第三章
夢小説設定
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何度考えても答えが見つからない
貴女へのこの感情
貴女を想うともどかしさと息苦しさが胸を締め付け不快な筈なのに私はその苦しみさえ甘美に感じ始めている
研究成果は既に上に提出済み、後はナマエを連れ出せばパルデアでの私の仕事は完了する
記憶を少しいじればどんな相手も思いのまま操れる
彼女に嫌がらせをしていた生徒達を懲らしめる事もできる程ですから
そう…簡単な事なんです
私にとってはさほど難しくもない任務だというのに私は…貴女に手が出せない
ジムチャレンジと言う物に夢中になり強くなっていく貴女を見ていると私らしくもなく応援したくなる
落ち込んでいるなら側で話を聞いてあげたくなる
私らしくない
「(あぁ…そうだ、彼女の好きなモモン味のジュースでも買っていきましょう)」
報告の為にほんの数週間パルデアを出ていた私は戻ってくると手土産用のジュース片手に真っ直ぐにアカデミーへと向かい
この一年近く通った生物準備室へと足を進めた
ナマエはどんな顔をするでしょうか
驚くかそれとも歓迎し微笑んでくれるか
ただ顔を見るだけだというのに私の胸は落ち着き無く飛び跳ね再会の瞬間を今か今かと騒いでいる
ですが…そんな私の事を嘲笑うように貴女は酷い仕打ちを残していた
「今……なんと?」
「ですから、ナマエさんはぁ今朝早くに旅立ちまして暫くパルデアには帰らないそうなんです」
「…………は?」
「いやぁ〜若い子は行動力があって羨ましいなぁ!僕もいつか色んな地方へいって研究してみたいですよ!あっそうだ!これ貴方にだそうです」
ジニアは状況が飲み込めない私に一通の手紙を渡すと準備室を出ていき室内が静かになった
手に握らされた手紙を震える手で中身を取り出し内容を確認する、邪魔なジュースを側のテーブルに置き真剣に読むに連れて手紙を握る手元に力が入った
「…は……ははっ!」
綺麗な紙はくしゃりと歪みまるで今の私の顔のようだ
「今までありがとう?こんな一枚の紙切れで貴女は私を捨てるんですか?」
手紙には今まで気にかけてくれた事への感謝と旅へ出る事の報告が書かれていた
貴女は知らないでしょうけど
私はもっと貴女に感謝されるような事を裏でしていたんですよ?
君の側でなんの役にもたたない友人達と違い、貴女の妨げになる馬鹿な生徒達に目を光らせていたのは誰だと思っているんですか?
私が手を出してから誰も貴女を傷つけてない筈だ
なのに…その他大勢と同じ扱いだなんてあんまりじゃないですか?
「ふざけるな……ふざけるなっふざけるなっ!」
熱くなる頭を制御できず手元にある紙を乱暴に引き千切り細かくちぎり捨てる
雪のようにひらひらと落ちる白いゴミは汚い床に拡がり荒くなった息を治そうと私は大きく深呼吸を一度した
「逃がしませんよ?貴女は…私のオモチャだ」
床の紙切れを踏みつけ口角が勝手に吊り上る、そして邪魔な黒縁メガネを外すとセットしたばかりの前髪をグシャグシャと乱し眉を寄せる
「もう遠慮しません…勝手に逃げるなら次は鳥籠にでも押し込めてやりましょう…ふふ、ああ…作戦を考えねば」
彼女を捕まえる事を想像すると先程までの不快感が消えた気がした
冷たい鳥籠に鎖で繋いだ貴女を想像すると胸が熱く鼓動が早まる
「あの時私を選んでいればよかったと……必ず後悔する事でしょう」
誰もいない室内に笑い声を響かせ
いつか手に入れる貴女を想いましょう
「次は沢山…遊びましょうね?ナマエさん」
テーブルに置いたモモン味のジュースを見つめ私は瞳を細めた
****************
スピネルが何やら目論んでいる事も知らずナマエは今空の上
飛行船の中でドキドキと胸を高鳴らせ顔を強張らせていた
「というわけで…新しく仲間に入ったナマエだ!」
『よっよろしくお願いします!』
ミーティングルームに集まった仲間達は新たな仲間に驚きフリードとナマエを何度も見比べた
「アンタっ…まさか拐ってきたの!」
「未成年誘拐事件!」
オリオとモリーは勢いよく椅子から立ち上がりフリードに信じられないといった顔を向けるが、彼はふにゃりと笑い
「拐ってねぇよ、コイツが前から話してた俺がずっと連れていきたいって言ってた奴だ」
ナマエの肩を抱き寄せ幸せそうに笑う彼にオリオ達はまだ状況が掴めないといった様子だ
『母の許しは貰ってます、旅も船の事も何も知らないし皆さんには迷惑をかけてしまうかもしれませんが』
『一生懸命なんでもやりますから!よろしくお願いします!』
頭を下げお願いをする少女に彼女達も何も言えなくなり代わりにマードックが間をとった
「良いじゃないか、船に仲間が増えれば賑やかで旅も楽しいだろ?俺の姪っ子も似たような年代の子がいれば嬉しいだろうしな」
「まあ…無理矢理じゃないならいっか?」
オリオとモリーはお互いを見つめ頷きナマエを歓迎した
新しい仲間を喜ばないメンバーはここにはいない
場の雰囲気が穏やかになり反対する声がなくなりナマエは静かに息を吐き肩から力を抜いた
『(……よかった)』
ホッとする彼女の肩を抱く手に力が入り自然とフリードへと顔を上げると優しく細められた金色の瞳と視線がぶつかった
「ようこそ、ライジングボルテッカーズへ」
『っ…はい!よろしくお願いします』
ついにフリードと共に旅に出る
幸せとほんの少しの不安を感じながらも肩を抱いてくれる大きな手に胸を高鳴らせながらナマエの旅が始まった
貴女へのこの感情
貴女を想うともどかしさと息苦しさが胸を締め付け不快な筈なのに私はその苦しみさえ甘美に感じ始めている
研究成果は既に上に提出済み、後はナマエを連れ出せばパルデアでの私の仕事は完了する
記憶を少しいじればどんな相手も思いのまま操れる
彼女に嫌がらせをしていた生徒達を懲らしめる事もできる程ですから
そう…簡単な事なんです
私にとってはさほど難しくもない任務だというのに私は…貴女に手が出せない
ジムチャレンジと言う物に夢中になり強くなっていく貴女を見ていると私らしくもなく応援したくなる
落ち込んでいるなら側で話を聞いてあげたくなる
私らしくない
「(あぁ…そうだ、彼女の好きなモモン味のジュースでも買っていきましょう)」
報告の為にほんの数週間パルデアを出ていた私は戻ってくると手土産用のジュース片手に真っ直ぐにアカデミーへと向かい
この一年近く通った生物準備室へと足を進めた
ナマエはどんな顔をするでしょうか
驚くかそれとも歓迎し微笑んでくれるか
ただ顔を見るだけだというのに私の胸は落ち着き無く飛び跳ね再会の瞬間を今か今かと騒いでいる
ですが…そんな私の事を嘲笑うように貴女は酷い仕打ちを残していた
「今……なんと?」
「ですから、ナマエさんはぁ今朝早くに旅立ちまして暫くパルデアには帰らないそうなんです」
「…………は?」
「いやぁ〜若い子は行動力があって羨ましいなぁ!僕もいつか色んな地方へいって研究してみたいですよ!あっそうだ!これ貴方にだそうです」
ジニアは状況が飲み込めない私に一通の手紙を渡すと準備室を出ていき室内が静かになった
手に握らされた手紙を震える手で中身を取り出し内容を確認する、邪魔なジュースを側のテーブルに置き真剣に読むに連れて手紙を握る手元に力が入った
「…は……ははっ!」
綺麗な紙はくしゃりと歪みまるで今の私の顔のようだ
「今までありがとう?こんな一枚の紙切れで貴女は私を捨てるんですか?」
手紙には今まで気にかけてくれた事への感謝と旅へ出る事の報告が書かれていた
貴女は知らないでしょうけど
私はもっと貴女に感謝されるような事を裏でしていたんですよ?
君の側でなんの役にもたたない友人達と違い、貴女の妨げになる馬鹿な生徒達に目を光らせていたのは誰だと思っているんですか?
私が手を出してから誰も貴女を傷つけてない筈だ
なのに…その他大勢と同じ扱いだなんてあんまりじゃないですか?
「ふざけるな……ふざけるなっふざけるなっ!」
熱くなる頭を制御できず手元にある紙を乱暴に引き千切り細かくちぎり捨てる
雪のようにひらひらと落ちる白いゴミは汚い床に拡がり荒くなった息を治そうと私は大きく深呼吸を一度した
「逃がしませんよ?貴女は…私のオモチャだ」
床の紙切れを踏みつけ口角が勝手に吊り上る、そして邪魔な黒縁メガネを外すとセットしたばかりの前髪をグシャグシャと乱し眉を寄せる
「もう遠慮しません…勝手に逃げるなら次は鳥籠にでも押し込めてやりましょう…ふふ、ああ…作戦を考えねば」
彼女を捕まえる事を想像すると先程までの不快感が消えた気がした
冷たい鳥籠に鎖で繋いだ貴女を想像すると胸が熱く鼓動が早まる
「あの時私を選んでいればよかったと……必ず後悔する事でしょう」
誰もいない室内に笑い声を響かせ
いつか手に入れる貴女を想いましょう
「次は沢山…遊びましょうね?ナマエさん」
テーブルに置いたモモン味のジュースを見つめ私は瞳を細めた
****************
スピネルが何やら目論んでいる事も知らずナマエは今空の上
飛行船の中でドキドキと胸を高鳴らせ顔を強張らせていた
「というわけで…新しく仲間に入ったナマエだ!」
『よっよろしくお願いします!』
ミーティングルームに集まった仲間達は新たな仲間に驚きフリードとナマエを何度も見比べた
「アンタっ…まさか拐ってきたの!」
「未成年誘拐事件!」
オリオとモリーは勢いよく椅子から立ち上がりフリードに信じられないといった顔を向けるが、彼はふにゃりと笑い
「拐ってねぇよ、コイツが前から話してた俺がずっと連れていきたいって言ってた奴だ」
ナマエの肩を抱き寄せ幸せそうに笑う彼にオリオ達はまだ状況が掴めないといった様子だ
『母の許しは貰ってます、旅も船の事も何も知らないし皆さんには迷惑をかけてしまうかもしれませんが』
『一生懸命なんでもやりますから!よろしくお願いします!』
頭を下げお願いをする少女に彼女達も何も言えなくなり代わりにマードックが間をとった
「良いじゃないか、船に仲間が増えれば賑やかで旅も楽しいだろ?俺の姪っ子も似たような年代の子がいれば嬉しいだろうしな」
「まあ…無理矢理じゃないならいっか?」
オリオとモリーはお互いを見つめ頷きナマエを歓迎した
新しい仲間を喜ばないメンバーはここにはいない
場の雰囲気が穏やかになり反対する声がなくなりナマエは静かに息を吐き肩から力を抜いた
『(……よかった)』
ホッとする彼女の肩を抱く手に力が入り自然とフリードへと顔を上げると優しく細められた金色の瞳と視線がぶつかった
「ようこそ、ライジングボルテッカーズへ」
『っ…はい!よろしくお願いします』
ついにフリードと共に旅に出る
幸せとほんの少しの不安を感じながらも肩を抱いてくれる大きな手に胸を高鳴らせながらナマエの旅が始まった