翌日、入間さんが一瞬で通り魔を制圧したという噂が広まっていた


どうやらご都合展開で、私が皆さんにヒプマイのサイトを見せた後、この世界からヒプマイの存在が消えてしまったようで、騒ぎになることはなかった


ただ、近所の井戸端会議しているおばさんやママさんたちからは、入間さんの容姿や勇敢さが評価されていた



流石…異世界の現役警官…


そしてなんと、我が家の近くに警察署の偉い人が住んでいたらしく、入間さんの噂を聞き付けて、話を聞きに来た








ピンポーン


『はーい。…？…どなたですか…？』


インターホン越しに姿を確認すると、明らかに不審者というような格好の男性がうちの前に立っており、私は固まる


「…みのりさん、どうしました？」


そこに丁度良く入間さんが現れると、私から入間さんに、不審者(仮)の対応が変わった


「…失礼ですが、この家になに用で？」


「…」


「黙っていられてはこちらとしても困るのですが…」


「…」


「…はあ」


入間さんがため息を着いたとき、不審者(仮)が中に入って来ようとしたので、入間さんは制圧しようとする


…が、相手も手練れらしく、苦戦したところで


「…うん！合格だ！」


「…は？」


いきなり不審者(仮)にそう言われ、入間さんは真顔になる


「いやいや、実は私はこういう者でね」


と、不審者(仮)から貰った名刺には、警視庁刑事課警部と書かれていた


「…え、警視庁の警部が、私に何の用で…？」


入間さんが顔をひきつらせながらそう言うと、


「いや、実は君の先日の活躍を聞いてね、試させて貰ったんだよ！」


「え、は…試す…？」


ずり、と入間さんの眼鏡がずれた


「実はね、昨今の警官は柔なやつばかりで、誰か鍛え直してくれないかなと思っていたところだったんだよ。その役、買って出てくれないか？」


と言われ、入間さんはなんだか悩んでいる様子だった


入間さんがちらりと私の方を見たので、私はしっかり入間さんの思う通りにしてほしいと思い


『入間さんがやりたいと思ったらやれば良いと思いますよ。ただ無理する必要もないです』


と告げると、入間さんは少し黙りこんだのち、


「…わかりました。お引き受けしましょう」


と答えた


「おお！ありがとう！詳しいことは後日また説明にくるから、その時は宜しく頼むよ！」


と言われ


『はい、こちらこそ入間さんを宜しくお願いします』


と頭を下げた



　



　

警官へ

(現役警官復帰)