第二章
夢小説設定
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「……三日間…ですか?」
朝も早くにフリードの家に訪ねてきたのはナマエの母親だった
何事かと思えばどうやら三日ほど仕事仲間と旅行をする為家を空けるとの事だ
「いつもなら心配はないんだけど…実はナマエがこの前怪我をしてね、足にヒビが入ってしまって…」
「ヒビって…なんでそんな事にっ」
いつの間に怪我をするような事をしたのか、フリードは冷静さをなくし下げた手に拳を作った
「それがね…家の中で転んじゃって」
「あ…あぁ…そうですか」
なんとも彼女らしい事だ
額を抑え緊張は抜け落ちたが呆れ過ぎて別の意味でも力が抜けた気がした
***************
『ドラメシヤ、帽子取ってくれる?』
アカデミーに行く前の準備をドラメシヤに手伝って貰い、あたしはいつもより早く玄関を出ようとした
『いってきますって…あれ?』
母さんは今朝から旅行でいないのにいつもの癖で行ってきますを言いながら外へ出た、すると目の前にはリザードンと彼の側でズボンに両手を入れて立つフリードさんが待っていた
「よっ、おはよ〜さん」
挨拶はしてくれたけど、いつもとは違い笑顔は向けてくれなかった
彼は少し怒ったように口をへの字にさせていて不機嫌そうだ
何かあったんだろうか?
『フリードさん?おはようございます、どうかしたんですか?こんなに早く』
「どうかしたの…はお前だろっ!」
怒鳴り声を上げた彼は勢いよくあたしを、細かく言えばあたしの足を指差した
『ぁ…これは』
指差した先はあたしの片足に巻かれたギブス
怪我をしてから彼には会っていないのになんでバレたんだろ
せっかく怒られないように黙っていたのに…
「家の中で転ぶとかっ!お前どんだけ鈍いんだ!ヒビだけですんだからいいものの…」
『…うぅ』
「……はぁぁ……他に怪我はしてないのか?」
怒りつつ心配してくれる彼はやっぱり優しい人であたしは嬉しさと申し訳ない気持ちが心に広がった
『ごめんなさい、気をつけていたつもりなんだけど…でも他には怪我してないです!』
大丈夫という意味も込めて笑って見せると彼は小さく鼻で息を吐き、あたしの元へと近寄ってきた
「今から学校だろ?松葉杖じゃ大変だし送ってやるよ」
彼はあたしが使おうとしていた二本の松葉杖を奪い取りリザードンに手渡してしまった
これではあたしが歩けない
どうやって行くつもりなのかと口を開こうとするとフリードさんの顔が思ったよりも近くにあって…
『ひゃあ!』
突然彼はあたしを横抱きにし持ち上げてしまった
さっきよりも近い彼の顔に心臓が飛び跳ねてしまいそう、咄嗟に掴んでしまった彼の胸元の服はしわができてしまい慌てて手を離し置き場のなくなった両手を縮める
『ぁ、ごめんなさいっ!』
「ん?掴んでていいぞ?」
『いえっ、シワになるし…ってそれより降ろしてください!歩いて行けますから』
「却下!リザードン、少し屈んでくれ」
あたしの意見なんて最初から聞く気がないのか、彼はリザードンにあたしを乗せると後ろ側に同じように乗り込み空へと飛び上がる
こうなるとあたしにはどうすることもできず後ろの彼にじっとりとした視線を送った
『…もうっ、フリードさんって結構強引ですよね?』
「それを言うならお前だって強情っぱりだろ?甘え下手つーか、とにかく一人でなんとかしようとしないでもっと俺に頼れ」
あたしの額を指先で軽く小突いた彼はやっとニッと歯を出して笑ってくれた
甘えるのは確かに下手かもしれない
助けて欲しい事を素直に言えずネモやペパーに気を使わせた事もある
二人よりも付き合いは短い筈なのにどうして彼はこんなにもあたしを理解してくれるんだろう
どうして…こんなに彼の一言一言が嬉しいんだろう
「ナマエちゃーん?お返事は?」
『…………はい』
「よしっ!良い子だ」
あたしはフリードさんが触れた額を撫でつつ前を向き直し緩む口元に力を入れ眉を下げた
数分後ー
アカデミーにリザードンで登校するとペパー先輩に偶然会い、彼はあたしとフリードさんを見るなり顔を複雑に歪めた
「お前っ、なんでっ、いや…どういう事だよオッサン!」
あたしからフリードさんへと視線を変え問いかけたけど彼はあたしを地面にゆっくりと降ろし先輩には背を向けた
「怪我したんだとよ、俺は出掛けてるナマエの親御さんに頼まれて暫くボディガードする事になっただけさ」
『あ、そうだったんですか?』
「あれ?言ってなかったか?」
何も聞いてない
母さんは朝早くに出かけてしまったしフリードさんも会ってすぐに怒るだけで頼まれたなんて一言も言っていない
「まあ、それは置いといて…とにかく暫くは俺が送り迎えすっから帰りもこの辺りで待ってろよ?」
いいな?と言うようにあたしの頭を撫でた彼は長い前髪を揺らしながら微笑み、彼の後ろから見えるペパー先輩は般若の如く怒りに顔を歪めていた
「ナマエ行くぞ!ほら歩けないならオレがおんぶしてやるから」
『へ?いやいやそれはちょっと…』
さあ来い!と、ペパー先輩はあたしに背を向けてしゃがみ込みおんぶを誘ってくる
これにはあたしだけでなくフリードさんも反応し、ひくりと口角をひきつらせていた
「おいおい、ガキのお前には無理だからやめとけ」
「はぁ?オッサンよりオレの方が筋肉だってムキムキちゃんだぜ!」
「あ?俺のどこがお前に劣るっつーんだよ!」
フリードさんの言葉にムキになった彼は立ち上がり、二人は何やら火花を散らし始めた
リザードンも知らん顔をし松葉杖をあたしに渡し離れた場所で休み始め止めに入ってくれない
どうしたものかと冷や汗を背中に滲ませていると歩いているネモを見つけ、あたしは二人にバレないようにコソコソと彼女と共に学校の中へと逃げ込んだ
風の噂では暫く先輩とフリードさんは言い合いを続けていたらしく
上着を脱ぎだし自分の筋肉自慢をしようとしたところ、サワロ先生に強制的に止められたそうです
朝も早くにフリードの家に訪ねてきたのはナマエの母親だった
何事かと思えばどうやら三日ほど仕事仲間と旅行をする為家を空けるとの事だ
「いつもなら心配はないんだけど…実はナマエがこの前怪我をしてね、足にヒビが入ってしまって…」
「ヒビって…なんでそんな事にっ」
いつの間に怪我をするような事をしたのか、フリードは冷静さをなくし下げた手に拳を作った
「それがね…家の中で転んじゃって」
「あ…あぁ…そうですか」
なんとも彼女らしい事だ
額を抑え緊張は抜け落ちたが呆れ過ぎて別の意味でも力が抜けた気がした
***************
『ドラメシヤ、帽子取ってくれる?』
アカデミーに行く前の準備をドラメシヤに手伝って貰い、あたしはいつもより早く玄関を出ようとした
『いってきますって…あれ?』
母さんは今朝から旅行でいないのにいつもの癖で行ってきますを言いながら外へ出た、すると目の前にはリザードンと彼の側でズボンに両手を入れて立つフリードさんが待っていた
「よっ、おはよ〜さん」
挨拶はしてくれたけど、いつもとは違い笑顔は向けてくれなかった
彼は少し怒ったように口をへの字にさせていて不機嫌そうだ
何かあったんだろうか?
『フリードさん?おはようございます、どうかしたんですか?こんなに早く』
「どうかしたの…はお前だろっ!」
怒鳴り声を上げた彼は勢いよくあたしを、細かく言えばあたしの足を指差した
『ぁ…これは』
指差した先はあたしの片足に巻かれたギブス
怪我をしてから彼には会っていないのになんでバレたんだろ
せっかく怒られないように黙っていたのに…
「家の中で転ぶとかっ!お前どんだけ鈍いんだ!ヒビだけですんだからいいものの…」
『…うぅ』
「……はぁぁ……他に怪我はしてないのか?」
怒りつつ心配してくれる彼はやっぱり優しい人であたしは嬉しさと申し訳ない気持ちが心に広がった
『ごめんなさい、気をつけていたつもりなんだけど…でも他には怪我してないです!』
大丈夫という意味も込めて笑って見せると彼は小さく鼻で息を吐き、あたしの元へと近寄ってきた
「今から学校だろ?松葉杖じゃ大変だし送ってやるよ」
彼はあたしが使おうとしていた二本の松葉杖を奪い取りリザードンに手渡してしまった
これではあたしが歩けない
どうやって行くつもりなのかと口を開こうとするとフリードさんの顔が思ったよりも近くにあって…
『ひゃあ!』
突然彼はあたしを横抱きにし持ち上げてしまった
さっきよりも近い彼の顔に心臓が飛び跳ねてしまいそう、咄嗟に掴んでしまった彼の胸元の服はしわができてしまい慌てて手を離し置き場のなくなった両手を縮める
『ぁ、ごめんなさいっ!』
「ん?掴んでていいぞ?」
『いえっ、シワになるし…ってそれより降ろしてください!歩いて行けますから』
「却下!リザードン、少し屈んでくれ」
あたしの意見なんて最初から聞く気がないのか、彼はリザードンにあたしを乗せると後ろ側に同じように乗り込み空へと飛び上がる
こうなるとあたしにはどうすることもできず後ろの彼にじっとりとした視線を送った
『…もうっ、フリードさんって結構強引ですよね?』
「それを言うならお前だって強情っぱりだろ?甘え下手つーか、とにかく一人でなんとかしようとしないでもっと俺に頼れ」
あたしの額を指先で軽く小突いた彼はやっとニッと歯を出して笑ってくれた
甘えるのは確かに下手かもしれない
助けて欲しい事を素直に言えずネモやペパーに気を使わせた事もある
二人よりも付き合いは短い筈なのにどうして彼はこんなにもあたしを理解してくれるんだろう
どうして…こんなに彼の一言一言が嬉しいんだろう
「ナマエちゃーん?お返事は?」
『…………はい』
「よしっ!良い子だ」
あたしはフリードさんが触れた額を撫でつつ前を向き直し緩む口元に力を入れ眉を下げた
数分後ー
アカデミーにリザードンで登校するとペパー先輩に偶然会い、彼はあたしとフリードさんを見るなり顔を複雑に歪めた
「お前っ、なんでっ、いや…どういう事だよオッサン!」
あたしからフリードさんへと視線を変え問いかけたけど彼はあたしを地面にゆっくりと降ろし先輩には背を向けた
「怪我したんだとよ、俺は出掛けてるナマエの親御さんに頼まれて暫くボディガードする事になっただけさ」
『あ、そうだったんですか?』
「あれ?言ってなかったか?」
何も聞いてない
母さんは朝早くに出かけてしまったしフリードさんも会ってすぐに怒るだけで頼まれたなんて一言も言っていない
「まあ、それは置いといて…とにかく暫くは俺が送り迎えすっから帰りもこの辺りで待ってろよ?」
いいな?と言うようにあたしの頭を撫でた彼は長い前髪を揺らしながら微笑み、彼の後ろから見えるペパー先輩は般若の如く怒りに顔を歪めていた
「ナマエ行くぞ!ほら歩けないならオレがおんぶしてやるから」
『へ?いやいやそれはちょっと…』
さあ来い!と、ペパー先輩はあたしに背を向けてしゃがみ込みおんぶを誘ってくる
これにはあたしだけでなくフリードさんも反応し、ひくりと口角をひきつらせていた
「おいおい、ガキのお前には無理だからやめとけ」
「はぁ?オッサンよりオレの方が筋肉だってムキムキちゃんだぜ!」
「あ?俺のどこがお前に劣るっつーんだよ!」
フリードさんの言葉にムキになった彼は立ち上がり、二人は何やら火花を散らし始めた
リザードンも知らん顔をし松葉杖をあたしに渡し離れた場所で休み始め止めに入ってくれない
どうしたものかと冷や汗を背中に滲ませていると歩いているネモを見つけ、あたしは二人にバレないようにコソコソと彼女と共に学校の中へと逃げ込んだ
風の噂では暫く先輩とフリードさんは言い合いを続けていたらしく
上着を脱ぎだし自分の筋肉自慢をしようとしたところ、サワロ先生に強制的に止められたそうです