ランピーがオカ板にひとりかくれんぼ実況スレを立てる事により周りを巻き込みつつ被害を拡大させていく話
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【story of addition - 1】
194:鈍感
あれ
>>190 なんでわかったの?
自分の書き込みが正常に送られているのを確認し、ランピーはいつも通りにへらりと笑う。
「んー、昔から勘の良い子ではあったけどぉー」
それにしてもピンポイント過ぎるんじゃないかな?
スマートフォンの液晶を暗転させて、ジーンズのポケットへ適当に押し込み、そして見下ろすはたった今、自分の手で置いたナイフ。腹に刺し傷のあるぬいぐるみ、場所は、浴室。そう──実況と銘打っておきながら、断りもなくゲームを開始させていた。
ぴちょん、と、天井に結露した雫が落ちる。
「ま、もぉ始めちゃったし?しょーがないよねーえっ」
とりあえず隠れてー、そんでからスレに報告すれば良いやー、と、暗闇に沈んだ家の中、不相応に暢気に隠れ場所へ向うその姿からはまるで恐怖心を感じられない。流石に浴室へ出てからは独り言もなりを顰めるが、逆に言えば顰めたのはそのくらいで陽気な態度は無言のうちに滲み出ている。
途中、台所に寄って、今更、しかも暗がりの中殆ど手探りで塩水を作り適当にペットボトルへ詰めて、わざとチャンネルを合わせた放送終了後の画面を表示するテレビを横目にスルーし寝室へ。
学生にしては贅沢な間取りであると自覚しているがそれでもアパート住いの身。
隠れる場所は最初からクローゼットの中だと決めていた。
あそこなら携帯の充電コードも届くしねっ!と、気紛れに辺りの写真を取りながら辿り着いた寝室で。
不意に思い立って、手元のスマホをじっと見つめる。
思ったより人が集まった、……というかまさかここまで知人が沸くとは。
双子はともかく、イチちゃんの方はちょっとマズイなぁ、鈍感ことランピーは思考する。
別にあの小さな少女の何が悪いと言うわけではない。但し彼女を巻き込んで余計な事をした場合、その後ろ盾が黙っていないのが恐ろしい、というだけの話であって。
クローゼットの扉に掛けた手が中途半端に動きを止めた。
「…………」
一応の予防線を。
張って置いた方が良いだろうか。
盲者誘導用の白杖が肉に食い込む鈍い痛みを思い出して、ここにきて初めてランピーの背に冷や汗が伝う。
オカルト実況中なのに、オカルト要素零である。いやでもだって怖いし。イチちゃんに何かあった場合は多分、僕の命ないし。ぶっちゃけオバケより怖いし。
やがて考えあぐねたランピーは、何処か吹っ切れたように隠れ場の両扉を開け放つ。もともと勢い重視な性格である。案の定と言うべきか。くるんと器用に長身を折りたたみ、決して広くは無い洋服ダンスの中に座り込んだ。間を置かず携帯を光らせまず立ち上げたのは、ウェブブラウザではなくメール画面。
新規作成の項目をタッチしながら、さて、と文面を組み立てる。ついでに送り先も。
保険でしかないけど……やっぱり、お助けキャラと言えば、彼だろうか?
実際に人助けをしていた事なんて片手の指すら余る、物理的にも概念的にもぶっ壊し屋の、自称正義の味方ではあるが。
でも、だからこそマズイ事になったら責任押し付けちゃえるしぃ?
妙なところで計算高いランピーは、ふふん、と腹黒めいた笑みを浮かべてアドレス帳を呼び出しながら、ふと思い出したように腕を伸ばして。
──そしてクロゼットの扉はぱたん、と閉じた。
【continue?】
→ちょっとした補足