元拍手十一月
name change
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
【おまけ Ⅰ イチ&覚醒 VS ディド(ハロウィンver.) 】
何の前触れもなく、その衝撃はやって来た。
「……ッな!?」
「え……?」
爆音と共に、ソファに差し向えで腰掛けるオレたちの横側、趣味の良い壁紙に覆われた壁が吹っ飛んだ。
木材と、セメントと、その他諸々あらゆる資材を活用して作られている丈夫な筈の、家の一部はしかし砂糖菓子のような脆さでその身全体に罅を入れた。ついでのように窓が割れ、派手な音と共に窓枠が部屋の中に降ってくる。
フリッピーの家が、部屋が広くて助かった。さもなくばこの、破片と衝撃だけで二人とも何らかの怪我を負っていたことだろう。
「ックソが!!」
反応は、ほぼ同時に。
反射的に立ち上がり振り仰いで今にも崩れそうな壁を見て、しかし先に動いたのはやはりフリッピーだった。一日限定の細腕を伸ばし、目の前に鎮座するテーブルの天板を持ち上げようとして、明らかな腕力不足に悪態をつく。
「──代わるっ」
隣でその一部始終を目撃し、咄嗟に意図を汲んだオレは同じく手を伸ばす。そしていつもならば考えられない事に片手でテーブルを持ち上げると、件の壁に向って盾にするように片立て、渾身の力を載せて蹴り出した。横目に、真ん丸に見開かれた金色がちらりと映る。
「っ、ぅあ」
が、慣れない事はするものではない。
思いっきり蹴りを食らわしたは良いものの、バランスを崩して盛大に転びかけてしまう。しかも仰向けに。
「チッ、馬鹿やってんじゃねぇぞガキ!」
次の瞬間、舌打ちと共に横から伸びてきた腕により、床に引き倒される。
それによって体の側面を強かに打ちつけた訳だが、けれど後頭部直撃は免れた。……どうやら、助けてくれたらしい。
「ありがとう」
肩の痛みを往なしつつ、起き上がりながら礼を言えば、
「言ってる場合か」
ぞんざいに切り捨てる、斜め上にある端正な顔は真っ直ぐに正面を見つめていた。
その視線を追えば、どうやらテーブルは狙い違わず崩落寸前の壁へ向って飛んでくれたらしい。そしてぶつかる、と、思った瞬間。
どごぉんッ!!
と、案の定襲い来る轟音と第二波。
オレの、そしてフリッピーの思惑通り、簡素に、しかし重厚に造られたテーブルは盾となりその衝撃を分散してくれはしたものの、当の壁はあっけなく崩れ去る。がらがらと連続して引っ切り無しに届く耳障りな崩落音。床を這うように広がり、ぶわりと舞いあがる土煙。
やがて破壊の副産物たる白い煙幕が晴れて行き、
「……あれ」
立派な家に、豪快な穴が開いているのは予想済みとして。
……やってのけた犯人が見当たらない。建物の壁なんてものを素手で、しかもフリッピーの家を狙い打って壊すような人は一人しか居ないと思っていたのだが。その姿が有るべきところに視線を向けても、探し人と同じ青の、晴れた空が見えるだけ。
「おい」
オレの困惑を晴らすのはまたしても、隣から伸びた腕だった。
……またしても、暴力的ではあったが。
未だに屈みこんで膝立ちになるのがやっとのオレと違い、フリッピーはとっくに立ち直り、この時点で犯人消失のギミックにも気付いていたらしい。さすが、元軍人。危機的状況に対する順応力が高い。但し今、その外見はとても可愛らしい少女な訳だが。
頭を掴んで。
その非力さを厭うように全力でオレの後頭部を鷲掴みにして、押さえつけるように床へ向ける。首が嫌な音を立てた気がするが、まぁ大丈夫だろうまだ生きてる。
そうやって首の関節を対価に、オレの視点は物理的に下がった。そのお陰で、『ソレ』が目に入る。
「やぁ!!なにか悲鳴が聴こえた気がするのだけれど」
業とらしいまでに痛々しいくらい、にこやかな笑顔と快活な挨拶。星でも飛びそうな程に輝く、髪と同じ空色の瞳。
「僕を呼んだのは──」
そして、いつもより余りの多い赤い目隠し鉢巻。何重にも折られたジャージを纏う細い腕。今にも脱げてしまいそうなサイズの合わない靴を履いた小さな足。
「──君達かな?」
そこにいたのは、平素よりも明らかにサイズの縮んだこの街のヒーローだった。
【end】
実はショタ化してたヒーロー
力尽きました……
→
何の前触れもなく、その衝撃はやって来た。
「……ッな!?」
「え……?」
爆音と共に、ソファに差し向えで腰掛けるオレたちの横側、趣味の良い壁紙に覆われた壁が吹っ飛んだ。
木材と、セメントと、その他諸々あらゆる資材を活用して作られている丈夫な筈の、家の一部はしかし砂糖菓子のような脆さでその身全体に罅を入れた。ついでのように窓が割れ、派手な音と共に窓枠が部屋の中に降ってくる。
フリッピーの家が、部屋が広くて助かった。さもなくばこの、破片と衝撃だけで二人とも何らかの怪我を負っていたことだろう。
「ックソが!!」
反応は、ほぼ同時に。
反射的に立ち上がり振り仰いで今にも崩れそうな壁を見て、しかし先に動いたのはやはりフリッピーだった。一日限定の細腕を伸ばし、目の前に鎮座するテーブルの天板を持ち上げようとして、明らかな腕力不足に悪態をつく。
「──代わるっ」
隣でその一部始終を目撃し、咄嗟に意図を汲んだオレは同じく手を伸ばす。そしていつもならば考えられない事に片手でテーブルを持ち上げると、件の壁に向って盾にするように片立て、渾身の力を載せて蹴り出した。横目に、真ん丸に見開かれた金色がちらりと映る。
「っ、ぅあ」
が、慣れない事はするものではない。
思いっきり蹴りを食らわしたは良いものの、バランスを崩して盛大に転びかけてしまう。しかも仰向けに。
「チッ、馬鹿やってんじゃねぇぞガキ!」
次の瞬間、舌打ちと共に横から伸びてきた腕により、床に引き倒される。
それによって体の側面を強かに打ちつけた訳だが、けれど後頭部直撃は免れた。……どうやら、助けてくれたらしい。
「ありがとう」
肩の痛みを往なしつつ、起き上がりながら礼を言えば、
「言ってる場合か」
ぞんざいに切り捨てる、斜め上にある端正な顔は真っ直ぐに正面を見つめていた。
その視線を追えば、どうやらテーブルは狙い違わず崩落寸前の壁へ向って飛んでくれたらしい。そしてぶつかる、と、思った瞬間。
どごぉんッ!!
と、案の定襲い来る轟音と第二波。
オレの、そしてフリッピーの思惑通り、簡素に、しかし重厚に造られたテーブルは盾となりその衝撃を分散してくれはしたものの、当の壁はあっけなく崩れ去る。がらがらと連続して引っ切り無しに届く耳障りな崩落音。床を這うように広がり、ぶわりと舞いあがる土煙。
やがて破壊の副産物たる白い煙幕が晴れて行き、
「……あれ」
立派な家に、豪快な穴が開いているのは予想済みとして。
……やってのけた犯人が見当たらない。建物の壁なんてものを素手で、しかもフリッピーの家を狙い打って壊すような人は一人しか居ないと思っていたのだが。その姿が有るべきところに視線を向けても、探し人と同じ青の、晴れた空が見えるだけ。
「おい」
オレの困惑を晴らすのはまたしても、隣から伸びた腕だった。
……またしても、暴力的ではあったが。
未だに屈みこんで膝立ちになるのがやっとのオレと違い、フリッピーはとっくに立ち直り、この時点で犯人消失のギミックにも気付いていたらしい。さすが、元軍人。危機的状況に対する順応力が高い。但し今、その外見はとても可愛らしい少女な訳だが。
頭を掴んで。
その非力さを厭うように全力でオレの後頭部を鷲掴みにして、押さえつけるように床へ向ける。首が嫌な音を立てた気がするが、まぁ大丈夫だろうまだ生きてる。
そうやって首の関節を対価に、オレの視点は物理的に下がった。そのお陰で、『ソレ』が目に入る。
「やぁ!!なにか悲鳴が聴こえた気がするのだけれど」
業とらしいまでに痛々しいくらい、にこやかな笑顔と快活な挨拶。星でも飛びそうな程に輝く、髪と同じ空色の瞳。
「僕を呼んだのは──」
そして、いつもより余りの多い赤い目隠し鉢巻。何重にも折られたジャージを纏う細い腕。今にも脱げてしまいそうなサイズの合わない靴を履いた小さな足。
「──君達かな?」
そこにいたのは、平素よりも明らかにサイズの縮んだこの街のヒーローだった。
【end】
実はショタ化してたヒーロー
力尽きました……
→