観音坂独歩
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
『…はぁ』
今日も天気が悪い。
今にも雨が降りだしそうな空に、淀んだ空気。
『………はぁ』
本日何回目になるかわからないため息を吐き出した。
今日も営業先で失敗した。
私の上がり症のせいで、先輩たちに迷惑かけて。
…全く、嫌になる。
『…はぁ』
「まーた落ち込んでるの?」
先輩が茶化すように言う。
困ったような顔をしてるから、きっと励まそうとしてくれているのだろう。
『…すみません。ちょっと外の空気吸ってきます』
そう言って私は屋上へと向かった。
ー独歩視点
「…はぁ」
今日もハゲ課長にこってり絞られてしまった…
取引先の相手の機嫌が悪い、君が営業に行ったからだと。
俺が悪いのか?
…俺が悪いんだ。
全部、俺のせい俺のせい俺のせい…
そんなことを思いながら、気分転換に屋上へと向かった。
ーーーーーー
『…はぁ』
柵に体をもたれ掛からせ、屋上から身を乗り出して辺りを見渡す
…こんなにこの辺りって広いんだなぁ…
と、気分転換に考えていたときだった
「はっ…!?」
という声と、ボトッとなにかを落とす音が聞こえた
ん?と思って振り返ると、同じ課の観音坂さんが目を見開いて、わたしを見ていた
「…そ、そんなに思い詰めていたのか…」
ぶつぶつと呟いている
「あ、あの!」
『?はい、なんでしょう?』
「し、仕事が辛いなら、お、俺が手伝います!」
『…え?』
「何か悩みがあるんだったら、俺が話を聞きます!…いや、こんな三十路のおっさんに話なんて聞かれたくないかもしれないけど…でも!死ぬのなんてよくないです!そ、そうだ!俺の知ってるいい先生紹介しますから!ね?」
『…え?』
…ちょっと待て。
観音坂さん盛大に勘違いしていないか?
とは思ったが、観音坂さんは必死に説得をしようとしてくる。
…彼は、優しい人なんだろうな。
なんだか、彼の必死な姿を見たら、緊張がほぐれた気がした。
『…観音坂さん、ありがとうございます』
「!!…じゃあ…!」
『でも、あの…私、死のうとしてないので…』
「…え…!?じゃ、じゃあ、俺の早とちりですか…!」
そういうが早いか、観音坂さんはしゃがみこみ何かぶつぶつと言っている。
「これだから俺は駄目なんだ。俺が悪い俺が悪い俺が悪い俺が悪い…」
『でも!』
「…え…?」
観音坂さんが顔をあげる
『観音坂さんの気持ち、嬉しかったです』
「…そ、そうですか…?」
『はい。…ありがとうございます』
「い、いえ…」
その日から、私と観音坂さんは、たまに屋上で会っておしゃべりするようになった。
二人が惹かれ会うのは、そう遅くない話。
勘違いから始まる
(そんな話だってある)
今日も天気が悪い。
今にも雨が降りだしそうな空に、淀んだ空気。
『………はぁ』
本日何回目になるかわからないため息を吐き出した。
今日も営業先で失敗した。
私の上がり症のせいで、先輩たちに迷惑かけて。
…全く、嫌になる。
『…はぁ』
「まーた落ち込んでるの?」
先輩が茶化すように言う。
困ったような顔をしてるから、きっと励まそうとしてくれているのだろう。
『…すみません。ちょっと外の空気吸ってきます』
そう言って私は屋上へと向かった。
ー独歩視点
「…はぁ」
今日もハゲ課長にこってり絞られてしまった…
取引先の相手の機嫌が悪い、君が営業に行ったからだと。
俺が悪いのか?
…俺が悪いんだ。
全部、俺のせい俺のせい俺のせい…
そんなことを思いながら、気分転換に屋上へと向かった。
ーーーーーー
『…はぁ』
柵に体をもたれ掛からせ、屋上から身を乗り出して辺りを見渡す
…こんなにこの辺りって広いんだなぁ…
と、気分転換に考えていたときだった
「はっ…!?」
という声と、ボトッとなにかを落とす音が聞こえた
ん?と思って振り返ると、同じ課の観音坂さんが目を見開いて、わたしを見ていた
「…そ、そんなに思い詰めていたのか…」
ぶつぶつと呟いている
「あ、あの!」
『?はい、なんでしょう?』
「し、仕事が辛いなら、お、俺が手伝います!」
『…え?』
「何か悩みがあるんだったら、俺が話を聞きます!…いや、こんな三十路のおっさんに話なんて聞かれたくないかもしれないけど…でも!死ぬのなんてよくないです!そ、そうだ!俺の知ってるいい先生紹介しますから!ね?」
『…え?』
…ちょっと待て。
観音坂さん盛大に勘違いしていないか?
とは思ったが、観音坂さんは必死に説得をしようとしてくる。
…彼は、優しい人なんだろうな。
なんだか、彼の必死な姿を見たら、緊張がほぐれた気がした。
『…観音坂さん、ありがとうございます』
「!!…じゃあ…!」
『でも、あの…私、死のうとしてないので…』
「…え…!?じゃ、じゃあ、俺の早とちりですか…!」
そういうが早いか、観音坂さんはしゃがみこみ何かぶつぶつと言っている。
「これだから俺は駄目なんだ。俺が悪い俺が悪い俺が悪い俺が悪い…」
『でも!』
「…え…?」
観音坂さんが顔をあげる
『観音坂さんの気持ち、嬉しかったです』
「…そ、そうですか…?」
『はい。…ありがとうございます』
「い、いえ…」
その日から、私と観音坂さんは、たまに屋上で会っておしゃべりするようになった。
二人が惹かれ会うのは、そう遅くない話。
勘違いから始まる
(そんな話だってある)