっっっ!!」
ボールを構えだすフリードに驚いた彼らは手持ちがないのか後退りし、その隙を逃さずキャップが先に狭い路地裏へと入り込んだ
フリードもキャップの後に続き暗く湿気のある細い道を駆け出すと口を半開きにさせながら必死に呼吸し足を早めた
「(頼むっ、頼むから間に合え!!)」
こんなに走ったのはいつぶりか
体と焦る心はバラバラで思うように速さが出ない、それでも早く彼女の無事を確認したくてぎこち無くなる足を必死に動かす
薄暗い細い道が終わりを迎える瞬間、フリードに見えたのはナマエの後ろ姿だった
「ナマエ!」
『え?フリードさっんん!』
走る勢いをそのままにフリードはナマエを守るように胸に抱きしめた
そのせいで彼女の声は胸元に押し付けられてくぐもり言葉が掻き消される
「この馬鹿!こんなとこで何してんだ!こん…な……」
ふとフリードが相手の男を睨みつけてやろうと顔を向けると
路地裏とは思え無い程整ったバトルコートが目に入った
中央に立つ相手とそのポケモン
そしてナマエの側にはウォーグルが困惑しながらフリードを見下ろしており場の空気に嫌な予感を感じた
『ぷはっ!フリードさんっ何するんですか!』
腕の力が抜けた頃ナマエが腕の中から顔を上げた
「いや!だってお前が体で稼ぐとか言うからっ」
『…ん?だから今頑張ってポケモン勝負してる最中なんですが?』
「は?」
どうやら彼女が言う体で稼ぐ方法とはフリード達が考えていた物ではなくポケモンバトルの事だったようだ
「なっ、はぁぁぁっ!紛らわしい言い方すんなよ!俺はてっきりっ!……あぁ〜っ!クソっ」
ヘタリと力が抜けた彼は顔を真っ赤にさせナマエの肩に額を押し付けて抱きつき、ナマエは理由が分からず眉を下げて困惑した
『え?え?何かあたし変な事言いましたか?』
「……なんでもねぇよ」
勘違いした自分が恥ずかしい
悔しさと羞恥心が顔を熱くさせたが何よりも無事で良かったとフリードは思い俯いた眉間にシワを寄せた
その後仕切り直したバトルは夕方まで繰り広げられた
「……すみませんでした」
「いいって事よ!俺等もちゃんと言わなかったし悪かったな兄ちゃん」
門番役の目つきの悪い男達にもフリードは笑われた
彼らはバトルを邪魔させない為に言っただけなのだが焦ったフリードが勝手に誤解してしまったようだ
彼らのボスとバトルし見事勝利した彼女は賞金を貰い、嬉しそうにフリードの元への駆け寄るが
『フリードさん見てください!こんなに貰っちゃいました!』
「………ああ、よかったな」
『……フリードさん?』
フリードは複雑な表情となりナマエに背を向けスマホで仲間達に連絡をとりだした
スマホからはモリーやオリオの大きな声がちらほら聞こえたがフリードは変わらず落ち着いた声で返し
「ああ、もう遅いし出発は明日にする…俺はナマエと話す事があるから…オリオ達は先に休んでてくれ」
通話を終えたフリードはゆっくりと振り返ると何処か冷たい瞳でナマエを見下ろした
「……ちょっと付き合え」
「さて、いつものジャンケンだが…その前に確認したい事がある」
ミーティングルームに集まった仲間達はフリードの言葉に頷き全員がナマエへと視線を向けた
「ナマエ、お前にとって今回は初めての島だから留守番にはさせないが…前に言ってた金を稼ぐ方法を教えてくれないか?」
『え?』
フリードの真剣な眼差しにナマエは戸惑い側にいたマードックへと視線を向け助けを求めた
「何かアルバイトでも探すのか?」
その日限りのバイトなら他の仲間達もしたことがある
彼女もそれが目的なのだろうとマードックは手元にあったコーヒーのカップを傾けるが
『いえ、体で稼ごうかと思ってます』
「ぶっっっ!!」
「なっ!」
「はぁぁあっ?」
コーヒーを盛大に吹き出すマードックと同時にモリーやオリオも驚き直ぐ様ナマエへと詰め寄る
「ちょっとちょっと!体でって、そんな事しなくていいのよ!」
『え?いや、あのですね…』
「そうだよ!お金がないのは計画性のないフリードのせいなんだからナマエが犠牲になる事ないんだよ?」
二人の女性は必死にナマエの体を揺らし説得をし、マードックはぎこち無くフリードの様子をチラリと確認した
彼は思考が停止してしまったのか目を見開いたまま固まっており言葉さえでないようだ
『とにかくっ大丈夫ですから!あたしも皆の役にたちたいし、だから心配しないで待っててください!』
困ったように笑う彼女はオリオ達の手から抜け出すと慌てて部屋から飛び出してしまい
残されたメンバーは顔を青くさせたり怒りに眉を寄せフリードを睨んだ
「「「フリード!!」」」
「え?あ…あれ?」
ハッと我に帰った彼は辺りを慌てて見回しナマエがいないことに今さら気がついたようだ
「あんたナマエに何を言ったのよ!お金に困ってるとかバラしたのっ?」
オリオは彼の胸ぐらを掴むと下へと引き寄せ視線を合わせた
彼に正面から怒れるのは彼女が幼馴染みだからだろう
彼女の怒りに満ちた顔にフリードも眉を寄せ眉間に深いシワを作る
「んなわけねぇだろ!アイツはただ自分も何かしたいって言ってて、まさか体を売るなんて俺も知らなかったんだ!」
オリオの手を振り払いシワが出来た服を直すとフリードは長い前髪をくしゃりと乱暴にかき上げ舌打ちをした
「皆、悪いが今回は俺も島に降りていいか?ナマエを止めてくる」
「勿論!寧ろ早くそうして!あんな可愛い子が誘ったらすぐ変な男が来ちゃう!」
顔を青くさせ慌てるオリオにモリーも頷きフリードへと鋭い瞳を向ける
「オリオは留守番、私とマードックも探しに行く!」
「おっおう!」
先にモリーが部屋を飛び出しコーヒーで汚した口元を腕で拭うマードックも慌てて彼女を追いかけた
だがフリードはすぐには動かずショックを受けたようにじっと床を見つめていた
「(ナマエの奴…何考えてんだ?体で稼ぐなんて…お前は好きでもない奴に抱かれても平気なのか?)」
ぐるぐると頭に浮かぶ答えのない質問に体が動いてくれない
酷く動揺した彼はじんわりと冷や汗が体に浮かび心音を早める
指先が冷えだし息苦しくなったその時
バンッ!と彼の背中を誰かが叩き痛みが走った
「痛っ!!なっ、キャップ?」
彼の背中を叩いたのはキャップの尻尾、相棒である彼はフリードに何やら怒った声を出し部屋を飛び出した
「……はぁ、考えても仕方ないってか?」
悩むなら行動しろ
相棒にそんな事を言われたような気がしてフリードは漸く走り出し、オリオはホッと息を吐き彼らがナマエを止めてくれるのを願った
****************
着いた島は海沿いに街が並び漁船や魚を売る店が多く目につく
市場はガタイの良い人々の声で賑わい人通りも多くナマエを探すには時間が掛かりそうだ
「マードックとモリーはあっちを!俺はこっちを探す!」
二人に指示を出したフリードはキャップと共に街へと走り出し彼女を探し回る
キャップも潮風に邪魔されつつ匂いを頼りに走り回り暫くした頃、賑やかな街から少し外れた時だった
キャップは何かに気が付きフリードへと声をあげた
「見つけたのか!」
相棒が示す方向では人目があまり向かない路地裏へと入り込むナマエの後ろ姿が見えた
「ナマエ!!」
慌てた声を出す彼は前のめりに走り無我夢中で彼女を追いかけるが一足先にナマエは路地裏の影に消えてしまった
フリードも同じ場所へと入ろうとするが路地裏への細い道の前には目つきの悪い男達が陣取っており道を塞いでいる
「あ?なんだお前」
一人の男がフリードへと睨みながら問いかける
「退いてくれ!さっきここに入った女の子がいただろ!彼女に用があるんだ!」
早く追いかけさせて欲しいと願うが彼らは焦るフリードの気も知らずニヤニヤと笑った
「悪いがここは通せねぇ、今俺らのボスがお楽しみ中だからな」
「せっかく可愛い子ちゃんから誘ってくれたんだ、じっくり楽しまねぇとな」
「ハハッ!もしかしたらもう泣かせちまったかもな!」
ケラケラと笑う男達
「(お楽しみ中…だと…?)」
フリードの頭に浮かぶのは顔も知らない男の下に組み敷かれる恋人の泣き顔だった
「っっ!!」
途端に脈が早まり心臓が痛いほど早鐘を打つ、フリードは怒りに奥歯を強く噛みしめると険しい目つきとなり腰に下げていたボールを乱暴に掴み取った
「そこを退けっっっ!!」
ボールを構えだすフリードに驚いた彼らは手持ちがないのか後退りし、その隙を逃さずキャップが先に狭い路地裏へと入り込んだ
フリードもキャップの後に続き暗く湿気のある細い道を駆け出すと口を半開きにさせながら必死に呼吸し足を早めた
「(頼むっ、頼むから間に合え!!)」
こんなに走ったのはいつぶりか
体と焦る心はバラバラで思うように速さが出ない、それでも早く彼女の無事を確認したくてぎこち無くなる足を必死に動かす
薄暗い細い道が終わりを迎える瞬間、フリードに見えたのはナマエの後ろ姿だった
「ナマエ!」
『え?フリードさっんん!』
走る勢いをそのままにフリードはナマエを守るように胸に抱きしめた
そのせいで彼女の声は胸元に押し付けられてくぐもり言葉が掻き消される
「この馬鹿!こんなとこで何してんだ!こん…な……」
ふとフリードが相手の男を睨みつけてやろうと顔を向けると
路地裏とは思え無い程整ったバトルコートが目に入った
中央に立つ相手とそのポケモン
そしてナマエの側にはウォーグルが困惑しながらフリードを見下ろしており場の空気に嫌な予感を感じた
『ぷはっ!フリードさんっ何するんですか!』
腕の力が抜けた頃ナマエが腕の中から顔を上げた
「いや!だってお前が体で稼ぐとか言うからっ」
『…ん?だから今頑張ってポケモン勝負してる最中なんですが?』
「は?」
どうやら彼女が言う体で稼ぐ方法とはフリード達が考えていた物ではなくポケモンバトルの事だったようだ
「なっ、はぁぁぁっ!紛らわしい言い方すんなよ!俺はてっきりっ!……あぁ〜っ!クソっ」
ヘタリと力が抜けた彼は顔を真っ赤にさせナマエの肩に額を押し付けて抱きつき、ナマエは理由が分からず眉を下げて困惑した
『え?え?何かあたし変な事言いましたか?』
「……なんでもねぇよ」
勘違いした自分が恥ずかしい
悔しさと羞恥心が顔を熱くさせたが何よりも無事で良かったとフリードは思い俯いた眉間にシワを寄せた
その後仕切り直したバトルは夕方まで繰り広げられた
「……すみませんでした」
「いいって事よ!俺等もちゃんと言わなかったし悪かったな兄ちゃん」
門番役の目つきの悪い男達にもフリードは笑われた
彼らはバトルを邪魔させない為に言っただけなのだが焦ったフリードが勝手に誤解してしまったようだ
彼らのボスとバトルし見事勝利した彼女は賞金を貰い、嬉しそうにフリードの元への駆け寄るが
『フリードさん見てください!こんなに貰っちゃいました!』
「………ああ、よかったな」
『……フリードさん?』
フリードは複雑な表情となりナマエに背を向けスマホで仲間達に連絡をとりだした
スマホからはモリーやオリオの大きな声がちらほら聞こえたがフリードは変わらず落ち着いた声で返し
「ああ、もう遅いし出発は明日にする…俺はナマエと話す事があるから…オリオ達は先に休んでてくれ」
通話を終えたフリードはゆっくりと振り返ると何処か冷たい瞳でナマエを見下ろした
「……ちょっと付き合え」