第一章
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「待ってくれ!」
開会式後、会う約束していたキバナは私服に着替えたチハルと合流できたが余計な人物までついてきてしまった
平均以上の長身のキバナと平均以下しかない小さなチハル、凸凹な組み合わせな彼らを見つけるのは簡単だ
並んで歩いていた二人は後ろから呼び止めてきた彼に振り返り足を自然と止めた
『ダンデさん?どうしました?』
開会式の会場からここまで走ってきたのか肩で息をした彼はキバナに睨まれているのを知りながらも彼女へと近寄り一度唇を強く噛んだ
「っ…キバナとっ…はぁ…何処かに行くのか?」
焦りを少し浮かべたダンデは眉間にシワを作り息を整えながら彼女を見つめた
『え?はい、これからちょっとお茶に…』
キバナとは前もって約束していたが、駄目だったんだろうか?もしや仕事が残っているのか
それともジムチャレンジャーになるとジムリーダーの彼とはあまり親しくなってはいけなかったのか?
自問自答を心のなかで繰り返し不安に眉を八の字に下げるが、ダンデの答えはもっとシンプルなものだった
「俺も行きたい!」
「…………は?」
腕を組み合わせ胸を張って言ったダンデの言葉にキバナは片眉を吊り上げあからさまに嫌そうな顔を浮かべた
「俺も行きたい!」
「いや聞こえてるし!てかこっちは嫌だし!」
キバナの反応に聞こえなかったんだろうかと同じ言葉を口にしたが、結果キバナを怒らせてしまった
「何故だ?」
「いやいやいや、空気読め!オレらは二人っきりでゆっくりお茶したいんだよ!それなのにオマエが来たら話せるものも話せないだろっ」
随分昔だがキバナととある女性が二人で飲んでいた時、突然現れたダンデが参加し甘い雰囲気がただの飲み会になってしまった事がある
一夜限りの相手に選んだ女性だったがダンデのせいで抱く雰囲気も消え未遂で終わってしまった
良くも悪くもダンデは明るすぎで甘い雰囲気を壊す
キバナは警戒しチハルの前に立つが、彼の後ろからひょっこりと顔を出した彼女は悪気もなく
『ダンデさんも一緒にいきますか?』
「は?駄目っ!チハルちゃんっ!コイツマジで煩いから駄目だってば!」
『でもお茶は多いほうが楽しそうですよ?』
慌てて彼女を説得するがキバナの前にいたダンデは嬉しそうに顔を明るくさせる
「よし!決定だな!三人でお茶しよう!」
「だからっオマエは駄目だって!!」
散々拒否するも結局三人でお茶をする事になり目的のカフェへと向った、店内はお洒落れな装飾や豊富なメニューにより女性客も多い
エンジンシティの住民の他にジムチャレンジャー達の姿もチラホラ見えキバナは店内ではなく外のテラス席を提案した
「俺は中でもいいぞ?」
「馬鹿、周りをよく見ろよ…下手にルーキー達を刺激したくねぇし確か外に目立たない席があった筈だ」
ウェイトレスを捕まえキバナが話をつけると背の高い植木が壁を作ってくれる丸いテラス席に案内された
通行人からもあまり見えない端の席ではあるが程よく空が見え狭さは感じない
だがガタイの大きな彼らが二人並ぶとテーブルが余計小さく見えこちらは狭そうだ
「この店は初めてきたぜ!何がオススメだ?」
「今すぐ帰るのがオススメかなー」
嬉しそうにメニューを開くダンデとは対照的にキバナはスンッと目を曇らせ自分のメニューを見下ろしている
キバナの気持ちはともかく、戯れ合う二人は楽しげに見えチハルは小さく笑った
『お二人は昔から友達だったんですか?』
「友達〜?いやこんな風に話せるようになったのはわりと最近だな」
『そうなんですか?』
「そう言えばそうだな、子供の時はライバルとして気を張っててお互い必要以上の事は話さなかったし…ここ二、三年でやっと気楽に話せる感じになったな」
長年のライバル関係な二人
一度歩み寄れば誰よりも話しやすく今ではライバルであり親友だ
話せなかった時間も気にならないくらい相性がいい彼らにチハルは目を細め寂しげに眉を下げた
『ちょっと憧れちゃいますね、昔からの友達ってなんでも話せて安心できそう』
「君にもいるだろ?そんな友人が」
ダンデの何気ない言葉だったが、チハルは一瞬表情を暗くさせ開いたメニューで壁を作るように顔を隠した
『お恥ずかしい話ですが…あたしにはそんな友達一人もいなくて、だからダンデさん達が羨ましいです』
弱く言った言葉にキバナは食いつき彼女の顔を隠すメニューに手をかけた
「チハルちゃんは故郷でどんな風に暮らしていたの?」
何かが引っかかる
それを確認するために元々お茶に誘ったのだ
キバナはダンデの邪魔が入り忘れかけた目的を口にし彼女をじっと見つめた
ワイルドエリアでは流されたが今回は譲らない
話してくれるまで逃さないと言った瞳にチハルは観念しメニューをテーブルへと倒すとポツポツと話し始めた
『えっと…何から話せば、あたしの故郷はカントー地方なんですが』
ガラルから遠く離れたカントー地方
自分の店を持つ両親は共働きで家族の時間は少ないが、それでも愛情たっぷりに育ててくれた
『でも…うちの店は先代からの借金もあってとても直ぐに払える金額じゃなかったんです』
物心つく頃から朝から晩まで働く両親を見てきた、世間が祝日や休日でも関係なく働き学校にも行かせてくれる
そんな親の為にチハルが店を手伝うようになったのはとても自然な事だったらしい
『学校はただ勉強するだけ…終わったらすぐ家に帰って店の手伝いと家事をして気がついたら同年代の友達とも接点がなくなってどうやって付き合えばいいか分からなくなりました』
働いて働いて…
ただ借金の事、生き抜く事ばかり考えて過ごしていたある日店の借金を肩代わりしてくれると言う人が現れた
「代りに払う?」
『……はい、なんでも父の古い知り合いらしくてそのおかげで少し余裕ができて…あたしにもこうして自由な時間ができました』
「そうか…大変だっただろうが、これからは自分の為に生きていけるならよかったじゃないか!」
ダンデは自分の事のように喜ぶがキバナは違った、椅子に背を預け腕を組み合わせた彼はこちらを一度も見ないチハルをじっと見つめ続ける
「……随分いい奴だな?両親が休みなく働く程の借金だろ?無条件なんてありえねぇ…何か交換条件とか出して来なかったかわけ?」
冷静なキバナの意見にチハルは少し黙り込むが一呼吸をおいてから口を開いた
『あたしが成人したら手伝って欲しい事があるとの事でしたが…それくらいなら安いもんです!両親はあたしの学費も払ってくれたんだもん…これくらい……どうってことない』
弱々しく笑う姿にキバナは瞳を鋭くさせ眉間にシワを作るが、彼女は気が付かないふりを決め込みメニューへと視線を向け直した
『ちょっとお腹すいちゃいました、あ!見てください!ここダイマックスパフェがありますよ!是非チャレンジしましょう!』
「おおっ!やるか!俺も食べて見たい!」
呑気にもパフェの話で盛り上がる二人
ダンデと彼女は少し似ているのかもしれない
肝心な事は他人に頼らず抱え込む癖が
「(……甘え方を知らねぇ…て、やつか)」
今までの女性はキバナになんでも甘えてきた
物欲から日常のあれこれ
頼ってくれるのが当たり前になっていた彼からしたら素直に助けを求めない彼女はもどかしい
まだ彼女は自分に言えない事がある
それこそワイルドエリアで怯えていた理由に違いないが、今はこれ以上聞いても答えないだろう
「……ふぅ…まぁ、ゆっくりと躾けるか」
「何か言ったか?」
「別に、それより……パフェ本当に頼むのかよ!どうせならこっちのキョダイマックスパフェにしようぜ!」
二人のノリにわざとノッてやりパフェを注文し程なくしてテーブルにはウェイトレスが三人がかりで運ぶ程重い大きなパフェが来た
特大グラスに入った数人分用のパフェはトッピングというトッピングを全部乗せたような見た目であり、三人をあ然とさせた
『お…おおっ…すごいっ!これがキョダイマックスのパワーですかっ』
「これは腕がなるなっ!なんとしても勝ってみせるぜ!」
『はい!』
「いやいや…無理して食わなくていいから」
結局チハルは一人分の量しか食べれず、ダンデは後先考えず食べたのか数分後パフェを半分程無くした頃には吐き気に顔を青くさせ口元を片手で抑えていた
そんなダンデに爆笑しながらキバナはロトムで撮影し僅かな時間ではあったが三人は楽しい時間を過ごした
『大丈夫ですか?お水飲んでっ』
「ぅ…す…すまんっ、ぷ…」
「ねぇ、チハルちゃん」
『はい?』
キバナはダンデの背中を擦る彼女に声をかけると背中を丸め顔を近づけて微笑み
「オレらもう友達だから、何かあれば遠慮なく頼れよ?」
友達
突然言われた言葉に驚き目を見開くと背中をさすって貰っていたダンデも背筋を戻し
「ああっ!それにホップやユウリくんだって君の友達だ!出逢って日は浅いかもしれないが友に時間なんて関係ないさ!」
「いいからオマエはトイレで吐いてこい」
まだ若干顔を青くさせたダンデの頭にチョップを決めキバナは呆れた声を出した
『そっか…そうですね…ホップやユウリも…あたしの友達だ…うん』
言い聞かせように頷くとチハルはダンデとキバナの手を強く握り
『ありがとうっ…ガラルに来て初めて会ったのがお二人で、こうしてジムチャレンジや友達が出来たのもダンデさんとキバナさんのおかげです!』
感謝の気持ちを込めて笑った彼女の顔は周りに花や光でも溢れる程なく眩しく感じ
ダンデとキバナは不覚にも胸を大きく高鳴らせ、握られた手に神経を集中させドキドキと煩い胸に戸惑った
「(な…なんだこれは…胸が苦しいっ、これもパフェの食い過ぎか?)」
「(と…友達…いや…これ…友達であってるのか?オレさまマズったかも)」
開会式後、会う約束していたキバナは私服に着替えたチハルと合流できたが余計な人物までついてきてしまった
平均以上の長身のキバナと平均以下しかない小さなチハル、凸凹な組み合わせな彼らを見つけるのは簡単だ
並んで歩いていた二人は後ろから呼び止めてきた彼に振り返り足を自然と止めた
『ダンデさん?どうしました?』
開会式の会場からここまで走ってきたのか肩で息をした彼はキバナに睨まれているのを知りながらも彼女へと近寄り一度唇を強く噛んだ
「っ…キバナとっ…はぁ…何処かに行くのか?」
焦りを少し浮かべたダンデは眉間にシワを作り息を整えながら彼女を見つめた
『え?はい、これからちょっとお茶に…』
キバナとは前もって約束していたが、駄目だったんだろうか?もしや仕事が残っているのか
それともジムチャレンジャーになるとジムリーダーの彼とはあまり親しくなってはいけなかったのか?
自問自答を心のなかで繰り返し不安に眉を八の字に下げるが、ダンデの答えはもっとシンプルなものだった
「俺も行きたい!」
「…………は?」
腕を組み合わせ胸を張って言ったダンデの言葉にキバナは片眉を吊り上げあからさまに嫌そうな顔を浮かべた
「俺も行きたい!」
「いや聞こえてるし!てかこっちは嫌だし!」
キバナの反応に聞こえなかったんだろうかと同じ言葉を口にしたが、結果キバナを怒らせてしまった
「何故だ?」
「いやいやいや、空気読め!オレらは二人っきりでゆっくりお茶したいんだよ!それなのにオマエが来たら話せるものも話せないだろっ」
随分昔だがキバナととある女性が二人で飲んでいた時、突然現れたダンデが参加し甘い雰囲気がただの飲み会になってしまった事がある
一夜限りの相手に選んだ女性だったがダンデのせいで抱く雰囲気も消え未遂で終わってしまった
良くも悪くもダンデは明るすぎで甘い雰囲気を壊す
キバナは警戒しチハルの前に立つが、彼の後ろからひょっこりと顔を出した彼女は悪気もなく
『ダンデさんも一緒にいきますか?』
「は?駄目っ!チハルちゃんっ!コイツマジで煩いから駄目だってば!」
『でもお茶は多いほうが楽しそうですよ?』
慌てて彼女を説得するがキバナの前にいたダンデは嬉しそうに顔を明るくさせる
「よし!決定だな!三人でお茶しよう!」
「だからっオマエは駄目だって!!」
散々拒否するも結局三人でお茶をする事になり目的のカフェへと向った、店内はお洒落れな装飾や豊富なメニューにより女性客も多い
エンジンシティの住民の他にジムチャレンジャー達の姿もチラホラ見えキバナは店内ではなく外のテラス席を提案した
「俺は中でもいいぞ?」
「馬鹿、周りをよく見ろよ…下手にルーキー達を刺激したくねぇし確か外に目立たない席があった筈だ」
ウェイトレスを捕まえキバナが話をつけると背の高い植木が壁を作ってくれる丸いテラス席に案内された
通行人からもあまり見えない端の席ではあるが程よく空が見え狭さは感じない
だがガタイの大きな彼らが二人並ぶとテーブルが余計小さく見えこちらは狭そうだ
「この店は初めてきたぜ!何がオススメだ?」
「今すぐ帰るのがオススメかなー」
嬉しそうにメニューを開くダンデとは対照的にキバナはスンッと目を曇らせ自分のメニューを見下ろしている
キバナの気持ちはともかく、戯れ合う二人は楽しげに見えチハルは小さく笑った
『お二人は昔から友達だったんですか?』
「友達〜?いやこんな風に話せるようになったのはわりと最近だな」
『そうなんですか?』
「そう言えばそうだな、子供の時はライバルとして気を張っててお互い必要以上の事は話さなかったし…ここ二、三年でやっと気楽に話せる感じになったな」
長年のライバル関係な二人
一度歩み寄れば誰よりも話しやすく今ではライバルであり親友だ
話せなかった時間も気にならないくらい相性がいい彼らにチハルは目を細め寂しげに眉を下げた
『ちょっと憧れちゃいますね、昔からの友達ってなんでも話せて安心できそう』
「君にもいるだろ?そんな友人が」
ダンデの何気ない言葉だったが、チハルは一瞬表情を暗くさせ開いたメニューで壁を作るように顔を隠した
『お恥ずかしい話ですが…あたしにはそんな友達一人もいなくて、だからダンデさん達が羨ましいです』
弱く言った言葉にキバナは食いつき彼女の顔を隠すメニューに手をかけた
「チハルちゃんは故郷でどんな風に暮らしていたの?」
何かが引っかかる
それを確認するために元々お茶に誘ったのだ
キバナはダンデの邪魔が入り忘れかけた目的を口にし彼女をじっと見つめた
ワイルドエリアでは流されたが今回は譲らない
話してくれるまで逃さないと言った瞳にチハルは観念しメニューをテーブルへと倒すとポツポツと話し始めた
『えっと…何から話せば、あたしの故郷はカントー地方なんですが』
ガラルから遠く離れたカントー地方
自分の店を持つ両親は共働きで家族の時間は少ないが、それでも愛情たっぷりに育ててくれた
『でも…うちの店は先代からの借金もあってとても直ぐに払える金額じゃなかったんです』
物心つく頃から朝から晩まで働く両親を見てきた、世間が祝日や休日でも関係なく働き学校にも行かせてくれる
そんな親の為にチハルが店を手伝うようになったのはとても自然な事だったらしい
『学校はただ勉強するだけ…終わったらすぐ家に帰って店の手伝いと家事をして気がついたら同年代の友達とも接点がなくなってどうやって付き合えばいいか分からなくなりました』
働いて働いて…
ただ借金の事、生き抜く事ばかり考えて過ごしていたある日店の借金を肩代わりしてくれると言う人が現れた
「代りに払う?」
『……はい、なんでも父の古い知り合いらしくてそのおかげで少し余裕ができて…あたしにもこうして自由な時間ができました』
「そうか…大変だっただろうが、これからは自分の為に生きていけるならよかったじゃないか!」
ダンデは自分の事のように喜ぶがキバナは違った、椅子に背を預け腕を組み合わせた彼はこちらを一度も見ないチハルをじっと見つめ続ける
「……随分いい奴だな?両親が休みなく働く程の借金だろ?無条件なんてありえねぇ…何か交換条件とか出して来なかったかわけ?」
冷静なキバナの意見にチハルは少し黙り込むが一呼吸をおいてから口を開いた
『あたしが成人したら手伝って欲しい事があるとの事でしたが…それくらいなら安いもんです!両親はあたしの学費も払ってくれたんだもん…これくらい……どうってことない』
弱々しく笑う姿にキバナは瞳を鋭くさせ眉間にシワを作るが、彼女は気が付かないふりを決め込みメニューへと視線を向け直した
『ちょっとお腹すいちゃいました、あ!見てください!ここダイマックスパフェがありますよ!是非チャレンジしましょう!』
「おおっ!やるか!俺も食べて見たい!」
呑気にもパフェの話で盛り上がる二人
ダンデと彼女は少し似ているのかもしれない
肝心な事は他人に頼らず抱え込む癖が
「(……甘え方を知らねぇ…て、やつか)」
今までの女性はキバナになんでも甘えてきた
物欲から日常のあれこれ
頼ってくれるのが当たり前になっていた彼からしたら素直に助けを求めない彼女はもどかしい
まだ彼女は自分に言えない事がある
それこそワイルドエリアで怯えていた理由に違いないが、今はこれ以上聞いても答えないだろう
「……ふぅ…まぁ、ゆっくりと躾けるか」
「何か言ったか?」
「別に、それより……パフェ本当に頼むのかよ!どうせならこっちのキョダイマックスパフェにしようぜ!」
二人のノリにわざとノッてやりパフェを注文し程なくしてテーブルにはウェイトレスが三人がかりで運ぶ程重い大きなパフェが来た
特大グラスに入った数人分用のパフェはトッピングというトッピングを全部乗せたような見た目であり、三人をあ然とさせた
『お…おおっ…すごいっ!これがキョダイマックスのパワーですかっ』
「これは腕がなるなっ!なんとしても勝ってみせるぜ!」
『はい!』
「いやいや…無理して食わなくていいから」
結局チハルは一人分の量しか食べれず、ダンデは後先考えず食べたのか数分後パフェを半分程無くした頃には吐き気に顔を青くさせ口元を片手で抑えていた
そんなダンデに爆笑しながらキバナはロトムで撮影し僅かな時間ではあったが三人は楽しい時間を過ごした
『大丈夫ですか?お水飲んでっ』
「ぅ…す…すまんっ、ぷ…」
「ねぇ、チハルちゃん」
『はい?』
キバナはダンデの背中を擦る彼女に声をかけると背中を丸め顔を近づけて微笑み
「オレらもう友達だから、何かあれば遠慮なく頼れよ?」
友達
突然言われた言葉に驚き目を見開くと背中をさすって貰っていたダンデも背筋を戻し
「ああっ!それにホップやユウリくんだって君の友達だ!出逢って日は浅いかもしれないが友に時間なんて関係ないさ!」
「いいからオマエはトイレで吐いてこい」
まだ若干顔を青くさせたダンデの頭にチョップを決めキバナは呆れた声を出した
『そっか…そうですね…ホップやユウリも…あたしの友達だ…うん』
言い聞かせように頷くとチハルはダンデとキバナの手を強く握り
『ありがとうっ…ガラルに来て初めて会ったのがお二人で、こうしてジムチャレンジや友達が出来たのもダンデさんとキバナさんのおかげです!』
感謝の気持ちを込めて笑った彼女の顔は周りに花や光でも溢れる程なく眩しく感じ
ダンデとキバナは不覚にも胸を大きく高鳴らせ、握られた手に神経を集中させドキドキと煩い胸に戸惑った
「(な…なんだこれは…胸が苦しいっ、これもパフェの食い過ぎか?)」
「(と…友達…いや…これ…友達であってるのか?オレさまマズったかも)」