文化祭とは(元拍手十一月)
name change
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
▼
「服飾責任者を連れてきなさい!! いますぐによ!!」
さて、慌てて給仕を務める双子を尻目に、シフト外だと言えども何もしない訳にもいかないだろう。
折角目立つ格好をしているのだからとシフティに言われた通り、手持ちの宣伝看板を持って客引きがてらに散策に出た。出店や展示を横目で見ながら、ちらちらと看板に向けられた視線を見つけては合わせて声をかけていれば不意に知った顔とかち合う。
同系色の頭にピンクの大きなリボンを揺らし、片手を腰に立腹する可愛らしい女の子。
「……違うんだギグルス着こなせてないのはオレのせいで服は悪くないんだ」
「あら、優しいのね。でも違うわよ、ギグはイチにもっと似合うように仕立てて欲しかっただけなのよね?」
「ペチュったら甘やかしちゃだめよ!」
ギグルスの両肩に手を置いて現れたペチュニアは穏やかに言うが、振り仰いで怒るギグの調子は変わらない。いや、ここまでの他評でいい加減ちょっと似合わなさがおかしい自覚はしてきたが。
残念ながら服飾責任者は呼べないが、代わりにちゃんとしたメイドなら用意が出来る。双子の執事も。
「まぁ、あの……営業中だ、良かったら来て欲しい──執事も居る」
「…… イチはいつお店にいるのよ?」
溜飲が下がったのかそれとも諦められたのか、やや膨らんだままの頬でギグルスは問う。
「今日は……暫くは入ってないな。明日は朝から居るよ」
「なら明日行くわ」
リボンがふわりと舞う。
ふん、と顔を逸らしながらも約束してくれる少女に礼を言えば、隣でペチュニアが手を打った。
「そうだわ、良かったら私のクラスにも遊びに来ない? ──って言いたいところだけど」
「ダメよ、ペチュ。今日の分の整理券は終わっちゃったんでしょ?」
「そうだったわね、ごめんなさい言いながら思い出したわ」
「整理券? 盛況してるんだな」
そういえば二人ともオレや双子とは違い正規の制服姿だが、何か展示でもしているのだろうか。
「おばけ屋敷なんだけど、セットが本格的で評判がいいのよ。ハンディのお陰かしら?」
「ハンディは学年が別じゃないか?」
「そうなのよね……でも手伝ってくれたのよ」
「ペチュがいるからでしょ」
少し腕が疲れてきたので看板を下ろした。そのせいで空気が動いたのか、ふわりと微かに香る清涼感のある香り。ペンダントにしたフレグランスを胸元に揺らして、「そんな風に言わないのよギグ」と宥めながらもペチュニアがハンディと仲が良い事は知っている。
仏頂面をしている事が多いが、そもそもハンディは人が良いので友人のためならそのくらいの手伝いはするだろう。
「だから私達も後でハンディのクラスの出し物を見に行くのよ」
まだ少し時間があるけれど、とペチュニアは仕切りなおすように言う。それは……時間が合えばオレもぜひ見に行きたいな。
「出し物って、何するの?」
「あら?知らない?」
ハンディ……三年生、確か生徒会長とフリッピーも同じクラスだったように思うけれど。そういえば寡聞にして彼らが何をするのかは知らなかった。
すると何故か不思議そうに一つ下の後輩は小首を傾げると、それがまるで自明であるかの様に当たり前のように言い置いた。
「劇よ」
【高等部 1年 H組 おばけ屋敷】
→
「服飾責任者を連れてきなさい!! いますぐによ!!」
さて、慌てて給仕を務める双子を尻目に、シフト外だと言えども何もしない訳にもいかないだろう。
折角目立つ格好をしているのだからとシフティに言われた通り、手持ちの宣伝看板を持って客引きがてらに散策に出た。出店や展示を横目で見ながら、ちらちらと看板に向けられた視線を見つけては合わせて声をかけていれば不意に知った顔とかち合う。
同系色の頭にピンクの大きなリボンを揺らし、片手を腰に立腹する可愛らしい女の子。
「……違うんだギグルス着こなせてないのはオレのせいで服は悪くないんだ」
「あら、優しいのね。でも違うわよ、ギグはイチにもっと似合うように仕立てて欲しかっただけなのよね?」
「ペチュったら甘やかしちゃだめよ!」
ギグルスの両肩に手を置いて現れたペチュニアは穏やかに言うが、振り仰いで怒るギグの調子は変わらない。いや、ここまでの他評でいい加減ちょっと似合わなさがおかしい自覚はしてきたが。
残念ながら服飾責任者は呼べないが、代わりにちゃんとしたメイドなら用意が出来る。双子の執事も。
「まぁ、あの……営業中だ、良かったら来て欲しい──執事も居る」
「…… イチはいつお店にいるのよ?」
溜飲が下がったのかそれとも諦められたのか、やや膨らんだままの頬でギグルスは問う。
「今日は……暫くは入ってないな。明日は朝から居るよ」
「なら明日行くわ」
リボンがふわりと舞う。
ふん、と顔を逸らしながらも約束してくれる少女に礼を言えば、隣でペチュニアが手を打った。
「そうだわ、良かったら私のクラスにも遊びに来ない? ──って言いたいところだけど」
「ダメよ、ペチュ。今日の分の整理券は終わっちゃったんでしょ?」
「そうだったわね、ごめんなさい言いながら思い出したわ」
「整理券? 盛況してるんだな」
そういえば二人ともオレや双子とは違い正規の制服姿だが、何か展示でもしているのだろうか。
「おばけ屋敷なんだけど、セットが本格的で評判がいいのよ。ハンディのお陰かしら?」
「ハンディは学年が別じゃないか?」
「そうなのよね……でも手伝ってくれたのよ」
「ペチュがいるからでしょ」
少し腕が疲れてきたので看板を下ろした。そのせいで空気が動いたのか、ふわりと微かに香る清涼感のある香り。ペンダントにしたフレグランスを胸元に揺らして、「そんな風に言わないのよギグ」と宥めながらもペチュニアがハンディと仲が良い事は知っている。
仏頂面をしている事が多いが、そもそもハンディは人が良いので友人のためならそのくらいの手伝いはするだろう。
「だから私達も後でハンディのクラスの出し物を見に行くのよ」
まだ少し時間があるけれど、とペチュニアは仕切りなおすように言う。それは……時間が合えばオレもぜひ見に行きたいな。
「出し物って、何するの?」
「あら?知らない?」
ハンディ……三年生、確か生徒会長とフリッピーも同じクラスだったように思うけれど。そういえば寡聞にして彼らが何をするのかは知らなかった。
すると何故か不思議そうに一つ下の後輩は小首を傾げると、それがまるで自明であるかの様に当たり前のように言い置いた。
「劇よ」
【高等部 1年 H組 おばけ屋敷】
→