第一章
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空飛ぶピカチュウ
知人に教わり調べて見たが実に興味深い、まずアイツはいつも一匹で行動しバトルもしない
毎朝一度だけ技の反動を利用し空へと上がり落下により傷だらけ、普段は尻尾や体を鍛えて過ごし昼間は空を飛ばない
「そうまでして飛びたい理由はなんだ?何故朝だけなんだ?」
分からない
ポケモン博士とまで言われた俺にまだ分からない事があったなんて…
「おっと、もう昼か」
腹の虫が先に鳴り響き腕時計を確認すればランチタイムが終わろうとしている、今日の観察を中断させ飯でも食いに行くかとテーブルシティへと俺は足を進めた
街にはアカデミーの生徒達も何人か目にし、俺はつい制服姿の女子に目が向いてしまった
後ろ姿が似ていれば似ている程彼女ではないかと期待し、顔が分かれば止めていた息が口から漏れ肩を落とす
「(まあ約束もしてねぇし会えるわけないか)」
観察を続ける為に片手で食べられるサンドイッチの屋台へと向かい、メニューをじっくりと見つめた
野菜たっぷりフレッシュな味わい
アイツが好きそうだ…なんてな
またつい考えてしまい苦笑いしそうになり自分の口元を指でなぞった
「この肉の多いヤツと…こっちの野菜のも一個ずつくれ」
一人で食べるには多いサンドイッチが入った紙袋を受け取り、また戻るかと体を反転させた時だった
俺の視界に一際色濃い存在が入り込んだ
「……ナマエ?」
制服姿ではあるが彼女に間違いない
ナマエは別の屋台の前で何やら注文していて、俺は考えるより前に足を動かし彼女の元へと向かった
だが…
「……は?」
もう少しという距離になって分かったが彼女は一人じゃなかった
他の女子生徒でもなく
あのムカつくガキでもなく
見たこともないスーツを着た大人の男と並んで歩いていた
俺以外の……大人の男と
「(おい…待てよ…待て待て待てっ!そいつ誰だっ!どっから湧いて出てきた!)」
体の筋肉がこわばり頬が紅潮しながら頭の奥まで熱くなる
同じ生徒ならまだ許せるがそいつは駄目だ
何故だか理由は分からないが
その男が当然のようにナマエの隣に立つのが腹立たしい
そこは俺の…
「(っ!いやいやいや!落ち着け俺、きっと道を聞かれたとか学校関係の奴だろ)」
自分を落ち着かせる為に言い聞かせるが男は俺の期待を踏みにじるようにナマエの腰へと手を添えて歩きベンチへと向かった
彼女に触れた手を見た瞬間、俺の首の筋肉がギュッと引き締まった気がした
屋台が並ぶ広場には沢山の人々がいるはずなのに、視野が狭くなり二人しか見えない
俺以外の男に腰を触れられているのに、嫌がりもせず笑って話をして…
無防備にも程があんだろっ
「(何笑ってんだよ?そんな奴がいいのか?インテリ野郎の何処がいいんだよっ!)」
顎が痛くなる程歯を噛み締めた俺は体がコントロールできず、大股で二人の座ったベンチへと急ぎ透明となる通行人達に肩をぶつけ近寄った
「ナマエっ!」
『え?フリードさん?』
思ってたよりデカイ声が出た
自分の声の大きさに驚きつつ俺は軽く咳払いをし、改めてナマエと隣に座った男に視線を落とした
「偶然だな!俺も昼飯を買いにきたんだ、お前は?もう食ったのか?」
紙袋を揺らして見せ微笑むと彼女は納得したように笑い返してくれた
『そうなんですね、あたしも今から食べよっかなって思ってパンを買ったところです』
彼女は持っていた紙袋の中身を俺に見せてくれたが、数が多い
きっと隣の野郎の分も入っているんだろう
……気に食わねぇ
「それじゃ栄養足んねぇだろ?俺も多めにサンドイッチ買ったところだし、一緒に食おうぜ!」
ナマエの手首を掴み立たせようとするが突然の事に驚き身構えた彼女は目を見開いた
『ま、待ってください、あたし今日はこの人と』
「ナマエさん、構いませんよ」
男は慌てる彼女からパンの入った紙袋を奪うと長い足を組み直して座り、黒縁メガネの奥に見える瞳を細めさせ俺を見上げた
いちいちムカつく野郎だ
「パンは私が頂きますので、気にせずお友達くんとランチしてきてください」
「(……コイツっ)」
お友達くん
どうも棘のある言い方に聞こえこめかみの部分が熱くなる
この余裕はなんなのか
熱くなってるのは俺だけで余計にイライラする
「ああ、悪いな!んじゃ遠慮なくコイツは貰っていくぜ」
『えっちょっ!フリードさんっ!』
殆ど無理矢理ナマエの手を引き俺は一秒でも早くこの場から離れようと足を早めた
俺に手を引っ張られる彼女が足をふらつかせているのにも気が付かない程の怒り
いや…これは……嫉妬か?
テーブルシティの広場を出た頃
俺は自分の感情にやっと気が付き足を止めた
『ふぎゅっ!』
突然の事に止まれなかった彼女は俺の背中に顔をぶつけ潰れた声を出した
振り向けば自分の赤くなった鼻を擦りコチラを睨むナマエが見えた
『〜っ、もうっなんですか突然歩いたり止まったり!』
あぁ…まずい
まずいだろこれはっ
『フリードさん?聞いてますか?』
鼻を抑えむくれた顔をしているのに俺には可愛くて仕方なく見える
なんなら泣いても怒った顔も愛せる自信がある
「(……くそっ!…この俺がまさかこんな子供に落ちるなんてな)」
まばたきも忘れ俺はナマエのどんな表情も見逃すまいとじっと見つめ、唇を噛み締めて歪に微笑んだ
もう認めるしかない
俺は
「あぁ、悪い悪い!お詫びに美味いサンドイッチ食わしてやるから許してくれよ」
お前が……好きだわ
知人に教わり調べて見たが実に興味深い、まずアイツはいつも一匹で行動しバトルもしない
毎朝一度だけ技の反動を利用し空へと上がり落下により傷だらけ、普段は尻尾や体を鍛えて過ごし昼間は空を飛ばない
「そうまでして飛びたい理由はなんだ?何故朝だけなんだ?」
分からない
ポケモン博士とまで言われた俺にまだ分からない事があったなんて…
「おっと、もう昼か」
腹の虫が先に鳴り響き腕時計を確認すればランチタイムが終わろうとしている、今日の観察を中断させ飯でも食いに行くかとテーブルシティへと俺は足を進めた
街にはアカデミーの生徒達も何人か目にし、俺はつい制服姿の女子に目が向いてしまった
後ろ姿が似ていれば似ている程彼女ではないかと期待し、顔が分かれば止めていた息が口から漏れ肩を落とす
「(まあ約束もしてねぇし会えるわけないか)」
観察を続ける為に片手で食べられるサンドイッチの屋台へと向かい、メニューをじっくりと見つめた
野菜たっぷりフレッシュな味わい
アイツが好きそうだ…なんてな
またつい考えてしまい苦笑いしそうになり自分の口元を指でなぞった
「この肉の多いヤツと…こっちの野菜のも一個ずつくれ」
一人で食べるには多いサンドイッチが入った紙袋を受け取り、また戻るかと体を反転させた時だった
俺の視界に一際色濃い存在が入り込んだ
「……ナマエ?」
制服姿ではあるが彼女に間違いない
ナマエは別の屋台の前で何やら注文していて、俺は考えるより前に足を動かし彼女の元へと向かった
だが…
「……は?」
もう少しという距離になって分かったが彼女は一人じゃなかった
他の女子生徒でもなく
あのムカつくガキでもなく
見たこともないスーツを着た大人の男と並んで歩いていた
俺以外の……大人の男と
「(おい…待てよ…待て待て待てっ!そいつ誰だっ!どっから湧いて出てきた!)」
体の筋肉がこわばり頬が紅潮しながら頭の奥まで熱くなる
同じ生徒ならまだ許せるがそいつは駄目だ
何故だか理由は分からないが
その男が当然のようにナマエの隣に立つのが腹立たしい
そこは俺の…
「(っ!いやいやいや!落ち着け俺、きっと道を聞かれたとか学校関係の奴だろ)」
自分を落ち着かせる為に言い聞かせるが男は俺の期待を踏みにじるようにナマエの腰へと手を添えて歩きベンチへと向かった
彼女に触れた手を見た瞬間、俺の首の筋肉がギュッと引き締まった気がした
屋台が並ぶ広場には沢山の人々がいるはずなのに、視野が狭くなり二人しか見えない
俺以外の男に腰を触れられているのに、嫌がりもせず笑って話をして…
無防備にも程があんだろっ
「(何笑ってんだよ?そんな奴がいいのか?インテリ野郎の何処がいいんだよっ!)」
顎が痛くなる程歯を噛み締めた俺は体がコントロールできず、大股で二人の座ったベンチへと急ぎ透明となる通行人達に肩をぶつけ近寄った
「ナマエっ!」
『え?フリードさん?』
思ってたよりデカイ声が出た
自分の声の大きさに驚きつつ俺は軽く咳払いをし、改めてナマエと隣に座った男に視線を落とした
「偶然だな!俺も昼飯を買いにきたんだ、お前は?もう食ったのか?」
紙袋を揺らして見せ微笑むと彼女は納得したように笑い返してくれた
『そうなんですね、あたしも今から食べよっかなって思ってパンを買ったところです』
彼女は持っていた紙袋の中身を俺に見せてくれたが、数が多い
きっと隣の野郎の分も入っているんだろう
……気に食わねぇ
「それじゃ栄養足んねぇだろ?俺も多めにサンドイッチ買ったところだし、一緒に食おうぜ!」
ナマエの手首を掴み立たせようとするが突然の事に驚き身構えた彼女は目を見開いた
『ま、待ってください、あたし今日はこの人と』
「ナマエさん、構いませんよ」
男は慌てる彼女からパンの入った紙袋を奪うと長い足を組み直して座り、黒縁メガネの奥に見える瞳を細めさせ俺を見上げた
いちいちムカつく野郎だ
「パンは私が頂きますので、気にせずお友達くんとランチしてきてください」
「(……コイツっ)」
お友達くん
どうも棘のある言い方に聞こえこめかみの部分が熱くなる
この余裕はなんなのか
熱くなってるのは俺だけで余計にイライラする
「ああ、悪いな!んじゃ遠慮なくコイツは貰っていくぜ」
『えっちょっ!フリードさんっ!』
殆ど無理矢理ナマエの手を引き俺は一秒でも早くこの場から離れようと足を早めた
俺に手を引っ張られる彼女が足をふらつかせているのにも気が付かない程の怒り
いや…これは……嫉妬か?
テーブルシティの広場を出た頃
俺は自分の感情にやっと気が付き足を止めた
『ふぎゅっ!』
突然の事に止まれなかった彼女は俺の背中に顔をぶつけ潰れた声を出した
振り向けば自分の赤くなった鼻を擦りコチラを睨むナマエが見えた
『〜っ、もうっなんですか突然歩いたり止まったり!』
あぁ…まずい
まずいだろこれはっ
『フリードさん?聞いてますか?』
鼻を抑えむくれた顔をしているのに俺には可愛くて仕方なく見える
なんなら泣いても怒った顔も愛せる自信がある
「(……くそっ!…この俺がまさかこんな子供に落ちるなんてな)」
まばたきも忘れ俺はナマエのどんな表情も見逃すまいとじっと見つめ、唇を噛み締めて歪に微笑んだ
もう認めるしかない
俺は
「あぁ、悪い悪い!お詫びに美味いサンドイッチ食わしてやるから許してくれよ」
お前が……好きだわ