知識
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「話のポイントは抑えられてると思います。僕が知ってるのと同じでした」
一通り話し終えると、スニッフルズは学校の先生のように言って、オレが読んでたのとは違う棚から本を一冊抜き取った。
「どうぞ」
「どうぞ?」
「イチさんがいってる話、これです」
受け取ってみると、それはどちらかといえば薄い本だった。
題名と作者が書いてあるだけのシンプルな装丁で、見たことあるような、……無いような。
とりあえず『きゃろる』が作者の名前だということは初めて知った気がする。
「伝聞、とかじゃないでしょうか?」
「え?」
「ここまで話の内容を把握しているのに、作者を知らないというのはどうも……それにずっと思ってたんですが、イチさんはよく『らしい』とか『──なんだって』とか、そういう……」
と、スニフが言った時だった。
──パンッ、どん、ガタガタっ、と。
「「…………」」
薄い壁一枚隔てて、いやな感じの音がこだました。
この部屋にはドアが付いている。開くと両側に本棚が設置してあり、廊下のようになっていて、その本の廊下を少し歩けば、エントランスホールが開けている。この建物は中々大きいらしく、ここと同じつくりの部屋がいくつかあるらしい。ホールにも長机があって、女の子たちが雑誌を読んでいた。
なんでこんなことを考えているのかというとそれはまあ現実逃避というヤツだ。
──あまり正体を考えたくない音が聞こえてくるから。
「スニッフルズ、足音が聞こえる」
「奇遇ですね、僕にも聞こえます」
顔を合わせたスニフは若干顔色が悪い。しかもすでに諦めたような表情だ。
「まだ死ぬと決まったわけじゃないだろ」
「いえ、これは無理でしょう。物音がフラグ過ぎます。どうせまたフリッピーさんが覚醒したんじゃないですか」
「また?」
「はい。一度ここで殺されたことありますからね」
はぁ、と深いため息をつくスニフ。オレより年下のはずなのに、なんでこんなに投げやりなんだこの子。
「そういえばイチさん、覚醒したフリッピーのこと追い回してるらしいじゃないですか」
「お、いまわしてはいない。逃げないだけで」
「それは弱点を見つけたとかそういう」
「違う。毎回きちんと殺されてるよオレは」
それもどうなんでしょう。と呆れるスニッフルズ。言わせたのは自分だろう。
「名前もまだ解ってないんだ」
「あるんですか?……というか知ってどうするんですか、それ」
確かにオレも呼ぶ以外には思いつかないけれど。
「覚醒フリッピーのストーカーが二人に増えたって、聞いたんですけどね」
「いや、ストーキングはしてない。ていうかそもそも増えたってことは、……!」
またしてもオレ達の会話は途中で切れた。
足音が止まったからだ。この部屋の、ドアの前で。
スニフと顔を合わせる。
少年は眼鏡のズレを直す事なく、『今日はもー死んだ』みたいな顔で達観していた。
オレはとりあえず金目の方のフリッピーだったときのためになるべく分厚い本を持って立ち上がった。うん、第一発目はこれで防ごう。
がちゃっ、とドアノブが回る。
そして次の瞬間勢いよく開かれたドアから弾けるように入り込んできたのは──
「スニフ!ナッティはもっと甘いモノを食べるべきだと思うッ!!」
「…………思いません」
何故か片頬を赤くしたナッティだった。
秀才の予想も、たまには外れるらしい。
→
「話のポイントは抑えられてると思います。僕が知ってるのと同じでした」
一通り話し終えると、スニッフルズは学校の先生のように言って、オレが読んでたのとは違う棚から本を一冊抜き取った。
「どうぞ」
「どうぞ?」
「イチさんがいってる話、これです」
受け取ってみると、それはどちらかといえば薄い本だった。
題名と作者が書いてあるだけのシンプルな装丁で、見たことあるような、……無いような。
とりあえず『きゃろる』が作者の名前だということは初めて知った気がする。
「伝聞、とかじゃないでしょうか?」
「え?」
「ここまで話の内容を把握しているのに、作者を知らないというのはどうも……それにずっと思ってたんですが、イチさんはよく『らしい』とか『──なんだって』とか、そういう……」
と、スニフが言った時だった。
──パンッ、どん、ガタガタっ、と。
「「…………」」
薄い壁一枚隔てて、いやな感じの音がこだました。
この部屋にはドアが付いている。開くと両側に本棚が設置してあり、廊下のようになっていて、その本の廊下を少し歩けば、エントランスホールが開けている。この建物は中々大きいらしく、ここと同じつくりの部屋がいくつかあるらしい。ホールにも長机があって、女の子たちが雑誌を読んでいた。
なんでこんなことを考えているのかというとそれはまあ現実逃避というヤツだ。
──あまり正体を考えたくない音が聞こえてくるから。
「スニッフルズ、足音が聞こえる」
「奇遇ですね、僕にも聞こえます」
顔を合わせたスニフは若干顔色が悪い。しかもすでに諦めたような表情だ。
「まだ死ぬと決まったわけじゃないだろ」
「いえ、これは無理でしょう。物音がフラグ過ぎます。どうせまたフリッピーさんが覚醒したんじゃないですか」
「また?」
「はい。一度ここで殺されたことありますからね」
はぁ、と深いため息をつくスニフ。オレより年下のはずなのに、なんでこんなに投げやりなんだこの子。
「そういえばイチさん、覚醒したフリッピーのこと追い回してるらしいじゃないですか」
「お、いまわしてはいない。逃げないだけで」
「それは弱点を見つけたとかそういう」
「違う。毎回きちんと殺されてるよオレは」
それもどうなんでしょう。と呆れるスニッフルズ。言わせたのは自分だろう。
「名前もまだ解ってないんだ」
「あるんですか?……というか知ってどうするんですか、それ」
確かにオレも呼ぶ以外には思いつかないけれど。
「覚醒フリッピーのストーカーが二人に増えたって、聞いたんですけどね」
「いや、ストーキングはしてない。ていうかそもそも増えたってことは、……!」
またしてもオレ達の会話は途中で切れた。
足音が止まったからだ。この部屋の、ドアの前で。
スニフと顔を合わせる。
少年は眼鏡のズレを直す事なく、『今日はもー死んだ』みたいな顔で達観していた。
オレはとりあえず金目の方のフリッピーだったときのためになるべく分厚い本を持って立ち上がった。うん、第一発目はこれで防ごう。
がちゃっ、とドアノブが回る。
そして次の瞬間勢いよく開かれたドアから弾けるように入り込んできたのは──
「スニフ!ナッティはもっと甘いモノを食べるべきだと思うッ!!」
「…………思いません」
何故か片頬を赤くしたナッティだった。
秀才の予想も、たまには外れるらしい。
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