第二章
夢小説設定
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「ダンデさんいい加減降りてください!お時間です!」
広い室内に響くリズムのいい音楽にガチャガチャと鳴る金属音
その中でも無心にランニングマシン上を一定のリズムで走る足音をさせていた男は声をかけられハッと、我に帰った
「はぁ…、もうそんな時間か」
機械を操作し停止すると顔に汗を沢山滲ませた彼、ダンデは自分の着ているTシャツの裾を掴みタオル代わりに拭き始める
トレーニング用の短パンと黒いTシャツ姿の彼は運動でスッキリしたのか軽く深呼吸をし満足そうだ
捲くりあげられた服から見える割れた腹筋
その小麦色の割れた腹にも汗が流れへその窪みを通りもっと下へと流れ消えていく
汗のわりに呼吸はそこまで乱れておらずダンデは顔の汗を軽く拭き取るとそのままシャツを脱ぎ上半身裸になった
服を脱ぐ時に乱れた紫の髪を軽く片手で払いのけ直す姿はトレーニングジム内にいる同じ男達から見ても様になって見え目を奪うものがある
「タオルを」
「あぁ、サンキューだぜ」
彼の秘書である男性にタオルを貰いダンデは頭からタオルを被るとシャワー室がある方向へと歩きだし、彼の後ろを秘書も数歩離れてついてきた
「少しお急ぎください、待ち合わせの時間に遅れてしまいます」
「なぁ、本当に断れないのか?会食ならローズさんだけでいいだろ?」
「いけません、今回はダンデさんに是非参加して欲しいと念を押されてますし大事なスポンサー様ですから」
困る秘書の顔を盗み見しつつ前を抜き直した彼は面倒くさそうにため息を吐き、苛立ちを現すかのようにタオルで強く顔を拭いた
「はぁっ…マナーばかり気にするような食事の席はどうにも苦手なんだ、スポンサーとの関係を保つ為とは言えな」
「そう言わずに」
まだ文句を言いたそうにした彼をシャワー室前で見送り秘書は一足先にトレーニングジムの入口へと向いタクシー手配する
一方でシャワーを手早く終えたダンデは着替えをしつつスマホをチェックし始めた
「ロトム、チハルから何か連絡はあるか?」
【ダンデはすぐにチハルロトね〜】
ケラケラ笑い彼の周りを飛ぶロトムの言葉にぐっと息を飲み、眉を寄せて睨むがロトムは怯えもせず画面を表示してみせた
「………ハハっ、どうやら順調なようだな」
画面に表示されたのは彼女からのメール
初めてのジムを終えたとこらしくメッソンは勝てた事に嬉し泣きをし、チハルまで嬉し泣きをしてしまいヤローを困らせたらしい
一緒に送られた写真には涙目で笑うメッソンとバッチ片手に笑うチハルが写っており旅は楽しそうだ
「俺も君と旅をしてみたいな」
同じ目線で隣を歩く彼女を想像してはダンデは瞳を優しく細め微笑んだ
初めての冒険、初めてのポケモンとの出会い
勝って負けてを繰り返し強くなる気持ちよさ
きっと彼女なら方向音痴な自分にも困ったように笑い手を繋いでくれるだろう
あの小さな手で
「…………次はバウタウンか、メッソンじゃキツイバトルだが対策はできてるか…と」
返事を送り終え着替えをすませた彼はいつものチャンピオンとしての顔に戻る
まだ少し濡れた髪をそのままにマントを片腕にかけて、ジムの入口に現れた彼にファンは黄色い声をかけたがダンデは軽く流し背を向けた
チャンピオンと呼ぶ彼らは似たような顔にしか見えず興味がわかない
一番を背負う彼は頂点を守りたいと思いながらもこの位置を誰かに奪って欲しいとも感じていた
「(チャンピオンダンデ…無敗の王、そんな呼び名より俺はライバルが欲しい!キバナのように…いやそれ以上に心を躍らせる相手が)」
脳裏に浮かぶのは小さな少女
数日前にパフェを食べ過ぎて背中を擦ってくれたり、手を握って微笑んでくれた事を思い出してはダンデは気恥ずかしくなり口元に手の甲を当て視線を泳がせた
「(カッコ悪いところを見せてしまった…他の俺も見て欲しい、どうしたら彼女にもっと俺を意識して貰えるだろう…か…ん?)」
ふと、自分の思考に驚き足が止まる
「ダンデさん?」
タクシー乗り場手前で突然とまった彼に秘書は小首を傾げるが、ダンデの目は足元に視線を落としてはいるがその目は何も見ておらず
何処か遠くへと意識を飛ばしていた
「(俺は…彼女に意識してもらいたいのか?…何故だ?これじゃあまるで俺は…)」
「(君にっ……恋してるみたいじゃないかっ)」
自覚してしまえばダンデの胸が暴れ出し顔が熱くなる、さっきまで彼女をどんな風に感じていただろうか?
それさえ忘れる程溢れるばかりの愛しさが胸に広がり息苦しい
今すぐ会いたい
触れたい、強く抱きしめたい
そんな欲が湧き水のように胸に溢れ体中に広がっていく
初めての恋だった
恋愛なんて興味がなかった彼にとって初めての感情は制御できず、居ても立っても居られず秘書へと素早く振り返った
「ダンデさん?」
「すまん!腹が痛いから休むとローズさん達には言っといてくれ」
「へ?あ、あのっうわっ!」
止めようとする秘書の顔に覆いかぶさる真紅のマント、慌てて視界を邪魔するマントを退かすが既にダンデはリザードンに跨り空へと飛び上がっていた
残されたマントを握りしめ秘書はローズになんと言えばいいのかと頭を悩ませる
「ぅ…胃薬買ってからにしよう」
ダンデの無茶ぶりはこれが初めてではない
突然姿を消し迷子になったり
色違いポケモンを見つけたからと言って会議に遅れたりと散々だ
だがどんな我が儘もこの秘書は辞めずに彼のサポートに励み長年共に過ごしてきた
そのせいだろう、文句を言いつつも空を見る彼の口元は優しく笑っていた
秘書がローズに…いや正確にはローズの秘書に説教を食らう覚悟を決めていた頃ダンデは彼女の元へと向かっていた
「メールが来てからそんなに時間は経っていない、街を出て間もないなら…」
足の速度や初めて旅をするものが使う道を考えチハルの行動を予測した彼はリザードンに目的地を指示し急いだ
早く会いたい
無我夢中だった
「……いた!リザードン!あそこだ!」
バウタウンへの道から少し外れた草原にチハルの姿を見つけた、彼女はどうやら野宿をするつもりらしくテントを張ろうとしていた
上空から見える小さな水色の塊はきっとメッソンだろう、テントを張ろうとする彼女の背中に飛び乗っては邪魔をし戯れ合っている
仲良さげな雰囲気に微笑みつつ地上へ降りようとしたが…どうやら彼女は一人ではないようだ
「………誰だ?」
突然彼女の元へと近寄る人影
紫の長いコートを来た男は何やらチハルに話しかけると彼女がやろうとしていたテントを代りに準備しだす
手際がよく直ぐにテントを作ってみせ、嬉しそうに手を叩く彼女に満更でもなさげに髪をかき上げる男
自分より遥かに年下の男相手にダンデは黒いモヤモヤした嫌な気持ちを感じ瞬きさえせず男を睨みつける
「誰なんだ……そいつはっ」
早く会いたい
ただそれだけの為に仕事さえ放り出した彼に神様は罰を与えたようだ
与えられた知りたくもない感情
それは嫉妬だ
広い室内に響くリズムのいい音楽にガチャガチャと鳴る金属音
その中でも無心にランニングマシン上を一定のリズムで走る足音をさせていた男は声をかけられハッと、我に帰った
「はぁ…、もうそんな時間か」
機械を操作し停止すると顔に汗を沢山滲ませた彼、ダンデは自分の着ているTシャツの裾を掴みタオル代わりに拭き始める
トレーニング用の短パンと黒いTシャツ姿の彼は運動でスッキリしたのか軽く深呼吸をし満足そうだ
捲くりあげられた服から見える割れた腹筋
その小麦色の割れた腹にも汗が流れへその窪みを通りもっと下へと流れ消えていく
汗のわりに呼吸はそこまで乱れておらずダンデは顔の汗を軽く拭き取るとそのままシャツを脱ぎ上半身裸になった
服を脱ぐ時に乱れた紫の髪を軽く片手で払いのけ直す姿はトレーニングジム内にいる同じ男達から見ても様になって見え目を奪うものがある
「タオルを」
「あぁ、サンキューだぜ」
彼の秘書である男性にタオルを貰いダンデは頭からタオルを被るとシャワー室がある方向へと歩きだし、彼の後ろを秘書も数歩離れてついてきた
「少しお急ぎください、待ち合わせの時間に遅れてしまいます」
「なぁ、本当に断れないのか?会食ならローズさんだけでいいだろ?」
「いけません、今回はダンデさんに是非参加して欲しいと念を押されてますし大事なスポンサー様ですから」
困る秘書の顔を盗み見しつつ前を抜き直した彼は面倒くさそうにため息を吐き、苛立ちを現すかのようにタオルで強く顔を拭いた
「はぁっ…マナーばかり気にするような食事の席はどうにも苦手なんだ、スポンサーとの関係を保つ為とは言えな」
「そう言わずに」
まだ文句を言いたそうにした彼をシャワー室前で見送り秘書は一足先にトレーニングジムの入口へと向いタクシー手配する
一方でシャワーを手早く終えたダンデは着替えをしつつスマホをチェックし始めた
「ロトム、チハルから何か連絡はあるか?」
【ダンデはすぐにチハルロトね〜】
ケラケラ笑い彼の周りを飛ぶロトムの言葉にぐっと息を飲み、眉を寄せて睨むがロトムは怯えもせず画面を表示してみせた
「………ハハっ、どうやら順調なようだな」
画面に表示されたのは彼女からのメール
初めてのジムを終えたとこらしくメッソンは勝てた事に嬉し泣きをし、チハルまで嬉し泣きをしてしまいヤローを困らせたらしい
一緒に送られた写真には涙目で笑うメッソンとバッチ片手に笑うチハルが写っており旅は楽しそうだ
「俺も君と旅をしてみたいな」
同じ目線で隣を歩く彼女を想像してはダンデは瞳を優しく細め微笑んだ
初めての冒険、初めてのポケモンとの出会い
勝って負けてを繰り返し強くなる気持ちよさ
きっと彼女なら方向音痴な自分にも困ったように笑い手を繋いでくれるだろう
あの小さな手で
「…………次はバウタウンか、メッソンじゃキツイバトルだが対策はできてるか…と」
返事を送り終え着替えをすませた彼はいつものチャンピオンとしての顔に戻る
まだ少し濡れた髪をそのままにマントを片腕にかけて、ジムの入口に現れた彼にファンは黄色い声をかけたがダンデは軽く流し背を向けた
チャンピオンと呼ぶ彼らは似たような顔にしか見えず興味がわかない
一番を背負う彼は頂点を守りたいと思いながらもこの位置を誰かに奪って欲しいとも感じていた
「(チャンピオンダンデ…無敗の王、そんな呼び名より俺はライバルが欲しい!キバナのように…いやそれ以上に心を躍らせる相手が)」
脳裏に浮かぶのは小さな少女
数日前にパフェを食べ過ぎて背中を擦ってくれたり、手を握って微笑んでくれた事を思い出してはダンデは気恥ずかしくなり口元に手の甲を当て視線を泳がせた
「(カッコ悪いところを見せてしまった…他の俺も見て欲しい、どうしたら彼女にもっと俺を意識して貰えるだろう…か…ん?)」
ふと、自分の思考に驚き足が止まる
「ダンデさん?」
タクシー乗り場手前で突然とまった彼に秘書は小首を傾げるが、ダンデの目は足元に視線を落としてはいるがその目は何も見ておらず
何処か遠くへと意識を飛ばしていた
「(俺は…彼女に意識してもらいたいのか?…何故だ?これじゃあまるで俺は…)」
「(君にっ……恋してるみたいじゃないかっ)」
自覚してしまえばダンデの胸が暴れ出し顔が熱くなる、さっきまで彼女をどんな風に感じていただろうか?
それさえ忘れる程溢れるばかりの愛しさが胸に広がり息苦しい
今すぐ会いたい
触れたい、強く抱きしめたい
そんな欲が湧き水のように胸に溢れ体中に広がっていく
初めての恋だった
恋愛なんて興味がなかった彼にとって初めての感情は制御できず、居ても立っても居られず秘書へと素早く振り返った
「ダンデさん?」
「すまん!腹が痛いから休むとローズさん達には言っといてくれ」
「へ?あ、あのっうわっ!」
止めようとする秘書の顔に覆いかぶさる真紅のマント、慌てて視界を邪魔するマントを退かすが既にダンデはリザードンに跨り空へと飛び上がっていた
残されたマントを握りしめ秘書はローズになんと言えばいいのかと頭を悩ませる
「ぅ…胃薬買ってからにしよう」
ダンデの無茶ぶりはこれが初めてではない
突然姿を消し迷子になったり
色違いポケモンを見つけたからと言って会議に遅れたりと散々だ
だがどんな我が儘もこの秘書は辞めずに彼のサポートに励み長年共に過ごしてきた
そのせいだろう、文句を言いつつも空を見る彼の口元は優しく笑っていた
秘書がローズに…いや正確にはローズの秘書に説教を食らう覚悟を決めていた頃ダンデは彼女の元へと向かっていた
「メールが来てからそんなに時間は経っていない、街を出て間もないなら…」
足の速度や初めて旅をするものが使う道を考えチハルの行動を予測した彼はリザードンに目的地を指示し急いだ
早く会いたい
無我夢中だった
「……いた!リザードン!あそこだ!」
バウタウンへの道から少し外れた草原にチハルの姿を見つけた、彼女はどうやら野宿をするつもりらしくテントを張ろうとしていた
上空から見える小さな水色の塊はきっとメッソンだろう、テントを張ろうとする彼女の背中に飛び乗っては邪魔をし戯れ合っている
仲良さげな雰囲気に微笑みつつ地上へ降りようとしたが…どうやら彼女は一人ではないようだ
「………誰だ?」
突然彼女の元へと近寄る人影
紫の長いコートを来た男は何やらチハルに話しかけると彼女がやろうとしていたテントを代りに準備しだす
手際がよく直ぐにテントを作ってみせ、嬉しそうに手を叩く彼女に満更でもなさげに髪をかき上げる男
自分より遥かに年下の男相手にダンデは黒いモヤモヤした嫌な気持ちを感じ瞬きさえせず男を睨みつける
「誰なんだ……そいつはっ」
早く会いたい
ただそれだけの為に仕事さえ放り出した彼に神様は罰を与えたようだ
与えられた知りたくもない感情
それは嫉妬だ