第二章
夢小説設定
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『ピカチュウ〜ご飯だよ』
フリードが観察しているピカチュウが何故空を飛びたがるのか相変わらず分からなかったが、少しずつ関係が変わってきているのは感じていた
「好き嫌いがないからいいよな、俺のリザードンとは大違いだ」
グルルっ!
怒るリザードンに笑いながらフリードも地面に座り山盛りの木の実に手を付け口に運ぶ
大量に取ってきた木の実はどれも美味しくナマエのドラメシヤも喜んで食べるが
ピカチュウは彼らの輪の中には入らず両手いっぱいに木の実を運び離れた場所で食べていた
最初は完全に見えなくなるまで離れていたピカチュウだが、今は見える範囲に身を置き背を向けて食べる程度だ
『この実も美味しいよ?』
特にナマエとの距離は近く、先に出会っていたフリードよりも警戒心を緩めているようだ
木の実を差し出すとピカチュウは鼻先で匂いを確かめ素早く奪い取るように木の実を受け取り、また離れた場所で食べだす
フリードも同じ事をした事があるが、受け取ってくれる確率は彼女より低い
「本当ナマエってポケモンに懐かれやすいよな?なんかコツでもあんのか?」
何気なくフリードは聞くが、ナマエは寂しそうに微笑むだけで返事を濁した
『偶然ですよ、相性の問題か何かじゃないですかね』
「相性か、まあ確かにそれもあるんだろーけどな」
ドラメシヤにおねだりされ、自分が食べようとしていた木の実を与えると相棒は嬉しそうに鳴いた
しゅるる!
【ありがとう!】
自分にしか分からない声に聞こえないふりをしナマエは視線を下げた
『(フリードさんなら…あたしの秘密を言っても大丈夫かもしれない)』
ポケモンを愛する彼だ
きっと言葉が分かると言えばジニアやペパー…そしてスピネルのように好意的な反応をしてくれるかもしれない
だが
『(でも…もし…違ったら?ポケモンが人語を話すのは良くても逆は受け入れて貰えなかったらどうしよ?)』
気持ち悪いと言われ今の関係が壊れてしまったらとマイナスな考えをしてしまい開きかけた唇がきゅっと閉じてしまう
しゅるる?
木の実がもっと欲しいと鳴く相棒の声にハッと我に帰り木の実を慌てて取る彼女をフリードはじっと見つめており片眉を吊り上げた
「(様子がおかしい…何か隠してんのか?それとも何か言いたい事でもあるのか)」
注意深くナマエを見つめながら木の実に歯を立てると果汁が飛びだしフリードの手を汚した
「うおっ!」
『うわっ大丈夫ですかっ』
熟し過ぎてた物に当たったのだろう
柑橘系の匂いが広がり手首を汚してしまった
『ハンカチっ!』
「ああ〜いいって、こんくらい舐めとけばいいさ」
ハンカチを出そうとする彼女を止めフリードは自分の手首を下から舐め上げて見せた
筋張った小麦色の手首を赤い舌が舐め上げ、白髪の長い前髪の隙間からコチラを見る蜂蜜色の瞳は色っぽく細められナマエの心臓が痛いほど高鳴った
「ん…ほらな?」
果汁を舐め終わった彼はヘラリと笑い手のひらを振って見せ、また新しい木の実を口への運び出した
なんて事ないといった彼とは違い
ナマエは大人の色気にあてられ頬が赤くなってしまいフリードを真っ直ぐには見れなかった
ナマエの胸の高鳴りを知らずに木の実を楽しむフリードとリザードン
そして離れた場所に座るピカチュウと暫く食事を楽しんでいると突然フリードが思い出したように口を開いた
「そういや…この前一緒にいたメガネの男とはどういう関係なんだ?まさかアイツも学生ってわけじゃないだろ?」
フリードにとっては名前も知らない謎の男の存在
気にはなっていたが直ぐには聞く勇気がなかった
特に自分の想いを自覚してからは下手に動けず今日まで悶々としていたようだ
じっと彼女を見つめ恋人ではないと言ってほしくて眉を寄せるとナマエはフリードの心配を知らずに小さく唸った
『ん〜なんと言えば』
自分の力について調べに来た研究者とは言えず上手い言い訳を考えようとしていただけだが、フリードは待てずに聞きたい部分の答えを口にする
「彼氏か?」
『んなっ!いえいえっ!そんなわけないです!』
バタバタと素早く両手を左右にふり違う事を必死にアピールし彼氏ではない事が分かった
一番知りたかった事が分かりフリードは肩の力を抜きホっと顔から緊張を解いた
『ポケモンの研究をしている方で、あたしはジニア先生に頼まれて彼のお手伝いをしているだけです』
ハッキリとした内容は言わず
だが嘘も言わずに伝えるとフリードは胡座をかいた自分の足で頬杖を作り頬を手の平で潰した
「それにしちゃ距離近くないか?この前なんかお前の腰に触ってただろ」
『そうでしたっけ?』
「そうなんだよっ!」
ムスッと口元を歪める彼は数日前の二人の様子を思い出し嫉妬の炎を燃やし始める
「いくら研究の手伝いだからって馴れ馴れしくないか?」
ブツブツと文句を言い続ける彼は歳上とは思えない程拗ねているように見える
『心配…してくれてるんですか?』
「っ、そりゃするだろっ!お前は無防備すぎるし気がつけばガキに怪我させられたり!海でずっと探し物してたり……目が離せねぇんだよ」
言い終わる頃にはフリードは頬をほんのりと赤めており頬杖をやめた手で口元を隠した
そっぽを向いた瞳は熱を孕み怒りというより愛しさに潤っている
「俺の目の届かないところで何かあったらって…最近じゃそればっか考えてる…気持ち悪いか?」
口元を隠したままチラリとコチラを盗み見た瞳と視線がぶつかり、ナマエはむず痒い気持ちに唇をきゅっと噛み締め喜びに瞳を輝かせた
『そんな事、ないっ…とっても嬉しいっ』
へらりと顔を蕩けさせ喜びを溢れさせる彼女にフリードは胸を高鳴らせ目を見開いた
愛しさが溢れ今すぐ腕の中に閉じ込めたくなり、フリードは耐えるように片手で目元を強く抑えた
「はぁぁっ……マジであぶねぇ」
『?』
「……なんでもねぇよ、それ食ったら送ってやるから暗くなる前に帰れよ?」
『まだ昼過ぎですよ?まだ明るいし一人でも帰れます』
空はまだ茜色にもなっていない
せっかくの休日なのだからもう少し側にいたいし、駄目なら何処かへ出掛けたい
なのに彼はじっとりとした瞳を彼女に向け
「お前は目を離すとフラフラどっか行きそうだから却下だ」
『えぇ?なんかフリードさんて世話焼きのお母さんみたい』
「……そこはせめて世話焼きのお兄さんって言えよ」
結局この日はフリードに自宅まで送って貰ったのだが……
『うわわっ!』
ガシャッンッ!!
どうやら自宅にいても安全とは言えなかったようだ
フリードが観察しているピカチュウが何故空を飛びたがるのか相変わらず分からなかったが、少しずつ関係が変わってきているのは感じていた
「好き嫌いがないからいいよな、俺のリザードンとは大違いだ」
グルルっ!
怒るリザードンに笑いながらフリードも地面に座り山盛りの木の実に手を付け口に運ぶ
大量に取ってきた木の実はどれも美味しくナマエのドラメシヤも喜んで食べるが
ピカチュウは彼らの輪の中には入らず両手いっぱいに木の実を運び離れた場所で食べていた
最初は完全に見えなくなるまで離れていたピカチュウだが、今は見える範囲に身を置き背を向けて食べる程度だ
『この実も美味しいよ?』
特にナマエとの距離は近く、先に出会っていたフリードよりも警戒心を緩めているようだ
木の実を差し出すとピカチュウは鼻先で匂いを確かめ素早く奪い取るように木の実を受け取り、また離れた場所で食べだす
フリードも同じ事をした事があるが、受け取ってくれる確率は彼女より低い
「本当ナマエってポケモンに懐かれやすいよな?なんかコツでもあんのか?」
何気なくフリードは聞くが、ナマエは寂しそうに微笑むだけで返事を濁した
『偶然ですよ、相性の問題か何かじゃないですかね』
「相性か、まあ確かにそれもあるんだろーけどな」
ドラメシヤにおねだりされ、自分が食べようとしていた木の実を与えると相棒は嬉しそうに鳴いた
しゅるる!
【ありがとう!】
自分にしか分からない声に聞こえないふりをしナマエは視線を下げた
『(フリードさんなら…あたしの秘密を言っても大丈夫かもしれない)』
ポケモンを愛する彼だ
きっと言葉が分かると言えばジニアやペパー…そしてスピネルのように好意的な反応をしてくれるかもしれない
だが
『(でも…もし…違ったら?ポケモンが人語を話すのは良くても逆は受け入れて貰えなかったらどうしよ?)』
気持ち悪いと言われ今の関係が壊れてしまったらとマイナスな考えをしてしまい開きかけた唇がきゅっと閉じてしまう
しゅるる?
木の実がもっと欲しいと鳴く相棒の声にハッと我に帰り木の実を慌てて取る彼女をフリードはじっと見つめており片眉を吊り上げた
「(様子がおかしい…何か隠してんのか?それとも何か言いたい事でもあるのか)」
注意深くナマエを見つめながら木の実に歯を立てると果汁が飛びだしフリードの手を汚した
「うおっ!」
『うわっ大丈夫ですかっ』
熟し過ぎてた物に当たったのだろう
柑橘系の匂いが広がり手首を汚してしまった
『ハンカチっ!』
「ああ〜いいって、こんくらい舐めとけばいいさ」
ハンカチを出そうとする彼女を止めフリードは自分の手首を下から舐め上げて見せた
筋張った小麦色の手首を赤い舌が舐め上げ、白髪の長い前髪の隙間からコチラを見る蜂蜜色の瞳は色っぽく細められナマエの心臓が痛いほど高鳴った
「ん…ほらな?」
果汁を舐め終わった彼はヘラリと笑い手のひらを振って見せ、また新しい木の実を口への運び出した
なんて事ないといった彼とは違い
ナマエは大人の色気にあてられ頬が赤くなってしまいフリードを真っ直ぐには見れなかった
ナマエの胸の高鳴りを知らずに木の実を楽しむフリードとリザードン
そして離れた場所に座るピカチュウと暫く食事を楽しんでいると突然フリードが思い出したように口を開いた
「そういや…この前一緒にいたメガネの男とはどういう関係なんだ?まさかアイツも学生ってわけじゃないだろ?」
フリードにとっては名前も知らない謎の男の存在
気にはなっていたが直ぐには聞く勇気がなかった
特に自分の想いを自覚してからは下手に動けず今日まで悶々としていたようだ
じっと彼女を見つめ恋人ではないと言ってほしくて眉を寄せるとナマエはフリードの心配を知らずに小さく唸った
『ん〜なんと言えば』
自分の力について調べに来た研究者とは言えず上手い言い訳を考えようとしていただけだが、フリードは待てずに聞きたい部分の答えを口にする
「彼氏か?」
『んなっ!いえいえっ!そんなわけないです!』
バタバタと素早く両手を左右にふり違う事を必死にアピールし彼氏ではない事が分かった
一番知りたかった事が分かりフリードは肩の力を抜きホっと顔から緊張を解いた
『ポケモンの研究をしている方で、あたしはジニア先生に頼まれて彼のお手伝いをしているだけです』
ハッキリとした内容は言わず
だが嘘も言わずに伝えるとフリードは胡座をかいた自分の足で頬杖を作り頬を手の平で潰した
「それにしちゃ距離近くないか?この前なんかお前の腰に触ってただろ」
『そうでしたっけ?』
「そうなんだよっ!」
ムスッと口元を歪める彼は数日前の二人の様子を思い出し嫉妬の炎を燃やし始める
「いくら研究の手伝いだからって馴れ馴れしくないか?」
ブツブツと文句を言い続ける彼は歳上とは思えない程拗ねているように見える
『心配…してくれてるんですか?』
「っ、そりゃするだろっ!お前は無防備すぎるし気がつけばガキに怪我させられたり!海でずっと探し物してたり……目が離せねぇんだよ」
言い終わる頃にはフリードは頬をほんのりと赤めており頬杖をやめた手で口元を隠した
そっぽを向いた瞳は熱を孕み怒りというより愛しさに潤っている
「俺の目の届かないところで何かあったらって…最近じゃそればっか考えてる…気持ち悪いか?」
口元を隠したままチラリとコチラを盗み見た瞳と視線がぶつかり、ナマエはむず痒い気持ちに唇をきゅっと噛み締め喜びに瞳を輝かせた
『そんな事、ないっ…とっても嬉しいっ』
へらりと顔を蕩けさせ喜びを溢れさせる彼女にフリードは胸を高鳴らせ目を見開いた
愛しさが溢れ今すぐ腕の中に閉じ込めたくなり、フリードは耐えるように片手で目元を強く抑えた
「はぁぁっ……マジであぶねぇ」
『?』
「……なんでもねぇよ、それ食ったら送ってやるから暗くなる前に帰れよ?」
『まだ昼過ぎですよ?まだ明るいし一人でも帰れます』
空はまだ茜色にもなっていない
せっかくの休日なのだからもう少し側にいたいし、駄目なら何処かへ出掛けたい
なのに彼はじっとりとした瞳を彼女に向け
「お前は目を離すとフラフラどっか行きそうだから却下だ」
『えぇ?なんかフリードさんて世話焼きのお母さんみたい』
「……そこはせめて世話焼きのお兄さんって言えよ」
結局この日はフリードに自宅まで送って貰ったのだが……
『うわわっ!』
ガシャッンッ!!
どうやら自宅にいても安全とは言えなかったようだ