第二章
夢小説設定
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パルデアに一年ぶりに辿り着いた
自然豊かな景色に鮮やかな建物
見慣れた街並みを見下ろしながら真っ直ぐに向かったのはナマエの家だった
リザードンから降り深呼吸を一度し早まる胸の鼓動を落ち着かせながらチャイムを鳴らすと程なくして扉が開いた
「はい、どちらさ……あら!」
「お久しぶりです」
出て来たのは期待した相手ではなく彼女の母親だった
内心残念がりつつ笑顔で挨拶をし軽く話を交わすと母親はいそいそと室内に戻り何やら小さな物を彼に手渡した
「預かっていた鍵よ、貴方が留守の間はナマエが掃除しに行ってたから綺麗な筈よ」
受け取った家の鍵を握りながら彼女が自分の留守中も気にかけてくれていた事が嬉しくてフリードは口元を緩めた
「ありがとうございます、ところで……ナマエは?」
室内をチラリと覗くが彼女の気配がない、何よりフリードが戻った事が分かれば一目散に顔を見せてくれる筈だ
ならば何処へ行ったのだろうか
「(アカデミーに行ったのか?)」
登校時間には早い筈だがと昔の記憶を頼りに考え込む彼に母親は小さく笑い
「あの子ならそのうち帰りますよ、最近忙しそうにパルデア中を旅してるから」
「旅?」
「ええ、でも定期的に帰って来るし今日辺り戻る筈よ」
「そう…ですか、分かりました!ではまた時間を見て寄らせてもらいます」
彼女がいないのなら仕方ない、フリードは取りあえずにと懐かしの我が家へと戻った
「おぉ〜すっげぇ綺麗!埃臭くもねぇな」
一年もほっとけば家具は埃を被る物だが、本当にナマエが小まめに掃除をしていてくれたようだ
出ていった時のままのような室内に何処かホッとし二階の寝室へと移動しながら彼女に感謝していると
ふと彼は思い出した
彼女に見られてはいけない物がこの家にはある事を
「まさか……あそこまで掃除してないよな?」
階段を上っていた足がギクリと止まり冷や汗が背中をじんわりと冷やした瞬間フリードは突然走り出し寝室の扉を乱暴に開け放した
ガタンと騒がしい音が鳴ってしまったが構わない
フリードはいつも使っていたベッドの側にしゃがみ込むと恐る恐る下を覗き込みベッドの影に隠れた箱を引きずり出した
「ほ…埃被ってねぇ……って事は」
ぎこちなく中を開けると出てきたのは彼が昔お世話になっていたお宝本
つまりは性的な刺激をくれるエロ本達だった
ご丁寧にキチンと整頓された本達にフリードは冷や汗をどっと顔に浮かべ口元を引きつらせてしまう
「うわぁ…絶対これ見たな……俺が入れてた順番じゃねぇもんな……あぁ〜〜まずいっ!つーか恥ずい!」
男なら分かってくれる事だが
時には欲を発散させる物が必要なのだ、ましてやナマエと恋人になる前は特定の相手もおらず一晩の関係でも口説くのが面倒だった
手っ取り早い方法をと思って買った本だったが今では裏目に出たかもしれない
「捨てときゃ良かったかぁ……マードックにでもやるか」
やれやれと箱の蓋を閉め片隅に置くとポケットからスマホロトムが飛び出し着信を知らせた
ナマエだろうかと期待をするが画面に出た着信相手の名前にげんなりと肩を落とす
「なんだ?オリオ」
【なんだじゃないでしょ!勝手に飛び出して!待ち合わせの場所くらい決めていきなさいよね!】
離れていても耳に届くような大声に眉間にシワを寄せながらフリードは自分の額を抑えた
「あぁ〜そういや言ってなかったな、忘れてた」
【もう!飛行船の現在地送るから一度集合しなよ?】
プツンと一方的に切れてしまったスマホはふよふよと浮きながらゆっくりとポケットへと帰っていった
静かになる室内で彼は自分のベッドに仰向けに倒れ込み大きくため息を天井に向けて吐き出す
「だって一年だぞ?……これ以上待てねぇんだよ…こっちは」
早く会いたくて
抱きしめたくて仕方ない
恋人になったばかりで一年も離れ離れになっていたのだ
いくら大人でも冷静さもなくすという物だ
「はぁぁ…取りあえずオリオ達んとこ行かないとな」
****************
合流したオリオ達は街から離れた海岸に飛行船を降ろしていた
ランドウはいつものように釣りを楽しみ、マードックは食材を買いに街へと出かけたところ
残っていたモリーとオリオは戻ってきたフリードに文句を言う為に待っていたようだ
「全く…毎回毎回勝手に行動するのやめてくんない?」
「そうよ!飛行船に無理させて来たってのに感謝の言葉もないわけ?」
「ハハッ…すまん、ついな」
強気な女達にはフリードも勝てない
ましてや飛行船の命とも言えるメカニックと旅の金銭を管理している相手だ
フリードは言い返す事もできずヘラヘラと苦笑いを浮かべ頭をかいた
すると彼らの上空をポケモンの群れが通り影を落とした
「うわっ!何あれ?」
「ウォーグルの群れ?初めて見たわ」
オリオとモリーは上空を飛んでいく沢山のウォーグルに驚き声を上げ、フリードも同じ様に通り過ぎる彼らを見つめた
「(……ウォーグル)」
人より大きなウォーグル達
別れ際に彼女に託したポケモンを思い出した時、一瞬群れの中に人影を見つけた
「(今のはっ!)」
必死に目を凝らしながら群れに集中し、大きな翼を広げる彼らを見上げる
するとやはり群れの中に一匹だけ人を乗せたウォーグルがいた
見つけた人物は女性であり長い髪を風に揺らし真っ直ぐに前だけを見ている
その横顔は忘れもしない彼女のものだった
「ナマエッッッ!!」
フリードは考えるよりも先に叫び声を上げ彼女を呼び止めようとした
ウォーグル達の翼の音で届かないかと思いもう一度叫ぼうとすると彼女がコチラに気が付き上空からコチラを見下ろした
群れの中でも一番大きなウォーグルの背に乗った女性はナマエだった
彼女はフリードに驚き目を見開き声も出せないようだ
「ナマエ……俺が…分かるか?」
反応を示さない事に不安を感じ眉を下げたまま見上げると彼の側にオリオとモリーが近寄り彼とナマエを見比べた
「誰?あの子」
「フリードの知り合い?」
『っ!』
フリードのすぐ側に近寄る彼女達を見た途端ナマエの顔は曇り唇を強く噛むが、それは一瞬であり彼女はウォーグルに降りるように指示をし三人の前へと降り立った
『お久しぶりです…フリードさん』
「っ…ああ…遅くなって悪ぃ…その…」
あんなに会いたかったのに
いざ再会できた恋人にフリードの方が緊張してしまい落ち着き無く自分の首の後ろを擦った
「(なんか上手く言葉がでねぇ…女らしくなったし…昔より可愛く見えて…落ち着かねぇ)」
赤くなる頬をそのままにチラリと彼女を見るとナマエは視線をわざとらしく逸らした
『初めましてフリードさん家の隣に住んでたナマエと言います』
「あ!そうなんだ!あたしはオリオ!」
「私はモリーだ」
その後女同士で会話を続ける彼女達にフリードだけ取り残された気分になり彼はぽかんと情けなく口を半開きにさせた
「…あ………あれ?」
感動の再会はどうやら雲行きが怪しいようだ
自然豊かな景色に鮮やかな建物
見慣れた街並みを見下ろしながら真っ直ぐに向かったのはナマエの家だった
リザードンから降り深呼吸を一度し早まる胸の鼓動を落ち着かせながらチャイムを鳴らすと程なくして扉が開いた
「はい、どちらさ……あら!」
「お久しぶりです」
出て来たのは期待した相手ではなく彼女の母親だった
内心残念がりつつ笑顔で挨拶をし軽く話を交わすと母親はいそいそと室内に戻り何やら小さな物を彼に手渡した
「預かっていた鍵よ、貴方が留守の間はナマエが掃除しに行ってたから綺麗な筈よ」
受け取った家の鍵を握りながら彼女が自分の留守中も気にかけてくれていた事が嬉しくてフリードは口元を緩めた
「ありがとうございます、ところで……ナマエは?」
室内をチラリと覗くが彼女の気配がない、何よりフリードが戻った事が分かれば一目散に顔を見せてくれる筈だ
ならば何処へ行ったのだろうか
「(アカデミーに行ったのか?)」
登校時間には早い筈だがと昔の記憶を頼りに考え込む彼に母親は小さく笑い
「あの子ならそのうち帰りますよ、最近忙しそうにパルデア中を旅してるから」
「旅?」
「ええ、でも定期的に帰って来るし今日辺り戻る筈よ」
「そう…ですか、分かりました!ではまた時間を見て寄らせてもらいます」
彼女がいないのなら仕方ない、フリードは取りあえずにと懐かしの我が家へと戻った
「おぉ〜すっげぇ綺麗!埃臭くもねぇな」
一年もほっとけば家具は埃を被る物だが、本当にナマエが小まめに掃除をしていてくれたようだ
出ていった時のままのような室内に何処かホッとし二階の寝室へと移動しながら彼女に感謝していると
ふと彼は思い出した
彼女に見られてはいけない物がこの家にはある事を
「まさか……あそこまで掃除してないよな?」
階段を上っていた足がギクリと止まり冷や汗が背中をじんわりと冷やした瞬間フリードは突然走り出し寝室の扉を乱暴に開け放した
ガタンと騒がしい音が鳴ってしまったが構わない
フリードはいつも使っていたベッドの側にしゃがみ込むと恐る恐る下を覗き込みベッドの影に隠れた箱を引きずり出した
「ほ…埃被ってねぇ……って事は」
ぎこちなく中を開けると出てきたのは彼が昔お世話になっていたお宝本
つまりは性的な刺激をくれるエロ本達だった
ご丁寧にキチンと整頓された本達にフリードは冷や汗をどっと顔に浮かべ口元を引きつらせてしまう
「うわぁ…絶対これ見たな……俺が入れてた順番じゃねぇもんな……あぁ〜〜まずいっ!つーか恥ずい!」
男なら分かってくれる事だが
時には欲を発散させる物が必要なのだ、ましてやナマエと恋人になる前は特定の相手もおらず一晩の関係でも口説くのが面倒だった
手っ取り早い方法をと思って買った本だったが今では裏目に出たかもしれない
「捨てときゃ良かったかぁ……マードックにでもやるか」
やれやれと箱の蓋を閉め片隅に置くとポケットからスマホロトムが飛び出し着信を知らせた
ナマエだろうかと期待をするが画面に出た着信相手の名前にげんなりと肩を落とす
「なんだ?オリオ」
【なんだじゃないでしょ!勝手に飛び出して!待ち合わせの場所くらい決めていきなさいよね!】
離れていても耳に届くような大声に眉間にシワを寄せながらフリードは自分の額を抑えた
「あぁ〜そういや言ってなかったな、忘れてた」
【もう!飛行船の現在地送るから一度集合しなよ?】
プツンと一方的に切れてしまったスマホはふよふよと浮きながらゆっくりとポケットへと帰っていった
静かになる室内で彼は自分のベッドに仰向けに倒れ込み大きくため息を天井に向けて吐き出す
「だって一年だぞ?……これ以上待てねぇんだよ…こっちは」
早く会いたくて
抱きしめたくて仕方ない
恋人になったばかりで一年も離れ離れになっていたのだ
いくら大人でも冷静さもなくすという物だ
「はぁぁ…取りあえずオリオ達んとこ行かないとな」
****************
合流したオリオ達は街から離れた海岸に飛行船を降ろしていた
ランドウはいつものように釣りを楽しみ、マードックは食材を買いに街へと出かけたところ
残っていたモリーとオリオは戻ってきたフリードに文句を言う為に待っていたようだ
「全く…毎回毎回勝手に行動するのやめてくんない?」
「そうよ!飛行船に無理させて来たってのに感謝の言葉もないわけ?」
「ハハッ…すまん、ついな」
強気な女達にはフリードも勝てない
ましてや飛行船の命とも言えるメカニックと旅の金銭を管理している相手だ
フリードは言い返す事もできずヘラヘラと苦笑いを浮かべ頭をかいた
すると彼らの上空をポケモンの群れが通り影を落とした
「うわっ!何あれ?」
「ウォーグルの群れ?初めて見たわ」
オリオとモリーは上空を飛んでいく沢山のウォーグルに驚き声を上げ、フリードも同じ様に通り過ぎる彼らを見つめた
「(……ウォーグル)」
人より大きなウォーグル達
別れ際に彼女に託したポケモンを思い出した時、一瞬群れの中に人影を見つけた
「(今のはっ!)」
必死に目を凝らしながら群れに集中し、大きな翼を広げる彼らを見上げる
するとやはり群れの中に一匹だけ人を乗せたウォーグルがいた
見つけた人物は女性であり長い髪を風に揺らし真っ直ぐに前だけを見ている
その横顔は忘れもしない彼女のものだった
「ナマエッッッ!!」
フリードは考えるよりも先に叫び声を上げ彼女を呼び止めようとした
ウォーグル達の翼の音で届かないかと思いもう一度叫ぼうとすると彼女がコチラに気が付き上空からコチラを見下ろした
群れの中でも一番大きなウォーグルの背に乗った女性はナマエだった
彼女はフリードに驚き目を見開き声も出せないようだ
「ナマエ……俺が…分かるか?」
反応を示さない事に不安を感じ眉を下げたまま見上げると彼の側にオリオとモリーが近寄り彼とナマエを見比べた
「誰?あの子」
「フリードの知り合い?」
『っ!』
フリードのすぐ側に近寄る彼女達を見た途端ナマエの顔は曇り唇を強く噛むが、それは一瞬であり彼女はウォーグルに降りるように指示をし三人の前へと降り立った
『お久しぶりです…フリードさん』
「っ…ああ…遅くなって悪ぃ…その…」
あんなに会いたかったのに
いざ再会できた恋人にフリードの方が緊張してしまい落ち着き無く自分の首の後ろを擦った
「(なんか上手く言葉がでねぇ…女らしくなったし…昔より可愛く見えて…落ち着かねぇ)」
赤くなる頬をそのままにチラリと彼女を見るとナマエは視線をわざとらしく逸らした
『初めましてフリードさん家の隣に住んでたナマエと言います』
「あ!そうなんだ!あたしはオリオ!」
「私はモリーだ」
その後女同士で会話を続ける彼女達にフリードだけ取り残された気分になり彼はぽかんと情けなく口を半開きにさせた
「…あ………あれ?」
感動の再会はどうやら雲行きが怪しいようだ