第一章
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酒に酔ったチハルを連れダンデが向かったのは自分の部屋だった
一階のリビングにあるソファに最初は寝かせようとしたが、寝心地が悪いのではと気を使ったようだ
2階へ移動し自室へと久々に入るが室内は埃臭くもなく最後に来た時となんら変わっていない
母親が毎日掃除をしてくれていた事に感謝しつつダンデはチハルをベッドへと静かに降ろし顔を上から覗き込んだ
「大丈夫か?」
『ん…平気…ごめんなさい』
弱々しく答える声にダンデは眉を寄せベッドへと腰掛けた
背中を向けて座る彼はマントをベッドの上に投げ、帽子を外すと少し潰れた髪を直すように前髪ごと後ろへと撫でつけ一息つく
「君が謝る事じゃない、俺のミスだ」
そうは言うがコチラを見てくれない
不安に思うチハルは申し訳ない気持ちのままかける言葉を探した
『(どうしよ…迷惑かけちゃった)』
ここで謝ってもきっとまた同じ台詞が帰ってくる、他に何か話せる事はないのか?
まだフワフワした意識の中チハルは部屋の中を見回し壁にかかる沢山の帽子に目が止まった
『帽子…凄い数ですね』
「ん?ああ、子供の頃からの癖でな…気に入った物を買っていたらついこんな数になってしまった」
静かに笑うダンデはふと自分のベッドに横たわる彼女へと振り返りギクリと体を揺らした
枕側に髪を広げ頬をほんのりと赤め瞳を蕩けさせたチハルは女性に慣れていないダンデから見れば酷く艶めいて見える
無防備に横たわりじっとコチラを見る彼女に体が誘われダンデは上半身を傾けチハルの上にゆっくりと影を落とした
『……ダンデさん?』
彼の片手がチハルの顔の横に落ち重みによりベッドのスプリングが軋んだ音を小さく鳴らした
彼女の上に上半身を覆いかぶせたダンデの肩からするりと紫の髪が垂れ落ちカーテンのように僅かに揺れる
前髪の隙間から見える金色の瞳を色濃くさせチハルを見下すが、何処か戸惑ってもいた
「(なんだ…これは…俺は何をしようとしているんだ?)」
自分でも分からない
ただこうして側に近寄りたくなった
もう片方の手で彼女の頬にかかる髪を指の背で退かしてやるとチハルは嫌がりもせず身を任せてくれる
「(……柔らかい)」
指の背に触れた頬は酷く柔らかい
もっと触れたい、もっとくっつきたい
初めての欲に翻弄され喉が酷く渇く
音が鳴りそうなほど喉を上下に揺らし潤そうとするが渇くばかり、指の背で撫でるだけでは満足できず今度は手のひらで彼女の頬を包んでみた
『ん』
大きな手に包まれた小さな彼女の顔
小麦色の自分の手とは違う白い肌が余計に映えて見え、ダンデは頬をゆっくりと撫でた
頬を撫でる手を少し広げればダンデの親指がピンク色の彼女の下唇を掠め柔らかさに驚き慌てて手を離した
「……………っ!」
『ダンデさん?どうしました?』
「いや…すまない、帰りは送るから君は少し眠るといい」
直ぐ様彼女の上から身を退かし、また背を向けて座り直した彼を見つめチハルは不思議に思うが言われた通り目を閉じた
『何か…お話してくれませんか?そしたら直ぐ眠れそうなんで』
「話?…そうだな」
ダンデが何を話そうかと考え始めていると後ろにいた彼女が衣擦れを鳴らしながら体を横向きにさせ、彼の腰に自分の額をぶつけた
『ダンデさんの小さい頃の話を聞きたいです!』
ふにゃりと甘えながら笑う彼女は酔って自分の行動をよく分かっていないのだろう
不意に触れてきたチハルに内心驚きつつもダンデは前を向き直し記憶を辿り始める
「そんなに面白い話じゃないぜ?そうだな…俺はこの通りポケモンばかり夢中になる男だったんだが…」
そこからダンデはポツポツと頭に浮かんだ昔話を語りだした
初めてポケモンを手に入れた時の興奮
ヒトカゲと一つになり協力して戦う楽しさ
初めてバトルで負けた時の悔しさ
旅に出る時の不安と未知の世界への期待
最近ではチャンピオンとして皆からの期待に応えようと気を張っており純粋なバトルの楽しみ方を忘れかけていた
背中に背負う一番の数字と無数のスポンサーマークがついた重いマント
「(いつからだろうか…キバナ以外のバトルで何も感じなくなったのは)」
人の目を気にし本来の自分を忘れていた
昔はもっと楽しかった、汗と傷だらけになりながら相棒と駆け回ったあの日々を忘れていたなんて自分でも信じられないくらいだ
記憶を辿りながら呼吸をゆっくりとし、全身から力が抜けリラックスしていく
昔を鮮明に思い出しもっと思い出そうと瞳を閉じた彼は静かに口角をあげていた
「(あぁ…そうだ……俺はバトルが好きだ、観客に強いチャンピオンの姿を見せて喜ばせる為だけじゃなくもっと純粋にバトルを楽しんでいたな)」
ゆっくりと瞳を開け自分の両手を見下ろせば生地が擦り切れたグローブが目に入る
何度この手でボールを投げただろうか
何度挑戦者を倒しては満たされない気持ちに眉を寄せただろうか
「俺は…俺を満たしてくれる強者に会いたい、昔のように心から楽しめるバトルがしたいんだ」
声に出して分かった自分の望み
かすかな微笑みを浮かべた彼に半分程眠気に襲われているチハルは彼の背中を片手で撫で
『じゃあ…あたしが…強くなります…きっと貴方の元に行くから…待ってて…』
静かに呟いた彼女の言葉はダンデの心にストンと落ちた
ずっと欲しかった言葉だった
重荷が消えたように体が軽くなり胸に温かいものが込み上げ、口を固く結んでも顎が小刻みに震えてしまう
「チハルっ」
勢いよく後ろへと上半身を振り向かせるが、彼女は既に眠りに入っていたようだ
自分の腰に額を擦り付け寝息をたてる姿にダンデは肩から力が抜け落ち、眉を下げつつ優しく微笑み目を輝かせた
「ああっ…待ってるぜ?必ず俺の元に来てくれ」
眠る彼女の頬をダンデは今度は迷うことなく撫でチハルの眉を親指でなぞり、少し乱れた髪の毛を耳にかけてやった
「………さて、また変な気分になる前に離れないと……ん?」
ベッドから立とうとするが何かが自分の服を引っ張り邪魔をする
何だ?と振り向けばチハルの手がダンデの上着を掴んだままだったようだ
無理矢理引き離す気にもなれず立ちかけた腰をまたベッドへと降ろしたダンデは、側に投げ捨てていたマントを掴み静かにチハルの上にかけてやった
誰にも貸さなかったマントを自らかけてやれば彼女が自分の物になったような錯覚を起こしてしまい、意識した途端頬を赤めたダンデは背中を丸めつつ自分の口元を片手で覆い甘いため息を一つした
「はぁ……まったく、君は無防備すぎないか?別の心配事が増えた気分だぜ」
出会ってから急激に膨らむ感情に気がつかず無意識に順調に育てていく
ポケモン以外に心に入り込む彼女の存在に頭を悩ませつつも嫌じゃない自分に戸惑いダンデは甘いため息を繰り返した
結局外が暗くなっても彼女は目を覚ますことはなく、仕方なくダンデもそのままベッドに横たわり仮眠を取ってしまう
その数時間後
二人の姿が消えた事に気がついた母親が彼らを見つける
ダンデの母は息子の新しい一面を見れた事に喜び意地悪く笑いながら何枚か写真を撮ったとか撮らなかったとか……
一階のリビングにあるソファに最初は寝かせようとしたが、寝心地が悪いのではと気を使ったようだ
2階へ移動し自室へと久々に入るが室内は埃臭くもなく最後に来た時となんら変わっていない
母親が毎日掃除をしてくれていた事に感謝しつつダンデはチハルをベッドへと静かに降ろし顔を上から覗き込んだ
「大丈夫か?」
『ん…平気…ごめんなさい』
弱々しく答える声にダンデは眉を寄せベッドへと腰掛けた
背中を向けて座る彼はマントをベッドの上に投げ、帽子を外すと少し潰れた髪を直すように前髪ごと後ろへと撫でつけ一息つく
「君が謝る事じゃない、俺のミスだ」
そうは言うがコチラを見てくれない
不安に思うチハルは申し訳ない気持ちのままかける言葉を探した
『(どうしよ…迷惑かけちゃった)』
ここで謝ってもきっとまた同じ台詞が帰ってくる、他に何か話せる事はないのか?
まだフワフワした意識の中チハルは部屋の中を見回し壁にかかる沢山の帽子に目が止まった
『帽子…凄い数ですね』
「ん?ああ、子供の頃からの癖でな…気に入った物を買っていたらついこんな数になってしまった」
静かに笑うダンデはふと自分のベッドに横たわる彼女へと振り返りギクリと体を揺らした
枕側に髪を広げ頬をほんのりと赤め瞳を蕩けさせたチハルは女性に慣れていないダンデから見れば酷く艶めいて見える
無防備に横たわりじっとコチラを見る彼女に体が誘われダンデは上半身を傾けチハルの上にゆっくりと影を落とした
『……ダンデさん?』
彼の片手がチハルの顔の横に落ち重みによりベッドのスプリングが軋んだ音を小さく鳴らした
彼女の上に上半身を覆いかぶせたダンデの肩からするりと紫の髪が垂れ落ちカーテンのように僅かに揺れる
前髪の隙間から見える金色の瞳を色濃くさせチハルを見下すが、何処か戸惑ってもいた
「(なんだ…これは…俺は何をしようとしているんだ?)」
自分でも分からない
ただこうして側に近寄りたくなった
もう片方の手で彼女の頬にかかる髪を指の背で退かしてやるとチハルは嫌がりもせず身を任せてくれる
「(……柔らかい)」
指の背に触れた頬は酷く柔らかい
もっと触れたい、もっとくっつきたい
初めての欲に翻弄され喉が酷く渇く
音が鳴りそうなほど喉を上下に揺らし潤そうとするが渇くばかり、指の背で撫でるだけでは満足できず今度は手のひらで彼女の頬を包んでみた
『ん』
大きな手に包まれた小さな彼女の顔
小麦色の自分の手とは違う白い肌が余計に映えて見え、ダンデは頬をゆっくりと撫でた
頬を撫でる手を少し広げればダンデの親指がピンク色の彼女の下唇を掠め柔らかさに驚き慌てて手を離した
「……………っ!」
『ダンデさん?どうしました?』
「いや…すまない、帰りは送るから君は少し眠るといい」
直ぐ様彼女の上から身を退かし、また背を向けて座り直した彼を見つめチハルは不思議に思うが言われた通り目を閉じた
『何か…お話してくれませんか?そしたら直ぐ眠れそうなんで』
「話?…そうだな」
ダンデが何を話そうかと考え始めていると後ろにいた彼女が衣擦れを鳴らしながら体を横向きにさせ、彼の腰に自分の額をぶつけた
『ダンデさんの小さい頃の話を聞きたいです!』
ふにゃりと甘えながら笑う彼女は酔って自分の行動をよく分かっていないのだろう
不意に触れてきたチハルに内心驚きつつもダンデは前を向き直し記憶を辿り始める
「そんなに面白い話じゃないぜ?そうだな…俺はこの通りポケモンばかり夢中になる男だったんだが…」
そこからダンデはポツポツと頭に浮かんだ昔話を語りだした
初めてポケモンを手に入れた時の興奮
ヒトカゲと一つになり協力して戦う楽しさ
初めてバトルで負けた時の悔しさ
旅に出る時の不安と未知の世界への期待
最近ではチャンピオンとして皆からの期待に応えようと気を張っており純粋なバトルの楽しみ方を忘れかけていた
背中に背負う一番の数字と無数のスポンサーマークがついた重いマント
「(いつからだろうか…キバナ以外のバトルで何も感じなくなったのは)」
人の目を気にし本来の自分を忘れていた
昔はもっと楽しかった、汗と傷だらけになりながら相棒と駆け回ったあの日々を忘れていたなんて自分でも信じられないくらいだ
記憶を辿りながら呼吸をゆっくりとし、全身から力が抜けリラックスしていく
昔を鮮明に思い出しもっと思い出そうと瞳を閉じた彼は静かに口角をあげていた
「(あぁ…そうだ……俺はバトルが好きだ、観客に強いチャンピオンの姿を見せて喜ばせる為だけじゃなくもっと純粋にバトルを楽しんでいたな)」
ゆっくりと瞳を開け自分の両手を見下ろせば生地が擦り切れたグローブが目に入る
何度この手でボールを投げただろうか
何度挑戦者を倒しては満たされない気持ちに眉を寄せただろうか
「俺は…俺を満たしてくれる強者に会いたい、昔のように心から楽しめるバトルがしたいんだ」
声に出して分かった自分の望み
かすかな微笑みを浮かべた彼に半分程眠気に襲われているチハルは彼の背中を片手で撫で
『じゃあ…あたしが…強くなります…きっと貴方の元に行くから…待ってて…』
静かに呟いた彼女の言葉はダンデの心にストンと落ちた
ずっと欲しかった言葉だった
重荷が消えたように体が軽くなり胸に温かいものが込み上げ、口を固く結んでも顎が小刻みに震えてしまう
「チハルっ」
勢いよく後ろへと上半身を振り向かせるが、彼女は既に眠りに入っていたようだ
自分の腰に額を擦り付け寝息をたてる姿にダンデは肩から力が抜け落ち、眉を下げつつ優しく微笑み目を輝かせた
「ああっ…待ってるぜ?必ず俺の元に来てくれ」
眠る彼女の頬をダンデは今度は迷うことなく撫でチハルの眉を親指でなぞり、少し乱れた髪の毛を耳にかけてやった
「………さて、また変な気分になる前に離れないと……ん?」
ベッドから立とうとするが何かが自分の服を引っ張り邪魔をする
何だ?と振り向けばチハルの手がダンデの上着を掴んだままだったようだ
無理矢理引き離す気にもなれず立ちかけた腰をまたベッドへと降ろしたダンデは、側に投げ捨てていたマントを掴み静かにチハルの上にかけてやった
誰にも貸さなかったマントを自らかけてやれば彼女が自分の物になったような錯覚を起こしてしまい、意識した途端頬を赤めたダンデは背中を丸めつつ自分の口元を片手で覆い甘いため息を一つした
「はぁ……まったく、君は無防備すぎないか?別の心配事が増えた気分だぜ」
出会ってから急激に膨らむ感情に気がつかず無意識に順調に育てていく
ポケモン以外に心に入り込む彼女の存在に頭を悩ませつつも嫌じゃない自分に戸惑いダンデは甘いため息を繰り返した
結局外が暗くなっても彼女は目を覚ますことはなく、仕方なくダンデもそのままベッドに横たわり仮眠を取ってしまう
その数時間後
二人の姿が消えた事に気がついた母親が彼らを見つける
ダンデの母は息子の新しい一面を見れた事に喜び意地悪く笑いながら何枚か写真を撮ったとか撮らなかったとか……